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1978-04-13 第84回国会 参議院 逓信委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月十三日(木曜日)    午後一時六分開会     —————————————    委員異動  四月十二日     辞任         補欠選任      坂倉 藤吾君     大木 正吾君  四月十三日     辞任         補欠選任      沓脱タケ子君     市川 正一君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         栗原 俊夫君     理 事                 西村 尚治君                 最上  進君                 案納  勝君     委 員                 小澤 太郎君                 郡  祐一君                 新谷寅三郎君                 菅野 儀作君                 高橋 圭三君                 前田 勲男君                 大木 正吾君                 大森  昭君                 中野  明君                 矢原 秀男君                 沓脱タケ子君                 木島 則夫君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  服部 安司君    政府委員        郵政政務次官   宮崎 茂一君        郵政大臣官房長  河野  弘君        郵政大臣官房電        気通信監理官   江上 貞利君        郵政大臣官房電        気通信監理官   神保 健二君        郵政省簡易保険        局長       佐藤 昭一君    事務局側        常任委員会専門        員        栗生澤喜典君    説明員        厚生省社会局老        人福祉課長    末次  彬君        自治省財政局調        整室長      小林  実君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社総務理事    山本 正司君        日本電信電話公        社総務理事    小口 文一君        日本電信電話公        社総務理事    長田 武彦君        日本電信電話公        社総務理事    玉野 義雄君        日本電信電話公        社経営調査室長  小西 一郎君        日本電信電話公        社技術局長    前田 光治君        日本電信電話公        社営業局長    西井  昭君        日本電信電話公        社業務管理局長  浅原 巌人君        日本電信電話公        社計画局長    福富礼治郎君        日本電信電話公        社経理局長    小川  晃君        日本電信電話公        社データ通信本        部長       輿 寛次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (日本電信電話公社事業経営、第六次五カ年  計画及び賃金問題の労使間交渉に関する件)  (一般加入電話の積滞解消に関する件)  (福祉対策用電話に関する件)  (電信電話諮問委員会答申に関する件)  (成田空港管制塔乱入事件に関する件)  (非常時における通信体制に関する件)     —————————————
  2. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十二日、坂倉藤吾君が委員辞任され、その補欠として大木正吾君が選任されました。     —————————————
  3. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のうち、国際電気通信事業に関する件について、次回の委員会国際電信電話株式会社役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 最上進

    最上進君 電電公社が長年の悲願でございました加入電話の積滞解消の問題についてお伺いをしたいのであります。  仄聞いたしますと、本年三月までに全国的にすでに積滞解消が達成をされたというようでありますが、積滞解消実態電話架設期間改善状況についてまず御説明をいただきたいと思います。
  7. 浅原巌人

    説明員浅原巌人君) お答えを申し上げます。  おかげさまで先生ただいま御指摘のとおり、長い間の懸案でございました加入電話の積滞解消の問題につきましては、過ぐる三月末におきまして、全国的にほぼ達成されたというふうに理解をしております。最終的な集計につきましては現在進行中でございますので、まだ御報告申し上げるところまでいっておりませんけれども加入電話の一応架設されていない申し込みという形でカウントをいたしますと、一月末でほぼ十七万でございました。五十二年度末では十五、六万になるというふうに思っておりますが、この間、この中には事務処理期間中のものがほぼ半数、あるいは五十三年度中の自動改式によってなくなりますものが若干、それから沖繩関係はやはり工事等のおくれがございまして、まだ積滞解消という状態に至っておりませんので、これが七万弱になると思いますが、そういうものを合わせまして十五、六万、全国的に見ますと、ほぼ積滞は解消されたといってもよい状態に近い状態になっているのではないかというふうに思っております。  なお、架設期間の問題でございますが、その状態につきましては、かっての非常に積滞が多うございました時期には、平均の待ち合わせ月数というのが十六カ月にも上るというような時期もございましたんですけれども、五十三年度以降になりますればおおむね一カ月以内に架設できる状態を維持できるのではないか、また維持していくように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  8. 最上進

