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1978-04-27 第84回国会 参議院 内閣委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月二十七日(木曜日)    午後二時十三分開会     ―――――――――――――    委員の異動  四月二十七日     辞任         補欠選任      竹内  潔君     金丸 三郎君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         塚田十一郎君     理 事                 林  ゆう君                 原 文兵衛君                 片岡 勝治君     委 員                 岡田  広君                 源田  実君                 斎藤栄三郎君                 竹内  潔君                 堀江 正夫君                 野田  哲君                 村田 秀三君                 山崎  昇君                 和泉 照雄君                 黒柳  明君                 山中 郁子君                 森田 重郎君                 秦   豊君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)      稻村左近四郎君        国 務 大 臣        (行政管理庁長        官)       荒舩清十郎君    政府委員        人事院総裁    藤井 貞夫君        人事院事務総局        任用局長     今村 久明君        人事院事務総局        給与局長     角野幸三郎君        総理府人事局長  菅野 弘夫君        行政管理庁行政        管理局長     辻  敬一君        行政管理庁行政        監察局長     佐倉  尚君        防衛庁装備局長  間淵 直三君    事務局側        常任委員会専門        員        首藤 俊彦君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○審議会等整理等に関する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○許可認可等整理に関する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調  査  (公務員給与に関する件) ○国の防衛に関する調査  (国の防衛問題に関する件)     ―――――――――――――
  2. 塚田十一郎

    委員長塚田十一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  審議会等整理等に関する法律案及び許可認可等整理に関する法律案を一括して議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。荒舩行政管理庁長官
  3. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ただいま議題となりました審議会等整理等に関する法律案についてで、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  先般、政府は、行政合理化を推進するため、行政機構及び運営の全般にわたる改革を行うことを決定し、その一環として各行政機関に置かれている審議会等整理及び委員構成等改善を推進することといたしております。この方針に基づき、ここのこの法律案を提出した次第であります。  次に、法律案内容について御説明申し上げます。  第一に、審議会等整理につきましては、行政機構簡素化及び合理化を推進するため、社会経済情勢の変化に伴い必要性の低下したもの、活動の不活発なもの等につきましては、これを廃止することとし、また、設置目的審議事項等が類似しているもの等については、これを統合することとし、その他審議内容が地域的に限られてきているものの地方支分部局への移管等を行うことといたしております。これにより、各行政機関を通じまして、六審議会等廃止することとし、また、三十九審議会等対象統合を行うことにより二十七審議会等整理することとするほか、二審議会地方支分部局への移管等を行うことといたしております。  第二に、審議会等委員構成等改善につきましては、審議会等組織簡素化及び合理化を推進するため、各行政機関を通じまして、二十三審議会等について、行政機関職員のうちから委員を任命する制度及び大臣または行政機関職員を会長とする制度廃止並びに委員定数縮減を行うことといたしております。また、この法律案におきまして統合するものとされた三十九審議会等のうち十七審議会についても、統合に当たり、行政機関職員のうちから委員を任命する制度等廃止委員定数縮減等を行うこととしております。  なお、これらの審議会等整理及び委員構成等改善は、原則として公布の日から行うことといたしております。ただし、特別な事情のあるものにつきましては、公布の日から起算して六月を経過した日または昭和五十四年三月三十一日までの間において政令で定める日に行うことができることといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  なお、本法律案に先立ち今国会に農林省省名農林水産省に改める等のための農林省設置法の一部を改正する法律案が提出されていることから、本法律案におきましては、農林省省名は「農林水産省」として提案いたしておりましたが、本法律案農林省設置法の一部を改正する法律案より先に衆議院において可決されるに当たり、これを「農林省」とする修正がなされておりますので、御報告いたします。  次に、ただいま議題となりました許可認可等整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  政府は、かねてから行政簡素化及び合理化を促進するため、許可認可等整理を図ってまいりましたが、さらにその推進を図るため、昨年末に決定した行政改革計画に基づき、許認可等整理合理化を行うこととし、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、法律案内容について御説明申し上げます。  第一に、許可認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれを廃止し、第二に、規制の方法または手続を簡素化することが適当と認められるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関等において処理することが能率的であり、かつ、実情に即応すると認められるものにつきましては処分権限を委譲し、第四に、統一的に処理することが適当と認められるものにつきましてはこれを統合することといたしております。  以上により廃止するもの三十七事項規制を緩和するもの十六事項権限を委譲するもの三十七事項統合を図るもの六事項、計九十六事項について、十二省庁、三十一法律にわたり所要の改正を行うことといたしております。  以上が、この法律案提案理由及び概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  ありがとうございました。
  4. 塚田十一郎

    委員長塚田十一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることといたしま     ――――――――――――― す。
  5. 塚田十一郎

    委員長塚田十一郎君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 野田哲

    野田哲君 まず、人事院に伺いますけれども、一昨日の質問の中で、人事院はすでにこの七八年春闘状態対象にした民間給与実態調査にかかられているというふうに判断をするわけですが、昨日公務員給与取り扱いに非常に関係の深い三公社現業賃金決定をされた。細部にわたってはこれから配分等の交渉があると思うんですが、水準については公労委の方で決定を見たという状況でありますが、まずこの決定を見た内容について、どういうふうに人事院としては承知をされているか、その点を伺いたいと思います。
  7. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) きのう出たばかりのところでございますので、内容の詳細にわたってはまだ実は分析等のことはいたしておりません。そのうち資料等を取りまとめ、また関係者の御説明も聞きまして詳細な分析をやりたいというふうに思っております。  それと、いまお話がございましたように、人事院といたしましては、例年どおりの姿勢でもって民間給与実態調査を行うことで着々準備を進めております。大体例年どおり、来月から始めまして六月の中旬にかけて詳細な実態調査をやるという段取りでいま鋭意準備を進めておるということでございます。
  8. 野田哲

    野田哲君 いま総裁の方では詳細な分析はしていないということでありますけれども、この公労委の中で扱われた最終的な結論については、給与局長はこの内容分析には至っていないにしても、発表された状況については承知をされているんではないかと思うんですが、その点給与局長いかがですか。
  9. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) 昨夜からけさにかけまして、大詰め段階であるということをテレビ等承知しておりまして、給与局民間給与担当、あるいは公務員分析担当それぞれおりまして、担当の者が内容の確定するのを待って資料を入手して、それについてけさから私のところへそれを持ってまいりまして、新聞に出ておりました公表資料そのものではございますが、内容についてはよくわかっています。
  10. 野田哲

    野田哲君 全体のこの平均の率と金額、これがわかっておれば説明していただきたいと思うのです。
  11. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) 三公社現業全体の平均といたしまして、組合員平均でもちろんございますが、単純で五千六十一円、これは二・二%プラス千五百円という構造になってございますが、五千六十一円の三・一三%の引き上げ率、単純でございます。それから加重平均の方は五千三十五円、率にいたしますと同率でございますが三・二二%、こういう御発表になっております。
  12. 野田哲

    野田哲君 けさ新聞発表で見ると、委員長見解というか、委員長コメントとして、三公社現業賃金決定に当たっては公共性の強い民間私鉄、それから電力を特に重要な参考にしたと、こういうような意味コメント発表されていたと思うんですが、私鉄並びに電力状況を把握されておれば伺いたいと思います。
  13. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) 私鉄の方でございますが、これは八千八百円、率にいたしまして五・五三%、それからそのほかにボーナスでございますが、これが〇・一五月分と、こういうふうな御決定であるように、これは情報として拝見いたしております。  それから電力の方でございますが、これは九千九百円、率にいたしまして五・四%、こういうふうに承知いたしております。
  14. 野田哲

    野田哲君 私鉄のこの八千八百円、率で五・五%、それから臨時給与が〇・一五ヵ月のアップと、こういうことになっておりますが、この臨時給与扱いについては、これは昨年も給与局長とここでその扱い性格等について議論をした記憶があるんですが、昨年とことしは〇・一五の臨時給与アップについては性格を異にしていると思うんですが、給与局長はどういうふうに理解をされておりますか。
  15. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) 私鉄の昨年のおさまりでございますが、昨年の場合には基本給で一万三千三百円の引き上げ、率にいたしまして九・一六とございまして、そのほかに、これは解決一時金、ボーナスではございませんで解決一時金として三万円、こういう形をとっておりますが、ことしの場合には基準内給与の八千八百円のほかに、解決一時金という形ではございませんで、臨時給与ということで〇・一五月分あると、そういうことになっておりまして、臨時給与というのは、いわば特別給に属する臨時給与であろうと思いますので解決一時金とは性格が違うと、こういうふうに思っております。
  16. 野田哲

