○藤原房雄君 いま詳しい御
説明がございましたが、これは午前中からいろいろなお話がございました、それらのものも大体その中に含まれ、そしてまたそれが
一つの論議の対象になって、今後の
林業の
振興のために具体的にどうするかといういろんな提言があったのだろうと私は思います。
一つ一つ申し上げる時間もございませんしあれですが、やっぱり
一つには、
木材需給見通しの的確な掌握による
秩序ある
外材の
輸入ということが何といっても大事なことだろうと思います。これも午前中いろいろお話ございましたが、それからいまお話ございました、
地域ぐるみの
国内林業振興の道を確立しなきゃならぬということですが、これはいま不況業種ということで、円高不況の中にありまして、それぞれの業種によりましては非常な打撃を受けているわけであります。それをどうするかということで、相当な
施策がいま国・
政府としても積極的に取り組んでおるところでございますが、
林業はきのうきょうこういうふうになったということじゃございませんで、体質的には弱い。これを相当てこ入れをいたしませんと、安定的な産業としてなかなか育成しにくいという、こういうことで今日までもいろんな対策が請じられてきたわけであります。
私は、そういうことの中で、特に今日までの
地域開発というものはどちらかというと、企業の論理の側に立った開発ということが進められて、やっぱり大きな工場誘致、企業が来なければその
地域の
発展がないという、こういう
考え方が主たる
考えでありました。しかし、それは今日こういう時勢の中ではそうではなくて、やっぱり山村地におきまして、
〔
委員長退席、理事山内
一郎君着席〕
そこの独特の産業をやっぱり
振興していくということが大事なことだということの上に立ちまして、今日までも
林業の
振興五カ年
計画やまた
山村振興法とか、こういういろんな法律のもとに、山村には最大の
資源である
林業という産業があり、それを育成することが大事なんだという、こういう観点の上に立って、いささかなりともこの法のもとに開発が進められてきたと、こう思うわけです。
しかしながら、何といっても
国土の三分の二を占める林野、そしてまた
民有林にいたしましても、その三分の二を占めるという広大な
面積でありますし、散在する
林業というものを一朝一夕に企業ベースといいますか、当初の
目的に沿うような形にするということはなかなかこれは大変なことだということで、一生懸命
林野庁の
皆さん方は御努力いただいておると思うのでありますけれ
ども、その
実績といいますか、その形というものはなかなか目に見えてはこないんだろうと思います。
私はこういうことからいたしまして、まず
山村振興のための努力ということを
長期計画のもとにこれは粘り強く進めていかなければ、そのときそのとき起きた問題で一喜一憂しておったんでは、やっぱり基盤の確立また後継者のことを含めて山村
地域の
振興という、そこに定着した
林業というものができ得ないのじゃないか、こういうことを痛感するわけです。最近は農業部門におきましては、大都会からUターンということがよく言われるわけでありますけれ
ども、
林業についてはなかなかそういう話も聞いておりませんし、
林業というのはそれほど若い人たちには魅力を持って携わることのできないと言いますか、なかなかむずかしい仕事であるということは言えるだろうと思います。
それだけに、公益性やそういう観点からしますと、この
林業の重要性というのは先ほど来いろいろ論じられ語られておるわけですけれ
ども、その重要性の半面では、それに対する
施策というのは非常に弱いという、今度の三全総を見ましても定住圏構想その他の中で、
森林の持つ
意味というものは非常に高く評価をされ、またこうあらねばならないということはいろいろ述べられておるわけですが、それがその
地域に
一つの大きな力を定着させるということのためには、相当なバックアップがなければならぬだろうと。
ただ、この三全総というものは絵にかいたもちではなくして、それを形あるものにするということにしますと、これは実は大変なことでありまして、大きな工場の立ち並ぶ産業の誘致、こういうことはすぐ国の
助成なり何なりでできるわけですけれ
ども、山村の
振興ということは、人口比から言いましても、また
国土の
面積から言いましても、なかなか言うはやすく実行というのはむずかしい。こういうこと等を
考えあわせまして、それできょう
大臣もいないし、本当は
国土庁
長官なりまたいろいろな立場の方々にこういう問題について少しお話をしなければならぬと、こう思っておるんですけれ
ども、
大臣は何か四時半でなければ来ないというし、副
大臣の政務次官にぜひ
山村振興、こういうことで、
林業そのものの
あり方ということももちろんとして、まず
日本列島全体の中で
林業の今後の
振興策という、こういうことのために、ぜひこれは力を入れていただきたい。
ただ精神訓話的な話じゃだめなんで、具体的にいろいろなことをお話ししなければならないかもしれませんけれ
ども、まず政務次官として、この
林業白書でいろいろなことを項
目的には並べ立てたわけでありますが、今後それを遂行するという上から
山村振興、山村に定着した産業として
林業をどういう形でこれを今後持っていくという、決意なり何なりひとつ披瀝していただきたいものだと思うのですけれ
ども。