○戸塚進也君 第五
分科会における
審査の
経過を御
報告申し上げます。
本
分科会の
担当は、
昭和五十三年度
予算三案中、
警察庁、
北海道開発庁、環境庁、
国土庁、
建設省及び自治省所管の
予算で、三月二十九日から本日の四日間にわたり
審査を行ってまいりました。
以下、日程の順序に従い、
質疑の主な
事項について簡単に御
報告申し上げます。
まず、
北海道開発庁所管につきまして「石狩川振興地域
開発計画の
進捗状況はどうか。関係市町村の下水道
対策としての放水路の完成時期、また、この放水路にかかわる問題として、茨戸川の環境整備
事業が進められているが、その
進捗状況はどうか」などの
質疑がありました。
これに対し、
北海道開発庁長官及び
北海道開発庁当局により、「
開発計画は、四十七年八月に基本計画を策定し
実施を進めてきたが、
経済の低
成長への移行に伴い、当初六十年度完成を
目標としたが若干おくれた。六十年代の前半には目的を達成できるよう努力してまいりたい。放水路については五十五年度か五十六年度までに完成したい。また、浄化
対策については、五十三年度
予算に新規
事業として計上されており、同年度は試験的に工事に着手し、五十四年度以降、その結果に基づいて本浄化
事業の促進を図ってまいりたい」旨の
答弁がありました。
次に、
警察庁所管につきまして、「去る二十六日に発生した過激派による成田空港襲撃事件について、捜査、警備上等から新法制定の必要はないか。また、騒擾罪適用について積極的に
検討する
考えはないか。さらに、このような事件に携わる警察官に対しては格別手厚い処遇がなされるべきではないか。自動車仮免許取得者の高速道路走行は、高速道路の実情、交通安全等の見地から規制を強化すべきではないか。また、警察の規制通達に対し、自動車教習所の教官から反対
意見が出されているが、
政府はこれにどう対処するか」など
これに対し、
国家公安委員長、
警察庁及び関係当局より、「今回の事件は
現行法で対処し得る。騒擾罪の適用については、今回の場合、凶器準備集合罪、殺人未遂の適用となるが、今後の問題として騒擾罪に該当するものについては積極的に適用する。警察官に対する処遇は今後、格別の配意をしてまいりたい。高速道路の走行についてはスピードを時速七十キロから八十キロで抑える等、事故防止に努めている。通達についての自動車教習所側の反対については、これはあくまで注意義務を示したもので、強制するものではなく、相互の話し合いで円満な体制が整うことが必要である」旨の
答弁がありました。
次に、
国土庁所管につきまして、「奄美群島振興
開発特別
措置法は、五十三年度末期限切れとなるが、これを存続する
考えはないか。また、同群島の振興整備促進には沖繩県並みの高率補助を行う必要があるのではないか。特別豪雪地帯の指定基準の見直し作業についてはどうなっているか」などの
質疑がありました。
これに対し、
国土庁長官及び関係当局より、「奄美振興
措置法の五十四年度以降の処置については、五十二年に県が
実施した実態調査もあり、奄美群島振興審議会の
意見を聞き、さらに衆参両院の附帯決議をも踏まえ、納得のいく対応をしてまいりたい。また、国庫補助については、沖繩県並みはいろいろの事情でむずかしいが、五十二年度
予算では前年度に比較し四六%の大幅増とした。今後とも特段の
配慮により振興
開発を進めてまいりたい。指定基準の見直しに当たっては、豪雪
対策審議会の結果を待って、関係各省と
調整の上、早急に結論を得たい」旨の
答弁がありました。
建設省所管につきましては、「高速道路
建設に当たっては、環境保全に最大の
配慮が必要と思うが、
政府はこの問題をどのように
考えるか。同和
対策事業特別
措置法の期限を延長し、その
内容を強化する必要があると
考えるがどうか。官公需の発注に当たっては、中小企業者に対し特段の配意をすべきでないか。荒川流域下水道
事業の概要はどうか。今後の宅地供給の方針はどうか」などの
質疑がありました。
これに対し、
建設大臣及び関係当局より、「新道路整備五カ年計画においては環境問題に特に注意しているところで、高速道路の
建設認可を与える際には当然
配慮する。同和
対策事業は各