    野田哲君 公労協、それから私鉄電力、いま説明があったわけですが、ことしの状況を見ると、やはり国家公務員法の二十八条が、これがどういうふうに理解をされあるいは運用をされるか、こういう点が公務員給与にとってはかなり強い関心を持たざるを得ない状況だと思うのですが、二十八条の第二項、つまり百分の五という問題について現在人事院としてはどういうふうに考えておられますか、この点を伺いたいと思います。
  17. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 二十八条の関係は、いま御指摘になりましたような規定になっておりまして、これに基づいていままで逐次勧告その他の措置を講じてまいったわけでございます。ことしの場合は、いまいろいろな意見の交換あるいはやりとりがありましたように、また新聞紙上でも刻々通知されておりますように、大変厳しい状況であるということはこれは事実でございます。ただ、人事院といたしましては、人事院制度基本というものを踏まえまして、例年どおり官民較差また民間給与実態というものを調査いたしまして、その結果を見てどういうふうな措置を講ずるかということをこれから慎重に考えていかなければならぬという状況にあると思います。その場合に、これから調べてまいりますので、その結果がどのように出てまいりますか、いまのところでは予測を持っていろいろ申し上げることはやはり差し控えた方がよいのではないかと思います。そういうことで、調査が出てまいりました結果をにらみ合わせながら、二十八条の規定趣旨その他を十分に勘案をいたしまして慎重に検討したい、このように現在のところでは私は考えておるのでございます。
  18. 野田哲

    野田哲君 答弁そのものが慎重なんですが、予測はしてはいけないかとも思うのですけれども、いままでずっと給与問題を審議をしてきた経過からいって、あるいはまた私自身の経験からいっても、結果についてはある程度の予測がそれなりにつくわけです。そういう予測をしてみますと、やはりこの二十八条の二項を、一体総裁としてどういうふうに受けとめられるかという点が非常に気になるわけです。一昨日の審議の際も、総裁はいらっしゃらなかったわけですが、据え置くという場合、つまり百分の五の較差が生じないということで据え置いた場合には、これは人事院勧告制度からいって、較差清算という方式をとっていく以上は来年は二年分の較差勧告をしなければならない。そういたしますと、今日の公務員給与をめぐる環境からして、ことし据え置いて来年二年分の較差勧告を行うということは国民感情からしてなかなか素直に理解されにくい面があるのじゃないか、こういうふうに私は考えるわけです。そういたしますと、百分の五以下の較差であっても、物価上昇を続けているわけですから、較差較差として毎年清算をしていく、こういう措置の方がやりやすいんだし、それから公務員の皆さんもそのことの方がいいのじゃないか、こういうふうな点を私の見解として述べたわけですが、そのときには、まだ公労協がどうなるかということも、私鉄がどうなるかということも予測がついていなかった架空の論議でありますから、人事院としても抽象的な、いまのお答えと同じように、結果を見て慎重にというような意味のことしか答えが出なかったのですが、大体きのうの進行の状態を見て、もう架空状態とは言えない。ばらつきはあるにしても、公務員給与決定していくに当たっての要素のかなりの部分は出そろった、こういう状況になったのではないかと思うのです。そういたしますと、百分の五に満たない、こういう結果が出るのじゃないかというふうに思われるわけなんですが、もう少し総裁見解としても、方向ぐらいは私はもうこの段階では出てもいいのじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
  19. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) これから調査をいたしまする段階でございますので、予断をもってこの席でいろいろ具体的に申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますが、私自身、いま専門家野田さんからもお話がございました点については十分承知をいたしておるつもりでございまして、この二十八条の解釈ということの場合には、私は現時点で申し上げたいことは三つあると思います。  一つは、二十八条のあの条項というものは、五%の増減があるという場合には勧告を義務づけておるということでございます。したがって、五%に満たないというような場合においてもこれは勧告ができないわけではございません。それが法律一つのたてまえであるという立脚点を私ははっきり立場上明らかにしておいていいのではないかと思います。  その次には、現在はだんだんと給与基準も上がってまいりまして、一%と言いましてもごく概略申して二千円程度になるわけです。そういう面から言いまして、これは何%ということになるかどうかはわかりませんけれども、そう簡単に無視ができる数字ではないのではないか、物価上昇その他を考えますれば無視がそう簡単にできないんじゃないかという要素があるのではないかと一つ思います。  それから、その次の点といたしましては、公労協一般公務員とは、これはたてまえも違いますし、組織も一違います。違いますけれども、やはり横並びと申しますか、そういう点は十分に頭の中に入れて毎年の作業というものは進めていくという状況がございます。公労協の方もまたそうであります。そういう面から申しまして、今度は公労協についてすでに答えが出たという現実がございます。それとの均衡というものは、これは軽々に無視はできないという点は十分に考えなければいけないことではないかというふうに思います。  それからもう一つ、いま野田さんも御指摘になりましたように、毎年累積をいたしますと、これはやはり大変なことになっていく。累積ですから、ことし仮に見送るということになりますれば、来年との分で必ずそれが積み重なって相当なことになる。これは一面において、公務員自体においてやっぱり一年おくれということで犠牲を強いることになりますし、また、いまお話しになりましたように、形式的だけで申しますと二年の積み重ねということになりますからして、何だということで、国民感情からいってもこれはやっぱり納得は得にくいと。そうでなくても大変批判が多い最近の状況でございますので、そういう点もこれは無視はできないのじゃないかというふうに私は考えております。そういうような情勢を踏まえながら、調査の結果を見てひとつ慎重に検討をするという態度で、これに対しては考えてまいらなけりゃならぬのではないかというふうに考えております。具体的に五%以下になった場合にやるのかやらないのかという点につきましては、これはもうしばらく、事柄が重大でございますので、答弁は確たることを申し上げることは差し控えたいと思いますが、いまのような点については、私は十分考慮しながら結論を下していかなけりゃならぬのではないかというふうに考えております。
  20. 野田哲

    野田哲君 大体総裁の心境はわかりました。  そこで、具体的なことについて、これは給与局長に伺いたいと思うんですが、一つは、先ほど出た私鉄の場合の臨時給与扱いが昨年と変わっていると、こういう点、昨年の三万円の解決一時金の問題についてもここでいろいろ議論をした記憶があるわけでありますけれども、今度は性格が変わっている、こういうことになれば、まあ昨年の三万円については、あれは性格が違うということでどうも対象にならなかったように思うんですが、今度はやはり年間を通じてのアップという点では当然対象になるんだろうと思うんですが、最近の民間給与の取り決めの傾向として、やはり基本給上昇抑制ぎみで、年間の所得の占める割合は臨時給的なものにウエートがかかっている、こういう傾向にあるんじゃないかと思います。  それから、一昨日も質問の中でその傾向について触れたわけですが、他の産業、他の業種に対する配慮という点を経営者側の方が考えて、いわゆる春闘時点では低く抑えておいて、秘密協定みたいな形で後でこそっとアップをしていく、こういう措置がとられていく傾向にある。そういう点については、これはいま進めている民間給与実態調査の中で捕捉は一体できているのかどうなのか、捕捉されているとすれば、たとえば勧告以降に、あるいは民調の実施時期以降に支払われた臨時給、あるいは増額された基本給、そういうものは一体どういう措置をされていくのか、較差としては。こういう点を取り扱い上の問題として伺っておきたいと思うんです。
  21. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) まず、私鉄の場合の解決一時金あるいは臨時給与の問題でございますが、昨年の場合は解決一時金ではございましたが、私ども調査に際しましては、こういうものも、まあ昨年もちょうどいまごろの時期でございまして、調査段階大詰め段階で急にそういう状況がわかったものですから、にわかにそういう考慮も加えた上で急遽調査をしたという結果に相なっておりますが、その結果を見ましても、大体解決一時金が昨年の場合にはどのぐらいあったかと、ごくわずかでございました、昨年は。で、そういうことを把握いたしておりましたと同時に、これが民間給与水準のどの部分にどういう形であらわれるかということもとらえておりますが、この解決一時金の場合には、いわば臨時給与臨時に支払われたものとして、私ども調査としては一年間の毎月の臨時給与総計ということで、ボーナス計算対象として、特別給比較対象として入ってくるという形でそこでとらえておるわけでございまして、結果的にはこれが一年おくれたかっこうでその中に含まれてあらわれる、こういうことを御報告申し上げたことがあったかと思います。  ことしの場合は、これはまあボーナスのたぐいであろうと思います。まだそこまで性格的にはっきり責任のある分析をしたわけではございませんのでよくわかりませんが、もしそうであるといたしますれば、やはりことしの年間給与のその中に入るとか入らないとかいうことで、それとの公務員均衡ということになると思います。  それから、勧告といいますか、四月時点、要するに調査時点より後にそういう妥結をして、それで妥結内容配分が、調査時点の後に来るというような場合でありましても、少なくとも一妥結内容がわかっております場合にはそれをとらえてくるということを、俗に積み残しという言葉を使っておりますが、その中身で、昨年もそうでございましたけれども、何%で妥結しておって、支払いはいつで、それでその中に解決一時金というものがあればそれが幾らということをとらえるような仕組みで本年も一調査をいたしております。したがって、二番目の御質問でございますが、後で出ることになっているものについてもできるだけとらえることができるように仕組んで調査を進めるつもりでございます。  それから、表向きといいますか、と、あと内輪でということになりますが、これはいずれにしても一支払いの結果で、たとえば臨時給与でありますと時期的には後になりますが、支払い総計の中には入ってまいりますので、ボーナスでありますればそのどこかに含まれる。それから、もし四月の給与でありますればその四月の断面で、もし本年の四月に入っておらないとすれば来年の四月の高さの断面に入ってくる、いずれにしてもどこかに入ってくる、こういうことになっておるわけでございます。
  22. 野田哲

