○有田一寿君 そこで、三十六億の
外国盤
輸入に比しまして、約二十倍の
洋盤レコードが
国内で
生産されておる。しかしながら、これは全部相当なギャラを海外に払った上で
生産されているという
実態があるわけでございます。それで、
輸入と輸出の比率は、この音楽に関しましては、一対九九というふうに考えてしかるべきものと思うんです。ところが、資本自由化によっていまはフィフティー・フィフティーということで五〇%、
外国も
日本の市場に出資してよろしいということに現実になっておるわけでございますが、その問題も、それからいまのギャラを海外に払う問題もこれは一対九九と、言いかえれば音楽に関しては一方交通であると、全部入ってくるだけで、
日本から出すという面がないということで、その海外に払うべきギャラはぎりぎりまで私は取られておると思うんですよ。これは恐らく企業秘密ですから余り
調査されてもなかなか
レコード会社は言いたくない、言わないと思うんですが、ということは競争原理が働いているわけで、そのレーベルをほかに持って行かれると困るから、向こうの言いなりにどうしても聞かなきゃならぬ。したがって、利益
調査をなされば、べートーベンその他クラシック物からポップスに至るまで、
洋盤レコードはこれだけたくさん
輸入され、
生産もされておりますけれ
ども、余り利益になってないんではなかろうかと思うんです。ということは、一対九九というこの基盤に問題があるわけで、しからばといって、ではこれを半分半分
輸入もし、輸出もするというようなふうに、これは無理にできる問題でもございませんから、これは
日本の現実だと思うので、そこら辺に
レコード製作者が苦労しているということを、これは
認識をしなければならない。したがって、
海賊版の問題、あるいは放送から生
テープに私的
複製をやって、これを頒布する等のことを大っぴらにやられますと、
レコード産業というものは成り立たなくなるというのが
日本の現状であろうと思うわけです。それで、不況になっても
レコードはあんまり売り上げが下がらないということが言われておりますけれ
ども、それはささやかな娯楽だということに原因があろうというふうに私は思うんです。
それで、五十二年度の書籍の出版の
金額と、それから
レコード、
テープの
金額と、競馬、競輪、競艇の
金額と、これおわかりですか。——なければ、どうせこの
資料を見て転記した
数字ですから私から申し上げましょう。これは先ほどお答えになりました
レコード、
テープの
金額が二千二百億、これはこのとおり。それから、出版は一兆五千八百九十三億円ですね、五十二年度。それから競馬、競輪、競艇は四兆三千億円。ですから、
レコードよりも出版の方が八倍なんですよ。だから書籍についての
物品税をいまさらまた取るべきだとは決して私は申しません、それは書籍も
文化商品ですから。しかしながら、一・八%の
物品税を仮に本にかければ、そうすれば、いま
レコードから取っておる三百億近くの年間の
物品税は本に一・八%かけただけで、これで大蔵の財源は同じ財源が確保されるということは言えると思うんです。まあ、しかしそういう暴論を吐くわけではなく、ただたとえの話として申し上げておるだけです。それで、片一方はゼロにして、そして
レコードの方だけ一五%かける。しかも、売り上げからいえばいまの一兆数千億と二千二百億の差ですね、これは私は弱い者いじめ以外の何物でもないというふうに思うわけです。まして
海賊版の
レコード換算で一兆二千八百億円も流通しているということになれば、経営主体が明瞭でありませんから、課税
対象になりにくいんでしょうけれ
ども、仮にこれで法人税を取るとすれば三千億の法人税は年間で確保できる。そうすると、
レコードから三百億をこれ取りやすいから自動的に取れますけれ
ども、私はこれはもう
行政としてはまことに承服しかねるおかしいことではなかろうかと思うわけです。
それから、次にこの学術的なもの、あるいは教育
レコード等ですね、除外
規定の中に列記されてありますものを
大蔵省も言うわけです。これだけ減免措置を講じてありますと言いますが、この
レコード総売り上げの中で、いまの減免措置を受けているものがどの程度あるだろうか、お調べになったことありましょうか。