○野田哲君 ただいま村田
委員の質問に対して、山の問題でそれぞれ質問があり、最後に労使間の問題に、あるいは
地域との
関係についても大臣からも見解の表明があったわけですが、重ねて二点ばかり山の問題に関連して伺いたいと思います。
今度の
農林省設置法、これは農林省の所管
事項について、言うならばスクラップ・アンド・ビルド、こういう方式でやられようとしているわけであります。いわゆる山のスクラップ、そして海の方のビルド、こういう印象を受けるわけです。山の問題について言うならば、先ほど村田
委員の質問、やりとりで触れられているように、いわゆる国有林野事業の独立採算制、ここから一つの
考え方が出ているように思うわけであります。そこで私は、この問題について
北海道に行きまして
関係の
職員あるいは営林局の管理職の皆さん、そして
地域の市町村長あるいは議会の方、あるいは林業
関係事業をやっている方、多くの方とお会いをしたわけですが、その中で感じたのは、一つは、農林大臣は今度
対象になっているこの
北海道の方にかなりにらみをきかしている方なんですが、林野庁の
職員で構成している労働組合について、かなり予断と偏見を持っていらっしゃるんじゃないか、こういう印象を受けたわけです。それを言葉どおりここで表現をすると血の気の多い農林大臣を挑発をして、また私も血の気が多いわけですから、やりとりがほかの方へ、派生的な問題を起こす懸念もありますので、私も抑えて質問をするわけですが、先ほど来のやりとりでありましたように、この国有林野事業というのは、国民の非常に貴重な
財産でありますし、それは単に山に植林をし、育てて、それを切って売る、こういう形の独立採算制による経営を維持していくという役割りだけではなくて、治山とか、あるいは治水とか、こういうふうな国土の保全、あるいは国民に対して貴重な緑のレクリエーションの場を提供する、環境の保全、それからさらに、僻地における林道とか、あるいは森林鉄道等による国民に対する
交通の手段を提供する、これらの維持等についての非常に大きな役割りを果たしておるわけでありますし、この役割りというのは、これからももっともっと重要になってくると思うんです。そのような役割りをあわせて持っている林野庁のそこで働いている
職員で構成をされている全林野労働組合に対して、大臣やあるいは林野当局が、予断や偏見を持って対応をする、そして独立採算制ということに固執をして労働問題に対処していく、こういうことでは、山の荒廃とあわせて林野庁における労使
関係もやはり荒廃をしてくるという懸念を私は持つわけです。
そこでまず第一に、先ほど村田
委員の質問にお答えがありましたけれ
ども、この林野庁の
職員で構成をされている全林野労働組合――ほかの組合もあるわけですけれ
ども、この林野庁にある労働組合との
団体交渉、これを尊重していく、労使
関係の
改善を図っていく、こういう点について農林大臣の見解を伺っておきたいと思うんです。特に、いま先ほど村田
委員の質問を最後に聞きますと、事業のあり方とか機構のあり方等については交渉
事項ではないが意見は十分聞くと、こういうふうなお答えがあったわけでありますけれ
ども、機構の問題ということになると、これは恐らく当局の方、
政府の方では、管理
運営事項だから交渉
事項ではないんだという認識を持っておられて先ほどの発言があったんじゃないかと思うんですけれ
ども、やはりこの機構ということが変わっていけば、そこに勤務をしている
職員、労働者の勤務の態様も変わってくる場合が往々にしてあるわけでありますから、
〔
委員長退席、理事原文兵衛君着席〕
そういう面ではやはり交渉
事項でもある分野として
考えなければいけないと思うんです。そういう点をどういうふうに
考えておられるのか、私はこのことも含めて農林大臣の
基本的な
考え方をまず伺っておきたいと思います。