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1978-04-25 第84回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月二十五日(火曜日)    午前十時七分開会     ―――――――――――――    委員の異動  四月十九日     辞任         補欠選任      沓脱タケ子君     市川 正一君  四月二十四日     辞任         補欠選任      市川 正一君     沓脱タケ子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         栗原 俊夫君     理 事                 長田 裕二君                 西村 尚治君                 最上  進君                 案納  勝君     委 員                 小澤 太郎君                 郡  祐一君                 志村 愛子君                 新谷寅三郎君                 菅野 儀作君                 高橋 圭三君                 前田 勲男君                 大木 正吾君                 大森  昭君                 中野  明君                 矢原 秀男君                 沓脱タケ子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  服部 安司君    政府委員        郵政政務次官   宮崎 茂一君        郵政大臣官房長  河野  弘君        郵政省郵務局長  神山 文男君        郵政省貯金局長  高仲  優君        郵政省簡易保険        局長       佐藤 昭一君        郵政省人事局長  守住 有信君        郵政省経理局長  浅尾  宏君    事務局側        常任委員会専門        員        栗生澤喜典君    説明員        大蔵省理財局資        金第一課長    森  卓也君        郵政大臣官房首        席監察官     日裏 泰弘君        郵政大臣官房建        築部長      本松 智房君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関  する法律及び資金運用部資金法の一部を改正す  る法律の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ―――――――――――――
  2. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律及び資金運用部資金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は前回聴取しておりますのでこれより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を、願います。
  3. 大森昭

    大森昭君 本題に入る前に、過般当委員会でいろいろ議論がありました貯金利子引き下げでありますが、大臣、いろんなことを言われましたけれども、どうもきょうから郵政省立場じゃなくて、大蔵省立場と言うと少しおこられるかもわかりませんが、どうもいろいろ言われたことが少しでも実現されるかと思いましたけれども、全くもう大蔵ペースで、私は問題は、ひとつ理解をしていただきたいのは、これから保険の問題にも入りますしいろんな問題をやるわけですけれども、御案内のように郵政事業というのは現業の官庁でありますから、したがって事業を行っているわけですから、大蔵財政金融みたいな手直ししたとかするとかいうことでやっているのではないのでありまして、ですからいかに事業の運営にこの郵貯の利子の問題が大きく影響しているかということを考えていただきませんと、まさに郵政事業国民のためのものとして、そしてまた働く人たちが意欲的に事業を行うという立場がなくなりますから、服部郵政大臣郵政大臣なんでありますから、郵政事業を一体どうするかという立場でやっていただきたいと思うんです。まあこれは過般の委員会でそれぞれの先生方からお話がありましたから内容は省略いたしますが、いずれにいたしましてももう抜本的に預金者の保護の問題、そして基本的な検討をひとつ十分深めて対処していただくように、きょうからの引き下げでありますから、冒頭お願いをしておきます。  それから、公労協ストライキもまたきょうから始まっておりますので、これまたこの場での議論をする気はないんでありますが、ただひとつ公労協に対しまして、大変厳しい批判もありますが、同時に私は経営者であります省の方にも十分反省をしていただかないと、問題の解決が今後も図られないと思うんであります。いずれにいたしましても、私鉄が動いてくるでしょう。そして、当局側が一方的に調停に持ち込んだわけでありますから、いずれ調停委員会の場に出るんだろうと思いますが、しかしどうも交渉の経過を見ていますと、その前にもう一度政労交渉を行ってという状況になるんだろうと思います。したがいまして、今日公労協に回答されておるのは、まさに定昇を抜きますと一・五四%ですから、二千四百七十三円程度のものしか回答されておらないで、まさに自主回答をサボっておるわけでありますから、どうかひとつそういう意味合いで一日も早くストライキ解決できますように、経営者側もひとつしっかりやっていただきたいと思います。  なお、全逓ストライキの問題でありますが、新聞にいろいろ出ておりますが、弾圧がこわいとか財政的な問題があるとかということじゃなくて、春闘全体に影響がありますので、中央本部ストライキを中止をいたしましたので、ともすれば少し抑圧的に労務政策を進めれば組合はストライキなんかやらないんじゃないかというようなお考えはないと思いますけれども、そういうことで労使関係をやっていきますと正常な労使関係になりませんので、どうかひとつ全逓ストライキの問題などについてもお互いに誠意を持って話し合っていけば問題の解決というのは行われるわけでありますので、私はその一つの証左だというふうにも考えますので、そういうことでひとつストライキの問題も対処していただきたいと思います。  本問題に入りますが、まず今回の法律改正でありますが、従来からの討論をずっと見ておりますと、ことさら余裕金積立金との運用を別個にしないで同じように運用をしてもいいんじゃないかというふうに考えますが、なぜ今回このような形で余裕金運用を行うのか答弁お願いしたいと思います。
  4. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) お答えいたします。  郵政省といたしましては、従来から余裕金をその性格にかんがみまして積立金と同様に運用することができるように制度改善を主張してまいったわけでございますが、なかなかその点では大蔵省との間に合意に達するに至っておりません。昨年の暮れにおきましても、強力に折衝してまいったわけでございますが、いま申しましたようなことでございまして、ひとまず余裕金資金運用部預託利率算定方法改善等によりまして簡保資金運用利回り向上を図ることとした次第でございます。もちろん、今回の措置をもちまして余裕金運用制度に関する問題がすべて解決されたわけではございませんので、今後とも加入者利益増進という見地からいたしましてさらに努力をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
  5. 大森昭

    大森昭君 局長の話によりますと、ひとまずということなんでありますが、いろいろ衆議院段階討論なんかも読んでおりますが、これは段階的に、今回のようにして、そしてまた自主運用に近づいていくというような段階的に考えているような御発言でありますが、私はそういうように理解はしないのであります。本質的に郵政省が主張するような自主運用ということについては否定をさて、便宜的に今回の法律改正のような中身でいくというのが私の理解でありますので、いま局長は当座これで行くけれども自主運用についてはなお努力をして実現をしたいというような御発言ですが、少し食い違いがあるのじゃないかと思いますが、その辺はどうですか。
  6. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) この余裕金積立金と同様に郵政大臣運用するという点につきましては、一つは同じ簡保資金といたしまして将来の加入者に対する保険金等の支払いのための準備資金であると、こういった点で同じ性格であるという性格論一つございます。それからもう一点といたしましては、やはり加入者の福祉の増進のために運用利回り向上を図っていかなければならない、こういう問題がございます。今回その性格論すなわち同様に取り扱って運用すべしという点につきましては意見が合わなかったわけでございます。一方におきまして、運用利回り向上という点につきましては、御承知のように従来余裕金運用利回りというものが他の積立金運用利回りに比べまして低かったわけでございまして、これが全体の運用利回りの足を引っ張っていた、こういった形がございまして、今回のこの制度改善によりまして、その点では一歩前進、すなわち運用利回り向上という点について従来よりも余裕金運用利回り向上する、こういった形に制度改善されるという点が一つ前進である、こういったことで一歩前進として今回の措置をとらしていただきたい、かように考えている次第でございます。
  7. 大森昭

    大森昭君 前進でないとは私は言わないんですけれども、確かに保険事業の中で運用利回りがいいか悪いかは、これはまさに商品を売る立場からしますと、利回りがよけいになればいいわけでありますけれども、私はそういう問題じゃなくて、いわゆる余裕金積立金の問題について、先ほど貯金の場合にも申し上げましたけれども、問題は事業をやっているわけですね、郵政省というのは。ですから、そういう意味からいきますと、みずから自主運用をするという立場からすると、利回りの点からは一歩前進かもわかりませんけれども自主運用をするという立場からすれば一歩も半歩も前進してないというふうに私は理解するけれどもどうかという質問をしたんでありまして、むしろ保険局長答弁よりも、きょう大蔵省から来ているんだと思いますが、答弁してください。
  8. 森卓也

    説明員森卓也君) 大蔵省立場につきましてお答えいたします。  特別会計積立金あるいは余裕金といったような国の制度信用を通じまして集まりました資金は、財政金融政策整合性を図りながら、効率的な行政機構によって安定的にかつ公共的な運用が行われるということが国の財政制度上最も望ましいというふうに私ども考えております。資金運用部によりますところの統合運用制度というのはこういう考えに基づいたものでございまして、特に最近のように財政が非常に問題を抱えている現状におきましては、こういった制度の基本を守るということはぜひ必要ではないかというふうに考えております。もちろん、簡保余裕金が他の特別会計余裕金性格が多少違うじゃないか、そしてそれを分離運用すべきだという御主張があることは十分承知いたしておりますが、たとえば長期運用になじむ資金だという意味では、郵便貯金もあるいは年金資金も同様でございまして、こういうものにつきましては大蔵省としては資金運用部による統合運用の原則の中で、確実有利かつ公共的な運用を図るように努めているわけでございます。ただ、簡保積立金につきましてはすでに分離運用をされておりますけれども、これは戦前からの長い歴史のあることでございまして、私どもの方の立場から見ますと、たった一つ唯一例外でございます。ただ、簡保積立金あるいは余裕金運用利回り向上が必要だという点は、先ほど先生も御指摘のとおり、事業をされている立場からは当然だという気もいたしますので、この点につきましては従来から大蔵省としてもできるだけ郵政省に対して御協力をしていこうということで、先生承知のとおり、かねてから余裕金に対しては他の預託金と違います特別の利子を付すると、あるいは積立金運用につきましても、有利運用の比率を向上するように御協力をしている、あるいは積立金運用対象範囲の拡大をしてきたというようなことがあるわけでございますし、さらに先ほど保険局長からお話がございましたように、今回の法律改正によりまして、さらに運用利回り向上されるだろうというふうに考えておるわけでございます。
  9. 大森昭

    大森昭君 あなたの話をもうちょっと分析をして議論したいんですが、まずちょっと私の聞いたところでは、何か自主運用をしますと安全確実じゃないようにも聞こえるんですがね。安全確実という点では、現在、積立金自主運用しているわけですから、この余裕金自主運用をしたにしても安全確実の点は関係ないわけですね。何かあなたさっき安全確実じゃないみたいな言い方をしましたけれどもね。
  10. 森卓也

    説明員森卓也君) 私が申し上げましたのは一般論として申し上げたわけでございまして、簡保余裕金郵政省運用すると安全でないという意味ではございませんで、一般的な問題として、政府信用制度を通じて集めた資金をそれぞれ集めたところが運用するということは必ずしも公共性にマッチしない、あるいは安定しない場合が間々起こる可能性があるということを申し上げたわけでございまして、先ほど申し上げましたように簡保積立金唯一例外でございますけれども、それぞれ国の制度信用を通じて集まった資金につきましては、それぞれの所管省庁自主運用をしたいという要望があるわけでございますけれども、それに全部応じて資金運用部制度というものをやめてしまうと、統合管理運用制度をやめてしまうということになりますと、これは国民経済的に見ていろいろと問題が出てくるという意味で申し上げたわけでございます。
  11. 大森昭

    大森昭君 いや、質問したことだけ答弁しなさいよ、よけいなこと言わないで、私は全部自主運用しろなんと言っているんじゃないんだから。いま保険積立金余裕金の話をしているんですから。あなたは一般的に言ったって言うけれども大蔵官僚の思い上がりじゃないですか。安全確実じゃないという言い方はない。郵政省だって大蔵省だって対等でしょう。しかも、郵政省立積金というのは自主運用しているわけですよ。その金が余裕金よりか膨大なんでしょう。そうでしょう。それを今度余裕金自主運用するということにしたらどうかという話をすれば、あなたの言っているのは安全確実であるかどうかというふうに、これは一般論なんて言われたけれども、最もこれは郵政省に対する不遜な言葉ですよ、あなた。  それから、長期資金、いわゆる貯金の問題、厚生年金の問題と言われましたけれども保険事業というものは一体何かということをあなた理解しているかどうかという問題なんですよ。ですから、あなたがいま余裕金については自主運用は認められないのだという言い分について私は一つ一つ質問しているわけですから、明確にひとつ答弁してくださいよ。
  12. 森卓也

    説明員森卓也君) 大変くどいようでございますが、私は郵政省簡保余裕金自主運用するとそれが安定的な運用が行われないということを申し上げたわけではございませんで、ただ、簡保余裕金についてこれを分離運用をするということになりますと、他の資金運用部に対する預託制度というのが崩れて、その結果、全体として国の資金の安定的な運用が行われなくなるということを申し上げたわけでございます。
  13. 大森昭

    大森昭君 だから、なぜ余裕金自主運用すると預託制度自身が破壊をするんですか。大蔵省がいま預託を受けている金額というのは幾らですか。
  14. 森卓也

    説明員森卓也君) 現在運用部預託されている資金総額で六十四兆程度かと思います。
  15. 大森昭

    大森昭君 郵政省自主運用しておる積立金幾らで、余裕金、今度郵政省自主運用を認めてもらいたいという私の意見についての金額幾らですか。
  16. 森卓也

    説明員森卓也君) 郵政省が自主的に運用されております積立金総額は約八兆円、それからただいま私どもの方に預託をされております余裕金は一兆二千億でございます。
  17. 大森昭

    大森昭君 積立金郵政省自主運用のものについて、大蔵省は全然チェックしていませんか。
  18. 森卓也

    説明員森卓也君) 積立金につきましては郵政大臣管理運用するところとなっておりますので、私どもはいろいろお願いはいたしておりますけれども、チェックをするというような立場にはございません。
  19. 大森昭

    大森昭君 いろいろお願いをしたり、いろいろ協議をしているわけなんです。前でまた問題提起しますけれども予算編成のときに。ですからあなたの言う六十四兆という膨大な預託金の中の一兆円の、あなたが認めることによって預託制度が破壊するようなそんなオーバーな言い方してみたり、それから郵政省自主運用をさしたら日本の経済の財政金融制度がどっちへ行っちゃうかわからないような言い方をしているのは全く正当性がないんですよ。まさに大蔵官僚として自分のなわ張りをとにかく取られたくないという考え方に基づいているとしか私は言いようがないです。しかし、きょうあなたに言っても、あなた大蔵大臣じゃないんだから無理だろうと思いますからこれ以上のことは言いませんが、もう少し私は、郵政省というのは事業をしているわけです、さっきから言うように。とりわけ保険とは一体何かということなんですよ。同じような、こういうことを言うとまた後で怒られますけれども、それは三公社五現業の中にもいろんな仕事していますよ。しかし保険の仕事というのはまさにもう日常生活に密接に影響するでしょう。それで自主運用をしてやった方が利回りがよくなるという形になることはわかっているわけでしょう、あなただって。ですからまさに私は、そういうなわ張り争いの中で論争されているだけならいいんですけれども、むしろ私ども日常生活の中で保険事業国民立場でやっているものについて、高い品物を売らしている原因は大蔵省にあるということなんですよ。  ですからそういう意味で何回も同じような、あなたの答弁というのはずっと見ています、私も。同じようなことしか言っていませんよ。しかし、もう少し私はそれぞれの、これは私率直に申し上げますが、これはいま私が言っている意見というのは私だけが言っているんじゃないんですよ。行管もそういう指摘をしているでしょう。郵政審議会もそういう指摘をしているでしょう。それから衆議院議事録を見ますと、自民党の先生方も、与野党挙げて主張しているんですよ。そうすると、一体あなたの答弁というのは、日本国全体の中からいけば、大蔵省の一部の人たちが言っているだけなんだよ。だれもあなたたちの言っていることについて賛成している人いないんだよ。だからそういうことをあなたが、きょうはまた逓信委員会大森が何かやるから、まあ君行ってこいよと言って、ああまた行ったら同じようなことを言っておけばいいというんじゃ、これじゃ何のためにこの国会で議論したかわかりませんよ。だからもう少し、行政管理庁も指摘されている。郵政審議会指摘している。与野党の先生方初め、皆こうした方がいいんじゃないかとなっているものを、もう少し真剣に大蔵省答弁するようなことを私は期待をいたしまして、これ以上あなたを責めていますと何かちょっとはしたなくなりますから、これで次の問題に移ります。  そこで保険局長お話によりますと、大分今度の法律改正運用利回りもよくなってというお話がありますが、せんだってのちょっと新聞で見ますと、民間生命保険も二十二年ぶり減配という状態なんですが、一体簡保民保のこの運用利回り関係から言って、この法案で多少余裕金利子がよくなるからということで安心ができないんじゃないかというような気がいたすんですが、どのように現状把握されておりますか、回答していただきたいと思います。
  20. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 簡保民保運用利回りの問題でございますが、五十一年度運用利回りで見ますと、簡易保険の方が七・一四%でございまして、民間保険の方は総合いたしまして八・一一%となっております。したがいまして五十一年度では、簡易保険民間保険との利回り格差は〇・九七%ということでございます。で、この格差でございますが、四十年代の初めに金利の一般的な低下傾向によりまして、民間保険利回りが低下して、四十二年度には一ポイント以内にまで縮小したわけでございますが、四十三年度以降は運用範囲も広く、かつ有利な運用対象の多い民間保険との利回り格差は常に一ポイント以上あったわけでございまして、五十一年度で〇・九七ポイントに縮小したということでございます。これは簡易保険に比べまして民間保険の方が市中金利に敏感に対応いたしますために、簡易保険との利回り格差が、金利が高いときには拡大する、また金利が低くなってまいりますと縮小すると、こういう傾向があるわけでございます。で、最近、私ども新聞等承知している範囲でございますが、若干民間保険の方の運用利回りの方が低下してきているということは承知しておりますが、具体的、詳細には存じておらないわけでございます。  それから、先ほど先生お尋ね簡易保険の今回のこの余裕金預託利率改善によって利回りが若干上がるかというお尋ねでございますが、現行の利率で申しますと、現在、余裕金の一定の条件のものの運用利回りというものが預託金では六・〇%でございますが、これが現在七年ものの預託金利に〇・一%の差でスライドするという今回の改善をいたしますと、〇・四%利回り向上するということでございまして、それを全体の利回り向上で見ますと、〇・〇四%程度向上になる、こういうふうに私ども計算しているわけでございます。
  21. 大森昭