省庁にまたがっており、また残
事業を相当抱えている
状況なので、関係各省と協議を重ね、同和問題の解決を図るため、
措置法の延長問題及び
内容の改善を含め今後努力を重ねてまいりたい。景気回復のための公共
事業の執行に当たり、中小企業者を重視することは当然で、従来の
建設省のランクづけに見合う各中小企業者に対し、でき得る限りの発注をいたすべく努力している。荒川流域下水道は、五十五年度までに供用を開始したい
考えで目下鋭意工事を進めている。宅地政策については、現在、市街化区域内に農地が相当あり、これらの土地が宅地として
利用されていく余地が十分あるし、また、宅地
開発公団、住宅公団等、
政府関係
機関により供給を促進する等の施策を講ずることによって対処したい」旨の
答弁がありました。
自治省所管につきまして、「自治体病院の
赤字経営を一般会計から繰り出しによって恒常的に援助しなければならぬ現状に対し、今後どう対処するか。消防団を
外国にあるような民間防衛組織と同様な位置づけをする
考えはないか、また、消防団への処遇改善の
一環として年金制度の適用を
考えてはどうか。
地方財政における自主財源不足について
政府はどう
考えるか。最近の大学等に見られる学園暴力に対し、
政府は厳しい姿勢で臨むべきではないか」等の
質疑がありました。
これに対し、自治
大臣及び関係当局から、「自治体病院の
赤字問題については、五十一年度決算では
社会診療の改定、人件費の抑制等により、全体的にはかなり好転している。法律上認定された繰出金については、各公共団体が自主的に適正な額を繰り出すのが筋だと
考える。消防団の問題は、国を守る自衛隊組織にはおのずから限界があり、百万人を超える消防団員の郷土愛、旺盛な気概に対する
国民の期待が大きいことは承知している。また、消防団員に対する年金制度の導入についてはよく
研究してまいりたい。自主財源不足については、ことに五十三年度は三兆円を超える財源不足となっており、これに対してはいろいろ
措置してきたが、今後、長期的には財政の強化を積極的に図っていきたい。学園暴力については、大学の自治は尊重せねばならないが、治外法権であってはならない、違法行為があれば断固たる処置をとる決意である」旨の
答弁がありました。
環境庁所管につきまして、「瀬戸内海環境保全臨時
措置法がことし九月期限切れとなるが、延長の必要なことははっきりしているが、いつ後継法を提案するか。また、環境アセスメント法は今
国会に提出できるか。東京湾岸道路、東京湾横断道路等の公害防止策はどうなっているか。東京都の杉並区等四区が健康被害補償法による第一種地域指定を受けていないのは、患者発生の
状況、窒素酸化物の
状況から見て再
検討すべきでないか」等の
質疑がありました。
これに対し、環境庁及び関係当局より、「瀬戸内海環境保全法は関係
省庁と接衝中で、若干の
調整を要する
事項が残っているが、待ったなしの法案なので、成案を得るよう精力的に努力している。環境アセスメント法は環境保全や健康管理と
開発事業の
調整を法制化したいと
考えており、目下
事務レベルの最終的な詰めの段階にある。東京湾岸道路については、住宅地の生活保全、騒音遮蔽壁を設け、野鳥の生息地である干潟の保存に道路の構造を
橋梁にしたり、遮光壁を設けるなどの
対策を講じている。東京湾横断道路については、四十一年から五十一年まで
建設省が基礎調査を行ない、五十一年以降、道路公団が
建設実施のための調査を行なっており、現在、水質保全、東京湾の生息物の生態調査等を
実施中である。杉並区等の健康被害補償法第一種地域指定については、この法律適用には大気汚染の程度、被害患者多発等を初め四つの指定要件があり、目下のところこれらの区はこの基準に達していない
状況であり、また、窒素酸化物を指定要件に加える点は、現在までのところデータが不足しており、環境庁でもよくその収集に努めている段階である」旨の
答弁がありました。
質疑は、このほか広範多岐にわたりましたが、その詳細は
会議録によって御承知願いたいと存じます。
以上をもって
報告を終わります。(
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