    野田哲君 つまり、間に合えば追加で捕捉をすると、間に合わなければ翌年の較差の中にあらわれてくると、こういうことですね。そういたしますと、昨年の対象になっていない較差については本年の中に上積みをされる、こういうことだと思うんですが、金融関係、これは残っているんだと思うんですがどうですか。
  23. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) まあそう断言ができるかどうかは別といたしまして、産業別に見ましたところ金融関係は私ども調査時点には入らない場合が多いというようでございます。
  24. 野田哲

    野田哲君 時間がありませんのであと端的に伺いますが、先ほど、公労委発表された三公社現業の昨夜決定された内容、全体の平均的なものを発表されたとお答えいただいたわけですが、三公社現業といいましても、年齢構成とか職種構成等によってかなりばらつきがあるわけですが、このばらつきの中では、私どもいままでの比較から言いますと、三公社現業の中では国鉄の場合が一番公務員のあれに近い数字に例年なっていると思うんですが、先ほど総裁は、ことしも一例年の例を踏襲をしてやっていると、こういうふうにおっしゃったわけですが、そうすると、大体国鉄の関係が一番類似の数字として受けとめてよろしいんですか。
  25. 角野幸三郎

    政府委員角野幸三郎君) 全体平均でとらえて、平均べース本年四月の基準内給与が十六万、大体十六万一千円ぐらいというような感じになっておりますが、国鉄、一番べースの低いといいますか、もちろん職員構成、年齢構成が違う関係がございますが電電公社と国鉄との間に約二万五千円ぐらいの水準の開きがございます。したがいまして、べースアップをいたします二・二%プラス千五百円という方程式でもって開きました場合に、その間に相当な開きができると、こういう関係でございます。私どもの一般職給与法適用職員の場合はそのどれに近いかといいますと、国鉄に非常に近いということは事実でございます。これよりやや水準としてはもうちょっと上でございますが、この八つの中では一番近いということでございます。そういう非常に大ざっぱな言い方で申しますれば、従来とも仲裁裁定の金額の企業別のも一のを見ますと、国鉄が一番類似の関係にあると、その程度の非常に大ざっぱな話だとは思います。
  26. 野田哲

    野田哲君 最後に総理府の方に伺いますが、例年公務員給与取り扱いにつきましては、人事院調査勧告の結果を受けて給与法の改正をやるという手順になって、これが非常にいつも手続上時期がおくれるわけです。昨年もジングルベルが鳴るころにやっと決まって四月からの差額の清算が行われたと、いうことになっているわけです。こういう扱いになってまいりますと、よく新聞などでは、特に地方公務員、県庁とか市役所のその清算されるときの状態などを写真に写して、差額の支払いがされているときにこれを写真に写して、ローカル記事では、公務員には二回のボーナスが払われた、こういうような報道がされるわけです。つまり十二月に、年末手当と、それからもう一遍別のボーナスが払われたと、こういうような報道がされて、これが世間で大変誤解を生んでいるし、払われる公務員の側に立って見れば四月からの清算されるものが十二月に払われるわけですから、むしろ逆に利子をもらいたいぐらいの気持ちがあると思うんです。そういう世間の誤解を生じないようにし、そしてやはり制度として決めるべきものは早く決めていく、こういう点からしても、できるだけこれは早く処理をしていくということが望ましいし、本委員会でも、何回もこれは附帯決議として政府の方に要望をしているし、制度の根本的な改革等についても附帯決議として要望しているところでありますが、本年の場合を考えてみますと、巷間いろいろ夏ごろには補正予算というような情報といいますか、風評もあるということですけれども、そのことはともかくとして、できるだけ早く決めるべきものは決める、こういうことが当然望ましい姿と思うんです。  そこで、いま人事院の方ではまだ慎重にこれから検討するんだと、こういうことでありますけれども勧告がことしの七八年春闘の結果を調査をした上で行われれば、当然これは政府としても尊重し、できるだけ早く実施をしていくという見解をいままでも述べられておりますが、今回の場合もそういうふうに理解をしていいのかどうか、総務長官の見解を伺いたいと思います。
  27. 稻村佐近四郎

    国務大臣(稻村左近四郎君) まあ御指摘のように、たてまえとして人事院勧告を尊重すると、こういうたてまえをとっておりまして、今後もその方向でまいるというふうに申し上げておきたいと思います。     ―――――――――――――
  28. 塚田十一郎

    委員長塚田十一郎君) この際、国の防衛に関する調査もあわせて議題といたします。
  29. 黒柳明

    ○黒柳明君 装備局長ですか、昨日アメリカの会計検査院が、またF16、なかんずくF16の問題、これはエンジンだけじゃないと思いますが、エンジンも含めて欠陥があると、こういう勧告、しかもこれは上下院議員に対しまして、生産、さらに配置も再検討せよと、こういうことなんですが、きのうのきょうですけれども、非常に重要な問題なわけですが、その全般もうつかんでいるんでしょうか、あるいはもう四十八時間たちましたから、電話等で何らかの情報というものをつかんではいるんですか。
  30. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 四月二十六日の新聞報道によりますれば、ただいま先生がおっしゃられましたように、上下両院議長に、国防長官に、ただいま先生がおっしゃいましたような内容勧告をするようにという報道がありましたわけでございまして、その報道によりますると、エンジンの欠陥といたしまして、タービンブレードが壊れやすい、それから飛行中に作動が停止したり停滞したりすると、それからまた、燃料ポンプの流れが悪い、加速及び耐久性に問題があると、以上四つの点が挙げられておったわけでございまして、このF16用のエンジン、F100というエンジンは、私ども一が予定しておりますF15に塔載するエンジンと同型でございますので、私どもといたしましても早速それを駐在武官に電話をいたしまして、またメーカーにも電話いたしまして、その事実関係、それから会計検査院報告の、その報告書のそのものを入手するように努めておるところでございます。  F16に関しましては、昨年の四月にもやはり米国の会計検査院の報告書が米議会に提出されておりまして、その中でエンジンのスタグネーションストール、過大な地上走行速度、これはエンジンではなくて機体の問題だろうと思いますが、それから脆弱性といったようなものに問題があるということが指摘されておったわけでございまして、まあエンジンに関しましては、このスタグネーションストールに関しましては所要の改修措置というものが講じられたというふうに聞いておる次第でございます。
  31. 黒柳明