    大森昭君 保険事業は、もう私から言うまでもないんですが、低金利時代になればこれは正味保険料というのは当然上がってきますね。運用利回りが低下するわけですから、還元するのが減っていくわけでしょう。で、そうなってきますと、いまいろんな保険がずっと出ていまして、いままでの運用利子というのは、今回は下がるけれども、従来貸していた金は下がらないから、さほど影響ないという意味のことをいま言われたんでしょう。
  22. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) ちょっと私の説明が少し不足していたと思いますので、御説明さしていただきますが、いま先生おっしゃいますように、金利が低下してくるという傾向でございまして、その場合に民間保険の方が非常にその金利の変動に敏感に対応する、簡易保険の方がそれに比べると少し鈍いということでございまして、したがって、やはり新しいこれから運用するもの、これはやはりそういった低金利のものに運用されるわけでございますから、全体としてはこれから低金利時代が続いてまいりますと、やはり簡易保険の方の運用利回りも次第に低下してくるということはこれは事実でございます。ただ、五十一年度につきましては、先ほど申しました七・一四%、それから五十二年度につきましても、大体五十一年度と同程度運用利回りが確保できる見込みということで現在はまいっております。ただこれから先、低金利が長く続けば、いま申しましたようなことで次第に低金利のものの構成がふえますので、やはり下がってくるということでございます。
  23. 大森昭

    大森昭君 いや、だから局長ね、五十一年度の話なんかしてたってしょうがないんですよ。これ一年間でもう三回も金利引き下げやっている時代でしょう。それで私はさっき言ったのは、民間がもう今日の低金利時代を迎えて、もう先のことを考えていますからね、民間保険というのは。郵政省みたいに単年度会計じゃないんですから。ですからいち早く二十二年ぶり減配をせざるを得ないというふうに決断したんだと思うんですよ。ところが、郵政省の場合は単年度ですから、ですからまあ前に貸している金利が急に下がるわけじゃないから、ことしはダウンしてもトータルすれば、さっき言うように鈍いわけですわな、下がりぐあいが。だから恐らく五十三年度予算編成して今日迎えているわけでありますけれども、大体五十三年度はいく、だろう、大体そうなんです、お役所仕事というのは。しかし、そのままいったときに、五十四年度、五十五年度を迎えたときにどうなるかというのを考えてないんですよ。後で、意地悪い質問するわけじゃないんだけれども、本当に四十年に郵政審議会簡保、年金の近代化答申が出ましたけれども、一体十三年たちますけれども、何人大臣がかわって何人簡易保険局長がかわったか、ぜひ聞きたいわけですがね。  ですから、私はいまそういうむずかしい話をしかけてもいけないのかもわかりませんが、五十三年度がうまくいくからといって、五十四年度はまた新しいものに基づいて、またいろいろ計算すればいいよというようなことであっては、これは保険というのは通続的に長くいく事業ですから間違いが起きるんじゃないかということで、少なくとも今日のような低金利時代を迎えて民間は二十二年ぶり減配をしなくちゃならないという経営状態の中で、一体簡易生命保険はどうあらねばならないかという問題を早急に検討いたしませんと、五十三年度の中で約束をして、契約をして、それぞれ受け払いする人間はそれでいいですけれども、五十四年になったら急にがたっと悪い保険に、中には契約をせざるを得ないということになるかもわからないですから、そういう意味で、とりわけこの生保の動きについてどういう反応を簡易保険局長として持ったかなということを質問したわけでありますけれども、私が考えるほど敏感に対応をしていないのに、また質問を続けても無理ですから、これはそれで打ち切りますが、どうかひとつそういうことで、大変なやっぱり低金利時代なんでありますから、先の検討をしていただきたいと思います。  そこで、次の問題でありますが、簡保資金運用法を読みますと、金融債が二〇%ですかな、それから社債が一〇%持てるようになっておりますね。簡保運用法でいきますと、現在はどういうかっこうで運用されているのか御質問いたします。
  24. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) お答えいたします。  その前に、先ほどの大森先生の御説のとおり、私もちょっとくどい御説明をいたしましたけれども運用利回りはやはり低金利時代に入りまして下がっていくと。これはもうどうしても覚悟しなければならない点だと思っておりますので、十分にそういった点につきましてさらに配意をしてまいりたいと考えております。よろしくお願いしたいと思います。  それから、ただいまのお尋ねでございますが、積立金総額に対する社債等の保有割合でございますが、本年の三月末現在で金融債が五・二%、社債の方が三・七%で合計八・九%となっております。これは社債等への運用簡保資金運用の対象の中では最も有利なものの一つでございますから、簡保資金をできるだけ有利に運用してまいる。そして加入者への還元を図るという観点から、法律で定められた範囲内でなるべく多くの社債を保有したいと考えております。五十三年度では運用計画総額の約二八%、これを充てることにいたしております。
  25. 大森昭

    大森昭君 その法律を制定をしたころはどういう経過か私にはよくわかりませんが、しかし、いずれにしても簡易保険事業を行うに当たってある一定の物差しを設定をいたしましてこの簡保運用法というのはできたんだろうと思うんです。しかもいま局長が言われますように、社債が最も利回りがいいと言っているわけですね、みずから認めているわけです。ところが、さっきからの議論でいかに保険事業運用利回り影響されることが大きいかということも御認識で議論していて、どうも私は、三〇%の枠の中でできるものが八・九%、しかもそれぞれ新しい新規の分について三〇%やっておっても、総体的に三〇%いかないというのに新しい新規の分でも一六%しか回さないというのはいかなる理由で簡易保険の、まさに商品をあえて安くするような努力をしていないのか、再度御答弁を願いたいと思います。
  26. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) この社債の方に運用を本格的に始めましたのが四十八年度からでございます。  また、社債、金融債の積立金総額に対する割合、これがそれ以前の合計一五%の枠から三〇%の枠に改まりましたのが昭和四十九年度からでございます。したがいまして、これらへの運用はその後次第に増加をするようにしてまいったわけでございますが、やはりそれ以前のストックというものは、相当ございますので、総額に対する割合という点からいたしますと、先ほど申し上げましたように、まだ全体の比率からいたしますと低いという形があるわけでございます。また、これらへの運用に当たりましては、やはり簡保資金の公共的な性格にかんがみまして金融市場あるいは証券市場に著しい変動を与えないように配慮をしてきている、こういうことが一つあるわけでございます。  当初社債などへの長期運用に充てました額は四百億円でございましたが、これは五%でございます。その後証券市場におきます社債、金融債の発行量などを勘案しながらその額を増加させてまいりまして、五十三年度におきましては運用計画額の一六%弱に当たります二千九百五十億円まで伸ばしてきた、こういうことでございまして、今後ともそういった証券市場における発行量というものも見ながらできるだけ社債等への運用を増加させていただきたいということでございます。  また一方財投、なかんずく地方公共団体等への融資、こういったものもある程度確保してまいらなければなりませんので、そのバランスの中で五十三年度は全体をそれぞれ増加さして約一〇%程度は最低伸ばしておりますが、特にこの社債あるいは金融債の面におきましては、よりウエートをかけて増加を図ったという点は配意してまいりましたのでひとつ御了承願いたいと思います。
  27. 大森昭

    大森昭君 利子がいいからといってそっちへ全部やっちゃうわけにもいかないんでしょうけれども、それは国の事業ですからわかりますけれども、ただ運用法に決められている二〇%、一〇%、これも相当な議論があって決められたんだろうと思うんです。少なくともそういう形で議論をされて法律ができて、簡保事業がより有効的にということで議論されたんだろうと思いますので、やはりそういう段階の中でこれ八・九%しか運用をしない、しかもこれがわずかの差でありましても、とにかく九兆から十兆という金額だとものすごい大きい金額ですよ。われわれは何兆なんと言ったって持ったこともなければ見たこともないから余りぴんとこないわけですけれども、とにかく運用利回りが、これ、私ちょっと試算してみたんですが、運用法で決められている枠で運用されたら約四十億ぐらい。いまちょっと利子がいろんな変動していますからね。どうつかまえていいかわからないんですけれども、仮に三月三十一日でつかんだとしますと、基準金利が六・五ですもんね、金融債と社債の平均は低く見て六・七にはいっているのですよ、いいやつは六・九八ぐらいまでいっていますから。だから〇・二ぐらいの差があるやつをとらえて十兆へぶっ掛けたってそうでしょう、膨大なものでしょう。だからどうかひとつそういう意味合いで、少なくともこの簡保資金運用法で認められているわけですから、それに最大の努力をしていただくということをやっていただきたいと思います。  次に、郵便年金の問題でありますが、これまたまさに壊滅をするような状況になっているんじゃないかと思うのですが、一体この郵便年金の問題について郵政省はどのように現状を把握して、また将来展望をお持ちなのか。御答弁お願いいたします。
  28. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 郵便年金でございますが、四十三年の九月から積極的な勧奨を差し控えております。これは御承知のように当時の経済情勢の変動等ございまして、需要が非常に少なくなってきたということで積極的な勧奨を差し控えてまいったわけでございますが、したがいまして、その後保有契約高が年々減少してまいりまして、五十二年の十二月末現在で見ますと、件数で十一万四千件、年金額で二十三億二千五百万円になっておりまして、それぞれ前年同期に比べまして一二%程度の減という形になっております。  今後の見通しということでございますが、そういったいま申し上げましたような事情で積極的な募集を差し控えてまいっておりますが、最近の数年の状況を見ますと、年間十件前後の新しい御加入というものはあるわけでございますが、やはり最近いわゆる老齢化社会の到来というようなこともございまして、老後の生活というものを考える方々の年金に対する要望と申しますか、こういったものも時にお聞きするわけでございます。そういった点におきまして、これから郵便年金につきましてももう一度見直す必要があろうかということを現在考えているわけでございますが、現在のところ欧米諸国のこういった任意年金制度というものにつきまして調査をしているところでございます。そういった調査を終わりました後におきまして、もう一度全般的にこの年金制度というものにつきましても見直しをやってまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  29. 大森昭

    大森昭君 そうするとあれですか、経済情勢も社会情勢も変化をしてきたので、郵便年金の問題については再構築を図るために積極的に検討をするということですか。
  30. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 相当情勢が変わってきているということもございます。ただ、これからのいわゆる社会保障制度のあり方、推移というものも十分に見まして、その中でやはり、これは任意年金でございますので、インフレ対応というような問題も従来からそのウィークポイントといたしましてあったわけでございます。そういった全般的な観点から、もう少し位置づけというものなどにつきましてよく見直しをいたして、いかにあるべきかということを考えてまいりたいということでございます。
  31. 大森昭

    大森昭君 まあ私はとかく小言幸兵衛みたいで悪いんですけれども、どうも正直言いますと、これまた四十年の近代化の答申の中に出ているんですよね。どうしてこれ質問されたときに、いやいま見直しを図っていますとか、外国の方のやつの研究していますと、もう十三年も前の話をこれされているんですよね。だから答申が出たら、郵便貯金金利引き下げなんか十八日に出た、二十五日にやっているわけ。こういう問題というのは十三年前に出ていても、まだ見直ししています、検討しています、こういうことというのは私は最も無責任じゃないかと思うんですよね。これからもあることですけれども、やはり私どもが質問したら、いや四十年には郵政審議会としてこう答申が出ましたと、その後一年たって作業に着手をいたしましたと、現在ここまできていますと、結論出すのにもう少し待ってもらいたいという答弁をしていただきませんと、また来年か何か今度保険か何かのことで局長というと、また新しい局長がそこへ座っていて、いやまたいま見直し、検討なんと言うんじゃね、これは、大臣だってすぐかわっちゃうわけだからね、いや本当に。だからもう少し私はこの年金問題なんというのは、とりわけですよ、もういまやまさに日本の置かれている状態で直ちに対応しなければいけないし、特に私は正直に申し上げますと、郵便年金なんということじっなくなるんじゃないですか。郵便なんというのは外して、一体この任意年金というのを、国としてどうあるべきかという問題だと思うんですよ。どうかひとつ大臣保険局長答弁が気に食わないという意味じゃなくて、所管の長として決意をちょっと明らかにしてください。
  32. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) この機会に、郵便年金問題の御指摘でありまするが、郵便貯金金利引き下げを本日から実施したことについていろいろと御高見を拝聴いたしました。私もまことに遺憾に存じております。余りにも周囲の取り巻く環境の厳しさにいまさらながら、非常に何と申しましうか、皆様方に申しわけないと、かように考えている次第でございます。  それから全逓ストライキをやめていただいたことについても、私は今後の労使の関係が、相互信頼関係の樹立の上で大変意義のあることと考えておりまして、今後ひとつ賃金引き上げ問題につきましては早期に解決を図るためがんばってまいりたい。また、公労委に現在調停お願いしておりまするが、調停作業が円滑に進められて早期かつ適正な賃金で問題が解決されることを強く希望している次第であります。関係者の御協力に心から感謝を申し上げる次第でございます。  次に、郵便年金の問題でありまするが、実は私もこれはもう正直申し上げて、大臣就任以来、老齢化社会に備えて現在の国民年金のあり方から考えても、すべての方とは申しませんが、やはり老後の不安に陥っている国民の多いことに気づきまして、保険局長に、この問題については十二分に実態に沿う制度のもとで大いに推進すべきであるという強い指示を与えました。現在鋭意検討を進めているところであります。私は大森先生同様、大体、検討します、検討しますでじんぜん日を送ることはもう許される時代ではない、やはり少なくとも国会の場で指摘された問題は、誠意を持って取り組まねばならない問題は真剣に取り組むべきであるという姿勢を堅持いたしておりまするし、ただいま御指摘郵便年金問題については、可及的速やかに方向を立てて、皆様方の御理解を得る努力を払いたい、かように考えている次第でございます。
  33. 大森昭

    大森昭君 それじゃ大臣、そういうことでよろしくお願いしておきます。  次に、過般、局舎の問題で大分議論がありましたけれども、これは古い話でちょっと恐縮なんですが、簡保資金運用のあり方についていろんな議論がありまして、特定、いや特定局だけじゃなくて局舎全体ですね、局舎全体について簡保資金を回してやったらどうかと、当時三%ということが言われておりましたけれども、そのような討論が三十年当時あったということについておわかりになってますか。
  34. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) お答えいたします。  承知いたしております。
  35. 大森昭

    大森昭君 承知しているということになりますと、そのことが現時点ではどういう形で処理をされておるわけですか。
  36. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) 郵便局舎等の建設をするために借り入れをいたすわけでございますが、その借入額が簡保資金のうちでどの程度の割合を占めておるかと、その現状はどうか、こういう御質問でございますが、一応最近十年間について見ますと、前半の五年間はこの附帯決議にありますとおりの三%という数字になっておりますが、その後、オイルショックによりまして公共事業抑制策等がとられたこと、それからまた最近、貯金保険業務のオンライン施設等への投資が大きなウエートを占めてきたというようなことから三%を切っておりまして、最近この十年間の比率をとってみますと、平均いたしまして二・四%というような実情に相なっておる次第でございます。
  37. 大森昭

    大森昭君 いや、簡保積立金の二・四%を局舎の方へ回しているということですか。
  38. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) さようでございます。
  39. 大森昭

    大森昭君 そうすると、金額幾らですか。
  40. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) 十年間だけの合計は出しておりませんが、たとえば四十四年で申しますと、簡保資金運用総額が三千三百五十億ございまして、それの三%でございますから、百一億ということに相なります。そのときの簡保からの借入金が九十六億ということでございまして、四十四年だけ申しますと二・九%になっておると、こういうことでございます。
  41. 大森昭

    大森昭君 ちょっと数字に間違いがあったら御指指をしていただきたいんですが、本年度運用計画で見ますと、新規運用総額が一兆八千七百三十億ですか、そうですね。そうしますと、今年度の新規運用総額が一兆八千七百三十億で、それの三%ということで理解をしているんですが、これ間違いですか。
  42. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) よろしゅうございます。
  43. 大森昭

    大森昭君 いいですね。そうしますと、三%は約五百四十億になるわけです。その五百四十億を郵便局舎に回して使ってもいいというふうに理解をしているんですが、これは間違いですか。
  44. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) いま先生おっしゃいましたように、一兆八千七百三十億の三%は五百六十二億でございます。
  45. 大森昭

    大森昭君 ああ、六十二億ですか。
  46. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) そこで、五十三年度予算では借入金が三百八十七億借りたわけでございます。したがって、この附帯決議の趣旨から申しますと、五百六十二億下らないようにということでございますが、五十三年度予算では実際は三百八十七億を借りると、こういうことに相なっておるわけでございます。
  47. 大森昭

    大森昭君 この間の局舎問題、いろいろ討論聞いておりましたんですが、いま特定局舎の建物の借料は、九%で借料を払っているというわけですね、この間私はそういうふうに聞きましたけれども
  48. 本松智房

    説明員(本松智房君) お答えいたします。  借料と申しましても 土地相当分と……
  49. 大森昭

    大森昭君 建物を言っているのです。私は土地のことを言ってません。
  50. 本松智房

    説明員(本松智房君) 建物の場合につきましては確かに九%でございます。
  51. 大森昭

    大森昭君 だから、あなたのいま言おうとしていることは、土地と建物でやると九%じゃないということを言いたかったと思うんですが、私は建物しか言ってないんです。  そこで、私は、郵便局舎を建てるときに、これはもう公共的な建物でありますし、とりわけ郵便局を建てていただくということになれば、町だとか村だとか、無料で、無償で提供しましょうという例、最近は少ないのかどうかわかりませんが、私は過去にはそういうことをずいぶん聞いておりますが、一体今日、普通局の場合にはそういう膨大な土地を提供するなんということはないのだろうと思いますが、特定局を建てる場合に、市の所有、町の所有で土地を提供してもらえるというようなことがあるんですか、ないんですか。
  52. 本松智房

    説明員(本松智房君) 特定局の場合を見ますと、現在全体で二十件足らずのものが、そういうケースがあるようでございます。
  53. 大森昭

    大森昭君 いま十件足らずあるというの。
  54. 本松智房

    説明員(本松智房君) 二十件です。二十件足らずのものがあるようでございます。
  55. 大森昭

    大森昭君 現在二十件あるというとちょっと話がしづらいのですが、そういう求め方をしていけば比較的そういうことがあるかないかという意味で聞いたのですけれども、いずれにしても二十件ぐらいあるわけですね、いまでも。そうしますと、さっきの議論じゃないのですけれども、だんだんこれから金利が低くなってきますね。基準金利というのは大体六%ぐらいになるんじゃないですか、保険局長
  56. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 最近の動向からまいりますとそういう方向にまいるかということも考えられるわけでございます。
  57. 大森昭