    最上進君 御説明をいただいて大体わかるわけでございますが、引き続きこの残余の積滞の問題についてはさらに御努力をいただきたいと思います。  これまで積滞解消公社の重要な経営目標であったわけでありますが、これが実現をされました今日では、公社経営方針も当然転換の時期にきていると思われるわけであります。そのあらわれとして、五十三年度につきまして新たな方向明示されたわけでありますけれども、その経営方針なり重点施策の概要を御説明をいただきたいと思います。
  9. 小西一郎

    説明員小西一郎君) お答えを申し上げます。  公社が従来から努力してまいりました積滞解消、全国自即化の二大目標も第五次五カ年計画によりましてほぼ達成することができるに至りました。本年度から新たに拡充・改良第六次五カ年計画推進することになるものでございますが、一方で現在の経営環境内外ともにまことに厳しいものがありますので、このような情勢を踏まえまして、さらに事業の発展を図り、電気通信サービス事業を通じまして国民福祉向上日本経済安定成長に貢献していくことを期しまして基本的には対処しているところでございます。したがいまして、基本的には経営改善努力技術革新推進労使関係の安定、維持、地域社会との関係の一層の密接化等々によりまして、今後一層の経営努力を果たすことを基本方針といたしておる次第でございます。  さらに、先ほど先生から御指摘がございました、五十三年度新たに第六次五カ年計画をスタートするに当たりまして、特に重点事項として示しました点が三つございます。第一がマーケティング活動推進でございます。第二が電気通信網高度化でございます。第三が現場業務充実、以上三点を特に重点事項といたしまして、公社全般にわたりまして指示いたしました次第でございます。
  10. 最上進

    最上進君 今後の重点一つといたしまして、付属機器等各種商品販売が挙げられると思うわけでありますが、その五十一年度、五十二年度の販売状況と五十三年度計画数を御説明をいただきたいと思います。
  11. 浅原巌人

    説明員浅原巌人君) 御指摘のとおり、今後の重点といたしまして、この種の端末機器等販売に力を入れてまいりたいと存じておりますが、状況を御説明いたしますと、私ども各種商品いろいろございますけれども、主なものを申し上げますと、たとえばプッシュホンあるいはホームテレホン親子電話ビジネスホンあるいはPBXビル電話というようなものがございます。  五十一年度の実績は、プッシュホンは四十二万七千個でございます。これが五十二年度におきましては、これも実績集計中でございますので予定数を申し上げますと、五十万個を販売をする。五十三年の計画につきましては四十六万個という形になっております。  それからホームテレホンにつきましては、これは電話器ではございませんでセットで勘定いたしておりますが、五十一年の実績が十一万五千、五十二年の予定は十四万、五十三年は十五万。  それから親子電話につきましては、五十一年度の実績が五十五万三千個、それから五十二年度が五十四万、五十三年の計画は六十万というふうになっております。  それからビジネスホンにつきましては、五十一年の実績が五十七万八千個、五十二年の予定が五十二万五千個、五十三年の計画数が五十八万個。  PBXにつきましては、五十一年の実績が六万個、五十二年が五万六千個、五十三年が六万個。  ビル電話は、五十一年の実績が三万九千加入、それから五十二年が四万加入予定、五十三年が同じく四万加入予定というふうになっております。
  12. 最上進

