○丸谷
金保君 この機会に、手前みそでございますけれ
ども、大変申しわけないんですが、時間の
関係でまとめて申し上げたいと思います。
どうも池田町のことばっかりで申しわけないと思いますけれ
ども、それより体験がございませんので。
一昨日写真でお見せしたように、われわれは個人の
造林地の模範になるようにと、少なくとも町有林でもそう心がけてまいっております。したがいまして、
国有林におきましてはもっともっとそういう点国の模範になるようにやってもらわなければなりませんし、さらにまた、そういう点につきましてたとえばこういう経験があります。
昭和三十二年町長になりまして、二、三ヘクタル細々とやっておりました。補助
造林から融資
造林に切りかえれば一遍に五十ヘクタール、百ヘクタールできると、やろうと思いましたところが、植林の人夫がおりません。それから、一遍に
施業案を無視して苗木を要求しても、どこからも供給してくれません。こういう苦い経験で、私自身その
計画をやるのに三年ほど足踏みせざるを得なかった。そして、そういう経験から、やはり苗畑も自分の町でつくらなければだめだ。それから、直営の人夫を賛成してこれで植林や
保育をしなければだめだ、こういうことを痛感した次第でございます。
先日、帯広の営林局長さんがおいでになりまして、常用のおばさんたちと課長が一緒になって、山でどっちがどっちかわからぬように仕事をしているのを実際に見ていただきましたけれ
ども、子供を育てるようにして一生懸命働いてくれる、そういう常用の人たち、常雇いの人たちがいたからこそ、私いまここでこういうことの言えるような美林を築き上げていくことができたと思う次第でございます。
大臣、
国有林の場合、私いまこの法律で十年だ、二十年だという論議をしております。少なくても五十年か百年の大きな物差しをもって考えなければ、本当にいい国土を保全していくということにはならないのではないか。幸いにしていまの
国有林野特別法をいろいろ読んでみますと、これは単
年度の黒字、赤字というふうなことを法定事項として決めているわけでないんで、相当長い赤字、黒字というふうな処置のできるようにわれわれは理解いたします。
幸いにして
大臣も、直営直用については大変理解を深めていただいておりますけれ
ども、もう一歩進んで、何といっても主体をなすのは直営直用でなかったらだめなんだと、私の苦い経験から言っても請負と直用が並列するようなことでなくて、本当に直用で間に合わないようなときには請負に回すということがあっても、これはどうかそういう点を十分お考えいただかないと、いざやろうというときに請負
関係に重点を置くようなことになると、人がいなくなったときに処置ありません。やはり自賄いで山を守るというそういう人たちを末長く養って、あるいはまた、そういう人たちが安心して働けるような、そういう長期の
計画を
作成をしていただきたいと思います。
請負が効率が上がらぬというようなことを言っておりますけれ
ども、ドイツに行ってみましても、すでにもう
国有林で働く人たちの作業の日数なんていうのは週休二日です。白ろう病もありません。そういうような環境条件の中で本当にいい山をつくっているそういう国もあるのですから、いまのいわゆる民間の請負で一万人に二千人も潜在の白ろう病患者がいるというふうな、そういう非常に劣悪な労働条件の中での民間の労働者というふうなものを
対象にして物を判断しないで、そういう各国の林業労働者というふうなものの状態かどうだというところから見れば、私はいまの
国有林にもずいぶんりっぱな人がおります。それからまた、一生懸命やっている人もたくさんおると思います。これらが一人当たり、一時間当たりどれだけの能率を上げるかということになったら、
国有林で長く働いている人の方が私は民間の請負の人よりは能力があると思います。
こういう能力を十分活用できるようにしっかりとがんばっていただきたいし、またそういう点では三十億、四十億というようなわずかな金でなくて、入れるときには国費を思い切って入れて十年や二十年——私は実際に二十年つぎ込みだけやってきました。小さな町でもできるのですから、まして国がその気になってできないはずがない。
大臣は、その点に勇気をふるってがんばっていただきたい。大変直用問題についても御理解を深めていただき、本当にさらにもう百尺竿頭一歩を進めていただくことをお願いいたしまして、物品購入の問題につきましては、どうかできるだけむだを省いて山につぎ込んでくださいということをお願いいたし、一応この件については、もう時間もございませんから
答弁要りませんが、お願いいたしたいと思います。