    大森昭君 そうすると、当然簡保資金を、郵政省の枠の中ですから、まだ六十二億もあるというのですから、借りて建物を建てれば、六%の範囲でもって局舎が新しくなるということですね。それで私有でやれば九%でしょう。なぜ私はそういうことを言うかといいますと、ちょっとこの間唖然としたのですが、また相模大野の話をして悪いのですが、相模大野をずっと調べていきましたら、あれは全くけしからぬですね、あれ、市の所有なんですよ、土地が。建物が局長の所有なんですね。そうなってきますと、そういうばかな話が、たとえば私は私有全部廃止しろと言っているわけじゃないんですよ。やはりそれは土地もなかなか求められない。だから当然土地と建物と両方セットにして、ある建物の場合には土地が、あれは四%くらいですかな、利回りは。だから全体としては低くなるのだと思うのですがね。しかし、まさに市の土地に建物を建てて、それに九%の借料を払うということは、いまあなた、不動産業者やっていたって、アパート経営したって、九%のものが入るのなら郵便局やらしてもらいますよ、みんな。そういうまさにこの簡保資金の三%という枠の中で六%ぐらいで借りて建てられるのに、ことさら私は九%の金を借料として払うようなやり方はまさに浪費ですよ、これは。  ですからどうかひとつ、この間の局舎の問題を木島先生指摘されておりましたけれども、聞いておりまして、大臣は金がないと、あなた、一言ですよ、金がないと言われたですよ。いま六十二億現にあるじゃないですか。だからやはりお互いにいかにして郵政事業を発展をさしていく、むだのないように効率的にやっていくという立場で私ども議論しているのでありまして、何でもかんでも私有だからけしからぬ、みんなぶっこわしちゃえと言っているのじゃないですから、できることをやりながら私有も並行してやるということは今日の事情の中ではやむを得ないのだろうと思いますけれども、やることをやってないじゃないですか、これ。どういうことなんですか、これ。
  58. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 特定郵便局の局舎改善につきましては、昭和四十八年度から五十二年度までの五カ年間で約二千二百局改善してまいっておりまして、総体的にはほぼ順調に進んでいるというふうに考えております。ただ個々に見ますと、特に大都市にある局あるいはその周辺部の中には、用地難とかそれからビルの一部を借りなければいけないというような環境がどうも厳しい状態にあるということで、改善が必ずしも順調に進んでおりません。これからこういう大都市の中心部の局、これはその局によってケース・バイ・ケースでいろいろの場合がございますが、そういうものに取り組んで鋭意改善をしてまいりたい。  そこで今後でございますが、当面毎年度四百局程度改善考えておりまして、実は五十年度末に実態を調べまして、約二千局老朽とか狭隘とかその他の事情で改善しなければいけないということでございましたので、五十一年度から五十五年度までの間に約二千局を改善いたしたいということで鋭意進めてまいっております。
  59. 大森昭

    大森昭君 順調に進んでいるなんて局長ね、実際にあなたはもう見られていると思うのですがね。私は、この間の木島先生お話を聞いていまして、本当にどういう局舎がどうなっているかということはあなたわからないんじゃないですかね。都会の中でというお話ありますけれども、田舎へ行ってごらんなさいよ本当に、それこそ男の便所と女の便所が一緒に入ったら下でもってぶつかると、この間木島先生それに近いことを言われておられたですけれども、本当にあなた方見てないんじゃないですか。しかも、もっと簡単に言いましょうか、いまあなたは一年間に四百局と言ったでしょう、五年間で二千局と言ったでしょう、いま特定郵便局は何局あるんですか。
  60. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 約一万七千ございます。  それと、私、先ほど大都市に所在する郵便局がなお改善されないで残っているということを申し上げました。先般木島先生からの御指摘も、まさに大都市の中のやはり非常に条件が困難でありまして改善が進んでなかったという局でございました。
  61. 大森昭

    大森昭君 そうすると一万七千いま局があって、あなたは一年に四百局と言うんですけれども、大体木造は何年に計算していますか。
  62. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 昭和五十一年三月末で調べましたということを先ほど申し上げましたが、そのときは経年二十五年以上の局舎が約二千八百局ございましたが、そのうち当面改善が必要と思われましたものが千六百局ということでございます。
  63. 大森昭

    大森昭君 あなたの計算はごまかしがあるんですよ、いいですか、いま特定局が一万七千あると言ったでしょう、一万七千ありまして、木造の耐用年数が二十五年でしょう、違うんですか。
  64. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) さようでございます。
  65. 大森昭

    大森昭君 そうすると、一万七千は全部木造じゃないはずですよ、鉄筋もあるんですよ。鉄筋はどのくらいありますか。
  66. 浅尾宏

    政府委員(浅尾宏君) 鉄筋の場合は六十年でございます。
  67. 大森昭

    大森昭君 いや、一万七千のうち同局あるかと言うんです。
  68. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 鉄筋が二千七百七局でございます。
  69. 大森昭

    大森昭君 そうすると一万七千から二千七百を引くわけです、そうすると一万四千三百でしょう。鉄筋が仮に六十年ですか、耐用年数は。鉄筋を除いて二十五年間まるまるもったと、そして一年に四百で足りっこないでしょう。しかも、風水害はありますよ、二十五年もたない場合だってあるんですよ。だから、一年に平均的に四百ずつつくっていて、もちろんある年度はたとえば千局できるかもわからぬ。しかし、いまの最近の状態からいけばそんな状況ないんですよ。大体一年に置局は七十局でしょう、七十局だってまともにやっていませんでしょう、決算委員会じゃないからきょうは追及しませんが。ですから、大体二十五年の耐用年数でもって木造が一万局しかなかった。それで、二十五年間もつから四百局で、これは平均でやっと二十五年で回るんですよ。一万四千三百あって、風水害がある、場所の移転がある、いろんなことがあるんですよ。だから、あなたの言うのにはいやそうじゃないと、四百局といっても私有の方は何局あって、互助会が何局あってと言いたいんでしょう。違うの、でないと数字が合わないから言っているんだけれども
  70. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 一万七千のうち二千七百七局、正確に申し上げますと一万七千八十一局でございます。これは五十二年三月末現在でございます。鉄筋が二千七百七局、木造が一万四千三百七十四局でございまして、そのうち経年二十五年を超える木造局舎数が二千七百八十四局ございます。そのうち約七〇%の局が要改善局というふうに判定いたしまして、狭くなったあるいは老朽になったということで要改善局と認めたものが七〇%、それが千八百局ということでございます。
  71. 大森昭

    大森昭君 この四百局というのは新築するんじゃないんだよね、改善でしょうこれは。私の言っているのは四百局ずつ新規の計画を立てても、この経年が二十五年だったら一万四千三百やるのには間に合わないよと言っているわけ。ところが、あなたの四百というのはこれは新築じゃないんだよ、そうでしょう、改善なんでしょう。
  72. 神山文男

    政府委員(神山文男君) ただいま申し上げた千八百局を含めて約二千局を改善する必要があるということで毎年四百局、五年で二千局を改善いたしたいと、こういうことを計画したわけでございます。
  73. 大森昭

    大森昭君 あなたの話は、現状二千七百八十四の要改善局がありましてと、こう言っているんだよね。それで二千七百八十四局あって、それで五年間で二千局改善しますとこう言っているからね。あなたの持っている数字はそういう数字だけれども、私はそうじゃなくて、全部で特定局が一万七千局あるというわけだ。というのは、私は正直言って二千七百八十四、二十五年過ぎた二千七百八十四というのはぼくは正直言うと郵政省の回答は信用できないんだ。だから、もっと原点から私は議論しているわけだ。一万七千の郵便局があると言うんでしょう、それぞれ建っているでしょう、一万七千郵便局が、木造なら二十五年だというわけだよ。そうしたら、少なくとも四百三十か四十か知らぬけれども、新築していかなきゃだめだろうと言っているわけだ、平均的に言えば。
  74. 神山文男

    政府委員(神山文男君) ただいま申し上げた四百局は新築でございます。
  75. 大森昭

    大森昭君 一年に。
  76. 神山文男

    政府委員(神山文男君) はい。
  77. 大森昭

    大森昭君 そうすると、一年に四百局も特定局を国費でつくる財源はどこにあるの。
  78. 神山文男

    政府委員(神山文男君) そのうち七十局が国費でございまして、それから残りは借り入れ局舎でございます。貸し主が新築をするということでございます。
  79. 大森昭

    大森昭君 わかりました。そうすると、あなたの言っているのは七十局が国有で、私有が三百三十とは言わぬでしょう、これは互助会だとか何かあるから、公共団体もあるから。そうすると、あなたが国会で四百局の答弁をするということは三百五十局ぐらいになるが、地方公共団体は何局ですか、ちょっと聞かしてください。
  80. 神山文男

    政府委員(神山文男君) 多少御質問と違ったお答えになるかもしれませんが……
  81. 大森昭

    大森昭君 違ったことを言われたって困るんだよ。
  82. 神山文男

    政府委員(神山文男君) ただいま資料が全体の数はございませんので、地方公共団体所有の局舎で改善をした数字がございますが、四十七年から五十一年まで百四十八局改善をいたしております。
  83. 大森昭

    大森昭君 いや、あなたは間違えたんじゃないの。これ、四百局というのは一年の新築の局舎じゃないんでしょう、要改善局でしょう。一年間に新築局舎を四百局建てるというわけですか。
  84. 神山文男

    政府委員(神山文男君) ただいま申し上げたのは新築による改善でございまして、新設ではございません。新設、新しく郵便局をつくる数は入っておりませんで、現在郵便局舎がありまして、それを改善する、改築する、老朽になった、狭い、ということ等の理由で新築をいたす、こういう数でございます。
  85. 大森昭

    大森昭君 もう全然話が、新築も改築も一緒にされたんじゃとても話にならないんで、さっきの話は、二十五年の耐用年数で一万七千って計算してやっているのに、それは新築を前提にしなきゃ、二十五年という言葉が出てくるんだから新築を前提にしての話なんで、いいですわ、郵務局長、もういいって、いいって。いや、いいんだけれどもね。きょうはまあこれが本題じゃないからさ。  問題は、私がさっき指摘したように、特定局の方に回せる金が国会でも決議されているじゃないか、と言うわけ。だからお互いに、私はもうだれも異論ないと思うんですよ、局舎をよくしようというのは。そうでしょう。それはまあ、私有が多い少ないという議論になってくるといろいろな議論出てくるかもわかりませんが私、それ以前の問題として、とにかく局舎をよくしてやろうじゃないか、働きいい職場をつくろうじゃないか。だから、そういう立場だったらそうお互いに意見が違わないわけだから、最大限、この簡保資金も六十二億もまだ借りようと思えば借りられる。もちろん借りた金は返さなくちゃいけないんだからむやみには借りられないけれども、しかし、さっきから言っているように、特定局舎の建物は九分の金を払っているわけだから、簡保の金を借りた方がより効率的でいい局舎が提供できるというなら努力をしてもらいたいという話をしているんであって、どうかひとつそういう意味合いで、何か四百局の話からおかしくなっちゃったけどさ、まあひとつ、お互いにやりとりしていると、鋭く質問したからといって建物ができるわけじゃないんだから、われわれの言っていることも理解してもらって、省の方も本当にまじめに局舎を新しくしようという気持ちになりゃあやってできるんだから、できないことを言っているんじゃないんだからね、私どもは。だから、そういう意味合いでひとつやっていただきたいと思います。  それで、次の問題へ移りますが、大臣よくわかっていたかね、やりとりしていて。
  86. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) ある程度話のあれはわかるんですがね。
  87. 大森昭

    大森昭君 局舎をよくしてやろうということに努力しなさいって言ってるのよ、郵政省は。
  88. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) もちろんこれはもう当然なことでありまして、正直申し上げてかなり環境改善に力を注いでいることは五十三年度予算の審議でも御理解をいただいたと考えておりまするし、ただいま私は、正直申し上げて、話のやりとりを聞いておりまして、結局大森先生の言わんとするところは、附帯決議の三%がいってもまだ金が余っているじゃないか、なぜそれを活用し改善を図らないかという御指摘だというふうに理解はできていますが、ただ、ここでちょっとお許し願えればお聞きいただきたいのは、いまこの局舎改築も、これはもう当然でありまするが、利用者サービスが、オンライン計画を進めておりまして、方向違いかもしれないが、この方の需要にも資金の活用を図らせてもらっている関係もありまして、十二分にそれでは附帯決議を尊重してないじゃないかというお言葉もありましょうと思いまするが、その点ひとつ、郵政全体の運営の立場を御理解をいただくならば大変幸せだと存じている次第でございます。
  89. 大森昭

    大森昭君 変なところでオンラインが出てきちゃったけれども、オンラインはうまくいっているんじゃないですか、労使関係でも。むしろ省の方が、あれだけの大事業をやるのにはもう少し対応策をきちっといたしませんと、むしろ働いている人たちの方の立場から見ますと、今日のような状況ですから、首を切るということはありませんが、無理やり配置転換をするということは首切りにつながりますからね。まあいいや、そういうよけいな話はどっちでもいいんです。  それで、簡保事業団の関係ですがね、保険局長、どうも最近の状態を見ておりますと、国の業務としてはなじまないということなのかどうかわかりませんが、事業団をつくったわけですけれども、もはや当初この事業団をつくって簡保加入者のサービスに努めるなんというよりかも、むしろ、さっき年金問題のところではちょっと触れませんでしたけれども簡保保険事業にもうまさに表裏一体のような感じがいたします。そういう意味からいきますと、よほどこの事業団に対する経営の方針なり、それから将来の見通しなり、しっかりいたしませんとまずいんじゃないかと思いますが、どうもそういうことで最近いろいろ現状も見通しも聞いておりませんので、簡単で結構でありますからお聞かせ願いたいと思います。
  90. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 簡易保険郵便年金福祉事業団、これは三十七年四月に設立されましてから大体順調に運営されているわけでございますが、五十三年度中には加入者ホームが十三カ所、それから保養センターが六十七カ所、レクセンターが三カ所、キャンプセンター三カ所、それから会館が一カ所に診療所二十九カ所、合わせて百十六カ所の施設を運営することになるという予定でございます。利用人員の方で見ましても、設立当初三十二万人の御利用でございましたが、五十一年度締めてみますと、延べで年間四百九十万人と、非常に大きく増加してまいっておりまして、非常に全国的にも行き渡ってきているという感じがするわけでございます。  まだまだこの福祉施設の新設要望というものは各地に非常に強いわけでございますが、最近、やはり社会情勢の変化と申しますか、高度成長期には相当こういったものもどんどんふやしていくというような形にもございましたけれども、やはり高度成長から安定成長へ、あるいは他の公的な類似施設の増加、あるいはまたこの建設の単価も非常に値上がりしてまいっております。それから旅行の需要というものも若干最近抑制傾向か、やはり宿泊施設等の利用率も若干ではございますが少しずつ落ちてきているというようなこともございます。ただ反面、地域的な分布、配置のばらつきというものもございまして、若干大都市圏あるいはその周辺が薄いかなという感じもするわけでございます。そういった点を見ながら、私どもこれからさらに加入者の御意向とかあるいは取り巻く社会経済情勢というものも十分考えながらこれからのこういった施設の整備というものにつきまして、もう一遍見直して検討していく、こういったことを現在考えているわけでございます。
  91. 大森昭

    大森昭君 診療所が二十九カ所あるというお話ですが、まあ老人ホームだとか加入者ホームの話はわりあい聞くんですけれども、正直に申し上げて診療所が全国に二十九あってどういう診療所になっているのかぴんとこないほど余りやってないんででしょう、まじめに。やっているわけですか。
  92. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 診療所も、それぞれ非常に設立当初御要望がござえまして、設置をいたしまして、簡易な診療等を主体に運営してまいったわけでございます。ただ、その後の情勢におきまして、やはり医療制度というものが、公的な医療制度が非常に整備されてまいりまして、そういった点では、あるいはまた老人医療というような問題も非常に国の施策が進んでまいりました。こういったことで、若干この診療所の利用の状況というものも低下の傾向にあるということでございまして、診療所といたしましては、やはり最近やっておりますように、僻地等への巡回診療というものを、診療車あるいは瀬戸内海診療船というようなものも設備いたしましていろいろとやっているわけでございます。全体の公的な医療制度というもののこれからの拡充整備と申しますか、こういったものの中で、診療所業務というものもそれと並列しながらやはりこれからのあり方というもの、役割りというものを考えていかなければならないということで検討をいたしているところでございます。
  93. 大森昭

    大森昭君 そうすると、加入者福祉の施設の方も少し下がりぎみだというお話がありますしね、そう言われたですね、宿泊なんかもね、そうでしょう。という話もありますし、また診療所の問題も当初よりかも少し今日変わったような状態だというお話もありますし、まあいずれにいたしましても、保険事業本来として安い保険料にするか、また一方こういう福祉をより発展をさしていくか、これは見方、とり方はいろいろあると思うんですが、端的に質問いたしますが、この保険のあり方について、こういう事業団も含めて、どういうところで意見といいますか、俗に言う学識経験者とすぐ言うんでしょうけれども、そういう場はどういうことになっているんですか、これは。
  94. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 事業団の運営ということにつきましては、これはこういった福祉施設の設置、運営というものを事業団に行わせているわけでございますが、この運営審議会というもの、これは大体加入者の方々の中から代表をお願いいたしまして、それに学識経験者若干名を加えて運営をしているわけでございます。人数といたしましては、加入者代表十三名、学識経験者四名、合計十七名の方々に委員お願いしておりまして、いろいろとその事業団の運営について加入者の御意見が反映できるように運営審議会を開くというようなことを従来から行っているわけでございます。
  95. 大森昭

    大森昭君 ああそうですか、私も初めてわかったんですが、どうも先まど申し上げましたように、何か事業団だけで、やはり事業団のことだからという状態じゃなくて、保険本来の、もうここまで来ますと密接不可分の状態じゃないかというふうに私理解していますんで、そういう意味合いからいきますと、事業団がそういう形で、それは審議会になっているのか、またこれは郵政大臣のあれですかな、委員は任命なんですかね、どうなっているかわかりませんがね、いずれにしても基本的な問題に非常に間接、直接的に影響がありますので、できる範囲でひとつ逓信委員には、その簡保事業団の運営の現況などについて、国会で一々質問しなくても、ニュースだとかいろいろ出ているんだろうと思いますので、流していただくことをお願いをしておきます。  いずれにいたしましても、まあこれで質問を終わりますが、簡易保険事業というのは何といっても国民全体の加入者に貢献をしなきゃならないわけですから、きょうの答弁は私きわめて実は本当に不満なんですよ。初めの余裕金積立金の問題も、局長は一歩前進だと言うけれども、それは確かに利子が有利になったという意味じゃ前進かもわからないけれども、そういう視点じゃないんですよ、私どもがとらえているのは。ですから、そういう意味からいきますと、今後さらに自主運用をやっていくような法律改正もしなきゃいけませんし、そしてまた預かっている、しかも民間保険のように大金持ちが入っているんじゃなくて、まさにもう零細の方々がたくさん入っているわけでありますから、少しでも保険料が安くて十分な商品になるように努力をしていただくことをお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  96. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) まあ、答弁は求められておりませんが、この簡保事業団の問題についていろいろと私も耳にすることがありますので、先般担当局長に、急激な膨張をした一つ事業団でありまするから、今後の運営また基本的姿勢その他について再検討を命じて、本当に加入者事業の目的を達するようにいたしたいと考えておりますので、今後とも御協力を願いたいと思います。また、運営の実態については、努めて国会に何かの方法で報告するように手配をいたしたいと、かように考えております。
  97. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時三十八分休憩      ―――――・―――――    午後一時五分開会
  98. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律及び資金運用部資金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  99. 中野明

