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坂倉藤吾君
大臣、私はこの
事業推進は、
局長も
答弁していますように、まさに主役は人だと思うんですよね。その人の問題が、いま
局長が言いましたように定員削減でと。ところが、仕事はこれからまだ未知数にふくれ上がってくる課題になっている。この点は、私は大変な、それこそ大きな矛盾じゃないんだろうかと。不必要なものを削減をしていく、仕事がないから当然減らしていくというのは、これはまあ当然な話なんです。ところが、これから強化をしていかなきゃならぬ、しかも具体的に今度は法律的に
制度ができ上がっていく、こういう
状況の中で削減対策にまだなおかつそれを肯定する立場に立つとするならば、私は大変な問題じゃないんだろうかと。しかも、現場の
共済担当の人々は、いわゆる非常に難解な
損害評価をどういうふうにするとかいう具体的な作業までこれが専門的になってくるわけですね。
そうしますと、その
評価の仕方によって、人がやっぱり
評価をすることに、幾らきちんとしたそろばんのめどはあったにしても、最終的な
評価というものはあの人がやったと、こういうことになってくるわけです。しかも、隣と自分とを比較をして、常に損か得かという勘定が現実の姿としては生々しく出てくるわけですね。そうなってまいりますと、これを担当する人にとってみると、私はその人がいかに平常から人間的に信頼をされておるのか、この人の言うことならまあ間違いないじゃないかというようなところまで、きちっとした人格形成を含めてこの世話役をしてもらう人々の立場というものが求められてくると思うのですね。そうでないと、私はせっかくの
制度が死んでしまうことになるだろうと思う。そうしますと、私はこれはもうそう軽々に割り切って、
数字の問題だとか何とかそういう形には私はならない、形式的な問題にならない、相当熱意を持ってその対策に当たっていかなきゃならぬというふうに私は思うのです。
いま
局長が幾つか言われました研修の
制度、それは大いに結構ですね。同時に、その人がそれの生きがいを感じてやっぱり誠心誠意打ち込んでいけるような体制というものが、やはりこれを処遇していかなきゃならぬと思うのですね。幾つかの
要素がかたまって、私はそこに一つの柱になっていただく人が地方の中にでき上がってくるということに相なると思うのです。しかも、法律をながめていきますと、大変法律は難解であります。
いま現にどういう問題が
発生しているかということになりますと、この道に突っ込んでいった人、たとえば県や町村へ行きますと、この道に突っ込んでいった人は突っ込んで、中途半端であいつは役に立たぬということになるとすうすうかわる。ところが、この人はということになりますと、今度はかわろうにも、その人が抜けてしまったらまるっきり事務にぽかんと穴があいてしまうというかっこうになって、本来その人の処遇をするのにもっといい地位につけていかなきゃならぬという場合にも、引っこ抜けないような現実の体制が生まれる。ことし担当しているある人が、自分
たちの同級がすでに上がってきている、この人の処遇を考えなきゃならぬ、そのためにはどこかのポストに移ってもらわなきゃならぬ。みんなそれについて賛成なんだ、賛成なんですが、その人を持っていってしまうと、その
共済の仕事が全然だめになっちゃう。だから、がまんして再度残ってもらいたいというようなかっこうになって、じゃそれに見合うようなたとえば処遇の仕方というのが出てくるのかというと、ただ単にがまんをさせられるというかっこうにしかならない。こういう現実が今日続いているわけですね。これでは、誠心誠意打ち込んでいけるというような体制に私はならぬと思うのですね。
しかも、いま町村あるいは県あたりの
共済担当ということになりますと、これは私どものところが悪いのかどうか知りません。まだ全国各地よう回っておりませんから知りませんですが、結果的にはそういう役所の立場からいきますと、一つの即戦的な
状況に置かれておることも事実です。しかも、そこに定員削減その他の攻撃が出てくるということになったら一体どうなるんだろうと、果たしてこの
制度が完璧にやり通せるという形になるんだろうかということについて、基本的に私は憂慮をせざるを得ないのです。
先ほど、たとえば
損害評価員の手当の問題について、
局長は四〇%、五〇%上げてきたと言いますけれども、上げてきた結果が一体幾らか、年に千九百円じゃないですか、手当が現行。四〇%上げました、五〇%上げましたと言うけれども、月千九百円でも私は問題だと思うのに、年間千九百円でこれが手当なんですか。今日、そんなものが手当なんて言える名前なんでしょうか。私は、そこに大きな
問題点があるんじゃないかというふうに思いますよ。この辺の基本的な姿勢の問題について、これは大蔵省との気がねの問題もあるんでしょうが、私は
中川農林大臣から、毅然たる態度でこの辺について明確にこういうふうにして取り組んでいくんだという決意については、ぜひ伺っておかなけりゃ安心ができないと思いますが、どうでしょうか。