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国務大臣(
荒舩清十郎君) さっき中南米局の問題がございました。これはこの際でございますから、はっきり私は中南米局をつくることは賛成でございます。何となれば、百万以上の日本人がいる。また、いまの日本の資源の少ないときに、中南米というものは非常に重要な地域でございます。また、中南米の国々と日本の関係は他のいろいろな国よりも密接な度合いでございます。しかし、去年の十二月二十三日に閣議で決めた、新局はふやさない、こういう大
方針がございます。したがって、もし新局をつくるということでございますれば、まあ振りかえをすると、そこで外務省と話し合いをいたしまして、外務省にも幾つもの局がございまして、たとえば情報文化局という、これも必要でしょう。しかし、そういうものとかみ合わせてやる方法はないかと、まあこういう主張をいたしました。どうも私の言ったことがなかなか通じませんで、ついああいうような
状況になったわけでございます。いまでも皇太子殿下御夫妻が中南米においでになる、またさっき言うように、百万以上の日本人がいる、そういうような、移民からの問題等を考えましても日本とは古い歴史があります。したがって、ぜひ中南米局はつくりたいということですが、遺憾ながら振りかえができなかったということはいまでも遺憾千万でございまして、なるべく早い機会に、どうしてもまあこれをつくるようにしなければならないと、こういう信念には変わりはございません。
それから、昨年の九月でございますが、福田総理がエネルギー省をつくると、あるいは住宅省をつくると、つくるとまあ言い切ったわけでもないんですが、新聞の方はつくるように全部書き上げてあったようでございます。しかし、これは、私も
福田内閣の閣僚の一人ですが、少しアドバルーンが早く上がっちまった、もっともっと研究をしなければならないものをアドバルーンを早く上げ過ぎたんだというので、私の考えといたしますれば少しアドバルーンの上げ方がまずかったなあと、こう考えております。御
承知のエネルギー、とにかく油にいたしましても大体世界の十分の一は日本が消化しております。それから、一番早く、エネルギーで使いやすいのは原子力発電であると思います。こういうような問題、これをどうしたらもっと国民に理解を求めて合理化できるか、早くこれが使えるかというような問題、電力は恐らく十年間にいまの倍の能力を上げなけりゃ私はならないと思っております。水も倍にしなければならない、十年間には倍にしなければ。電力も十年間、もう十年間は待てない
状況でございますが、倍にしなくちゃならぬ。だからといって、それじゃエネルギー省をつくりゃそれができるかといったら、そうでもないのです。もっと根本的にエネルギーの問題はひとつよく研究いたしまして、これをやるべきでありますが、果たしてエネルギー省をつくればそれが解決できるかといったらそうでもないと思う。また住宅省といいましても、これも住宅は必要でございます。しかし、私は
政府の一人といたしまして、いまの住宅でもなかなか問題があるんです。よく森田さん知っているとおり、アパートなんぞじゃんじゃんつくっても四万戸もあいているんだ、入り手がない。これは住宅問題は何としても土地問題を解決するということが必要でございます。これはことしの公共
事業で大変な仕事ですが、容易ならざる仕事ですよ。といって、それが住宅省をつくったらそれで解決するかといったらそうじゃないと思う。これは根本的によく考えまして、ひとつ何とか能率の上がるようにしてみたい。しかし省庁というものをやたらに統廃合するんだ、どうだというと、これは
行政の骨格ですから、骨をやたらにいじくるわけにはいかないということは当然でございます。そういうようなことを考えつつ省庁の統廃合、いわゆるエネルギー省をつくらなかったから、あるいは住宅省をつくらなかったからおまえのやっていることはだめなんだと、こういうことだと私は違うんじゃないかと思う。これを何とか、そういうエネルギー問題、水の問題、住宅の問題をどうしたら解決できるかというようなことの根本を
