○久保亘君 それは大変私は
責任のない発言だと思うんです。
この中に非公認クラブとはいかなるものか、そうしてそのクラブがどういうことをやってきたかという「暴力事件の真相」と題するかなり詳細な
内容が記述されております。そして、その暴力を排除できない理由は何かということまで、この正常化協議会は克明に記述して海部
文部大臣あてに
提出しているのであります。これらの問題が一年以上前に出ているんですから、もしこのときに御検討になっておれば、この
国士舘大学が今日やっぱり公認にしておかにゃいかぬと言っている非公認クラブとは一体何であるか、見ればはっきり書いてあるのであります。それをいま
文部省側がこの
学内問題
対策委員会が発表した非公認クラブというものについて、
文部省としては
承知しておりませんと、こう言われると、一体この学校の暴力問題についてどれだけ真剣に取り組まれておるのか、私は疑わざるを得ないのであります。この中にはこういうことが出てまいります。これが出されます根源になりましたのは、ただ何事もない
段階で、どうにもならぬからというので出た文書じゃなくて、この四月十三日に文書が
提出される約一月前に、読売
新聞に
国士舘大学のクラブ国士拳による——国士拳というのは空手同好会だそうでありますが、
国士舘大学のクラブ国士拳による強制労働集団リンチ事件が報道された。「実はこの種の事件は、本
大学ではしばしば行なわれており、報道の件は正に氷山の一角に過ぎません」、こういうことでこの文書が
提出されております。当時その事件の報道は、
文部省にもかなり大きな関心を持たれる事件であったと私は
考える。国士拳だけではなくて、その直後にも中国拳クラブ、また国防部の幹部交替披露においてはキャバレーで乱闘、新宿警察署員五十名、パトカー七台の出動まで招いております、こういうことが書かれておるんであります。国防部の幹部交替披露、括弧してやくざの親分の襲名のようなものと書いてあります。これがこの幹部交替披露の席で、キャバレーで乱闘をやって、警察が出動したというものであります。こういう事件は、
処分の対象となった事件だけでも、強盗殺人を含め、昨年及び一昨年、ですから五十年と五十一年で六十六件に上っております。こういう書き出しで
文部省に出されたこの文書が、今日まで
大学局長の何らの関心も誘っていないということは、私は非常に重要である、こう思います。そしてこの三月十五日に報道された「下級生二十人に強制労働」、国士拳の「統制長、幹事長、主将ら四人逮捕」、統制長、幹事長、主将と書いてあるから、もう一人は何だろうかと思って中をずっと調べてみましたら、これは国士拳の学外の何かつながりのある団体の国士会というのがまたありましてね、その国士会顧問稲沢某というのが一緒に逮捕されている。この文書を読んでいきますとこういうことになります。「被害を受けた
学生は授業を放棄し、アルバイトを強制されるため
出席不良となり留年せざるを得ません。また暴力を恐れ登校しない
学生に対しては下宿に押しかけ強制呼出しを行ないます。」。
新聞の報道は、今度は強制呼び出しだけではなくて、木刀をもって追い出しと書いてある。「そのため下宿にも帰れず田舎へ帰るわけにもゆかず、住所不明のまま退校して行きます。こうした暴力団まがいの組織は
学内に十五団体ほどあります。」、これが非公認クラブなんであります。その十五団体は「武士道研究会、琉球拳法部、中国拳法部、国士連合会、皇国研究会、大日本
昭和維新会、国士拳友会、
国士舘精神研究会、国士拳、国友会、国防部等」であると書かれております。「また、これに所属する
学生は二百数十名おります。こうした
学生が
学内を濶歩している光景は正に異様な雰囲気であり、真面目な一般
学生は落付いて勉強もしていられない状態です。また、こうした
学内の組織を統括し、操作しているのが学外にある国士会(本学の退学者、稲沢)だと言われております。聞くところによりますと、国士会は幸平一家(本学の退学者、加藤秀幸)と関係があり、それは住吉連合の一派とも聞いております。従って
国士舘大学における暴力機構は根の深いものであり、金銭の結び付きを通して複雑に絡み合っているものと言えましょう。」、こういう文書が海部
文部大臣あてにも
提出されているのであります。だから、こういう文書が
提出されたときに、もっと当時社会の問題ともなっているんでありますから、強制労働リンチ事件というのは。
文部省の方でこの
内容を受けとめて、これに対応する
措置をおとりになっておれば、私は今日までこの暴力事件を頻発させてこなくてもよかったのではないか、こう
考えるんであります。この文書がいまだに
大学局長も全然御
承知になっておらないということは、私にとっては大変な驚きの
一つであります。仮にその当時御
承知なくても、当時この文書が出されておるのであれば、今日のような事件が相次いでくれば当然これらのものは、当時の重要な
文部省に対する訴えとして、今日もこれは検討されるべき問題だと私は思うんであります。この非公認クラブを公認のものにしようということは、暴力の根源となってきた団体を、今度は学校が正式に認知しようと、こういうことになってくるのでありますが、私はここでぜひ警察で御
承知であればお聞きしたいんでありますが、いま私が読み上げました正常化協議会の
提出されました「暴力事件の真相」の中にあります住吉連合というのは、これは警察ではどういう団体として御
承知になっておるのでありましょうか。