    ○中野明君 質疑に入る前に、けさほども問題になっておりました、きょうからとうとう郵便貯金金利引き下げが実施されるわけですが、かねがね郵政大臣は、預貯金者の利益を守るために努力しているというお話でありましたが、この結果を見ますと、郵政大臣努力の跡というものがどの程度出たものか、私ども非常に疑問に思っているわけですが、御感想をお聞きしたいのです。
  100. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) いまになって私も何も申される立場ではございません。結果から見て、まことに遺憾であったと考えている次第でございます。
  101. 中野明

    ○中野明君 委員会の審議で、利下げの問題は連動してするのはどうかといういろいろの議論が非常に出ておりましたが、せめて最後の段階ででも、今回の利下げで銀行との幅をつけてもらいたかったというのが私どもの率直な感想でございます。済んだことをとやかく言っても始まりませんが、こういうことを参考にして、今後やはり預貯金者の利益を守るために最大限の努力お願いをしたいと思っております。  けさほど大森先生の御意見にもありましたように、この余裕金の問願につきましても、やはりこういう機会に、いつも大蔵省側の言い分に全部押し切られるんではなくして、余裕金の問題につきましてもこれはもう二十年越しの懸案事項でございます。やはり郵政大臣として、一つの大きなお仕事として、この余裕金の問題は積立金同様に取り扱われるようなそういう折衝をぜひしていただいて、性格的にはもうこれは同じものだということは終始一貫して変わらない郵政省の主張でもありますし、私どもも同様に理解をいたしております。審議会はもちろんのこと、行管までそういうことについての意見を付されてからもう非常に長いわけですが、大臣としてことし――いままだ五十三年度予算が決まったところですが、来年度に向かってこれの実現をぜひかち取りたいと、こういう決意で折衝される用意があるのかどうか、その辺伺いたい。
  102. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 当然、所管大臣といたしましては、かねがね当委員会でも御決議をいただき、また関係機関にも大変働きかけ、またわれわれにも力強い御支持の言葉をちょうだいいたしておりますわけで、私は御指摘の方向で最善の努力を払うのは当然の責務であります。五十三年度予算折衝に当たっても、私なりに関係機関ときわめて厳しい姿勢で交渉いたしましたが、もう端的に申し上げて、私は大蔵省のガードというものがいかにかたく、いかに強いかということを身にしみております。しかし、それでは私の職務である利用者保護、利用者の利益の増大ということにつながらないわけでございまするから、必ずいたしますという勇気はちょっとこのごろもう出せなくなるほど厳しい闘いを続けましたが、今後も一層の努力を払って御期待にこたえるべく考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  103. 中野明

    ○中野明君 歴代の郵政大臣の中では非常に積極的に勇気を持って新しい問題に取り組んでいただいているというそういう感想を私どもも率直に持っております。その大臣から非常にいまさみしい話を聞きまして残念でございますが、勇気を取り戻して、これは在職中の一つの大きな仕事として、今回は御承知のように進学ローンの問題も一歩前進の形になってまいりましたし、せめてこの余裕金の問題だけはおれの郵政大臣の任期中に片づけてみせると、こういう決意を持っていただきたいと思います。これは私の方から要望をいたしておきます。  それで、きょう、けさほども出ておりましたが、私、簡易保険郵便年金福祉事業団のことで主にお話を伺いたいと思いますが、けさほどの答弁では、この事業団のつくっておられます保養センターが全国で六十一カ所ですか、これは目標をどういうふうに持っておられるんですか。一県に何カ所設置したいというようなそういう目標があるんでございましょうか。
  104. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) お答えいたします。  保養センターの設置につきましては、昭和四十年代の半ばからいわゆる経済の高度成長期に入っておりまして、この時期におきましては、国民の生活水準の向上とか余暇時間の増大などによりまして余暇関連施設の需要が高まってまいりましたので、当時保養センターを各県二カ所程度設置することを目途として拡充を図ってまいったという経緯がございます。しかしながら、その後の社会情勢の変化によりまして、たとえば他の公的な類似施設の増加でありますとか、あるいは、いわゆる土地、建設費等の物価の上昇とか、あるいは環境の保全などに伴います開発規制の強化であるとか、こういったようなことが非常に出てまいりました。さらに、最近の高度成長から安定成長への移行というようなこともございまして、全般的に宿泊施設というものがこの簡保センターに限りませず利用率が減少してくる傾向が現在見られるわけでございます。こういった中で、やはり私どももこの保養センターの設置という従来のあり方につきましては見直しを行ってきているところでございます。  じゃ、これから先どうかということでございますが、やはりこういった問題につきましては非常に長期的なものでございますので、十分に加入者の御意向であるとかあるいは社会経済情勢などを検討した上で、今後いかにあるべきかということをさらに計画を策定してまいりたい、かように考えているところでございます。
  105. 中野明

    ○中野明君 そうしますと、一県二カ所を目標にしておられたんですが、状況の変化でこの目標の見直しをする、そういうことのようですが、利用率は大体どの程度になっておるんですか、減少してきたと言われるんですが。
  106. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 大体、この保養センターの利用率と申しますのは、最近のところ七〇%程度というのが平均の傾向でございます。
  107. 中野明

    ○中野明君 これは民間を含めて、そういう宿泊施設の他のものと比べてどうなんでしょう。
  108. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 最近、観光地等によりましていろいろとやはり凹凸があるようでございますが、この七〇%という数字はまだいい方だというふうに聞いております。
  109. 中野明

    ○中野明君 ついでにお伺いしますが、加入者ホームですか、全国で十三カ所ございますが、これの利用状態はどんなでしょう。
  110. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 加入者ホームの方でございますが、十三カ所あるわけですが、これは内容的には長期ホームと短期ホームと分かれております。長期ホームの方につきましては大体満杯に近いという状況でございます。それから短期ホームの方につきましては八〇%程度の利用になっております。
  111. 中野明

    ○中野明君 それで、この簡易保険加入者なんですが、先日もちょっと沖繩へ行ったときに私もお伺いしたんですが、沖繩県は非常に保険加入者が本土に比べて少ないというんですか、理解がおくれているというんですか、そういう傾向を聞いたんですが、状況はどうなっておりましょうか、全国と比べてみてどうなんでしょうか。
  112. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 沖繩県は復帰以来、何かやはりこういった福祉施設というものを欲しいという御要望がございました。四十七年度以来いろいろと検討してまいったわけでございまするが……。
  113. 中野明

    ○中野明君 沖繩県の加入者の状況。
  114. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 失礼しました。  加入者の方の状況は、復帰の四十七年度以来、大体順調に推移しておりまして、毎年、件数で七千件から八千件程度ふえております。それから保険金額で見ますと、八十億円ないし百二十億円程度、こういうふうな伸びでございます。五十三年の二月末現在の保有契約で申しますと、件数で三万七千件、保険金額で五百十二億円と、かようになっております。  それで、これは全国の状況と比べてどうかということでございますが、過去五年間の推移を見ますと、沖繩県の新契約の状況というのは、件数と保険金額ともに全国の総体の状況と比べまして大体〇・二%程度で推移しております。それから保有契約でございますが、これも着実に増加を見ておりますので、全国比も、件数、保険金額とも毎年〇・〇一%程度増加してまいりまして、五十一年度末には件数で〇・〇六%、保険金額で〇・一%というシェアを占めております。
  115. 中野明

    ○中野明君 どうなんでしょう。私お尋ねしたいのは、沖繩県は大体人口百万としますと、本土の類似的な県のいわゆる加入者の率と比べてみて、どの程度のおくれがあるように掌握しておられますか。
  116. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) まだ詳細の調査というところで、加入者の動向というものを把握しておりませんが、いわゆる御加入いただいておる件数あるいは金額という面から見ますと、ただいま申し上げましたとおり、保有契約高で見まして、大体五十一年度末で件数で〇・〇六%、保険金額で〇・一三%、こういうことでございますが、粗っぽく申しまして沖繩県の人口が大体百万。そういたしますと、約一%弱という人口比になりましょうか。そういたしますと、契約高がいま私どもの方で約五千万件ということからいたしまして、まだちょっと普及率の方は人口構成比率に比べまして相当差がある、かように見ております。
  117. 中野明

    ○中野明君 現地へ行っていろいろお話をしていると、一番出てくるのは、やはり保険が非常におくれておりましてと、保険加入者の増加に努力をしておりますが、なかなか沖繩の人の保険に対する理解がおくれているというか、御承知のようにあちらは頼母子講というのですか、それが非常に盛んなところのようでございますので、その辺でおくれておりますというようなことを聞きます。そういう面では、本省でもそういう実情はよく御掌握になっていると思いますが、先ほどの話に戻りますが、この保養センターあるいは加入者ホームですか、こういう施設は沖繩には現在あるんですか、ないんですか。
  118. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 現在のところ、まだオープンしたものはございません。ただ、現在計画中と申しますか、現在設計中のものといたしましては、那覇市にスポーツセンターと申しますか、まだこれは仮称でございますが、そういった施設を現在計画してやっております。
  119. 中野明

    ○中野明君 加入者ホームあるいは保養センター、これの計画はお持ちになる考えはあるんですか、どうですか。
  120. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 沖繩県におきましては、一応対象として検討した時期もございますが、昭和五十年に開かれました海洋博を機会に一般の宿泊施設が非常に設備されまして、若干宿泊施設の供給過剰ぎみだというようなこともございまして、宿泊施設を主体とする保養センター設置というものにつきましては、必要性が乏しいのではないかということで、むしろスポーツセンター、こういったものの施設が非常に現地では不足しているということから、そちらの方を考えたわけでございます。
  121. 中野明

    ○中野明君 これは保養センターでお考えになっているようですけれども、沖繩は御承知のように離島が非常にたくさんありまして、いろいろ要望も出ておるようですが、加入者ホームの点はどうお考えになりますか。これはなぜ私こういうことを言うかといいますと、いま申し上げているように、保険加入者が非常に少ないということはそれだけPRがおくれているということですから、加入者が少ないからそういう施設をつくらぬということではないと思いますが、もしそうだったら、これは考え方が逆じゃないだろうか。こういうのをつくってやはり保険のPRをやってもらうというそういう意味から、やはり那覇とかいうように中心地ではなくして、少し離れた離島の先島の方にそういう計画をお持ちになってもいいんじゃないかと、そういう気もするものですから、いまお尋ねをしているわけですが、その辺どうでしょう。
  122. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 福祉施設全般に、沖繩の場合には復帰してからまだ日が浅いということもございまして、おくれていることは事実でございます。ただ、簡易保険の業務自体もやはり復帰後始めましたものですから、そういった面では沖繩県民の方々にそういった保険というものについての御理解というものがまだ十分に浸透していないこともあろうかと思うわけでございます。私どもといたしましては、復帰後そういった簡易保険の業務を開始いたしましてから順次体制というものも整備し、いろいろと力を入れて、いまのところまず順調な進み方ではないかと思っておりますが、その点は先生のおっしゃるとおり、なおPRという点につきましてさらに努力をする余地があろうかと思いますので、十分配意してまいりたいと思うわけでございます。  ところで、ただいまお尋ね加入者ホームということでございますが、これ全般的に加入者ホームというもの、特に長期加入者ホームというものにつきましては、この施設の性格上、非常に利用者が長期に御利用になるということで固定されまして、利用の均てんが図られないというような傾向がございまして、いろいろと論議もございまして、最近ではこれの増設というものをいたしていないわけでございます。したがいまして、この加入者ホームというものについては、またこれからの国の老人対策の進展というようなものも考えながら慎重に検討していかなきゃならないと思っておりますが、当面、加入者ホームというものの増設というものにつきましては私ども方針を持っていないわけでございまして、沖繩の場合におきましても、加入者ホームというものはちょっといまのところ検討の対象にいたしかねているということでございます。
  123. 中野明

    ○中野明君 私、お聞きする範囲では、当初は非常に加入者ホームに重点を置いて設置をしてこられたのが、途中から保養センター重点に変わってきたと、こういう経緯があるようにお伺いをするわけですが、確かに保養センターというそういう趣旨は私もわかるわけですが、そうかといいまして、加入者ホームというのは、やはり事業団設立の趣旨から言いまして、事業団法にも一番最初にやはり老人福祉施設と、このようにうたわれております。非常に重要な仕事の柱だろうと思うのですが、何か事業団そのものが経営というのですかね、そういうことで営業に走ってしまって、本来の、福祉事業団ですから、その趣旨から外れてきているんじゃないかという心配もしておるわけですが、特にこの問題では、すでに保険局でも御承知かと思いますが、郵便年金が最近全然加入者がないのかと思っていると、かなり老齢の方が郵便年金にお入りになっているケースがあるように聞いております。そういう人たちの実情を見てみますと、やはりホームに入りたいという理由があるやにも聞いておるのですが、最初に郵便年金加入者の状況をちょっと……。
  124. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 郵便年金の契約状況ですが、御承知のように四十三年の九月から積極的な勧奨を差し控えている関係もございまして、保有契約高は年々減少しております。五十二年十二月末現在で申し上げますと、件数が十一万四千件でございます。年金額で二十三億二千五百万円となっておりまして、それぞれ前年同期に比べまして約一二%程度の減少、大体減少傾向でまいっているわけでございます。最近におきましては、そういったことで積極的勧奨をいたしておりませんので年間十件前後と、こういった御加入の状況でございます。これから、じゃどうするかということもございますが、やはり年金の契約というのは、四十三年当時積極的勧奨を見合わせましたときの状況からいたしますと、やはり経済情勢の変動に弱いと申しますか、こういったことで需要が非常に減少してしまいまして、そこで積極的勧奨を控えるということになったわけでございます。インフレに弱いというこの弱点というものはやはり今後もなかなか一つの問題であろうかと思いますが、一方で、最近のいわゆる老齢化社会の到来と申しますか、そういったこともございますので、これから先、諸外国の年金制度というものも調査を現在やっておるところでございますが、わが国におきましても、これからの全体の福祉制度、年金制度の中で、そういった任意年金というものがどういう役割りを持つべきか、また持てるか、やっていけるかどうか、こういった点につきまして十分に検討をしてまいりたいと、こういう状況でございます。
  125. 中野明

    ○中野明君 ここ数年の新規加入者は、大体何人ぐらい数字でつかんでおられるのですか。
  126. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 過去三年間と言いましても、四十九年度からの三年間で申し上げますが、四十九年度が七件、五十年度が十件、五十一年度が十七件という新規加入の状況でございます。
  127. 中野明

    ○中野明君 これは、伝えられるところによりますと、こういうPRも何も全然しておられない、もう受け付けをできればとめたらいいんじゃないかというようなそういう年金に、わずかながらでも入っておられる理由はどう掌握されているんですか。
  128. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) いま申し上げましたように、大体年間十件前後ぐらいのところでこの数年間推移しているわけでございますが、これも特別に調査はいたしておりませんので御加入の動機につきましてはっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、加入年齢が高いということがございます。大体五十一年度、平均七十一歳というような状況でございまして、そういった点から見ますと、ただいま先生指摘のように、加入者ホームの加入資格を得ることを目的としている方も相当いらっしゃるんではないかというふうに推測をしております。
  129. 中野明

    ○中野明君 確かに、こういう時代で、貯金利子が下がっても、大変問題になって、目減りをするということで国民の皆さん方は敏感になって、恐らくきょう郵便貯金利子がやはり下がると、二、三日前からかなりまた郵便局にも殺到しておられたんではないかと想像するわけですけれども、そういう時代に七十を超えた人がなぜ目減りを覚悟で年金に入ってこられるかということなんですね。その辺を考えましたときに、先ほど私が申し上げているように、加入者ホームというものの必要性、これをふやす必要があるんじゃないだろうか。確かにこれは事業団の直接の仕事とは言えない面もありますけれども、福祉事業団としてつくられて、老人福祉施設をつくると、こういうふうにうたわれている以上は、そういう事実もよくごらんになって、そして加入者ホームを新しくつくっていって、そしてそういう要望にもこたえていくと、こういう姿勢があってしかるべきじゃないかと思うんですが、いつごろからこの加入者ホームをつくることをやめておられるんですか。
  130. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 四十一年度に新設いたしましたのが最後でございまして、その後は設置をしてないわけでございます。問題は、先ほどちょっと申し上げましたが、この加入者ホーム、まあ実質的にはいわゆる老人ホームという性格をこの加入者ホームの中の長期ホームが持っておるわけであります。先ほど申しましたように、結局一人の加入者の方がそこへお入りになる、これは世帯用もございますが、そうしました場合に、やはりずっとその老後をそこで送られるということで非常に長期に固定される、これは老人ホームの特質としてやむを得ないことかと思いますが、やはりこの福祉施設というものが相当の経費を投じまして比較的安く御利用いただいているという形もございます。できるだけそういった広く加入者の方々に御利用いただくという趣旨からいたしますと、非常に固定するということでいろいろ批判もございましたし、議論もございました。そういった点からいたしまして、むしろ加入者ホームよりは保養センターというようなもので非常に広く回転が速く御利用いただくもの、これもやはり御利用いただいています加入者の方々、あるいは加入者の方で満杯にならない場合には一般の方にも御利用いただく場合もございますが、こういった御利用いただく方々の年齢層を見ますと、相当やはり老年の方々の御利用が保養センターの場合も多いわけでございまして、そういった面からむしろ保養センターの方に力を入れてまいりたいというのが実情でございまして、やはり利用の均てんということが一つの問題としてあるわけでございます。
  131. 中野明