    ○黒柳明君 電話で問い合わせたときにどのような情報をつかんだのか、ただその勧告の全文を取れと、こういうことなんでしょうか。ということは、一昨年上院でブラウン長官、ミサイルの問題、あるいはマーチン海軍の副長官、これはエンジンの問題等、一たびはデフィシェンシー、欠陥だと、国会での質疑ですから、欠陥じゃなかったんだと、改良なんだとこれは訂正されてきましたが、今回は検査院の勧告ですから、国会での言葉のやりとりじゃありませんが、それも間違いなくデフィンシェンシーという言葉が使われている、欠陥だ、こういう言葉が使われている。そうなると、やっぱり昨年の二月、上院で発言があった欠陥という言葉は、後で日本で問題になったとき、欠陥じゃないんだと、アメリカの核じゃありませんけれども、アメリカの言い分をそのままうのみにしたのはあるいは間違っていたのかもわからないなあという感じをいませざるを得ないわけでありまして、行政府の一角である、しかもチェック機関である検査院が、欠陥、しかも重大な欠陥だと、こういう形容詞までつけているわけですから、ですからこれは前回私も指摘しましたが、国会での単なる論議の中における欠陥、いや改良なんだという言葉の選択とは違うと、こう思いますよ。ですから、これはもう当然重大関心持たなきゃならないし、内容についても相当厳しいものがあるんじゃなかろうか、こういうふうに思うわけですけれども、いま全文、全体的なものを取り寄せている最中ですね。電話ではそういう情報というものは何にもつかまなかったんでしょうか。それと、もしつかんでいないとすれば、今回の検査院の勧告というのは、昨年の議会のブラウンあるいはマーチンのこの言葉のやりとりの中の欠陥とは違うような感じが私は強くするんですけれども、そのあたり、専門家の装備局長はどういうふうにお感じですか。   〔委員長退席、理事原文兵衛君着席〕
  32. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) この米国会計検査院というのは、行政府の一環でなくて米国の議会に付属しておる機関と、こう承知しておるわけでございますが、いずれにいたしましても、公的な重要な機関でございまして、その報告というものはやっぱり重大な関心を持って見ておるわけでございまして、電話で指令いたしたところは、その報告書の入手と、それから事実関係の把握ということを命じたわけでございまして、その返事が来るのを待っておる、そういう段階でございます。
  33. 黒柳明

    ○黒柳明君 F16と15のエンジンのF100型というのは全く同じものですね、同型のものですね。
  34. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 同型のも一のでございまして、ごく細部を除きましては同じもの、こう考えていただいて結構でございます。
  35. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、同型のもので、しかもF15、ストール、エンジンの停止がある。これは高性能のこういう中において、これは改良をしているけれどもやむを得ない状態だと、こういうような答弁が先回ありましたけれども、しかも今回は、いま四つ挙げましたけれども、私もそういうふうに電話では聞いております。その中の作動中のエンジンの停止とか、あるいは燃料パイプの油の流れが悪いとか、ここらあたりはエンジンの失速、停止とまあ連動しているのかわかりません。いま改良中、こういうことかわかりません。しかし、今回検査院の指摘である四つのうちの二つ、一つはタービンのブレードが破損する、これは破損すれば完全にエンジンが故障して、これはただ単にエンジンを再始動すればいいんだなんというものじゃありませんね、あるいは空中でできなければ地上で整備すればいいんだというものじゃない。完全にこれは事故につながるわけですね。それからもう一つは耐久性がないと、これも全くエンジンのストール・アンド・スタグネーション、エンジン停止とは全く違う指摘なんですね。これは検査院の指摘勧告ですから、上下院に対する生産会社、配置の再検討までも要求している根拠ですから、完全に、詳しいリポートを入手するまでもなく、間違いなく昨年の二月、私がまた国会で問題にしたエンジンの欠陥、トラブルとは違った面の新しい指摘が今回の勧告では盛られていると、これはひいき日なしにそういうふうに見ざるを得ないと思うのですが、どうでしょうか。
  36. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) まず第一に、エンジンのタービンブレードにつきましては、昨年の初め、私どもも米国側より報告を受けておるわけでございまして、それによりますると、二段目のタービンブレードに振動による疲労上の問題があるということでございまして、その後タービンブレードの耐久性の向上のために製造方法の改良及び受領検査の強化によりまして解決されておる、こう聞いておるわけでございます。  それから、耐久性の問題でございますが、この二段目のタービンブレードの振動による疲労上の問題というものに関連いたしまして、そういう耐久性、もちろんこのタービンブレード、重要な部分でございますから、全体の耐久性というのに非常に関係してくるわけでございますが、このタービンブレードの問題はすでに解決されておる、こういうふうに聞いておるわけでございまして、その耐久性をはかる一つの非常に大きな目安になりまするオーバーホールの間隔というのが、非常に大切な目安になると思うわけでございますが、このF100のエンジンにつきましては、当初オーバーホール間隔というのが二百五十時間であったわけでございますが、逐次延長されてきておりまして、昨年の十一月から千時間というふうに順調に延びてきておる、こう考える次第でございまして、このF15につくエンジンよりももうずっと先に開発製造されておりますF4のエンジンを見ますと、これがF15のエンジンよりは大分前から製造されておるわけでございますが、製造されて、時がたつに従って改良され、オーバーホール間隔というのが延長されてきておるわけでございますが、これがF4のエンジンといったのがいまオーバーホール間隔が九百時間でございまして、それに比しましてF100のエンジンはすでに千時間のオーバーホール間隔をとっておるというようなことから考えましても、耐久性に特段問題があるというふうには考えてはおらないわけでございますが、いずれにいたしましてもそういう報道につきましては、資料を入手して厳重にチェックしていきたいと、こう思っておる次第でございます。
  37. 黒柳明

    ○黒柳明君 耐久性、タービンブレードが問題があると知ったのはいつですか、それは解決したという連絡があったのはいつですか。
  38. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 昨年、七七年の二月の初めであったと記憶しております。
  39. 黒柳明

    ○黒柳明君 解決したというのが。
  40. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ええ、解決したというのは。
  41. 黒柳明

    ○黒柳明君 問題があったというのはいつですか。
  42. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) それより数ヵ月前だと記憶しております。
  43. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、七六年の秋ごろに、問題がある、こういう情報が来て、それから数ヵ月後の七七年の二月にかけまして米国会でその問題が指摘されて、それと同時に問題が解決したというのですか。だから、米国会で解決したという時期を私は問題にしているのですけれども、いつ問題が解決したというふうに連絡が来たんですか、正確な時期。
  44. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私ども承知している限りにおきましては、一九七七年の二月のアメリカの議会におきましてこの問題が解決したと、そういうふうに報告されておると承知しております。
  45. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、いまの会計検査院の勧告は、すべて、タービンブレードの問題も、耐久性の問題も過去のものなんだと、もうすでに改良されているんだ、修理されているんだと、こういうことをおっしゃりたいと、こういうことですか。
  46. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) それはその報告書を入手してからでないと断言できないと思うわけでございまして、その報告書で指摘されておる事実がいつごろ起こった問題かというようなことを確認しないと、すべて解決しておると、そういうふうに確言はできないと思います。
  47. 黒柳明

    ○黒柳明君 だって、そのうちの一つよ、タービンブレードの破損の問題。これは昨年の二月に解決しているという問題を、いま一年二ヵ月後ですよ。一年二ヵ月後、会計検査院の勧告、しかも生産の勧告、再配備についての検討一これを要請する根拠となっているわけですよ。それが、一年二ヵ月前に解決したというものであれば、ちょっと私それ疑問なんですけれどもね。一年二ヵ月後にそんな勧告するなんというのは常識的に考えられない。異質のものじゃないですか、全く。異質のもの。二月のいつですか、その解決したと。どういうときの国会の――上院ですか、下院ですか、どういう委員会ですか、だれの発言ですか、具体的に。   〔理事原文兵衛君退席、委員長着席〕
  48. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 今回指摘された問題と、私ども解決済みであると思っている問題と本当にぴたり一致するかということは、その報告書を見てからでないと何とも確言できないと思うわけでございますが、この解決済みであるという報告を行いましたのは一九七七年二月十七日の下院の軍事委員会においてでございます。
  49. 黒柳明

    ○黒柳明君 だから、要するにいまおっしゃった、くしくもぴったりしているかどうかわからないというのは、一年二ヵ月前の問題をいま勧告することは常識的に考えられないという方に善意に理解せざるを得ないんじゃないんですか。そういう、一年二ヵ月前米国会で解決済みだというものを、一年二ヵ月たってこれからの生産、これからの配備、NATOだって配備するんですよ、これから。アメリカの第一線に出るわけですよ。それについて重大な勧告をするのに、一年二ヵ月前国会で解決した問題を取り上げて勧告するなんということを考えない方が、当然常識的にね、いいか悪いかということ別にしまして、良心的なやり方じゃないんですか、そう見てやっぱりかかる必要があるんじゃないですか、当然向こうからも資料取らなければならないですけれどもね。さらに向こうの話では、アメリカの空軍が要求している三倍の事故がいままであったと、これについてはもうつかんでいたんですか。
  50. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 三倍の事故というのがちょっとわかりかねるわけでございますが、F15の製造が始められてから、その墜落事故というのは現在まで四件起こっておるわけでございまして、総飛行時間十万時間以上になっておる中の四件でございまして、立ち上がりの段階におきましてはべらぼうに多いといったような事故率ではないと、こう考えている次第でございます。
  51. 黒柳明

