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坂倉藤吾君
考え方に変わりがないということと、具体的にそれをどうあらわしていくかということとは、
相当常に開きがあるんですね。それが私は一番問題だと思うんですよ。だから、
考え方があるのなら、その
考え方に従って具体的に事実が進んでいくようにやっていかないことには、幾らここだけで答弁してもらったって私は話にならぬと思うんです。とりわけ
農林省自体が、たとえば一番最初のこの売り戻し法案ができましてからシェア割りをするのに、工業会の中がまとまらなくて予定の時日よりも
経過をしていった
状況もあるわけでしょう。本来なら、
農林省自体の任務すらも、今日の精糖工業会の
状況の中で大変むずかしい。私が聞いてみますと、この話し合いの場については、会長が辞任をするんだとかしないんだとか、こういう話でなかなか会ってくれないという。会長が辞任したって、向こうは工業会ならそのかわりをする人だっておるんじゃないですか。それが出てこなければ、私は工業会という話にならぬだろうし、その辺まで突っ込んで、私は
農林省としてはやっぱり
労使の話し合い等について重視をしながらこの大変な状態の中でいわゆる砂糖産業自体をどうまとめていくのか、そのことが基本的な
課題であろうと思うんです。
今日の社会情勢の中で、しかもこの先進国と言われる社会の中で
労使関係が、せっかく組織がありながら中央
段階で話が持てないなんていうのは私はないと思うんですよ。少なくともそういう観点で、もう少し
労使の話し合いの場というものについて積極的に持たせるように、しかもこれは、好むと好まざるとにかかわらず法律的にいわゆる業界の中に介入をしたわけですから、そういう
立場からいき、しかも、その法案を成立させるに当たって幾つか注文をつけているわけですから、ぜひともその
課題について
農林省が具体的な
指導力というものを発揮をしてもらいたいというふうに再度申し上げておきたい。
次に
東海精糖の
課題でありますが、当時から問題を
提起をいたしておりましたけれども、
東海精糖がいわゆる今日会社更生法に基づいて更生手続の
開始決定を申請をいたしておることは、御承知のとおりだろうと思います。そこで、それに対して今日裁判所が審尋を行っているわけですね。そうして裁判所から
農林省の方に、これは食品流通
局長あてですからあなたあてに、いわゆる嘱託ということになりますか、文書が参って、それに対する回答が行われているわけですね。私はこの回答の
内容を読ませていただいたときに、これまた八十二
国会の私が
質問いたしました当時の御答弁の
態度とは、
相当意味合いが違ってきているというふうに受けとめるわけであります。
その一例を申し上げますと、当時の
鈴木農林大臣はこういうふうに御答弁をいただいているわけであります。「精糖業界が重大な局面に立っております。そして、その
一つのあらわれとしまして中小
企業に属するような、また系列の外に置かれておりますところの大分県の精糖会社、三重県の精糖会社等にそういう本当に憂慮にたえない事態が出てきておるわけでございまして、私は今回の立法
措置を講ずることもそういう問題が他にも波及してはいけないと、こういうことでこの法律案を提案をしたということを午前中にも申し上げたわけでございますが、杉山
局長から申し上げましたように商社系列等に入らない、あるいは中小の弱い
立場にある精糖
企業、またはそこに働く万々の雇用問題、そういう問題に私ども重大な関心を持っておるわけでありまして、そういう点に十分な配慮をしながら今後この問題と取り組んでまいりたいと、こう考えております。」という御答弁がありますし、さらに「個々の
企業の
経営の
内容について、それからのその手当てについては、私はやはり
経営の責任者がこれは自分の判断をもってなさるべきお
仕事だというふうに思います。」と。
これは、会社の
内容について当然会社の
経営者が責任を持たなきゃなりませんよと、ここは杉山
局長がつけ加えてはおるわけであります。しかし、この意味合いというのは、会社側の
経営者がしっかりしてがんばろうというときについては、
農林省としては十分にそれらの
相談役といいますか、援助をしていくという
立場の
表明であろうというふうに思いますし、さらにまた、この法案成立の際にいわゆる本院のこの
委員会の中で附帯
決議が行われておるわけです。その附帯
決議の中でも、中小
企業の
問題等について十分に
農林省が配慮をしていく、こういうふうに、これはたしか五項であったというふうに思いますが、ついておるわけであります。そうしますと、流通
局長が裁判所に、裁判官に
提起をされました回答の文案、これは大変問題だと思いますが、具体的に御
質問を申し上げる前に、概括的にどういう感覚でこの御回答を提出をされたのか、ひとつ見解を明らかにしてもらいたいと思います。