    ○中野明君 私、保養センターを否定するものでも何でもございませんで、保養センターは保養センターとしての役割りはあると思うんですが、当初老人ホームですか、この加入者ホーム、これから出発をされたその趣旨というものをやはり途中で放棄してしまって、そして利回りというんですか、回転のいい方へだけ回ってしまうという考えじゃなくして、やはり事業団の持っている性格からして、特に国全体から見ましても、人口の老齢化というのはこれはもう避けて通れない一つの大きな問題になってきております。そういう面で、もちろんこれは所管は、厚生省がそういう福祉対策は重点に所管する役所でございますけれども、やはり事業団の設立の目的からしても、そういう老人の福祉施設と、こういうことをうたわれている以上、やめてしまうというのは私は時代に逆行しているんじゃないだろうか、そういう感じを持つ一人でございます。  そういう意味で、人口の老齢化というのは非常に進んでおりまして私も驚いておるんですが、日本全国の十傑を見てみますと、特に過疎地域と言われている地域は、年少人口の十四歳以下に対して、六十五歳以上の比率というのが指数で六〇近いところも出てきておるような状況であります。とてもとても老人対策というのはあらゆる面から進めていかなければならない問題だと、このように思っております。そういうときに、せっかく事業団の趣旨にもうたわれているのに、当初の出発で十三カ所はつくったけれども、どうもこれは固定していかぬということで保養センター一本やりに変わってしまって加入者ホームはもう全然つくらないと、こういう時代逆行のような考え方、それではせっかく事業団をつくっても意味がないんじゃないかというような気もするわけですが、その点、考えを当初に戻して、老齢人口のふえているそういう時代に対応して、加入者ホームをつくっていく考えをやはり持ってもらわなきゃならぬのじゃないだろうか、こういう気がするわけです。何か固定するとおっしゃっていますけれども、そんなに三十年も四十年もという問題じゃないと思いますし、いまのお話で七十過ぎて入ってこられる方ということになると、もうそれは余生というのはわずかなものだと思いますし、そういう点考えていきますと、これは固定するからいかぬとして、加入者ホームを全然つくらなくなってしまった真意を私は理解しかねているわけなんですが、将来の方向として、これはぜひ加入者ホームはつくるべきじゃないかと、私はこういう考えを持っておりますが、郵政大臣、どういうお考えをお持ちでしょうか、ちょっとお伺いしたい。
  132. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) この加入者ホームは、私はある面から考えると御指摘どおりだと思うのでありまするが、長期滞在者が意外に多いのと利用者の均衡を保つ上においてはちょっと問題があるわけなんです。国の社会福祉で老人ホームが各地にずいぶん整備されていますが、私は、先ほど大森先生の御質問にお答えしたとおりに、事業団は歴史が浅い割りに施設が急激に膨張したのでいろいろと矛盾点が出てきていることは事実でありまして、これをどのような方向づけをするかということを強く担当局長に指示いたしまして、いま検討いたしております。だから、これを全部短期にすることがいいのか悪いのか、まだこれは結論は出ていませんが、私は、長期の方であればやっぱり国の社会福祉に基づくいわゆる老人ホームへと。交代にいろいろな方に御利用いただいて、何日間かそこで休養、保養をされて、また心新たに自分の家に帰るという方法に持っていくのがいいか、非常に悩んでおりまするが、先ほど申し上げたとおりに、速やかにこの結論を出し、そういった方向づけをしたいと考えておりますので、その点御理解を賜りたいと存じます。
  133. 中野明

    ○中野明君 そうしますと、この「業務の範囲」に書かれております「老人福祉施設」というのは最近はもう全然つくられてないということなんですが、そうすると、もうこの範囲から外す考えなんですか。それとも、やはりこの趣旨、「業務の範囲」を生かして、いま大臣お話にもありましたように、たとえ短期なら短期でもつくっていく気持ちがあるのかどうか、その点。
  134. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 結局、いまあるものはそのまま存続して運営しているわけでございますし、また現実にお入りになっている方、特に最初から、終生ずっとそこで暮らされるつもりでお入りになっている方に、どうのということもできませんし、これは従来どおり存続をしていく、運営をしていく。また、短期等でも、まあ短期と長期が併設でございますけれども、そういったところで非常に需要の高いところは、ところによっては増設といいますか増築するということでやはり御利用の枠を広げるというようなことも配意しているわけでございます。  したがって、それを設置して、またさらに運営していくという点におきましては変わらないわけでございますが、ただ、いままで申し上げましたように、いま当面さらにこれを増設していくということについては現在その考え方は持っておりません。また、今後におきましてじゃあどうだということになりますと、いま大臣からもお答え申し上げた点がございます。よく検討していかなきゃならないと、かように考えておるわけでございます。
  135. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 部内で大臣局長意見が対立しているというふうにとっていただかないで、ちょっと聞いてほしいんですが、きわめておざなり的な答弁で、それではずっと永久に不公平が生ずるじゃないかと。私の言っているのは、検討を命じたというのは、たとえば短期で幅広く御利用いただいて普遍的に使ってもらう。これが都合よく効果を上げるならばこの法律に基づいてどんどんつくってもいい、これ、長期とは書いてないんですから。  いま一つは、たとえばそういった条件で長期御利用されている方々が、これはやっぱりいま局長言ったように出ていけというわけにいきませんから、これは方向づけができた暁には、国、厚生省とよく連絡をとって、最近の老人ホームはきわめてすばらしいものですから、むしろ加入者ホームよりうんといいと私は考えておるんですが、そういうところにお移りを願うような段取りをする。いろいろと私は先ほど来申し上げておりますとおりに、真剣にこれは再検討せないと、この時点でこういった状況になると非常に不公平が生ずるんです。いまの局長答弁はこれはもう不公平を助長することになるわけですから、ひとつ先ほど来申し上げたとおりに真剣に簡保事業団のあり方そのものに鋭くメスを入れて、どういう形の方向づけをするかということを検討いたしまするから、これはもう加入者ホームだけでなく、すべての保養所についてもいろいろな点についてこの辺で見直して方向づけをびっしりしないと、先生方にもいろいろと御不満を生じましょうし、御不審の点も起きてくると思いますので、もうすでに気がついておりますのでしばらく時間をおかし願いたい、かように思います。
  136. 中野明

    ○中野明君 いまの大臣の御答弁で一応了解はしますが、当初から、加入者ホームをつくれば、やはりそこに入る人は固定するということはこれはもうわかり切っておることであります。それを何年か計画で十三カ所つくって、それきりぱたっとやめてしまっている、そういう非常に首尾一貫しないやり方そのものにも問題があるんじゃないだろうか。やはり当初の趣旨をそこに持たれたんならそれを貫いて、やはり加入者に、これは一部の人であっても、それだけのことを簡易保険としても事業団を通して国民の皆さんにPRを含めて還元いたしておりますと、そういうやはり重大な説明資料にもなるわけですので、その辺を含めて御検討をお願いしておきたいと思います。  それでは、時間がございませんので次の問題に移らしていただきたいと思いますが、簡易保険の犯罪状況ですね。これちょっと私の国元の――これまた国元で事故ばかり起こって申しわけないんですが、こっちのせいじゃないんですが、高知県の赤岡というところで簡易保険の詐欺事件が起こりまして、この間もちょっと当委員会で私申し上げましたが、いわゆる監察の姿勢ということで申し上げたんですが、この赤岡の部外者による保険金の詐取事件ですか、これはうどいう状況になっておりますか、改めて全貌をお聞かせいただきたいんです。
  137. 日裏泰弘

    説明員(日裏泰弘君) では、事件の概要について申し上げたいと思います。  この事件は、部外者十一名が遊興費欲しさから架空の傷害事故を装って入院保険金を詐取することを企てまして、昭和五十年九月から昭和五十二年七月にかけて各人がそれぞれ簡易保険に積極的に加入し、何ら傷害を受けていないにもかかわらず、不慮の事故が発生したと偽りまして医師を欺いて長期間入院いたしまして、郵便局において入院保険金を詐取したという、こういう事件でございます。その被害でございますが、合計二十七口で一千三万円ということになっております。  この事件の捜査につきましては、昭和五十二年一月に高松の地方簡易保険局から、被疑者らの入院保険金の支払いに関しまして犯罪容疑があるという旨の通報が四国の郵政監察局へございまして、これによりまして同監察局の高知支局で調査を開始しましたところ、同年七月、保険金詐取の容疑が認められましたので、直ちに高知県の赤岡警察署に協力依頼しまして捜査していた次第でございます。  なお、この被疑者の逮捕取り調べ等につきましては警察で行っておりまして、赤岡警察署におきましては、この被疑者十一名全員を五十三年三月十五日までに詐欺罪で高知地方検察庁へ送致いたしております。この被疑者十一名中七名が三月十八日までに起訴処分となっておりまして、残り四名は現在のところでは処分未済というふうに聞いておるわけでございます。
  138. 中野明

    ○中野明君 いまの犯罪で私一つ気になっておりますのは、けがをしていないのにけがをしたと言って医者に証明書――恐らくこの保険金をお支払いになるときには医者の診断書というんですか、証明書がなければ当然お払いにならないと思います。そういうことで、医者の診断書にうそがあったのではないかという心配をする一人なんですが、その辺はどうだったんでしょう。
  139. 日裏泰弘

    説明員(日裏泰弘君) ただいまのお尋ねは、この保険金の支払いに際しての御疑問だと思いますが、この入院保険金の支払いをするに当たりましては、保険金の受取人から郵便局の窓口に保険金の支払い請求書、それから保険証書のほかに被保険者の入院についての医師の証明書、いま御指摘のありました医師の証明書、それから被保険者の入院が不慮の事故等によるものであることを証明するに足りる書類といったようなものの提出を求めまして、それらの書類に基づいて、一応この保険金の支払い要件を備えているかどうかということを審査した上、保険金の支払いをするということになっているわけでございます。関係の郵便局のいま申し上げたような点につきましていろいろ調べてみたわけでございますが、やはり相当郵便局では、その書類面では特に異常は認められなかったということでこれに応じているということでございます。慎重にやっておりますが、その段階では、これが医師を欺いて診断書を持ってきたというようなことまではわからなかった、こういうことになっております。
  140. 中野明

    ○中野明君 それじゃ、犯罪の容疑が発覚する直接の動機になったのは、どういうことが動機になったのですか。犯罪の容疑ありという直接の動機ですね。
  141. 日裏泰弘

    説明員(日裏泰弘君) 大体、郵便局でそういう請求がございますと、通常払いとか即時払いという方法がございますが、それをやりますと、地方簡易保険局に書類が回ります。それで、地方簡易保険局でその内容につきましてしさいに検討いたします。審査いたします。その段階で、これはちょっとおかしいじゃなかろうかというようなことがありますと、やはりこれを監察の方に調査してほしいという旨の先ほどちょっと申し上げましたが通報がございまして、その通報を受けてから監察は調査に入る、こういうことになっているわけでございます。
  142. 中野明

    ○中野明君 いや、書類が全部そろっておって、これはおかしいという判断は、何を根拠にそういう判断をなさるのか、その辺がちょっとぼくも素人で実際わからぬのですが、書類を見ただけで、地元の郵便局ではこれは大丈夫だということで通して、それで保険局の方でこれはおかしいというこの判断の根拠はどこにあるんですか。何を根拠にそういうおかしいという判断が出てくるのでしょうか。
  143. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) ちょっと補足みたいなことでございますが、郵便局の方に、そういった事故等あるいは入院等でございまして保険金の請求がありました場合には、当然各種の診断書あるいは事故の証明書、こういったようなものがついてまいるわけでございます。そこで、そういった請求書類を見まして、十分に見ました上で受理をいたしますが、特に契約後短期間にそういった事故が起こって請求がある、あるいはまた保険金額が高額である、こういった場合には郵便局の方も慎重に扱いまして、即時払いをいたしませんで通常払いという手続をとりまして関係書類を地方簡易保険局の方に送る。それで、地方簡易保険局の方におきましてはその請求書類につきまして慎重に審査した上で支払う。こういう大事はとっているわけでございますが、今回の場合には、そういった審査をいたしましても、書類が整っているということで、結果的にはその大部分につきまして地方簡易保険局の方で支払い通知を出す、こういった形になったわけでございますが、具体的に、本件につきましては地方簡易保険局の方で、このうちの一件につきまして疑義ありということで監察局の方に通報をして調査を依頼したというように聞いております。この具体的な事実がどういうところに疑義があったかという詳細につきましては、私も実はまだ承知しておりませんので御了承を願いたいと思います。
  144. 中野明

    ○中野明君 私が心配しますのは、犯罪を起こした人は悪い人ですからこれはもう特殊の人だろうと思うんです。私がこの問題でいま質問いたしておりますのは、結局、疑義があるという判断の根拠なんですけれども、何か保険に入った、短期間の間に事故を起こしたら、これはみんな疑義があるというようなことで監察へ全部回して犯罪者扱いで調べる、こういうことになると、これは保険加入者に大変御迷惑もかけるし、保険信用にもかかわってまいります。その辺を心配するわけでして、だからこういう事件が起こって、払ってしまった後から、監察から調べてわかったというのですが、何かどっかに犯罪を犯しているという根拠をつかまえられる、何かこう疑義があるという、どういうところに疑義があってそういう判断を下されたのかという辺が非常に私は心配で、たとえて言えば、私が入って、あしたけがしたら、これはおかしいと、こういうふうに一律に言われたらたまらぬということなんです。そういうことになると、やはり保険に入る人の足が鈍ってくるし、ときどきそういうことも聞くわけです。非常に疑って見られる、これはそういう民間保険にも同様のことが言えると思うんですが、特に簡易保険は国がやっているものですから、そういう点で、その面の心配があるから、いまどういうことでこういうことがわかってくるようになったのか、その辺を掌握しておられたらと思ってお尋しているのですが、意外に中央の方での掌握がね……、よろしくどうぞ。
  145. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 短期間に同一人物が同じ局でずうっといま出しているのですね。これでちょっと不思議だと簡易保険局が認定しまして四国監察局に捜査を依頼したということなんです。きわめて短期間に十一人がずうっと同じ局で、同じ病院で、またやった、またやったとやったものですから、それは当然疑義を持つと思いますので、決して御指摘のすべての――短期間に事故が起きている、これはもうあり得ることですから、そのための保険ですから、すべての方にそういったことを適用いたしておりません。どうぞその点は御安心ください。
  146. 中野明

    ○中野明君 局長からそういう明確な御答弁を私はいただきたかったわけですが、私どもも心配するわけですから、そういう点、それさえはっきりしておれば一応安心するわけです。  ほかに、関連してお尋ねしておきますが、保険の犯罪事故というのは大体どの程度年間にあるものなんでしょうか、監察の方でおわかりでしたら。
  147. 日裏泰弘

    説明員(日裏泰弘君) 保険関係のただいまの傷害入院保険金詐取事件の件数でございますが、これは五十年度におきましては五十六件ございまして、五十八人検挙しております。それから、五十一年度におきましては八十三件でございまして、七十七人検挙ということでございます。五十二年度はまだ完全に整理しておりませんけれども大体横ばいじゃなかろうか、かように考えているところでございます。
  148. 中野明

