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説明員(
野崎博之君) まず、麦全体の話になりますと、やはりわが国の麦の問題点といたしまして非常に
面積も規模が小さい、それから水稲等の作期が競合する、あるいは麦の成熟期から収穫期にかけまして湿害、雨害が多いと、そういう問題点がいろいろあるわけでございます。これをどういうふうにして克服していくかということが問題でございまして、特にやはり麦の
経営規模を拡大して省力化をしていくということが、
麦作振興の一番大きな問題点であろうかと思っておるわけでございます。
先生おっしゃいました、まず高度
麦作集団事業でございますが、これもいま申し上げましたように、これは
水田それから畑にも使いますが、要するに零細性を克服すると、したがいまして農作業の受委託、期間借地、そういうものをやっていくようにいろいろ指導あっせんするための経費、それから
先ほど申し上げましたいろんな麦の作期の重複、それから雨害等の問題もございますので、ここでコンバインとか乾燥機械を入れましてそういう作期の
調整を行うと同時に省力化をしていく、あるいは暗渠排水によりまして、そういう雨害による被害をなくしていく。それから、これは
先ほどとダブるかもしれませんが、やはりそういう
麦作集団をつくって大きい規模で
麦作をつくると、そういう目的で高度
麦作集団事業というものがあるわけでございます。これは、いま採択規模は五ヘクタールということになっておりますが、一応われわれの目標としましておおむね二十ヘクタール
程度のところへ持っていきたいと、それから戸数は採択
基準の五ヘクタールの場合は二戸でございますが、われわれ目標といたしましては八戸
程度のそういう集団に持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
それから、次に畑
麦作の話でございますが、これは五十三
年度から実はついた新規予算でございまして、これは特に
先生も御
承知のように、都府県で非常に最近
畑麦が減少をいたしてきているわけでございます。それに対して何らかの措置が必要ではないかというようなお話もございますし、各県からもそういう要望があったわけでございます。これも、その中身は
先ほど申し上げました高度
麦作集団とは中身そのものは余り変わらないわけでございますが、やはり都府県におきましても
北海道に比べまして非常に
経営規模が小さい、そういうことで
経営規模を拡大するために期間借地、そういうものに対するあっせん指導の事業、それから同時にバインダーとか乾燥機、そういうものを入れまして省力化すると同時に、雨害等に備える。それから、さっき申し上げました
麦作集団の育成、そういうことを目的にいたしておるわけでございます。これは、採択
基準としましてはおおむね一ヘクタール
程度、戸数にしまして二戸ぐらいになるわけでございますが、われわれ目標としましてはやはり三ヘクタール、戸数にいたしまして六戸
程度まで拡大をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
それから、モデル
麦作集団は、これは一番古くから行われた事業でございまして、四十九年から行われておりまして、新規指定の地区は五十一
年度で終わっておるわけでございます。三カ年この事業は続いておるわけでございますが、なおモデル地区について高度
麦作集団の地区に移行するということも可能でございますが、このモデル
麦作集団は全くソフトの経費でございまして、要するに期間借地、それから中核的な担い手に畑を集めるような、いろんなそのための会議の費用あるいは管理記帳手当と、そういうふうな全くソフトだけの経費でございます。これは採択規模がおおむね五ヘクタールということで、戸数にいたしまして二戸、目標といたしましては八ヘクタール、戸数にいたしましては三戸
程度を目標にいたしておったわけでございます。
一地区の経費でございますが、補助金額でございますが、高度
麦作集団では平均をいたしまして一地区当たり約三十万でございます。それから畑
麦作の方は約十万、モデルの方はこれは初年、二年、三年と逓減
方式になっておりまして、初年日が二十五万、二年目が十七万五千、三年目が十万、そういうことになっております。