    ○黒柳明君 その四件と三倍と一致するかどうかわからないんじゃないですか、そんなことは。
  52. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) したがいまして、最初に申し上げましたように、その三倍というのが何を示しておるか、ちょっといまのところはっきりしないわけでございまして、その四件と必ずしも結びつくかどうかということも、その報告書を見てからでないと断定できないと、こう思っておるわけでございます。
  53. 黒柳明

    ○黒柳明君 ということは、都合のいいことは知っていると言いながら、都合が悪くなると知らないと、こう言う。終始一貫してやっぱり日米間でそういう情報の提供がなきゃならないし、これから莫大な予算を使って購入するということについて向こうよりもこちらの方が積極的であるべきでしょう。都合のいいところになると、いや知っています、こうですと言いながら、都合が悪いところになると、その三倍についてはわかりませんと、こういう姿勢じゃいつまでたったってこのエンジントラブルの疑惑が残るんじゃないですか。当然、いままでにそういうものを知っていない、そうすると、いまおっしゃったブレードの破損やなんか一皆さん方が知らない範疇であるんだろうという感触で、感覚でやっぱりこれ対処しないと、都合がいいのは知っていますけれども悪いのは知りませんと、これから聞いてみますと。要求する三倍の事故があったというんですからね、これも間違いないですね。その間違いがない三倍は何を根拠として三倍であるかって、私も的確につかめません。それははっきりしません。四件の事故であるかどうかというのははっきりしません。だけれども、そういう事故があったことも要するに勧告の前提になっているわけでしょう、原因になっているわけでしょう。生産に対して、配備に対して、配置に対して検討しろという原因になっているわけでしょう。そうすると、やっぱりこれは相当皆さん方の立場としては深刻に考えなきゃならない、三倍とは何なんですかと電話ですぐに聞いて、きょうここで報告を積極的にするぐらいのやっぱり意欲がないと、何か聞かれたときに都合がいい悪いで取捨選択して、何かこう隠すというような、いま言ったエンジン、ブレードの故障にしたって報告なんか全くないでしょう、前回言いましたように。エンジンのトラブル自体に国会報告ない。言われると一つ一つ小出しには、知っていました、直ったはずです、また新しいのが出てきた、こういうことでしょう。疑惑がいつまでたってもこれは晴れませんね。疑惑が晴れないどころじゃない、根本的には、私はやっぱりこのエンジンのトラブルがあるんだと思うんですよ、間違いなく。間違いなく欠陥がある。改良しているんじゃないと思うんですよ。これはこの前改良しているんだからと、百が百二十にしているんだからと。こうじゃないと思うんですよ、いまのアメリカのやっていることは。検査院の報告をこれはもう早く入手してもらいまして、全体をはっきりしてもらって、いいものはいい、悪いものは悪いではっきりしなきゃならない。そういう観点からひとつ早急に、これはこの次の内閣委員会、まあこれは連休明けですが、そこまでにまずこの内閣委員会で冒頭にひとつ教えてください。大丈夫ですな。その辺は十日以上ありますからね、入手してもらって、それについてはっきりいままでつかんだことも含めて報告してくださいよ、いま言ったように。タービンブレードはもう知っていましたと、いま初めて。こういうことがなきゃそのまま通っちゃったんですから。いままでこのF15のエンジントラブル、ミサイルのトラブルについて知っていることも全部含めて、この勧告内容について全部やっぱりこの次の委員会には報告してもらいたいと、こう思いますけれども委員長ひとつまた理事会で検討していただいて。以上です。
  54. 山中郁子

    ○山中郁子君 公務員給与の問題で一点だけ御質問いたします。  先ほど人事院見解なり現段階での総裁の所信を伺ったわけですけれども、私は政府がこの時点で、ことしの公務員給与についてどのようにするつもりなのか考えを明らかにしていただきたいと思います。前回のたしか内閣委員会でも若干質疑があったというふうに記憶していますけれども、四月のたしか二十日だったと思います。公務員共闘の三役と宮澤経企庁長官が給与担当の閣僚としてお会いになったときに、労働組合の要望もわかったと、総務長官中心に相談の時期があるときは要望に沿って努力をするという趣旨の発言をされたと伝えられておりますけれども、その辺を踏まえられた上での総務長官の政府としての現段階での見解をお聞かせいただきたいと思います。
  55. 稻村佐近四郎

    国務大臣(稻村左近四郎君) まだ現段階では人事院勧告が出ていないときでありますから、何とも申し上げようがないと思いますが、私は従来から人事院勧告を尊重してまいっておるわけでございますから、当然人事院勧告を尊重してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  56. 山中郁子

    ○山中郁子君 公務員共闘の三役と宮澤経企庁長官がお会いになったときのお約束は、当然総務長官としてもその上に立って要望に沿うように努力をするというお気持ちであるということは変わらないわけですね。
  57. 稻村佐近四郎

    国務大臣(稻村左近四郎君) 変わりません。
  58. 山中郁子

    ○山中郁子君 私は、この機会に公務員の定年制の導入の問題についてお伺いをしたいと思います。  初めに、昨年の十二月二十三日の閣議決定として「国家公務員に定年制を導入するものとする。このための具体的準備及びこれに関連する現行諸制度の見直しを行う。」ということが報道されました。で、このような閣議決定内容としても記録されているわけですけれども、この点について現在政府がどのようなことを、何か見直しをするとか、そういうことがされているのかどうか、現状の政府見解なり取り組みなりの状況を伺っておきたいと思います。
  59. 稻村佐近四郎

    国務大臣(稻村左近四郎君) 定年制を導入するということが閣議決定されてその方向であるということは、これは申し上げておかなければならぬと思います。しかしながら、国家公務員の定年制というのは、身分の保障と申しますか、重大な問題だと思います。そういう意味から、私は二月三日人事院総裁あてに書簡をもってこの見解を求めているところであります。まあ人事院見解が示されるならばこれを尊重してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  60. 山中郁子

    ○山中郁子君 私は、この公務員の定年の問題が、歴史的に見てもストライキ権剥奪などとの関係で、公務員の身分保障という立場から定年制がとられていないという問題を重視してきておりますし、私は、当面国として一律に公務員の定年制をしくということには反対の見解を持っております。まあしかし、きょうは限られた時間ですからその論議は別といたしまして、いま総務長官から書簡をもって人事院に問い合わせていると、見解を求めているというお話がございましたので、人事院の現段階での実情をお伺いしておきたいと思います。
  61. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) いまお話のありましたところに特に異議を申し立てるつもりはございませんですが、私の承知をいたしておりまするところでは、この定年制の問題と、公務員の労働基本権の取り扱いとは直接の関連はないというふうに考えております。  御承知のように、わが国の場合におきましては、明治以来から特定の公務員を除きましては実は定年制がしかれないままで今日まで来たわけでございます。これはその背景といたしましては相当の理由があるわけでございまして、そこまでやらなくても退職管理のことが何とかうまく処理をされてきたというようなことがその背景にあったのではないかというふうに承知をいたしております。それはそれといたしまして、いまお話がございましたように、昨年の暮れに政府といたしましては、国家公務員についても定年制を導入するんだという方針が決定をされたのであります。それに基づきまして、事柄は公務員の身分保障に関する重要な事柄でございます。分限に関する重要な事柄でございますので、当時から、人事院見解は前提としてひとつ聞きたいんだというようなことがお話し合いの中に出ておったようでございまして、それを受けて二月三日、いま総務長官からもお話がございましたように、総務長官から私あてにひとつ見解を聞きたいんだという書類が参ったのであります。  人事院といたしましては、定年制につきましてはやはり大変な関心を持っておりまして、これは退職管理に関する重要な制度であるということの認識は持っておるわけでありまして、従来からいろんな角度から検討を加えてきております。また、事実退職公務員の処遇その他というようなこと等絡め合わせまして、退職公務員がどういう生活実態にあるかということを五年間にわたって詳細に追跡調査をやるというようなこともやって今日まで来ておるわけでございます。正式に御依頼がございましたので、私たちといたしましては、本格的にこれに対して対処をするという方向で現在いろいろな作業をやり出しておるような段階でございます。  まず、当面の問題といたしましては、退職勧奨という制度が、よく言われておりますように各省庁にございます。しかし、これの実態というものは、大体われわれとしてはつかんでおりますけれども、その具体的な処置あるいは問題点というようなものは、今後本当に施策を講じていくということになりますと、これはきっちりとつかんでいかなきゃならぬというようなこともございまして、各省庁の実態調査を現在始めております。そのほか、やはり外国におけるこの問題の処置の仕方、民間においても定年制というものは、大体これもわかっておりますけれども、やはり詳細にどういうふにうやっておるのか、問題点はどこにあるのかということを把握をいたしませんと、事柄が重大でありますだけに、そう軽々に結論を下せる問題ではないというような姿勢から、それらの点を十分に調査をいたしました上で次の施策というものをいろいろ考えていきたいということで、現在その初歩的な第一段階調査を始めたところでございます。事柄は、いままで日本の場合においては定年制がなかったというような実情もございます。また大変、国家公務員と一概に言いましても、その職種というものはもう多岐にわたっております。また、退職勧奨ということとの絡み合わせの問題もございます。また、世間一般の問題といたしまして、これからの高年齢者の対策、雇用問題、そういうような点も十分にやはり配慮しながら事柄は処理をしていかなきゃならぬという大変むずかしい問題もございますので、十分それらの点を踏まえながら、慎重にひとつ検討をいたしまして、十分りっぱな意見というものをそのうち総理府にお出しをいたしたいというふうに思っておりますが、いまのところ何分にも事柄は重要でございますし、慎重な調査検討の必要がございますので、時期的にいつごろどうかというようなことは、現在のところではまだ見通しは立っておりませんが、ひとつ慎重に事柄の重要性にかんがみまして対処をしてまいりたい、かように考えております。
  62. 山中郁子

