○藤原房雄君 それは
生産費所得補償方式ですから、ストレートで比較するなんということはだれも
考えていません。要因の一つであることには間違いないだろうというそういうことで、こういう低成長の時代でありますから高度成長のときのような数値、
数字の大幅な変動、それは現在は見られないかもしれませんけれ
ども、しかし、それだけで
消費者物価にいたしましても、勤労者の労働賃金にいたしましても、こういう動きがあるということはやっぱり一つの何か
決定に際しての重要な要素になることは事実なんで、そういうことについて、十分なそういう点の動き等についても
農林省としてはどう把握しているかということをお聞きしているので、何か一生懸命弁解していますけれ
ども、そんな単純に物事を
考えているわけじゃ決してないんで、そういう点は私
どもも
理解しておる、
農民の
方々もそういう点は十分に勉強していますからわかっているはずです。
ただ、先国会におきましても減税ということが叫ばれたわけでありますが、何といいましても公共投資によって大きな景気浮揚策をすると同時に、現在はどうしても
消費拡大というか、こういう面の施策も相伴わなければいけないということで、減税ということが前国会で大きな課題になって
政府もついに踏み切ったということでありますが、
先ほど長官の
お話ですと、
農家の経済には今度の
生産調整対策というものもさほどの影響がないような大ざっばな
お話がございました。これは
先ほども
長官の
お話の中にも、地域によっていろんな差があるんで一概には言えないけれ
ども、マクロ的に見るとという
お話の
前提条件がもちろんあるんですけれ
ども、いまそれは即また私
どももそういう
条件のもとで見るわけなんですが、どうしても山間僻地といいますか、耕作面積もそう何町歩というような大きいところでない、立地
条件の悪いところで一生懸命
農業にいそしんでいる方、これはなかなか
先ほど長官のおっしゃったようなマクロ的な数値の当てはまらない
方々だろうと思います。また、そういう集落はやっぱりこの
米価に大きく依存している。
ですから、
減反の
生産調整対策に
協力したその
農家の実態、それから
米価の
決定、こういうものによってその部落の経済というものが非常に大きく左右される。これは、一昨年冷害で大変な
農家の
方々、特にこの山地といいますか、山間部におきまして被害が多かったわけですが、そういう立地
条件の悪いところの
農家の
方々は非常に苦しむと同時に、
農家だけではなくして、やっぱりその地域に及ぼす影響というものが非常に大きかった、こういうことで、
農業というのは一つのマクロ的な見地の上からだけではなくして、こういう地域経済に及ぼす影響というものも同時に
考えなければならぬ。
それは、
米価なんかをどういうふうに見るかなんていうやぼなことを私は言っているわけでは決してないんですけれ
ども、しかし、これは
農家個個にとると同時に、地域経済、過疎化に及ぼす影響等についても非常に大きな影響力を持つという、それだけに、この地域性ということが今度のこの
生産調整に
当たりましてもいろいろ論議になったところでありますが、今後の
米価決定、そしてまた、これからの米以外の農作物に対する
価格、そのほかのいろんな補償制度、
対策、こういうものを講ずるに
当たりまして、やっぱりそういう地域の問題等についてもう少しきめ細かに配慮をなすべきではないか、そうして
農林省としてはこういう問題について、前国会でもいろんな法案の提出がございましたが、今後の問題として
農業全体の中でそういう地域性とか、そういう山間部等において一生懸命
農業にいそしむ
方々等、こういう
方々といいますか、その地域の
農業振興ということのためにどんなことが
考えられておるのか。
これは、どこの地域でどうというふうに具体的な
お話を申し上げれば一番いいのかもしれませんけれ
ども、そういうことじゃなくして、たとえば先国会におきまして共済制度が米作だけではなくして、畑作についてもひとつ広げていこうということで非常に積極的な取り組みがあったわけですけれ
ども、それと同じようなやっぱり米作以外のものについても今後の取り組みというのは非常にこれはなければならぬと思いますし、奨励作目等についても昨年決めたものがこれでいいということじゃございませんで、今後また三年、十年続くわけでありますから、今後のことについてはどうするか、こういうこともあわせてやっぱりお
考えいただきませんと、
米価は抑えられるは、
減反はさせられるは、その後の手だては何もないはということでは、八方ふさがりということになるのじゃないかと思うんですが、
農林省としてもこういうことについては十分に御
検討なさっていると思いますけれ
ども、ありましたら、ひとつ
お話をいただきたいと思うんですが。