    最上進君 いま御説明をいただいた中で、たとえがプッシュホンにいたしましても、五十一年度は計画が四十五万個であるのに対して実績が四十二万七千、あるいはまた五十二年度は、計画数で五万個ふえているんでありますけれども実績は大幅に落ち込んで三十六万六千。かなりこの計画と過去の実績数を比べてみますと差異が生じているというのは否めないと思うんであります。  で、特に福祉対策用電話シルバーホンについてでありますけれども、五十三年度計画数は過去の実績から見て過大ではないかというふうに感じられるわけであります。五十一年度が五千個の目標に対して三百、五十二年度がやはり五千個の目標に対して三百、五十三年度はやはり五千個の目標を出しているようでありますけれども、過去、計画数実績というものを比べますと、どうもやはりそういう感じがするわけであります。この計画が少し過大ではないかというのが私たちの率直な感情でありますけれども、その点についてはどのようなお答えを持っておられるか、お伺いをしたい。その需要予測の根拠と、この計画数を消化するための施策をひとつこの際聞かせておいていただきたいと思います。
  13. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  いま御指摘のありましたように、福祉対策用電話につきましては、五十一年度及び五十二年度の販売状況は当初計画を下回っております。一方、国民福祉向上に寄与する立場から、発生する需要には、すべて応ずる考えでございます。それで、いまだシルバーホンの「あんしん」等がついておらない一人暮らし老人とか重度身障者方々というのが、正確にはわかりませんが、各調査の結果から推測いたしますと、約一万五千の方々がおられるように思います。そういう方々にもぜひつけたいという希望を持っております。それで五十三年度の計画数におきましても五十二年度の計画数と同数というふうにしたわけでございますが、いま御指摘ありましたように、大幅に設置数が下回っております。  これらの計画を消化する施策といたしましては、現在でも新聞雑誌への広告の掲載とか市町村広報紙への掲載電話局窓口の展示及び各種の健康と医療とか福祉近代化展とかいうようなところへ出張してやっておるわけでございますし、また各種老人クラブとかロータリークラブ等でのPRをやっているわけでございますが、非常にいま申し上げましたような状況で下回っております。今後ともこれを実際につけていただく、実行いただく自治体の各市町村等へもっと積極的にPRを行うとともに、シルバーホンの「あんしん」の場合には特にその料金負担をしていただく地方自治体へ積極的に働きかけを行っていきたい、こう考えている次第でございます。
  14. 最上進

    最上進君 概略は理解できるわけでありますが、「あんしん」について、大体三年間で推定架設個数といいましょうか、取りつけるべき個数が一万五千個であるから、三年度で割って五千ずつというお話のようであります。そういうことを考えますと、五十三年度にぜひひとつこうした、ただいま御説明いただきましたとおり地方自治体、特に心身障害者方々重度方々やあるいはまた一人暮らしのお年寄りの状況を的確につかんでおりますのは、これは民生委員方々であると思います。こうした末端自治体の、直接こうした仕事に携っている機関関係方々との連携というものをより密接にひとつとっていただく中で強力に推進方お願いをしておきたいと思います。  「めいりょう」につきまして、大体これは四万、四万、四万という数字がやはり三年にわたって出してありますけれども、十二万個の推定取りつけ個数ということになりますと、過去の五十一年、五十二年の実績からいたしまして、いまの「あんしん」とともにどうもやはり実績が落ち込んでいるということを感じざるを得ないわけでありまして、この点につきましても格段のお力添えをいただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。  次に、先般出されたところの電信電話諮問委員会答申について二、三お伺いをしておきたいわけでございます。  まず、農山漁村地域電話サービスについてでありますけれども公社はすでにその改善策といたしまして、普通加入区域の五キロメートル拡大の施策を講じていただいているわけでありまして、さらに今後六次計画におきましては、七キロメートルまで広大することを計画しておられるようでありますが、今回の答申では、これら離島とか僻地におけるところのいわゆる電話架設の場合の線路設置費について、国及び地方自治体による政策的配慮、これは補助の必要、また電話使用料につきましては、加入区域内に設置をされた場合と同程度負担が望ましいとされていますけれども、これらについてのひとつお考え方を聞かしておいていただきたいと思います。これは大臣がおられないので政務次官から御答弁をいただいても結構でございます。
  15. 宮崎茂一

    政府委員宮崎茂一君) 電信電話諮問委員会は、これは公社総裁の私的な諮問機関でございますが、その答申の中には非常に示唆に富んだ提言があるわけでございまして、御指摘加入区域外電話を架設する場合の費用の負担問題でございますが、これにつきましては、郵政省といたしましてもこの提言趣旨に沿いまして前向きにひとつ検討をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  16. 最上進

    最上進君 加えてお伺いをしておきたいんでありますが、離島僻地などの電話局から長遠な地域に適したより経済的な通信方式開発につきましては、すでに公社として推進中であるというふうに考えるわけでありますが、この開発状況と今後の実用化めどについてひとつ御説明をいただきたいと思います。
  17. 前田光治