    ○山中郁子君 労働基本権の問題と関係ないとおっしゃいましたけれども、私は歴史的に見ても、また道理から見ても、それは大きく関係しているということを重ねて申し上げておきたいと思いますが、その議論は別な機会に譲ります。  いま総裁も繰り返し重要な問題だからというふうに言われておりました。私もこれはまさに公務員の身分保障の根幹にかかわる問題ですから、慎重にというだけでなくて、人事院としてのきちんとした、そうした経過も踏まえた上での労働者の権利を守る立場での見解でなくてはならないと思っておりますが、そもそも私は、閣議でこういうふうに決定をして、それで「公務員に定年制を導入するものとする。」というふうに決めて、そしてそれを人事院見解を求めるというやり方自体は私は政府の圧力だと思っております。そういう圧力を受けた形でこれらの問題を検討するというような姿勢では、後々大きな問題も残しますので、人事院としては、そのよって立つ使命に照らして、公務員労働者の利益のために、この問題についてはきちんとした姿勢を堅持していただかなければならないと思いますが、その問題の一つとして、私は当然関係者の一員たる労働組合の意見を十分聞くということは、まず検討段階からされなければいけないと思っていますが、その点のお考えはいかがでしょうか。
  63. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) 政府におかれてもそうでございましょうが、われわれも別にああいう閣議決定でもって人事院に対して意見を求められてきたということにつきまして、特に圧力とかその他のような受け取り方はいたしておるつもりはございません。ただ、繰り返して申しますが、問題の重要性というものは十分認識をいたしております。それと人事院の立場というようなものも十分承知をいたしておるつもりでございまして、それらの点を総合的に勘案の上で、慎重にひとつ対応をしてまいるという基本的な姿勢は崩すつもりはございません。
  64. 山中郁子

    ○山中郁子君 当然、だから労働組合とも十分話し合うべきだという問題についても御答弁をいただきたい。
  65. 藤井貞夫

    政府委員藤井貞夫君) お耳に入っておると思いますが、実は政府当局もそうでございますが、われわれ人事院といたしましても一、仕事の性質もございまして、大変組合とはよく接触をいたしております。野田さんもいらっしゃいますけれども、年に何十回ということでない、それこそ何百回というぐらい非常に緊密な連絡をとっておるつもりでございます。(「回数じゃない、内容だ」と呼ぶ者あり)これは片岡さんも御承知のとおり。そういう意味で、事柄が大変重要ですから、当然もうすでに組合の方からもいろいろの意見の開陳がございます。これからも十分緊密な連絡を保ち、意見も十分聞きながらやっていきたい、その基本的な姿勢、これも崩すつもりはございません。
  66. 山中郁子

    ○山中郁子君 回数の問題じゃなくて内容であるという不規則発言もございますけれども、まさにそのとおりで、国家公務員の労働組合と、検討いたしました、一定の結論が出ましたというふうな話し合いをしたんじゃ意味がないわけですよ。だから、内容的な問題、おたくの方でどういう検討の過程にあっても、十分いま言われたような立場で意見も聞くということはしっかりとやっていただきたいと思います。  それで、この問題で最後にぜひ総務長官に、私は政府人事院に圧力をかけるというようなことでない点だけはしっかりとお約束をいただかなければならないと思っておりますが、すでに私はこの閣議決定なんということ自体は圧力だと思っておりますけれども
  67. 稻村佐近四郎

    国務大臣(稻村左近四郎君) これは政府の方針でありまして、先ほども申し上げましたように、やはり国家公務員の定年制というのはきわめて重大な問題である、こういったことを踏まえまして、私は人事院総裁にこの意見を求めることにしたわけでございまして、決して圧力であると、こういったことは毛頭考えておりません。
  68. 山中郁子

    ○山中郁子君 先ほど黒柳委員から提起がありましたけれども、F15のエンジン問題について次にお伺いいたします。  細かいことは抜きにして、このF15については、そもそももうさまざまなクレームがついてきているわけですね、いままで何回も。で、今度のはかなり決定的なクレームということですけれども、私はやはり基本的に、このエンジンの問題だけでなくて、もちろん私たちはF15の導入には反対して、そのことは全面的に申し上げてきました。しかしこの際、こういう状況でいつまでも次から次へと疑惑も生まれるし、今度のは疑惑という問題ではなくて決定的な欠陥の指摘ですから、当然直ちにF15の導入ということについてはもう取りやめるべきだ、そのことをはっきりさせるべきじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
  69. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) このF15の選定に関しましては専門家の十分なる検討を経たものでございまして、立ち上がりにおきましてはいろいろのECPと申しますか、技術改善要求といったようなものがたくさん出てくるというのは、それはどの飛行機でも通常のことでございまして、専門家の検討によりましてこれが一番よいと、こういうふうに決定したものでございまして、エンジンのスタグネーションストール問題とか、会計検査院の今回のその勧告といったようなもの、内容を詳細に検討いたしませんと何とも言えないと思うわけでございますが、いずれにいたしましても致命的な欠陥というふうには考えておりません。
  70. 山中郁子

    ○山中郁子君 それは検討してみなければわからないとおっしゃりながら、致命的な欠陥だとは考えていないということは、あなたの論旨自身が私は矛盾していると思います。いずれにしても、先ほどもお話がありましたけれども、会計検査院の勧告を全文とにかく取り寄せて、これは国会にも提出していただきたいと思いますが、すでにいままでやはり異常な故障があるとか、ごく新しい段階で、たしか昨年の十月ごろだったと思いますが、そうしたこともありました。国会でも議論になった覚えがあります。ごく一番新しいその問題に関して、調査報告をきちんとした文書で出していただきたい。これは何回でもこういうことを繰り返して一体どうなるのか、そのたびにあなた方はああだこうだいろいろ言いながら、言い逃れをしてきてこぎつけてきているわけでしょう。ここのところはもうこの際はっきりさせなければいけないと思いますので、前回の十月段階で、エンジンに異常な故障があるという問題が同じく会計検査院のたしか文書だったと思いますが、出ました。このことについての結果を文書で国会に報告をしていただきたい、これを要求いたします。
  71. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) いずれにいたしましても、詳細な調査をいたしましてはっきりしていただくようにいたしたいと思っております。
  72. 山中郁子

    ○山中郁子君 もちろん今回の問題は当然です。そうでなくて、私は、いままで何回もそういうことがあったんだから、一番新しい例として昨年の十月段階でのエンジンの異常故障のことに照らしてのあなた方の調査、どうせそれで大丈夫だということで結果を出したわけでしょう。それをまず文書で報告してください、それも含めて。
  73. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 昨年のそのスタグネーションストール問題、それからエンジンのフェーリアと申しますか、そういう問題につきましては、当委員会及び他の委員会におきましても十分御説明申し上げたと思っておる次第でございますが、いずれにいたしましても、それに付加すべき部分があるということでございましたら、はっきりするように御説明申し上げたいと思います。
  74. 山中郁子

