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堀江正夫君
国民の理解につきましてはおっしゃるとおりだと思います。
私は、特に申し上げたいのは、警察予備隊が発足してからもう二十何年たつわけであります。
先ほどから申し上げますように、歴代の総理あるいは長官、精強な自衛隊になれということで常に
部隊に対してはっきりした見解、御指導をしておられるわけですが、しかし、
先ほど言います本当に精強になるためには、自分自身が
努力すると同時に、さらに本当に自信を持ち、そして誇りを持てるような
状況にならなければならぬ、してやらなければいけない。その点がまだいろんな面で私はこれからという面が多いような気がするわけです。たとえば、自信を持たすということになりますか、これはもう精
強化に直接、任務遂行にも直接つながる問題でありますが、有事法令の問題につきましても、これは前の八月の十一日、この
委員会の席上で三原前長官の見解の表明もございました。また八十二臨時国会においても、本会議あるいは予算
委員会等でこの有事法令の問題につきましては、総理初め皆様の見解の表明もあったわけです。さらにこの三月十五日には、参議院の予算
委員会におきまして、ここにおられます野田
委員の御
質問に対して、総理あるいは
政府委員の方から回答されております。この有事法令の問題につきまして、総理は野田
委員の
質問に対してこのように言っておられます。この問題は「常日ごろ検討しておかなければならぬことである、」ということが
一つですね、それからもう
一つは、「そういうようなことで、もう有事に際してあらゆる面で備えをあらかじめなしておくということは当然のことである」、こういうようなお
考えを示しておられるわけであります。それに対しまして、今度は
政府委員の方が具体的な回答をしておりますが、それに対してはいま勉強しているんだと、こういうことでございます。検討しておる。有事の場合のあらゆる備えをしっかりしておかなければいけないという総理の見解、それに対しまして勉強しておる。しかも、この次の方には、「
防衛庁といたしましては現在
国民が差し迫った危機感を持っておるわけではございませんので、
防衛庁として静かにゆっくりと勉強していきたいと思います。もし、いざというときに
防衛庁がよく勉強しておったと言われるだけの
体制で勉強を進めていくつもりであります。」と、こういうことでございます。どうも言葉じりをとらえるわけじゃございませんけれ
ども、この有事の法令はいざというときに役に立たなければいけない、そのための有事の法令で、もう世界じゅう、最近だんだんできてきた新しい国は別としまして、およそ国と言われる国で有事法令を持たない国なんというのはほかにないと思うわけであります。それに対しまして、言葉じりになるかもしれませんが、「いざというときに
防衛庁がよく勉強しておったと言われるだけの
体制で勉強を進めていく」と、これではちょっとピントが違っているのじゃないですか。私は、確かにいま
防衛庁が言われるように、ここ一、二年のうちに危機が迫っておるということではないかもしれません。しかしこの問題は、この国会において
国民との間において十分に論議を重ねて、そして熟成さした上で法律化を図っていく問題だと思います。したがいまして相当
期間を要します。それを静かに勉強さえしておけばいいんだということでは何ともぐあいが悪いじゃないかと、こう思うわけですが、いかがでございますか。