○小
巻敏雄君 私に対しても、あの
質問以降手紙が寄せられたり、あるいは
電話をよこされたり、幾つか情報が入ってくるわけですが、確かにその後追手門学院、あるいは近畿
大学にも
ケースが出ておりますし、あのときは
名前は挙げませんでしたけれ
ども、摂南
大学というようなものも大体同様な
状況にあった。これらで、この
学内で決めて、申し出があった場合には寄付金を返却するというようなことを決めておるところも出てきております。それらについても
大学ごとにかなりまちまちであります。本当に厳しく努力をしてもなおかつ資金に苦しむところと、よそもやることだからというので、まあよそ目で言えば比較的権利のようにして安易にやっているところもあると思うんですけれ
ども、むしろ厳しいところでも、かなり努力をして返却の方向へ歩み始めている。たとえば摂南の場合には、三年以内に全廃をしますというような約束をした。初めは
学内で一年以内にということを事務局で言うておったが、内輪で苦情が出て三年にしたというような情報も聞くわけですね。しかし、経済法科
大学なんかの場合には、途中から返すと混乱が起きるから、よかれあしかれことしはやり抜くんだということで、来年以降相談に乗ろうというような若干居直り型のところもありますね。
前
大臣のときに取り上げたことのある大阪歯科
大学なんかでは、その点はかなりクリアにされたとみえて、お気の毒なことですけれ
ども、かなりお医者様の息子が合格しなかったとか、いままでと違って、医者の子弟の合格率が圧倒的であったのが、二〇%台になったとか、いろいろな変化があらわれてくることは事実であります。同時に、このことに対して、世論が妥当な
措置を求めるなら、変化が出てくるということを物語っておるわけでありまして、その点、寛容も時によりけりでありますから、現にこうして努力をしておるところが、まあいわば正直者がばかを見るような格好にならないように、この点は筋を通して、それらの
大学に対して御
指導をいただくこと。これはやっぱり計画的に、いつまでにどうしたいと思いますぐらいの答えは、
調査をすると言われた以上は、御報告がいただけたようなところは、よく後まで見ていただきたいと思うわけであります。
幾つかのところで、この寄付金は全廃をして、学費は据え置きをしたというような
大学も、これも納付金が多いというところにいまなお問題はありますけれ
ども、電通大とか、大阪商大とかいうところでは、そういうような
状況も報告を聞くわけであります。これらの問題を含めて一層御
指導を強化していただきたいと思うわけでありますが、私は、前回予算
委員会のときは、時間の
関係もあって本当に
学生の声や、父母の声を十分
大臣にも御紹介することができませんでしたので、いま一、二御紹介をしておくわけでありますが、やってくる手紙なんかを見ると、どうしてもことし一年でもほうっておけないというようなものがあります。これはわが党の
委員長の宮本議員のところへ寄せられた手紙ですが、
東京のものですね。高等学校であっても五十万円時代といわれる納付金が、どのくらい
教育上にも、あるいは生徒の心理的にも圧力になっておるかというようなものがあるのですね。「私は
私学の一
教員ですが
担任している生徒の実話です。」という書き出しで、妹がいて高校受験を控えているのですが、母親が学費の高い
私学に姉妹二人通われては苦しい家計が耐えられない、おまえはぜひとも学費の安い公立へ合格してくれと毎日毎日妹に言うのを、
私学に通っている姉が聞かされて、暗い気持ちになって、
自分は親不幸者だ、こう思い、さては妹が入学したら
自分はますます肩身が狭いので、ときには妹が不合格であってくれれば私の気持ちも楽になる、こういうようなことを教師に言うというわけですね。それでも高校へは行かねばならぬし、やらねばならぬわけでありますから、こういう点はぜひとも実際の
状況をよく
承知をしておいていただきたいと思うわけであります。
さらに、これはちょうど私の
質問をした翌日の三月十九日の日付で来ておる手紙なんですけれ
ども、入学辞退者には補欠入学納付金全額を返していただきたいと思うのであります、こう言いまして、サンケイ
新聞の記事を見て「私共の家族もその様な被害に出会った事をお伝えします」と、こうありますね。そこで、手紙の要旨を紹介しますと、これは近畿
大学受験の場合ですが、合格発表の前に
大学から連絡があり、「あなたのお子さんは補欠合格で、学校協力金を納めるとすぐ合格通知を出しますが、」ということでした。他の
大学も受けていますので待ってほしいと申し出たのですが、「すぐお払いくださらなければ不合格になる」と言われて、権利を保留するため納入しました。その後他
大学に合格したので、入学を辞退したのですが、三月末に呼ばれて、入学金は仕方がないにしても、前期学費及び協力金は全額返してもらえず、結局強制的に急がされて払った補欠合格の協力金の半額のみ返金してもらいました」と、こういうことでございます。これももらわなかったよりは、はるかにいいでしょうが、この人はもう
一つの
大学に入って、またそこで学納金を払わなければならないわけでありますから、まことに厳しい状態になっております。教えなかった者からこういう権利金のような姿で取っていくというようなことは、少なくとも、こうして世論も追及をし、
文部省でも
指導されると言われる以上、
一つ一つの
大学の内容を明らかにすると同時に、計画的に、少なくともいつまでにどうしますというようなことは明らかにしていただきたいと思うわけであります。
大臣、その点について御答弁を伺っておきます。