    ○山中郁子君 それから、今度の問題も一十分調査してと、こうおっしゃっておられますけれども、私は調査の結果、もしも、またどういう論法になるのかは別として、致命的な欠陥ではないんだというふうになるんでしたら、この会計検査院の勧告との関係でそれをやはりきちんと証明する文書の提出を求めたいと思います。
  75. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 今回のその会計検査院の勧告というものは、配備とかその他の問題につきましてはF16の問題でございまして、F15に関連共通する部門といたしましてはF100のエンジンの問題だろうと思うわけでございますが、この事実関係を確かめた上で、もちろん致命的な欠陥ということには考えておらないわけでございますが、確かめた上で十分御納得いくように御説明申し上げたいと思います。
  76. 山中郁子

    ○山中郁子君 繰り返されるので私もこだわりますけれども調査をこれからするとおっしゃっていながら、致命的欠陥ではないと思うという根拠は何ですか。
  77. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 致命的欠陥というようなことであれば、政府から、私どもには十分事前の通知、それから説明というものがあるわけでございまして、今回の報告は会計検査院と申しますか、これは先ほど申し上げましたように、米国の議会に付属する機関でございまして、私どもも、アメリカの政府もそうだろうと思うわけでございますが、議会の権限といったようなものから申しましてもなかなか事前に入手するということは困難ではないかと、こう考えている次第でございます。
  78. 山中郁子

    ○山中郁子君 結局、致命的欠陥ではないとあなた方が自主的に判断する何にも資料もないし調査もされていないのに、ただアメリカが言ってこないからそうじゃないんだろうと、そういう姿勢だから問題が次々に起こって、さらにそれが拡大されるんだということだけを指摘しておきます。  それで、これが結果の問題ですけれども、欠陥があるということになると、当然のことながらキャンセルして日本はむだな損害を受けないという形で処理されることになりますね、当然そういうお考えはおありですね。
  79. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) エンジンに関しましてはたびたび御説明申し上げておりますように、種々の改良策がとられておりますし、非常に、エンジンの欠陥による事故というものはないわけでございまして、致命的欠陥とは考えておらないわけでございまして、それがこうなったらこうなるというようなことに関しましては、私どもは致命的欠陥でないと、こう思っておる次第でございまして、いまの段階で何ともお答えしがたいということでございます。
  80. 山中郁子

    ○山中郁子君 前に、これは昨年の一月に発表になった七八年度の国防報告ですけれども、ここでやはりこのF15の問題が指摘をされていまして、どんどん高くついてくると、で、現在計画に組み込まれているF15の生産は、経費増大問題の解決がある程度図られたとしても、一九八一年度に打ち切られるだろうというふうな叙述もあるんですね。この問題についてはどうですか、どういう見解でその後どういうように調査をされましたか。
  81. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 米戦術空軍における調達計画というのは、一九八一年の発注までに七百二十九機を発注すると、そういう計画になっておったわけでございます。
  82. 山中郁子

    ○山中郁子君 いや、ですから生産が打ち切られるだろうというようなことが国防報告で出されていましたよね、この点についてはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
  83. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 最初予定いたしました七百二十九機の全部の調達、発注が行われるのが八一年ということでございまして、当初から予定の線でございまして、全体の調達機数を減らすというようなことにはなっておらない次第でございます。
  84. 山中郁子

    ○山中郁子君 結局、問題は、そういうことも含めて、そしてさらにエンジントラブルがいろいろ出てきているということでこの状況になっているわけです。で、いままで何回も、そうした事態が起こるたびにいろいろあなた方は理屈つけて押し切ってこられたけれども、私はやはりこの問題はもうこの際、初めに申し上げましたように、ほかのもちろん理由もあります。だけど、少なくともこの問題に限ってだけ見ても、当然はっきりした姿勢をとって、もうF15の導入はやめるということを国民の前に約束をすべきだし、そういう姿勢をとらない限り国民の重大な疑惑は解けないということを強く申し上げると同時に、先ほど何点かの調査結果なりの責任ある文書の提出を求めましたけれども、再度そのお約束を履行していただくことを強く要求いたしまして終わります。
  85. 秦豊

    ○秦豊君 間淵さん、いま問題になっているエンジンというのは、主契約者がプラット・アンド・ホイットニ-社、型式がF100PW100型ターボファンエンジン、こうなっているわけですよね。調べてみると、七〇年の二月二十七日にアメリカの海空軍が契約をしているわけですね。ところが試作に入ってから、これはアメリカの航空専門誌に何回も出ているわけですけれども、メーカーがエンジン部分に幾つかの欠陥があるということを非常に素直に表現しているわけですよ。それを専門ジャーナリストが報道しているわけですね。七四年に量産に入った、そしていま実施部隊にそのエンジンをつけた二つの機種が飛んでいますね、15と16と。そういういきさつは御存じですね。当初から幾つかの欠陥を内包したエンジンであった、いわくつきであるということはお聞きになっていますか。
  86. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 技術的に克服可能であるという前提がつくわけでございますが、いろいろの十分でない点があるということは、メーカー自体が言っていることは承知しておりました。
  87. 秦豊

    ○秦豊君 それから、これはどの党の皆さんもなすったことだが、私も去年の一月の国会以来、いわゆるF15の欠陥問題というのはかなりしつこくやって、議事録調べてみると六回やってますね。そのときに、私がワシントンから、皆さんより多少早かったような記憶が議事録に残っているが、ブラウン証言のコピーをもらったときに、対比をしようとしたができなかった、あなた方が持っていなかったから。そのときに事実関係を調べてみると、二月二十二日と二月二十四日のブラウン国防長官のアメリカ議会における証言、さらに三月二日のアメリカ下院軍事委員会までは、何回繰り返してみてもデフィシェンシーという言葉、デフィシャンシーとも発音するようですけれども、これが消えてないんですよ。ところが、その三月二十四日に山崎アメリカ局長あてにミスター・ヒルトンの書簡が届いて、そしてさらにブラウン長官から三月三十日に三原長官あての書簡が来ましたね、ここでは、対日配慮からデフィシェンシーという言葉が削除されて、インプルーブメントと、つまり改良、改善になっているんですよね。デフィシェンシーの場合は明らかに欠陥であると。そこで念のために非常に重要だからアメリカの空軍のテキストをとってみたんだけれども、このアメリカの軍部ないし国防長官が、デフィシャンシーという言葉を使う場合の定義は、装備品の耐用期間中に発見された欠点または機能不良で人員に危険を及ぼすもの、またその装備品を使用不能に陥れるような重大なものを指すと、こういうようになっていましてね、これはかちっとした用語辞典なんですよ、アメリカの軍が使っているんですね。その定義と範疇に基づいてブラウン長官が数回にわたってデフィシェンシーという言葉を使っており、それがなぜか日本に対してだけはインプルーブメント、改良に変わっているんだが、これは政の範囲ですよね、政治の範囲であってテクニカルな範囲じゃない。だから、アメリカの中ではデフィシェンシーが生きているんですよ。そうはお思いになりませんか。
  88. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) そこら辺の事実関係につきまして、そのデフィシェンシーという言葉の意味その他、私の勉強不足の点もあると思うわけでございますが、山崎アメリカ局長あての手紙の改善、それから三原長官あての手紙といったようなものを分析いたしますと、みな改良可能であるということでございまして、私どもはそう思っている次第でございます。
  89. 秦豊

    ○秦豊君 いや、ですから明らかに都合のいいところをつまみ食いしているわけ、あなた方防衛庁というのは。そうでしょう、アメリカの議会では生きている言葉なんですよ。生きている概念と認識なんですよ。同じ飛行機、同じエンジンなんですよ。もちろんあの場合のブラウン氏の証言というのは、FCS、火器管制装置とか、空対空ミサイルの発射機構、モノパルスシーカーと、いろいろあったけれども、それを指して言ったことは事実であるが、あれは、日本に来たのは削除した残りが来た、お余りが。削除した部分はないんですよ。削除した部分にエンジントラブルに関する記述があったのではないかという観測も強いわけですね。だから、アメリカではもうずっとわかっていた。日本には小出しにしていた、あるいはすりかえていた。リライトをした。だから、あなた方はそれで去年一年の国会をくぐり抜けることができた。それは全体的には、きょうはあなたしかいないからお気の毒にたえないけれども、防衛局長も長官もいませんから範囲が広がらないけれども、やっぱりあなた方はFXX、正面装備強化充実というので、本来は日本列島の要撃戦闘に向かない進攻作戦用の制空戦闘機F15の装備を急ぎ過ぎた大きなとがめの一つがまた今度噴き出している。  それからもう一つは、あなたはさっきから答弁伺っていると、何か議会に付属した機関で、この会計検査院は、というふうなことをおっしゃっているんですが、幾らどこに付属していましても、監査官から不正確または不認可、不適当と認められた施設、人員、資材、役務等については、これは改めねばならぬというのがアメリカの法律ですよ。だから、アメリカの議会に付属しているからまるで弱い存在で、日本の会計検査院、これも相当いかがわしいけれども、日本の会計検査院は卓然自立して独立機構だから強いんだと言わんばかりの答弁は、やはりちょっとお控えになった方がいいと思うんですよ。そうお思いになりませんか。
  90. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) その点に関連いたしまして、私どもは、政府政府では事前に情報などが議会へ付属しておる機関からは入りにくいという意味で申し上げたわけでございまして、別に他意はございませんでございます。
  91. 秦豊