    ○中野明君 時間がございませんので以上で終わりますが、犯罪事故はこれは絶滅しなければなりませんし、犯人の検挙も当然精力的にやっていただかなければなりません。しかし、いま私が申し上げておりますように、そういう犯罪が起こっている余りに、保険に入った善意の人たちを傷つけるようなそういう疑いを持って捜査をせられないように、その辺は特に注意をして今後運営をお願いしたいということが私の申し上げたかったことでございますので、よろしくお願いしておきたいと思います。  以上で終わります。
  149. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは、皆さんもおっしゃいましたけど、きょうから郵便貯金金利引き下げが断行されたわけです。国民の目から見ますと、いろいろな御意見がありますけれども、こう短期間にたびたび、しかも連動的に利下げがやられるということになりますと、政府機関がやっておる郵便貯金ということで国民の皆さんからはやはり民間金融機関とは違う一種の信憑性というか信頼性というものがあったのが、これはそういう点では大きく損なわれたのではないかと思うわけです。そういう点では、国民のための郵便貯金と常々おっしゃっておられるわけですけれども、全く口先だけじゃないかということに国民立場からは受け取られざるを得ない、きわめて残念だと思います。この問題を中心にいたしませんので、私は、郵便貯金にもそういうことになっておるということになりますと、郵政省が扱っておられる簡易生命保険ですね、これについても、少なくとも法律に基づく、簡保法に基づく簡易生命保険が同じように国民の信頼を失墜してはならない、そのことが非常に大事な点ではないかというふうに思うんです。  ですから、まず最初にお伺いをしたいと思いますのは、これは法律に基づく簡保財政運営についての基本的な構えというんですか、基本姿勢というようなところはどこに焦点を置いて運営をされていっておられるのか、その点、最初にお伺いをしておきたいと思います。
  150. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 簡易保険事業財政の運営ということでございますが、まあ事業の運営全体、同様の趣旨でございますが、やはり広く国民の方々一般にできるだけ安い保険料で生命保険のサービスを提供する、これが基本精神でございまして、その趣旨にのっとって保険を運営している所存でございます。
  151. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 何でそういう聞き方をしたかと言いますと、まあ生命保険というのは、民間生命保険でもそうでございますが、平均寿命が非常に長くなったというふうなことで、これは生命保険会社というのは非常に財政運営というのは楽なんですね。ずいぶん運営のやりやすい事業ではあるわけです。簡易保険もその例に漏れないと思うわけです。そこで、どういうところにポイントを置いて考えているのかなあということで、一つは、これは午前中大森先生もお触れになっておられましたけれども、たとえば利回りなどについても、民間生命保険利回りと、それから簡保利回りというのは明らかに差がありますね。これは五十一年度で見ますと、民間生保の平均の利回り率というのは八・一一%ですね。それから簡保は五十一年度は七・一四%ですね。一%内外の開きがあるわけです、利回り率にね。ですから、財政運営あるいは事業の運営等で、いわゆるいま局長がおっしゃった、「なるべく安い保険料」で「簡易に利用できる」というこの目的、さらには「営利を目的としない事業」と第二条には書かれておりますけれども、そういった点を踏まえて、運用利率というふうな点では民間との間に一定の差を意識的にちゃんと設定をしてやっておるのかどうか。その辺のところを目標を定めておられるなら、そのことについて伺いたい。そうではなくて、いや民間生保と同じように、競合するようにもっと努力をしてがんばるんやというんなら、それはそういうことで理解をしたいわけなんで、ですから、特に私、財政運営と申し上げた、財政運営のポイントというようなところが、法律の定めの精神に基づいて何らかの目標をお持ちになっておるのかどうか、この点をお伺いしたいわけです。
  152. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) まあ目標ということでございますが、やはり簡易保険もいま申し上げましたような趣旨にのっとりまして、加入者の利益の増進という点におきましては、できるだけ先ほど申しましたように安い保険料でという精神は貫いているつもりでございます。それでは民間と比べて運用利回りの点が差があるではないかということでございますが、これは沿革的なものもございまして、簡易保険資金運用というものが戦時中大蔵省の預金部に一たん吸収されまして、戦後二十八年からまた自主運用が再開している。再開の当初はやはり運用の幅が非常に狭かった。それを今日まで多年にわたり種々努力しながらその運用範囲を拡大をしてまいりましたのも、やはりこの利回り向上を図りまして、できるだけ加入者の利益に還元をしてまいりたい、こういう趣旨で努力をしてまいったということでございます。  したがいまして、まあ目標として、じゃあその民保と競り合って、あるいは民保を超えてやるのかというお尋ねでございますが、私どもいまそういう点について乗り越えるとかなんとかいうことでなくて、やはりこれは簡易保険民間保険というものがお互いに切磋琢磨して、お互いによい刺激を与え合いながら相ともに運営していくという立場で、やはり国営保険として、その点で余り激しい競争と申しますか、こういったものはやはり節度をもってやってまいりたいということでございます。  運用利回りにつきましては、御指摘のように五十一年度でまずなお一%弱の差がある。五十二年度におきましては、民間の方は、新聞の報じるところによりましても若干利回りの低下というものが見られてきている。簡保の方は幸いにしてまあ若干ストックの関係金利低下に対する対応というのが、反応といいますのが、若干まあ民間ほど敏感ではございませんけれども、したがって五十一年度あるいは五十二年度はまだ余り大きな影響を受けていないということでございます。これから先は次第にそういった金利動向の影響を受けて、やはり現在の低金利時代でございますと、金利の低下を来してくるという点におきましては、さらにこの民保との差を縮めるべく私どもの方も運用利回り向上という点について努力をしていかなきゃならないと、かように考えておるわけでございます。  それは、制度につきましては、それぞれ民保簡保ではいろいろと扱いの面で違いがございます。一々並べると時間もかかりますので省略さしていただきますが、先ほど先生もおっしゃいましたように、やはり国営で非営利であるという点から、まあ税という面からいたしますと、こういった課税の関係は相当免除をされている面もございますし、実質的にはいろいろとそういった点もあるわけでございますが、やはり利回り向上ということは何をおいても図っていかなきゃならないというのを当面考えておるわけでございます。
  153. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 民間生保というのは、まあ新しい商品などを次から次へお出しになって非常に激しい競合がなされているわけですね。そういう中で、いわゆる国営の生命保険がさらに競合するというようなことは、これは私は好ましくないと思うのですよね。しかし、競合することは好ましくないからといって、掛金が安くてと、簡易に利用できてということなんだけれども、安かろう悪かろうじゃ困るんですよね、国民にとっては。その点で、これはたまたま運用利回りというのが、五十一年をとりますと一%余りの違いがありますけれども、まあ一%というのは大きいわけですね。ですから、そういうところにひとつ焦点を当てて、競合を避ける意味でそういう点を特別にお考えになっているのかなという点を一つは疑問として持っていたんです。そうではないということであるならば、これは運用基金等の運用については法律の定めに従っておるためにたまたまこういう違いが出てきているんだということであれば、これは午前中からも言われておりますように、改善の方途というものを積極的にやはりとりませんと、安かろう悪かろうでは加入者国民に対して責めを負えないというふうに思いますので、その点を明らかにしたかったわけです。客観的にはなおそういう状況というのは残っておりますし、そういう点で大臣、この点は安かろう悪かろうでいくようなことにならないように格段の私は努力が要るんではないかと思いますが、その点、御見解だけお伺いをしておきたいと思います。
  154. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 国営企業で、せっかく国民立場に立って、法律ではっきりと利益を上げてはならないと。この趣旨から言っても安かろう悪かろうではこれは何の意味もないことでありますので、御指摘の問題は、十二分にそういった法律の趣旨にも沿えるような保険制度に持っていくように最善の努力を払ってまいりたい。  いま一つは、なるべく安く保険を供与したいという言葉の裏に、私は、やはりこの資金運用に当たっては確実、有利で、国民に支払いの期間のときにはいつでも有利な条件でお支払いできるような保険をつくるのも一つの大きな目標にせねばならないと考えている次第でございまして、そういった御趣旨は十分に踏まえて今後も努力を続けてまいりたい、かように考えております。
  155. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 次に、加入者の取り扱いのうちで団体取り扱いの分ですね。これについてお聞きをしたいと思いますが、資料をいただきますと、四種類の団体の取り扱いがあるそうですが、これについての運用はどのように運営をやられておるのか、ちょっと簡単にお聞かせをいただきたいと思います。
  156. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 先生おっしゃいました四種類と申しますのは、保険料の払い込みの団体の形態別という資料のことかと思いますが、その種類の中では、これはその団体の性格別に分けているわけでございまして、職域団体、それから地域団体、それから地域団体、同業組合団体、それから同趣同好団体、こういうふうな分け方をしておるわけでございます。団体という点におきましてはいずれも同じ態様だというふうに私ども考えております。  そこで、団体というのは、やはり十五人以上の方が御加入になっておる団体を団体扱いにするということで、郵便局にお申し込みをいただきました場合にそういった団体取り扱いを郵便局で審査をしてやっておる、こういうことでございます。
  157. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 運営。
  158. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 団体の運営でございますが、その場合に団体扱いということでございますと、その団体の代表の方が一応責任を持って、毎月の保険料というものをその団体の加盟の方から、構成の方からそれぞれ集金いたしまして、取りまとめて郵便局の方に払い込んでいただく。こういう形になるわけでございまして、それに対して、そういった団体の取り扱いをすることによりまして、まとめて払い込んでいただきますために局側の集金事務が軽減される。それからまた、そういったことから保険料の払い込みの延滞とか失効とか解約の防止という面で、いわゆる私ども契約の維持と申しておりますけれども、そういった面でも非常に大きな効果がある。そういったメリットがございますので、保険料の割引ということをいたしまして七%の割引をしている、こういうことでございます。
  159. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、七%の割引をしておられるわけですが、これは総額にして、いただいた資料によりますと五百九億ですね、五十一年度、団体割引の総額が。七%分ですね。で、加入者の総数の中でこの団体払い込みの比率というのはどのくらいになっておりますか。
  160. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 件数で、全体の契約の額から申しますと、件数では三四・二%、それから保険料で申しますと三九・三%、これだけ団体加入の契約が全体に占めているわけでございます。
  161. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、いまもお話しになりましたように、団体払い込みの率というのが保険総額に対して三九・三%、約四割近いのが団体扱いになっているわけですね。  ちょっとその前に具体的に聞きたいんですが、同趣同好団体という団体扱いと、それから地域団体という団体扱いと、これはどんなふうに運営されているのか、もう少し御説明をいただきたい。
  162. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 先ほど申しました分類の中で同趣同好団体というのがございますが、これはまあ一つの趣味と申しますか、例を申しますと、旅行であるとか、あるいは観劇であるとか、あるいは人間ドック――これは趣味というよりは目的になりますが、団体を結成してその保険料の割引を受けたものをそういったものに充ててともに楽しむ、あるいは利益を受ける、こういったことを目的としてつくられている団体でございます。地域団体と申しますのは、一般的に申しますと、たとえば町内会であるとか、あるいは婦人会であるとか、あるいはまたPTAであるとか、こういったような方々のお集まりと、かように理解しております。
  163. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、新規加入者の勧誘の場合に、団体扱いというこういうケースもありますというのは、すべての会員、加入者の方々にPRはきちっと行き届いていますか。その点どうです。
  164. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 保険に御加入をお勧めします場合に、やはりそれぞれの御加入者の方のいろいろな御事情等もございましょうし、あるいは置かれている立場等もございましょうし、そういった点で、こういう団体がありますからそういうところにお入りになれば団体扱いという形がとられますということは、それぞれ周知はしているというふうに私ども理解しているわけでございます。
  165. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私、不思議でならないのは、みんなPRがちゃんとやられていたら、いま金額にして四〇%、四割近いわけでしょう。六割の方々は団体加入をしてないわけでしょう。団体加入をしたら掛金が七%安くなる、そうでしょう。団体扱いをすれば七%安くなるということが皆さんおわかりだったら私もっと普及したはずだと思うんです。その点ではPRはどうなっていたのかなと、こう思うわけですよ。だから、もしこれが加入者にずっと周知されれば、しかも同趣同好団体なども含めてやっていかれるというんなら、もっと私はたくさんの方々がお入りになるんじゃないかと、そういうふうに思うので、そのことをちょっと特にお伺いをしたんです。  時間の都合もありますから、そのことはまた後ほど触れるといたしまして、その同趣同好団体という団体扱いの場合、七%の団体割引をして、それで私のお聞きをしておりますところでは、旅行だとか観劇だとか人間ドックだとかいう、いまおっしゃったような行事をするのに五%をお使いになって、それから掛金の徴収等の事務費に二%を使っていると、こういうふうに私ども身辺では聞いておるんですが、事実はそうですか。
  166. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 一般的に、団体の場合におきましては、その割引保険料のうちの二%をそういった集金等の団体運営経費に充てるというのが通例でございます。
  167. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それで、この七%の割引料の中で、五%で行事をするというわけですが、この団体支払いの中でちょっとお聞きしたいのは、特に同趣同好の場合について聞きたいんですよ。たとえば、そういう観劇だとか、それから旅行だとか、そういういわゆる五%分の行事に対して、参加率というのはこの同趣同好の団体扱いではどの程度になっておりますか。おわかりになれば、平均はどのくらいで、うまいこと運営しているところは最高何%ぐらいまでいっていると、少ないところは何%ぐらいかというようなことがわかればちょっとお聞かせを賜りたい。
  168. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) これは、それぞれ団体の中でいろいろと運営を自主的になさっていらっしゃるわけでございまして、どの程度の参加率ということは私ども把握いたしておりません。ただ問題は、そういった団体につきましては、やはり常時そういった行事を目的として、たとえば旅行なら旅行というものを目的として結成されている団体で非常に不参加者が常に多いというのは、やはりその団体自体の目的ということからいたしまして少し団体性が希薄になるんじゃなかろうか。こういった点におきまして、そういう不参加者が常態的に常に多いという団体は、私どもの方もその団体性自体についていろいろと御相談し、またお願いをしまして、そういった団体性というものの存続といいますか、そういった目的に沿った運営ということをお願いしているわけでございまして、逆に申しますと、不参加者が常に非常に多い、極端なことを言えば半数を割ってしまうというようなことであれば、そういった旅行団体という性格ではないんじゃないかということで、この同趣同好団体の中でも、私どもそういった旅行とか観劇とか、あるいは人間ドックというものを除いたその他の団体の中で、リベート団体というような言葉を使っておりますけれども、金を結局返すといいますか、そういったことになるようなものとして若干の規制を加えていると、こういうことでございます。
  169. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 私、ちょっと不思議だなと思うのは、局長のところでそういう催しについての参加率というようなものはつかめないとおっしゃっておられるでしょう。にもかかわらず、これを見ますと、これは局長名による「保険料払込団体の組織運営について」の通達です。それを拝見いたしますと、これの五十一年二月二日改定の分ですね、それの七ページを拝見いたしますと、こういうふうに書いているんです。「注1」というところで、「割引金による旅行、観劇又は人間ドック入りを目的とする払込団体については、母体団体としての独自の行動を伴っていると考えられるので、本通達の各事項に従って整備されればこれらについては、母体団体が存在しているものとすること」。「2」は「現金、小切手、商品券、品物等の交付だけを目的とする払込団体は、今後、組成及び拡充を認めないものとし、現にあるこの種の払込団体については、速やかに改組又は廃止するよう指導すること。」とこういう非常にきついお達しが通達に書かれているんですね。それでちょっと不思議なんですよ。そんなふうに書かれているんだけれども、いまおっしゃったように、それじゃそういう諸行事に対する参加の率というのはどのくらいで運営されているかという実情、あるいはその運営状況というのが把握されてないということになりますと、こんな厳しいことを書く必要もないのに何で書かれたのか。  もう一つ不思議だなと思うのは、四種類の団体取り扱いの中で、他の団体はそんな行事はやってないわけでしょう。七%同じように割引をしていて、集めるのに二%使っているか使っていないかはその団体の任意でございましょう。七%は加入者に還元をされているわけですよね。何も芝居に行かないんだからということじゃないわけですよ。ところが、この四番目の同趣同好の団体についてだけは、「現金、小切手、商品券、品物等の交付だけを目的とする払込団体は、」云々と、それで都会の悪いと思うものは「改組又は廃止するよう指導する」なんて書いてある。それじゃ、これ、廃止ないしは改組などの御指導をなさったことがありますか。
  170. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) どうも私の御説明が舌足らずで恐縮でございましたが、全体としてどういうふうにやっているかということを私どもは把握いたしておりません。私どもと申しますと、非常にまた語弊ございますが、本省としてははっきりしていないわけでございますが、先ほど私御説明いたしましたように、こういった旅行その他観劇とか人間ドックというような同趣同好団体のそういった行事の参加率というものにつきましては、郵便局におきましてはそれぞれ調査して把握をするようにということでやっているわけでございます。これは、こういった団体というものがやはりその団体性という問題が一つございますので、そういった趣旨で、やはりその本来の趣旨に沿わないということになりますと、非常に団体性というものは希薄になるのではないかということで、またそういった点からいたしますと、いろいろとそういった団体性の希薄な団体におきましては、その集金とかあるいはそれの払い込みとか、そういった面での管理という問題につきましてもかつていろいろと問題が出たことがございました。そういった点で、やはり団体に入っていらっしゃる加入者の方々にそういった事故がないように、そういった安全性という点からいたしまして、私どもそういった点で団体と連絡をとりながら郵便局の方でいろいろとやっているということでございます。  それじゃ、ほかの地域団体なんかはどうだということでございますが……
  171. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いやいや、それは聞いていない。解散とか改組なんかを指導したことがありますかと聞いておる。
  172. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) ですから、いまちょっと私申し上げかけましたが、ほかの団体、すなわちその地域団体等、そういった他の団体への加入がえと申しますか、あるいは改組と申しますか、そういう非常に問題の場合には、団体性が希薄な場合にはそういった形に組みかえていっていただくということが、やはり団体に入っていらっしゃる加入者の方々の安全と申しますか、そういった点の保障になるんじゃないかと、こういった点で郵便局で団体の方に御指導する場合があるわけでございます。
  173. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 局長答弁がようわからぬのですがね。というのは、どない運営されていて、その行事にどのぐらい参加しているのかもよう知らぬで、それでこんなに厳しい通達を出しておる。わかりにくいわけですよ、その関係が。私なんかだったら、実情がわからぬのにそんなに厳しい通達だけ出すというようなことは通常ないだろうと。さらに、これを見ますと、これは東京郵政局の保険部長名で、やはりこの取り扱いの適正化についてという通達が出ているんですね。これは四十八年の十月十六日に出ている。これはまたおもしろいことを書いているんですわ。この「同趣同好団体の新規組成」、その「2」にこない書いてあるんですよ。「次により適正な団体運営を行うよう指導してください。」「(1)既成団体のリベート団体への移行を防止するため、行事不参加者に対する還付金額は一人当たり行事経費の五〇%以内とし、また、不参加者が常態的に団体構成員の五〇%以上となったときは、リベート団体とみなして取扱います。」「(2)郵便局保険関係課長等は、団体から報酬等一切の金品の提供を受けてはなりません。」「(3)団体が団体構成員に対して発出する書状等に郵便局名を使用させないものとします。」と、これ、非常に不思議なんですがね。こういう指導文書ん出ているわけです。  そこで、お聞きをしたいのは、まず一つは、不参加者に対して「還付金額は一人当り行事経費の五〇%以内とし、」と、これは何でそうしたか。七%分というのは、その加入者に対する加入者自身の権利でしょう。それを行事ということで区切って、何で五〇%以内しか還付したらいかぬとかね。で、「不参加者が常態的に団体構成員の五〇%以上となったときは、リベート団体とみなして」という、それなら五一%やったらよくて、四九%やったら悪いというのは何の根拠があるんかと、こうなるわけですよね。非常に理解のしにくい通達ですよ。もっと理解のしにくいのは、その次の「郵便局保険関係課長等は、団体から報酬等一切の金品の提供を受けてはなりません。」と、受け取ったんでこういうことをわざわざ書かんならぬのかいなと、みたいでしょう。全くなかったらこんなものを書く――通常役所の通達にこんなものを書きませんわな。わざわざ書いておるんやから、あったに違いない、そうでしょう。それで、これ四十八年ですよ。相当問題になったからこんなに手厳しく局長名でも通達が出され、また東京でも独自にこういう実に具体的な御指導が出ているんですね。その辺、そういう厳しい通達を出しておられて、その後掌握しておられますか。出しっ放しやったらあかんのですわ、それで聞いている。
  174. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 先ほど来、私、御説明しておりまして、ちょっと説明が下手で恐縮でございますが、たとえば旅行団体というものは、旅行という目的のもとにつくられている団体であるという点におきまして、やはり旅行を目的としてつくられた団体で、その構成員が常時半分もその旅行に参加しないというような形でございますと、それはやはり旅行を目的とする団体とは言えないんじゃなかろうか。つまり、旅行ということを目的としてつくられている団体ですから、そういった点では団体性が希薄になっている。つまり、団体構成員お互いの間の結びつきも非常に弱いんじゃないか。そういったところから、やはりそういった団体が団体としていわゆる保険料を集金し、またそれを管理して郵便局に持ってくる、そういった中にいろいろと事故が起こる、問題が起こる、こういった点を心配いたしまして、その団体の組成の規制というものを私どもはやっているわけでございます。まあ過去においていろいろと問題が起こったこともございますので、そういったことを教訓にいたしましてやっているわけでございまして、先ほどお尋ねの、その二点目の管理者の何か贈り物云々ということでございますが、これは私、当時関係しておりませんでしたのでつまびらかにいたしませんけれども、あるいはそういったことがあったかどうか、やはりそういった点で管理者等が、郵便局の者がそういった団体にいろいろとお世話をするとねう点から、まあそういったお礼といいますか、そういったものをいただいたのかもしれませんが、そういった点はやはり仕事としてやったと、また、それ以上団体の自主性もございますから余り深入りしてもいけませんし、その点でその一線をはっきりとすべきであるという趣旨で出したものと理解しております。
  175. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 簡潔に、お聞きをしている点だけを伺いたいと思うんですがね。私は、こういう厳しいものをお出しになって以後、そういう同趣同好団体扱いがどのように会計報告をしたり、きちんと会計処理がやられているかということをきちんと監督指導しているのかということを実はお聞きをしたかったんですが、これはもう時間がありませんから、あと、ついでのときに言うてもらいますが、というのは、非常に不思議だなあと思うのは、四種類の団体扱いがあって、ほかの三つまでは七%の団体割引は全部本人に帰属しているんですよ。本人承知の上でそれは積み立てにされているかどうしているかといういろんなケースはありますよ。もちろんPTAだとかいうようなところ、あるいは婦人会というようなところでは、七%分について全部積み立てておいて自分たちで旅行に行くというやり方もあるし、あるいは三%ずつ積み立てて旅行に行くときの足しにしようかと。これは全部その加盟者ですね、加入者のそれぞれ個々の方々が了解の上でやっていることなんです。  ところが、同趣同好の場合にこんな通達を出さないかぬということは一体どないなってんのやというふうに思うんですよ。たとえば、五〇%以上行事に参加せぬのはリベート団体とみなして取り扱いますという、これはけしからぬと言うているわけでしょう。それなら五一%やったらいいわけでしょう。幾らも差がないんですよね。第一、もっと言えば、「行事不参加者に対する還付金額は一人当り行事経費の五〇%以内とし、」というわけです。それなら四〇%還付したら六〇%のお金はどこへ行きますんや。どういうふうに扱います。こういうことになってくると、これは国民加入者からの信頼性というのはなくなりますよ。第一、あなた、全然会計報告なんかしてない団体だってありますよ、御存じですか。それならどんなふうになっているかいうたら、同趣同好のね、これは大阪でもあるんですよ、私どもの周辺にね。だから、旅行に行けなかったと、行った人はいいんですわ。行けなかった、そうしたら、行けなかった人に対して、ちゃっと文句を言いそうな人にはお金を還付する、あんまり文句を言わぬような人には千円ぐらいのおみやげを渡す。もっとひどいのは、旅行に行かなんだらこれは権利喪失と同じことだと、この三通りぐらいあるんですよ。ほんならその五%ですね、五%の行事必要経費、五%のその使わなかった加入者の還元分は一体どのように扱われておるかということです。ある人は全額もらっている、ある人は千円のみやげで済まされている、ある人は権利放棄やからもうしようがないんやと、済んでいると。その残りのお金を、これは団体の代表者がどのように扱おうと勝手ですか。どうなんです。
  176. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) まあそういったいわゆる不参加の場合の措置と申しますか、扱いにつきましては、それぞれの団体の中で規約で明らかにお決めになって、そこでそれぞれの団体の構成員の了解のもとに処理なさるというのがたてまえだと思います。そういった意味で、それぞれの団体においては規約をはっきりつくって、団体の構成員の方それぞれに周知するというふうな措置をなさっていると思うわけでございますが、それから先は、たとえば旅行に行かなかった場合におみやげでお茶を濁すとか、あるいは半分寄付だとかいうのがいろいろとあろうかと思いますが、これは私どもの職場でもそういった場合がいろいろあるわけでございますが、これはやはりそれぞれ団体の方もそれぞれの了解のもとに規約としておつくりになっているというふうに私ども考えております。
  177. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そうすると、もう渡したらどないなっても知らぬと、中の人が好きなようにやればよろしいんだということになりますと、その扱いがさまざまな扱いになっておりますと、これはばかにならぬ金額ですね。こういうものについていろいろ当然不明朗なことは起こってくるわけですが、それは起こってもしようがないですね、いまの局長お話では。だから私は、不参加者には五〇%以上は還付してはいかぬとか、何を言うているんかと、そんなことを言う権利ありますか、郵政省側に。本人に帰属する分じゃないですか、七%は。何で不参加者に対して半分以上還付したら悪いとか、そんなことを言う権利はないでしょう。何でそんなこと言うんですか。あるいは五〇%以上行事に参加せぬかったらその団体はやめやとか、解散させるとか、そんな、もう不明朗きわまりない。だから、どんなことが起こってくるかと言いますと、全然これはもう会計報告をやってないという会もありますわ。  あれはいつだったですかな、昭和四十八年ごろにすでに指摘を受けたことのある松島簡易保険旅行会というんですが、これは江戸川郵便局管内です。ここは会員各位といって、これは案内状があるんですわ。これを読んだらおもしろいですよ。ここは全然会計報告をしてませんよ。どない書いてあるかというと、「本会は御承知の通り簡易保険の団体払込制度の割引額を利用し年一回の旅行を実施して居りますが、五十一年度分第六回は四〇%の参加で必ずしも良好とは申しません。御承知の通り一昨年以来当局は其の団体の目的に反する理由を以って団体旅行保険の加入及び継続を停止致しました。此のまま放置しますと私共の本団体は解散のやむなきに到ります。」と、そこで打開策を当局にお願いをしてまいりましたと。「幸に先月中旬に当局よりの解答が有りました。当局との交渉には保険課長さんの努力が実った事と思います。」ということで、再編成をされたということの御案内なんですよ。「四〇%」と書いてある。こういう問題が出てくる。これは全くこうなってくると、七%と言いましても、七%も千円の七%もあれば一万円の七%もあるわけですから、結局掛金の多い口数というものを団体加入の会員に集めるという形になる。だから、「入会の資格」というところには、これはたまたま印刷物には金額は書いておりませんけれども、毎月五千円程度以上の月掛保険料を掛けている方に入会をお願いいたします、こういうことになっている。だから、比較的大口をねらって、結局七%の金額が大きくなることをねらうというやり方になってくる。したがって、そういう金額は大きくなりながら一回も会計報告はしない。それで、あなたの方の御指導では、不参加者に対しては五〇%以上還付したらいかぬ言うたら、よけい余ってくると思うのですわ。どないなっているんやろうと、これは当然疑問が起こるのはあたりまえなんですね。こういうケースが出てくる。  さらに、こんなケースもあります。決算報告が出ているケースがある。これは丁寧にペラ一枚でね、どない書いてあるかといったら、ひとつもわからへんですわ。これは「昭和五十一年度積立金決算報告書」 「収入の部」が、これは二千五百九十七万六千百四十七円。「支出の部」のところを見ますと、「事業費繰越 旅行実施費用及還付金含む」と、三つの費目ですね、これを含めて二千四百八十万八千四十七円。こんなペラ一枚です。これはまあ会計報告しているところですわ。これ、二千四百八十万の支出を「事業費繰越 旅行実施費用及還付金含む」といったら、どれが何ぼや一つもわからへん、これ。旅行に何ぼ使うたんやら、還付金が何ぼやら、こんなことになっていますよ。これは私はこんな実情がたまたま見つかっただけで随所にあると思います。ですから、ああいうふうに大変厳しい通達を出し、御指導なさっておられるんだから、これは何もようわからぬというのは、その団体が勝手におやりになっていますでは済まされないと思いますので、これはひとつ実態を調査をして御指導なさる必要があると思うのです。  これは全部やめろと私申し上げているんじゃない。これは旅行等を楽しみにして参加をしていらっしゃる方々もおられると思いますから、これは全部やめろというふうには言いませんが、こういうふうなものを団体扱いとして御指導をなさっているなら、これはどなたが見ても不明朗さのない運営の指導あるいはきちんとしたやり方をさせる。あるいはその筋論から言えば、局が直接おやりになるというのが一番筋だと思いますけれども、一挙にいかなければ、だれが見ても不明朗さのないというやり方に改めないとこれはぐあいが悪いんではないかと思いますが、どうでしょう。
  178. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 確かにいろいろと団体の運営の中では問題が従来からあったわけでございまして、そこで、たとえば旅行にせよ何にせよ、それは地域団体とかあるいは婦人会だとかPTAだとか、こういったところではそれなりに一つのしっかりした基礎があるということでございますが、先ほど来申し上げておりますように、たとえば旅行なら旅行だけの目的で相当の地域の中で団体がつくられているという場合には、やはり旅行に行かないという方が多くなればこれはもう団体性が非常に薄い。そこで、私どもの方は、先ほど来申しております旅行団体あるいは観劇あるいは人間ドック、こういったような団体にしぼりまして、その他何といいますか、商品券だとか何だとか、そういった金品だけの配分といいますか、こういったものだけでつくっているような団体、これは私どもの方では通称リベート団体と言っておりますけれども、そういったことだけで集まっている団体、いわゆる地域団体とか職域団体以外のそういったものについては、やはり団体性がちょっと希薄で運営上いろいろと問題がありやせぬかということで規制している。  そこで、いま申しましたような旅行なんかの場合に、旅行団体が、不参加者が常に五割以上だというようなものは、やはりこれは旅行団体としてはちょっと性格的に希薄じゃないか。そこで、リベート団体というものと同様にみなしまして、そういった団体は、これから先余りその団体が膨張するといいますか、加入者がふえて大きくなるというのは、これはちょっと危険だということで規制をしていく。むしろほかの適正な団体に改組をするか、あるいは団体を廃止してほかの団体に行ったらいいんじゃないかと、こういったことを申し上げているわけでございます。  それから、運営の面でいま先生おっしゃいましたが、いわゆる団体の規約というものは、それぞれきちんとおつくりいただくようにお願いしておりますし、それから会計の面では、決算報告書というようなものはそれぞれその団体において規約の中でしっかり決めてやっていただく。そのためには役員の中で幹事というものも選んでいただいて、そこで監査をしてもらう。こういったこともお願いをしているわけでございますが、ただ、いま先生指摘のように、いろいろ問題がやはりございますれば、私どもの方もさらによく郵便局の方にそういったものを調査させまして、また御相談申し上げるといったことはやってまいりたいと思っております。
  179. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そんなことを言うておったらあかんですわ。きちんとした会計報告もなされてなかったら、行かなかった人の分はどないなっているのかわからぬですよ。そんなものはほっておいていいんですか。そんなことはないんですよ。そういうことが続くから不明朗な事態が起こってくるんですよ。そういう不明朗な事態が起こったら国民の信頼性というのはなくなるんです。国の機関がやっていて、ある特定の団体のその対象がね、七%と言うたって小さなお金じゃないんですよ。何千万かのお金が動いているわけだから、一年に。大きいところでは億ですよ。それが結末がようわからぬというようなことをやらしておって、その団体の任意に規約でもつくっておやりになっていただけば結構なんでというようなことを言うておったら、これは国民の信頼性は取り戻せませんし、不明朗な事態というのはこれは防止できませんよ。そのことを申し上げているのです。  だから、私はそれに関連をして言いますと、先ほどもちょっとお聞きしたように、全体の加入者の中で、金額から言うたら四割近い人たちは団体扱いをしているんですよ。だって、それは七%の団体割引があるわけですよ。有利だからそれはなりますわ。だから、六割の人にはちゃんとPRしたかと私は言うたでしょう。知っていたらみんなすると思うんです、いろんな形で。だから、十分PRはされていないんではないかというふうにこれは心配をします。  それから、同じ加入者でこんなに私は差別があってはならぬと思うんです、国民の同じ加入者で。だって、四割までの人たちが七%の割引をしてもらっているんですから、広がって七割、八割PRをしたら一〇〇%になりますがね。ということになったら、七%の保険料が下げられるということになるんです、問題は。だから、いっそ、そんな妙な不明朗なことをなくすると。当面は一遍にできないかもしれないから、その不明朗さをなくするための対策が必要であると同時に、加入者に差別をなくして、やっぱりあまねく公平性というものを加入者に対しては享受していただくというたてまえから言うならば、これはもう全部に団体保険の段階まて広がったら――だって八〇%、九〇%に広がりましたらもう下げたと一緒ですよ、客観的には。  そういう点で、本来の簡保法の趣旨から言いましても、安い保険の掛金でということになっているわけだから、そういうことも含めて検討する必要が出てくるんじゃないかというように思うんです。財政運営を見ましても、生命保険だから、金がないからそんなことできませんというようなことを言わなければならぬような財政状態ではないですね。だから、そういう不合理さをなくするというたてまえから見て、これは検討するべきではないかと思いますが、どうですか。簡潔で結構です。
  180. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 第一点目の方から申し上げますが、この団体の運営の整備ということにつきましては、従来から私ども先生もおっしゃったような通達というようなものも含めまして努力しているつもりでございますが、なおいろいろと御指摘のような点がございますならば、これは会計経理上の問題もやはり同時に指導していかなければならない。また、そういったことで非常に団体としての運営がおかしいというようなことでございますならば、さらにこれの規制ということも指導してまいりたいと、かように考えます。  それから第二点の、この割引の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、やはり団体で代表者に集金をしていただくということによるメリットは、こういったことがらして手数料の割引というものをやっているわけでございますが、やはり基本的には、基本の保険料自体を少しでも安くするようにといろいろと企業努力、経営努力というものは当然私どもも引き続いてやっていかなければならない、かように考えております。
  181. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 大臣ね、私申し上げた点で、局長答弁だけではちょっと納得しがたいんですよ。その点でいま起こっている矛盾点、これは解決しなきゃなりません。その解決について、当面の解決策という点で、少なくとも不明朗さを残さないという運営の指導というのがまず第一点。  それから同時に、これは全加入者に、団体扱いにすればこうなりますよということがPRをされているかどうかという点については、私は十分ではないと思うんですね。そういう点がありますから、これをPRをされて八〇%、九〇%まで団体加入というものが広がってくれば、七%が全部該当するということになるわけです。もちろん徴収料の問題等がありますから、保険料率を下げていくのに七%全部下げるのか、下げるべきかどうかは別ですよ、検討の要はあろうと思いますけれども。少なくともそういうことがやられるならば、これは全体についての保険料の引き下げという点を検討する必要があるんではないか。そういうふうに思いますので、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  182. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 保険料はもともと単独払い込みの場合を想定してつくられているものであることは御案内のとおりです。団体取り扱いを受ける契約についての保険料の割引をすることとしておりまするのは、団体取り扱いの保険料が代表者によって集められる、それが集金能率というのが非常に向上するという点、言うならば集金事務手続が非常に節約できる。  第二点は、代表者が保険料の取りまとめを行うことから、保険料の延滞とか、または失効、解約上にいわゆる大変役立って契約維持に大きな効果があるという点で、事業経営の上からこういった制度をつくったのでありまするが、先生指摘の非常に不明朗であるじゃないかと、やはり方について。  もう一つは、七%もするならば、全部が入れば、手数料かかるが、何ぼか保険料を下げられるのではないか、どちらの方がいいのかと、その真意を言えということだと私は理解いたしますが、大体余り干渉し過ぎると思うのです。この団体が何も旅行に行こうが、ドックに行こうが、観劇に行こうが、ドックとは関係があっても、旅行や観劇なんて保険と何が関係あるんだとぼくは言いたい。ドックは保険屋だから、こっちもやっぱり長生きしてもらえば保険の支払いが延びるんだから、全体に多く配当できるわけですから、これは関係あると思うんですが、じっと聞いていて余り干渉し過ぎる。はっきり言って、保険は単独払い込みの場合を想定してつくった制度であるから。しかし、こういったメリットがありますからこういう制度を設けたんなら、もう少しはっきりと節度をつければいいんですね。七%のいわゆる手数料を払います、それはどうぞ団体で自由にひとつあれやってください。私の方は保険料が入ればそれて――冷たいことを言えば保険料が入ればそれでいいんです。もし会計に不明朗があればその団体で団体員が追及すればいいんで、われわれが、郵便局が出ていって、おまえは不明即じゃないかと言うのもちょっとぼくは……。  だから、保険局の運営の仕方の点にぼくは非常にまずい点があると思うんです。私ならそこまで干渉しません。いわゆる七%差し上げますからこういう協力をしてくださいと。保険金が入れば、また契約維持できれば、延滞、失効なければそれで保険業務の目的は達せられるんですからね。その点について、私はいま少し保険局に、いままで入り過ぎた面をどのように調整をするか、またどのような方途を講じてもっと明るい真に――旅行へ行こうが、ドックへ行こうが、海外、ハワイへ行こうが、定められた範囲でやってくれることはぼくは大いにやったらいいと思うんです。だから、干渉すること、しないこと、この点についてもう一遍検討したい。  いま一つは、こういった歴史があるんです。非常にいま沓脱先生が御指摘のとおりに不明朗じゃないか、全く理解できぬとおっしゃることが国会で問題になって、その時点では何をやっておるんだと怒られてやったのがこの通達なんですね。いいですか。私は黙って先ほどから聞いて、何でも言われるとおりヘいこらとやったことが、今度は逆にまたばしゃっとおしかりを受けるような結果を招いたということもお役所仕事でしょうね。だから、そういうことをひとつ十二分に過去の経緯も考えて、御指摘の問題も踏まえて再検討を加えて、もっとすっきりしたものにしたい。私、先ほどからお話を聞いてしみじみ感じておりました。だから、こういった能率の向上という点について、おっしゃるとおり八〇%でも九〇%でも、一〇〇%入っていただければ私は大いに結構だと思うんです。ただ、この率でいくならば、こういうものをやめて考えるならば、たとえ三%でも四%でも、七%とは言わないけれども保険料が下がるはずではないか。これは先生、数字の上ではそうなりますが、事業経営となったらそれはそうはいかない。やっぱりそういった方々の協力と援助を得て保険料の契約高を上げていかねばならない。また一面には、維持するためには、一つ事業ですからね、こういう点もひとつ御理解いただけるならば大変ありがたいと、かように思います。
  183. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 最後に。  私は事業経営の問題を中心に論じているのではなくて、加入者という一加入者としての権利から言えば、これは団体割引というものがありますよということを知らされていて団体に加入していないのは御本人の勝手でございます。しかし、知らされなくて七%もの不公平があるということは、これはあまねく公平性を保たなければならない事業性格から言って問題が残る、その点についてはっきりするべきだと言う。それで、一番はっきりできるのは七%を、広がったって七%はやれるんだったら、これはそれだけ下げれば全加入者に支給できるんだから、一番簡単で、しかも不明朗さの残らないやり方だから、そういうことだって可能じゃないかという論の立て方をしたわけですよ。そのことは直ちにできるというふうには思っておりませんが、そういうことになりはしませんか。こんな運営というのはやっぱりあんまりよろしくないですよということですよ。だって、七%の中で、同好会だって集金の事務費は二%。五%は本人たちに還元する、帰属するものでしょう。そういうことになれば、少なくとも五%いけるじゃないかと、こうなりますがな。だから、そういう点でぜひ、加入を広げていただくということの勧誘でいろいろと御苦労、御苦心が行き過ぎる面もあってこういう問題も出てきているというふうに思いますから、その点は大いに検討をしていただいて、不明朗さを残さないという点を特にお願いをしておきたいと思います。
  184. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) ちょっと誤解があるといけないから……。  沓脱先生ね、理論的にもお話よくわかるんです、七%の数字によるところの。それじゃ安くすればいいじゃないか、よくわかるんですが、先ほど先生が、いわゆる民保では新商品をどんどん出して保険の拡充を図っているじゃないかとおっしゃいましたね。これはわれわれはなかなかそれをやれないんですよね。いわゆる国営であるだけに、決められた法律に基づくもの以外やれないものですから、こういった新しいアイデアを設けて、保険制度のあり方、国営保険を維持するために、これは非常に何といいましょうか、大変な努力を払っているんです。だから、こういった方法も法の範囲で許された新商品にかわるアイデアだ、こういうふうにひとつ御理解いただきたい。私は正直言って、不明朗な問題はこれは当然排除せねばならない、かように考えていますので、どうぞ保険振興のためにもひとつ大いに御理解をいただくならば大変ありがたいと思います。
  185. 木島則夫