行政管理庁として研究していかなくちゃならない。じゃ研究しないでよすのかというと、大いに研究をしておりまして、私の思ったようなことを総理と話し合っております。いやあそんなにどんどん進まれちゃ、ううなんというようなこともなきにしもあらず。そういうことをいろいろ考えながらいまやっているのでございますが、第一番に農林省、二百海里問題がありまして、これ農林水産省に改組するというような問題、それからまた住宅省というようなことから考えて、まあひとつ
建設省と国土庁というものは、まずとりあえず一人の大臣でこれを管理してもらうというようなことも、私が実は
行政管理庁を去年の十一月お引き受けするときにそういう発言をいたしました。それから福田総理に私の意見を申し上げたらそれを採用してくれたわけでございます。
それからまた、どうも経済問題でめぐりじゅうから——めぐりじゅうからというのは秩父言葉です。世界じゅうから日本の輸出をどんどん旺盛にやろうとすれば、これはいろんなことを言われて容易ならざる、日本がマイナス面もかせぐ。したがって、いわゆる対外経済ということに専念をできるそういう省を、そういう大臣を任命したらどうかと、これも採用してもらったわけでございます。そういうようなことを考えつつ、森田さんに言わせると、少しおまえのやることは遅いじゃないかと言うが、そうでもない、一生懸命やっているわけでございます。
それからなお、いろいろな経済問題やいろんな問題がありますから、理屈より何よりできるものから実行していくというようなことで、中央の課を五十一減らす、なお地方の出先機関のうち支所、出張所を千カ所
整理をいたしました。
国家公務員については、決して
国家公務員が多過ぎると私は考えているわけではないんです。各国の統計をとりますと、なるほど地方公務員は非常に日本は多いです。多いけれども、
国家公務員は比例をいたしまして千人に対して七・八人でございますから、それほど各国と例をとって多過ぎると思っておりません。しかし減らせるものならなるべく減らせるようにというので、今後三年間に二万八千人を削減をする、これは既定
方針でやっていきます。それから定年制も導入をいたします。これはなかなかむずかしい問題ですが、定年制を導入いたします。それから、さっきもお話を申し上げましたが、特殊法人というものが多過ぎるんです。これを
整理を進めてまいりまして、いま十四法人を
整理する対象にしておりますが、私が就任して以来ちょうどこれで二十一法人の
整理統合をすることになる。それから特殊法人についてどうも月給が高過ぎるというような問題から、退職金が極端に多いという非難がございまして、これも二割カットする。それから特殊法人が何年も、特殊法人の理事長とか会長とかいろいろな
名前がありますが、そういうものも何年も何年もいつまでもやっているということもあれですから、現在は八年まででございましたが、それを六年に切り下げる。いま御
審議を願っている
審議会も多過ぎますからこれを減らしていこう、四十八
整理統合いたします。それから
補助金も千四百二十二億円大幅に減ずるようにいたします。それから、
許可認可も千二百四十
事項廃止をするというようなことを実行して、
法律案を
提出いたしまして御
審議を願っているわけでございます。しかしこれで十分だなんということを考えておりませんが、なるべく速やかに、いろいろなことで問題等もございますが、努力をいたしまして御期待に沿うようにやっていきたいと思う次第でございます。しかしこれよく考えてもらって、あなた実業家の出ですからよくおわかりですが、これはなかなか株式会社と違いまして、これはだめだから首切れと、そうはいかないですよ、なかなか。これはいろいろな
制度がありまして、やっぱり民間のやる仕事の方がばたばたできて気持ちがいいんですが、こういう役所というものはなかなか人員
整理だの、いや統廃合、合理化するなんといったって、これは口じゃ簡単ですが、なかなかこれはむずかしい問題ですが、平身低頭いたしましてなるべく摩擦の起こらないようにやっていくつもりですが、どうぞ御尽力とひとつ御声援をお願いいたします。
〔
委員長退席、理事林ゆう君着席〕