    ○秦豊君 それからもう一つ、日本の邦字紙ではないが、ジャパンタイムズの報道の方を見ると、また別なことを書いてあるんですが、会計検査院の指摘として、F16の生産配備計画は十分なフライトテストなしに進められていた事実があると、こういう指摘があるわけですよ。ならば、このF15の場合は果たして大丈夫であったのか懸念なきを得ないので、先ほどから両委員指摘されております資料につけ加えて要求しますが、アメリカがXをとって実用機にする場合には、例の共同試験部隊があります。ジョイント・テスト・フォースというのがあって、ここにF15もかかったはずだ。16はもちろんだ。ならば、空軍共同試験部隊、JTFにおけるF15のフライトテストのデータですね、果たして十全な安全審査、あらゆる部門についての、これがパーフェクトであったのかどうかということをこの際私は要求したいと思いますね。あなた方は、すぐ専門家がやった、FX準備室はベテランぞろいだと、時間と金をかけた、大丈夫だと。これはあなた方の言い方で、ぼくらは絶えずいぶかしげに見ているんだから、それに答えるようなデータを出してください。だから、皆さんが要求されたデータに、いまのジョイント・テスト・フォースのデータも、あとう限り提出をしていただきたいということを約束していただけますな。
  92. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) できるだけその内容を明らかにするというのが私どもの務めでございまして、その後安全に運航されておるわけではございますが、いずれにいたしましても、あとう限りそのように御趣旨に沿いたいと思っております。
  93. 秦豊

    ○秦豊君 それから、もう一つ気になりますのは、ジャパンタイムズによると、F16は、実戦に配備されている軍用機のために、アメリカ空軍が定めている最低基準よりも三倍も頻繁なエンジントラブルを起こしていると、したがって会計検査院はF100エンジンは不適当である、しかもデフィシェンシーじゃなくて重大な欠陥があるというのが今度のこのリポートの流れなんです。ポイントなんです。当然同じエンジンを使っているわけですから、では、たとえばアメリカの戦術空軍ですね、防空軍は、これはADCだと思ったが、これはたしかF106を使っている。ならば、いろんな機種について単位時間あたりの故障率、そういうものと比べてF15がどう位置づけられるのか、これを知りたい。
  94. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私ども一が得ておる知識では、最初の二万時間当たりのメジャーアクシデント率というのがあるわけでございまして、これによりますと、F100が二十六機、まあわが国に関係あるものだけピックアップして申し上げますと、F104が二十四機、それからF4が六機、F14が五機、F15が一機、こういうふうになっております。
  95. 秦豊

    ○秦豊君 ぼくたちの認識とかなり違うらしいので、MDAOの東京事務所、これはまるで第一線のセールス事務所みたいなものですから信用ができない。じゃアメリカの空軍省やアメリカの国防総省は厳正中立で非常に科学的に技術的に厳密かというと、やはりアメリカの軍事専門ジャーナリストやアメリカの野党議員なんかは、国防総省、ペンタゴンも巨大なセールス機構であると言っていますから、かなり割引しなきゃならぬと私は思っていますから、あなた方が駐在武官を督励して、アメリカ空軍、この場合は空軍あるいは海軍、国防総省になるでしょうね、から来たデータも、私はやっぱりまゆにつばしてやはり拝見をしたいと思うし、日本の専門家の意見でかなりトランスレートしないと、うのみにはとてもできないと思いますよ。売り込むのに一生懸命になっているキーステーションに、大丈夫かと聞いたら大丈夫という返事が来るのはわかり切っているんで、その辺は信用できませんが、資料資料として厳密に要求しておきます、私の申し上げたものを含めて。  それから、これは日本のメーカー筋の専門家指摘なんですけれども、私が冒頭に申し上げた七〇年に契約をして七四年の量産のときに一番苦労した点は何かというと、やっぱりターボファンのピッチを変える可変機構、その電子制御の部分に一番苦労してうまくいかなかった。今度も取り込みのところが三段になっているそうですが、そういうことを含めて、たとえばさっき両委員指摘されたように折れっぽいと、折れやすいというふうな指摘があったのはそういうところに起因するのではないかという見方もある。そうしますと、非常に心臓部ですよね、人間で言えば。だから会計検査院だから云々ではなくて、これは非常に私は、予算はなるほど通っていますよ、あなた方待望の。しかし、これは覆い隠してきたものが隠すよりあらわるるで次第に出てきたんだから、一つ一つ厳密にやはり国民の皆さんに明らかにするわれわれは義務を負うていますから、それについては既定の方針に変更がないというふうな居直ったあれではなくて、一つ一つ誠実にこたえていくんですと、防衛庁は、こういう約束を改めてしておいていただきたい。
  96. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 私といたしましては、一つ一つ解明していくと申しますか、明らかにしていくというような方向でやっていきたいと思います。
  97. 秦豊

    ○秦豊君 それからアメリカ空軍がすでに実施部隊からどういう改変要求が現実になされているか、それは装備を含め、それからエンジンを含め、つまりトータルなF15すべてについてどういう改善要求がなされているのか、これをやはり国会に明らかにしていただきたい。できますか。
  98. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) ECPのその具体的内容についてはつまびらかにしておらないわけでございますが、あとう限りと申しますか、いろいろの秘密の部分というのがあるのじゃないかと思う次第でございまして、そこら辺の了解をつけつつ、あとう限りそういたしたいと思います。
  99. 秦豊

    ○秦豊君 じゃちょっと、エンジンの方はそれで。  F15に関連しましてあなた方が四月早々からなすっている和田審議官と、そしてオックスマン・アジア部長との間の作業は、F15導入に関する了解、覚書の作成作業ですね、これはもうでき上がっているのか、でき上がっていないのか、それでいつごろまでにできるのか、覚書を取り交わすとすればいつごろになるのか。  もう一つは、時間がないから詰めて言いますけれども、やはり内閣委員会という当該委員会にその全文を、削除のない全文を提出をしていただけるかどうか伺っておきたい。
  100. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 四月五日からでございますか、予算が御承認願った翌日から和田審議官とオックスマン部長との間で事務的な折衝を続けてまいりまして、大体の事務的なラインというものは合意いたしまして、仮案をいま得ている段階でございまして、この要約したものを添えまして、米国の議会に承認のいまテトブルをいたすわけでございまして、そのテーブルがいまだなされたという情報には接しておらないわけでございますが、いずれにしても近くテーブルされる。それで三十日たって上下両院のコンカラントなアクションがない限りは承認されるということになっておりまして、私どもの予想といたしましては、六月の中旬ぐらいまでには米国の議会の承認が得られて、いつサインしてもいい状態になると、こういうふうに考えておる次第でございますが、その全文と申しますとかなりコンフィデンシャルな部分にわたる細かい点が入っているわけでございまして、いずれにいたしましても、そういう部門はちょっと明らかにすることを差し控えさしていただきたいと思うわけでございますが、でき得る限りその内容につきましては御説明申し上げたいと、こう思っている次第でございます。
  101. 秦豊

    ○秦豊君 その際、FMS関係経費ですね、今度の場合はFMS購入機ですから対象機が、来年度取得の。そうするとFMS関係経費と空輸経費、それから特別仕様等含め、さらにRアンドDの分担金等を全部含めて内訳を明らかにしていただきたいのと、トータルしたら結局幾らになったというのを、的確にやはり御報告願いたいという要望をつけ加えて終わりたいと思います。
  102. 間淵直三

    政府委員間淵直三君) 完全にすべて一銭一厘まで明らかというわけには、向こうとの交渉の経緯から考えてできがたい点もあると思うわけでございますが、いずれにしても大略の御理解がいただけるということにはいたしたいと、こう思っております。
  103. 秦豊

    ○秦豊君 終わりました。
  104. 塚田十一郎

    委員長塚田十一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十六分散会      ―――――・―――――