    ○木島則夫君 最初に、保険金の最高制限額の引き上げについてお伺いをしたいと思います。  昨年の九月に一千万円に上がったわけでございます。しかし、人間の一人の命を補償する額としては余りにも低過ぎるという声が非常に多いんですね。大蔵省のアンケートなどによりましても、国民の大多数が年収の七・五年から十年分を保険金として求めているという結果が出ているところからもよくこれは裏づけをされると思います。このことから少なくとも二千万円ぐらいは必要じゃないだろうかというふうに言う人が多いんです。五十一年の十一月に郵政省が行いました簡易保険市場調査によりますと、たとえば御主人が亡くなった場合に三千万円は欲しい、そのうち二千万円は保険金で欲しいというアンケート結果が大勢を占めているようなことから、いかがでしょうか、その最高制限額というものについてのお考えを伺いたいと思います。このことは、国民のニーズというものは非常に多角化、多様化しているという現状ですね。もちろん民間生命保険もございます。しかし、一方、簡保法に定める簡易保険の枠というか態様というものもこれは考慮をしなければならないということでありますけれど、国民のニーズがそういうふうに非常に多様化しているという現状をどういうふうに把握をされているか。
  186. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 昨年の通常国会で簡易生命保険法の御審議をいただきまして、その際に最高制限額を一千万円に引き上げていただいたわけでございます。当時におきまして、この一千万円の引き上げによりまして、国民一般の生活水準を考慮いたしますと、大体その必要額を確保できると考えていたわけでございます。先生指摘のように、五十一年の十一月の簡易保険に関する市場調査によりますと、万一の場合の平均必要生活費は二千九百万円、また生命保険の期待額は二千二百万円となっております一方、また同じ調査によりますと、一世帯当たりの保険料の支払い限度額は月額二万一千九百円、こういうふうなことでございまして、このことからも、要するに加入者の方々の負担能力というものと、それからそういった必要額、こういったことからこの一千万円というものが大体妥当な額ではなかろうかというふうに考えているわけでございますが、しかしながら、これは社会情勢というものはどんどん動いておりますから、やはりこれからいろいろと生じます危険の限度であるとか、いろいろ加入者の方々の需要というものもまた上がっていこうかと思います。簡易保険の場合には、やはり無審査保険としての一つの負担し得る危険の限度というものがございますし、また民間保険との関係というものも考慮しながら最高限度頭というものを決めてまいったところでございます。そういった趣旨からいたしまして、せっかく昨年の九月からこの一千万円の引き上げというものを実施してまいったわけでございますが、さらにこれから先の情勢と、それから加入者の御要望というものも踏まえながら、よくさらに検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
  187. 木島則夫

