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参考人(
森永貞一郎君) お答え申し上げます。
公定歩合の引き下げにつきまして、
新聞紙上等にかなりはでに伝えられておるわけでございますが、私
どもといたしましては、今日ただいまのところ、まだ具体的にどうするということは考えてはおりませんので、具体的に
効果がどうかという点についてのお答えがなかなかむずかしいのでございまして、その点をまず御了承いただきたいと存じます。
一般的に申しますと二つの意味があるかと思います。
一つは、この円高によりまして輸出
産業その他の面で
企業収益が減少し、それがまたほかの
産業にも
波及していくことが考えられるのでございますが、公定歩合が下がりました結果、
金融機関の貸出金利が下がり、それによって
企業の金利負担が減少するという、これはいわば救済的な意味での
効果でございましょうか。
もう
一つは、公定歩合が下がり、貸出金利が下がり、長期金利が下がるというようなことによりまして、資本の流出入に影響が及んでくる。たとえば今日
わが国に対する外国からの債券
投資はかなり大
規模に達しておるのでございますが、長期金利が低下することによりまして、その流入の勢いが弱まる。逆に流出 ――円建て外債その他かなりの額に達しておりますけれ
ども、そういう形での流出が勢いづく。あるいは短期的な資金の流出入にも金利引き下げの
効果が出てくるわけでございまして、そういうことが為替市場における為替需給
関係に影響を持つというようなことが考えられるかと存じます。
タイミングがいつがいいのかというお尋ねでございますが、私
どもといたしましては、単にこの為替問題だけじゃなくて、国内
経済全体を総合的に勘案、判断しながら、必要があれば時期を失しないで操作をしなければならないというふうに考えておるわけでございますが、いつ、どうという点につきましては、冒頭に申し上げましたとおり、具体的には考えておりませんことをお答えいたす次第でございます。