○
政府委員(
藍原義邦君) 北海道につきまして、いま
先生がおっしゃいましたように、加入率が低いということでございますけれ
ども、北海道の
林業というものを振り返ってみますと、北海道は、
先生御存じのとおり、
国有林なり道有林なりが相当な
面積をまず占めております。したがいまして、
民有林が比較的少ないという点がまず言えるであろうと思います。
それから二点目といたしましては、北海道については、昔から
林業というものが皆伐作業ではなくて、いわゆる択伐式、抜き切り式的な形で
林業が行われておった。そういうために、
林業としては内地の
林業とは大分
性格が違っておった。あるいは、それから北海道は御存じのとおり、昔から相当薪炭が必要であった。冬の燃料として米と同じくらいにまきが非常に重要なものであったという点、そういう点から、いわゆる日本のような建築材を中心にした
造林ということよりも、薪炭あるいはその他大径木の択伐というふうな形で
林業が
推進されておったと思います。そういう観点から、戦前から北海道の
森林組合というのは比較的にわりあいと少ないし、加入率も低いということもあったのだろうと思いますが、そういう
意味で、現時点では北海道におきましても人工林化が大分進んでおりまして、
造林も積極的にやっておりますが、いま申し上げましたような形で、まだやはり内地の全般と比べますと人工林率が非常に低くて、経済活動の対象になっている
森林のウエートが非常に低いという問題がまず
一つあろうかと思います。
それからもう一点は、北海道は非常に
広域な
地域でございますし、その
地域の
森林を持っている方々が必ずしもその
地域にいないといいますか、
地区外の所有者が結構おられるということ、そういうために、なかなか
森林組合の加入が進まないという問題もあるのではなかろうかと思います。こういう二点がございますので、こういう二点が大体大きな原因じゃなかろうかというふうにわれわれ把握いたしております。
こういうことを今後解消するためにも、やはりこれからの北海道の
造林等々については、私
どもも積極的に対応をしていく必要があろうと思いまして、公共
事業につきましても積極的な対応をいたしておりますし、特に積雪寒冷地等で
造林が進まないところについて、五十三年度もその
造林につきまして
助成についてその一部の補正をいたしておりますし、そういう形で今後こういう積雪寒冷地の
造林が進むような対応を、積極的にわれわれも図っていきたいというふうに考えております。
それから、当然のことながら、いま御
審議をいただいておりますこの
合併助成法によりまして、小さな
組合につきましては積極的な
合併を図っていくということも必要かと思いますし、それからまた、
林業構造改善事業等々を行いまして、
地域林業の
担い手でございます
森林組合というものが育成できるような形を、今後とも積極的に進めていきたいというように考えております。