    ○木島則夫君 こういう問題、もう少し深く突っ込んでやりたいんですけれど、私も非常に時間的な制限がございますので、一応いまのお答えで結構でございます。結構ということは、それで満足をしているということでなくて、やはり検討課題であるというふうに受けとめさしていただきたいと思います。  先ほどから言われておりますように、簡保資金というのは郵政の職場に働く方々が汗水流して募集をした結晶であるというふうに受けとめるべきでございます。にもかかわらず、その運営とか資金運用について、そこに働く人たちの声というものは全くらち外に置かれているのが実情でございます。資金運用部の財投が全く企業努力をしていないようなところに行くのを見ますと、自分たちがせっかく集めたのに一体これはどういうことなのかという気持ちになるのは私はやはり当然だろうと思います。したがって、簡保事業の運営とか資金運用について、働く人たち意見を反映させるために、たとえば経営協議会というようなものをつくってわれわれの意見もそこに入れてほしいというような声が労働組合なんかから出ていることも事実でございます。いかがでしょうか、建設的な先の問題としてひとつお答えをいただきたいと思います。
  188. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 事業の運営に当たりましては、やはり労使の相互理解とか協力というものが必要不可欠であるということでございまして、そういった観点から、現在、組合との間には労使懇談会というような名前の一つの場を設けまして、郵政事業の現状認識と将来の動向把握というようなものに資する事項につきまして情報の交換あるいは意見の交換というものも行っているわけでございます。先生指摘のように、資金運用というような問題につきましてもこの懇談会の中でいろいろと意見を承るという点につきましては、これは資金運用というものが現在のたてまえにおきましていろいろと手続あるいは制約がございますけれども、なお慎重に検討してまいりたいと考えております。  なお、この資金運用に当たりましては、確実、有利、かつ公共の利益を基本原則といたしまして、法律の定めるところによりまして資金運用審議会の議に付しまして運用計画というものを策定しております。また、その運用期間が長期のものにつきましては国会の議決を経るということも現在やっているわけでございまして、そういった点で適正化を図られているというふうに考えておりますが、繰り返して申し上げますが、御指摘の点につきましてはなお慎重に検討してまいりたいと……。
  189. 木島則夫

    ○木島則夫君 最後まで、語尾まではっきり聞かしてください。よく聞こえないんですよ。郵政大臣が非常に積極的にいろいろな意味で御発言をいただく割りには、ぼくも別に局長を責めているわけではないんだけれど、後ろから一々紙が回ってきて、それをごらんになりながらというのは、私はよくわかるんですけれど、要するにいま私がここで提起している問題なんというのはしょっちゅう省内で言われていることでしょう。そしてそういうことは、お互いに私とあなたが個人的に話すと、もっと大きな声で積極的に私に話すでしょう。やっぱりそういう場にしてほしいと思いますよ。そうじゃないと、もう本当にここでする議論というものは全く形式化してしまって、郵政事業をこちらが心配しいしいやっている、そのことがちっとも伝わっていかないということだと、私はよくないと思うんですよ。やっている方も何か意気阻喪してしまうというんでしょうか、あなたに別に当たっているわけではありませんけれど、ひとつ積極性を持ってお答えをしていただきたいと思いますね。いかがですか、もうちょっとこう――最後の語尾のところは聞こえなかった、ぼくは。
  190. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) どうも息が切れまして失礼いたしました。  そういった組合とか職員というものの意見も十分に、たとえば労使協議会等の場でそういった場をつくって聞いたらどうかと、こういう御意見だったと思います。いま先ほど申し上げましたように、労使懇談会あるいは経営懇話会というふうな名前をもちまして現在組合とそういった意見の交換の場を持っております。こういった資金運用というような問題につきましても、そういった場でやるのがいいかどうかということにつきまして慎重に検討したい、こういうことでございます。
  191. 木島則夫

    ○木島則夫君 次に、簡保というのは国の経営する唯一保険機関であるわけでございます。したがって、その役割りも民間保険に比べて幅広いものでなければならないし、またそうすることは当然であろうと思います。しかし、簡保の現況というものは、どっちかというと、たとえば募集に重点が置かれたり、しかも最近は高額の保障性の強い保険に力を入れているというような傾向も見受けられるわけでございます。もっと幅広く国民各層の生活設計のコンサルタントとしての役割りみたいなものを担う分野があっていいんじゃないだろうか。じゃ、私にいまその具体性はおまえ何だと聞かれても、私もこれがいいという即座なお答えを持っておりませんけれど、先ほどからいろいろここで御議論をされております保養センター、結構ですよ。簡保法の枠がありますから、その中でやるということになれば、それは制限があるのはわかるけれど、何か出てくるアイデアというのがもうちょっと私は足りないような気がいたします。もっと広い範囲で、国民の皆さんのライフサイクルの御相談をするとか、コンサルタントとしての役割りを申し上げるとか、そういうことの中での簡保事業の発展というものが考えられないんだろうか。これはきのうきょう起こった問題じゃないということは、先ほどからいろんな先生方が御指摘をされている問題だと思いますね。郵政省に何かビジョンがおありのはずでございます。もしあったら、ひとつこれも積極的にお答えをいただきたいと思うわけであります。
  192. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 実は、先ほども私、大森先生に少し答えたんですが、郵便年金ですか、これが昨年度は十口のいわゆる契約であった。十口の契約でもできたということは、その制度があるということなんです。いまコンサルタントのお話がありました。生活設計、老後設計ともいいましょうか、何かアイデアはないのかと指摘されて、私もまことに恥ずかしい次第ですが、実は寄り寄り、いま木島先生指摘の、何か考えなさい、いわゆる一味違う仕事を考えたらどうだということを私は申し上げたんです。というのは、たとえばいま国民年金制度ができて、定められた法律において一定の年齢が来ますと年金はいただけますが、とてもこれでは老後の生活保障は確立されておりません。そこで私が、あなた郵政大臣になったけれども保険て何種類あるんだと実は聞かれたんです。これ、わからないから、来て、幾つあるんだって聞いたら、いろいろ御説明を受けたんです。ところが、いま言ったとおりに郵便年金が全くやっていないということでしょう。私は年金で、老後の保障がないのだから、健康な間にこういった国営の保険制度を利用して、貯蓄をしておいて、年とってから何年か期限が来たときにまた年金をいただける。そうすると、国の国民年金とプラス郵便年金である程度老後の保障を確立する。こういったことを窓口で、やはりこれだけの金を掛ければ、何年たてば、あなたがこれだけ掛けると――計画の相談相手になってやるべきじゃないかと言ったら、ないって、こう言う。私、教えてやったら、言ったら、そんなのはないって言われた。いや、もうそれは積極的にやっていないんだと。その制度はいろいろとお役所なりには考えているんですね。目減りを恐れて、もうなるべくそういったことをやらないでおこうという方針だと言うから、それはいけないと、これこそいわゆる国民の心の安定を図る一つの方途であって、私は断固これはやってもらいたい、制度があるんだから、もっと時代にふさわしい制度に改定をして、大いに拡充をやるべきである、こういったことをいま指示いたしております。言うならば、簡保関係で、私も正直言ってもう不満だらけなんです、やってみて。  そこで、先ほど来申し上げているとおりに、ひとつ見直しをやりなさい、やりましょうと。ところがこれ、毎日ぼくも衆参に行っているものですから、なかなかその時間ないので、私自身も、もう何日かで国会が終わる、終わったらひとつそういった問題と時間が与えられるから真剣に取り組んで、きわめて皆さんから好評を受けるいわゆる郵便業務の制度に持っていける努力をしたいと、こういうように正直申し上げて意欲的なんです。ところが、なかなか現在では時間的余裕もございませんし、まあアイデアはないかとおっしゃれば、現時点では正直言って何もありませんと。しかし、そういう考えに基づいていま行動を起こさんとしているという点でひとつ御理解を願うならばこの上もない喜びでございます。
  193. 木島則夫

    ○木島則夫君 意欲というか、積極性においては私は大いに評価をさしていただきたいと思います。大臣がいまおっしゃった、一味違う何とかという、これはいいアイデアじゃありませんか。郵便局の窓口に張っておかれまして――いやいや、ほんとですよ、そういうものもやはり実行化していただきたいと思いますね。私は何も保養センターの利用が悪いとか、人間ドックがどうのこうのと言っているんじゃない。こういうことも簡保法の枠の中で真剣にお考えになっているということは、私も別に否定を申し上げたりはしていないわけですけれど、やっぱり老齢人口が急増をしている日本の現状の中で、せっかくそういう機構をお持ちなんですから、そういう場所をお持ちなんですから、さっき私が申し上げたような国民のライフサイクルというようなものをとらえて、そこで国民の奉仕者としてのコンサルタント的なそういうものもひとつやっていただけないだろうか。私も具体的な提言ができないのは不勉強で申しわけございませんけれど、やっぱり一つ考え方の象徴としていま申し上げているわけでございます。  次に、保険外務員は現在二万七千名いると言われておりますけれど、その算出根拠は何でありますか。私も素人なものですからよくわからないんでありますけれど、二万七千名の算出根拠というものはどういうところから発生をしておりますか。
  194. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 簡易保険事業におきます外務員でございますが、その仕事はおおむね新規契約の募集と、それから保険料の集金に大別できるわけでございます。  募集につきましては、外務員が何人いれば何件の募集ができるという性格のものではございませんけれども、やはり郵便局が所在する地域の人口及び世帯数、経済力等に応じまして相応の定員を配置しているわけでございます。また、集金につきましては、郵便局ごとの受け持ち契約件数及び地況を勘案いたしまして、実情に沿うように所要の人員を置いているわけでございます。  そこで、募集という面では、これもう本当のところ算出基準という形のものはこれはございません。結局一人の人間がいればどうであるかという、何といいますか、その地域のものから、地域の状況から積み上げてはじくというものではなくて、やはりそれぞれの地況とか経済力とか人口とか、そういったものにあわせまして総体の人間の中で配分をしているということでございます。現実にこういった募集の面では、まあ定員も増加ということもなく、現在までのところ従来の陣容でやってきている、こういうことでございます。
  195. 木島則夫

    ○木島則夫君 聞くところによりますと、外務員の中には職務に対する意欲の欠如した者など約半数がレベル以下の仕事しかしていないというようなことも聞いております。レベルとは、一年に保険料の合計百万の募集を目安にしたレベルでございます。ところが、レベル以下の仕事しかしていない。この目標がいいかどうかはまた議論のあるところだろうと思いますけれど、一応決まっていることなんだろうと思います。その実態がどうで、何でそういう状況の中にあるのか。これに関連をしまして、外務作業の中で何か国民サービスの新規業務を開拓できないものだろうか、こういうことまで含めてひとつ伺ってみたいと思います。
  196. 佐藤昭一

    政府委員佐藤昭一君) 外務員の場合のレベルといいますか、実績と申しますか、これは一つは募集の実績と申しますか、こういったものではかるということもございましょうが、同時にまた集金に従事するという面もございますので、必ずしも募集高だけで、その実績だけでも判断はいたしかねるんじゃなかろうかと思いますが、一応その募集の実績額がどうなっているかということで見ますと、五十二省令年度で――五十二省令年度と申しますのは、五十一年の九月から五十二年の八月までの一年間、これ省令年度と申しておりますが、そこで見ますと、外務員の一人当たりの募集目標額、これは第一回の保険料で計算しておりますが、大体九十万円、目標額を外務員一人当たりに割りますと大体九十万円でございます。そこで、普通局の外務員について調査いたしますと、九十万円を上回る募集実績を上げている外務員が全外務員の約五六%でございまして、また五十万円以上の実績を上げている外務員が全体の八〇%という形になっております。そういったことで大体約六割近い外務員が平均の頭割りの募集目標額を超えていると、こういう形になっております。こういうふうに把握しております。特定局の方はそういった資料がちょっとございませんので、普通局だけで申し上げたわけでございます。  じゃ、どうしてそういうふうにいろいろ差が出てくるかということでございますが、やはりこれは募集の技術とあるいは業務の知識、あるいはやはり本人の適性とかあるいは意欲とか、こういったものがいろいろと絡み合って総合的にこういった一つの成績が出てくるのかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、私どもの方としましては、やはりその職員の業務知識の向上であるとかあるいは募集技術、こういったものにつきまして研修をいろいろと計画いたしまして、できるだけ多くの外務員がそういった研修を受ける、五年計画で一応普通局の外務員は全部そういった訓練を受けるというような形をとって募集力をやはりつけていかせたい。あわせて、そういった意欲づけというものも図っていきたいと、かように考えておるわけでございます。
  197. 木島則夫

    ○木島則夫君 最後に、一言だけ大臣に伺います。  いまお聞きのように、レベル以下と言いますと、やはり国営の事業ですから、何でもかんでも募集をたくさんしてきなさいとか、たくさん契約をとってきなさいというような民間とは――おのずと節度があるはずでございます。したがって、私はそういうことを申し上げているんじゃない。やはり簡保事業が置かれている現況というものに対してみんなが本当に、郵政の職場にいる人たちが、将来性のあるもので、本当に国民のためにこれが役立っているものかどうか、そしてそこから起こる将来のいわゆる対応、目的というんですか、ビジョンというんですか、そういうものがもう一つ開けないところに何かすっきりしないようなものを感じているんじゃないだろうか。私は素人の立場ですから、推測になったらお許しをいただきたいのでありますけれど、そういう問題を含めて、もう一回大臣、あるべき姿というんですか、どうこれをとらえて、どう将来づけをしていったらいいんだろうか。このことを最後に私の質問を終わりたいと思います。
  198. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) 私も経験は浅いし専門家じゃありませんから、適当なお答えになるかどうか、ひとつその点を御理解願っておきたいと思いまするが、大体保険というのは、最近はこれはもう大変普及してまいりまして、昔は特定の人以外はなかなか入らなかったのです。そこで私は、一つの目標に置いているのは、やはり国民の生活に余裕ができてきたから、老後の設計を考えてやっぱり保険というものに非常に魅力を、関心を持たれたと。だから私は、この国営の保険制度というものが国民から十二分に理解されて、本当にこれは信頼を受けて、これはわれわれの老後のためになるんだということを自信を持って説明できるように、説明すれば納得していただけるように、私は先ほどまた一味違う方法で取り入れたいと。これは本当の国営、いわゆる庶民を対象にした国営保険の姿だと思うのであります。したがって、そういう方向で今後も外務員の指導、養成をいたしまして、いわゆる入ってくれる方も、また求めていく外務員もぴたっと合うような制度に持っていきたい。そこに初めていわゆる募集実績が上がってくるんじゃなかろうか。また、上がった実績が国民の将来の大きな安定感につながるというふうに持っていきたいために努力をしてまいりたい。かように考えております。
  199. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  200. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述へ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  201. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律及び資金運用部資金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  202. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  案納君から発言を求められておりますので、これを許します。案納君。
  203. 案納勝

    案納勝君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。    簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律及び資金運用部資金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行にあたり、次の各項の実施につとめるべきである。  一、簡易保険の募集については、加入者利益の擁護をはかるため、今後とも節度ある募集活行われるよう十分配意すること。  一、簡保会計の余裕金郵政省が直接運用する制度の実現についてさらに積極的に検討するとともに、積立金運用制度改善についても引続き努力し、加入者利益増進をはかること。   右決議する。  以上でありますが、この決議案は本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨については改めて説明するまでもないと存じますので省略さしていただきます。  何と供御賛同をいただきますようお願いをいたします。  以上であります。
  204. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいま案納君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  205. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 全会一致と認めます。よって、案納君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、服部郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。服部郵政大臣
  206. 服部安司

    ○国務大臣服部安司君) このたびは、慎重な御審議をいただきまして、ただいま簡易生命保険及び郵便年金積立金運用に関する法律及び資金運用部資金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。  この委員会の審議を通じまして賜りました御意見につきましては、今後、簡易生命保険事業を運営していく上で十分配意してまいりたいと存じます。  さらに、ただいまの附帯決議につきましては、今後、その趣旨を尊重してまいりたいと存じます。まことに長時間ありがとうございました。
  207. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  208. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時三十八分散会      ―――――・―――――