    説明員前田光治君) お答えいたします。  電話局から長遠なところに住んでおられます加入者電話といいますのは、在来の技術でいたしますと声が弱くなる、いわゆる電話が遠くなるとかあるいは雑音を受けやすくなるというような点で通話の品質が落ちてしまうという問題がございます。こういった僻地におられる方々にも良好な通話サービスができますように、しかもそれが経済的にできますように、いままで各種方式開発実用化を進めてまいりました。その中には加入者用交換方式でありますとか電送方式それから無線による方式などいろいろございます。これらのもののうちにはもうすでに実用化をされて、幾つかのところで実際に使われておるものもございます。しかし、さらにより経済的な方式をつくりますために、現在鋭意さらに改良経済化を進めておるところでございます。その一部のものにつきましては、今年度中に実用に供して試験を行う段階に来ておる次第でございます。
  18. 最上進

    最上進君 次にDSA通話の例の夜間割引の件でありますが、DSA通話の一日じゅう取り扱いにおけるピーク状況、それに伴うところの要員配置上の困難な問題について、少し具体的にいまこの際御説明をいただきたいと思います。また、この夜間割引廃止についての公社見解をこの際お示しをいただきたいと思います。
  19. 浅原巌人

    説明員浅原巌人君) 一〇〇番通話の問題につきまして私どももいろいろと検討しているところでございますが、先生御質問の一日じゅう取り扱いにおけるピーク、最繁時と私ども言っておりますけれども、この状況でございますが、まず地域の特性によってかなり差があるように思います。住宅地域でございますとか農山漁村地域でございますとか工業地帯によりまして、いろいろ差があるようにも思いますけれども、大勢といたしまして、かつては一日じゅう通話ピークというものは、手動通話ウエートが非常に高い時期あるいはそれ以外でも社会的なもろもろの活動の変化もございまして、午前中のたとえば九時から十時前後とかあるいは午後の三時前後とかというところにピークがあったわけでございます。  手動通話ウエートというものは、自動化が進むに基づきまして非常に減ってまいりまして、今日では全体の通話の数%を占めるという程度に落ちているのではないかと思いますけれども、それを一日の中で見ますと、宵のうちと申しますか、大体午後の八時から九時にピークがきている局が多くなってきております。大体ごく最近の調査、ことしの調査はまだ出ておりませんけれども、昨年の四月の調査によりますと、一日の通話数のうち一四、五%がこの午後の八時から九時の時間帯に集中をしているというような状況になってきております。こういうふうになりました原因というのは、やはり生活のあり方と申しますか、というもののパターンが変わってまいりましたこと、あるいはやはり八時からこの夜間割引の時間帯に入りますので、全体として夜間通話がふえてきている中でもこの八時以降に特に集中して見られるという状況になっているかというふうに推察をしております。  私どももそういうふうにいたしますと、これは交換手によって接続をしなければなりませんので、非常にたくさんの要員をこの時間帯に配置しなければサービスレベルが下がってしまうというようなことになるわけでございますけれども、昼間にある時代と違いまして夜間帯にかけてのことでございますので、なかなか配置の問題はむずかしい点がございます。いろいろそれぞれの局が苦労をして配置をいたしておりますけれども、どうしても配置できないというような場合には、臨時雇いを雇う等のことによりましてカバーをするというような工夫もしているところでございます。  それから、こういう現象になっております原因一つが、先ほど申し上げましたように夜間割引制度の点にございますので、その点につきましては、先ほどからお話が出ております諮問委員会等におきましても、この問題について、「夜間割引引廃止などの適切な措置を講ずべきであろう」「要員配置上困難な問題も生じているので」ということで書かれておりますので、こういうことを踏まえまして、今後検討してまいりたいというふうに存じております。
  20. 最上進

    最上進君 例の電話番号案内のうちで一〇四について、まあその利用の実態等から、当然将来の方向を考える場合に有料化の必要があろうというふうに感じている人は大ぜいいると思うんでありますけれども、これもやはり先ほどお話をしました答申の中に出ておりますし、こうした点については諸外国においてどのような取り扱いが行われているのか、諸外国実情を含めてひとつ公社の御見解をお示しをいただきたいと思います。
  21. 浅原巌人

    説明員浅原巌人君) お答えいたします。  この点につきましても、先ほど諮問委員会答申の中に触れておられるわけでございまして、「将来の方向として有料化」というふうに書かれております。で、私ども番号案内につきましては、これも答申の中にもございますけれども電話帳を引いていただいて番号を調べていただく問題と、それから一〇四番にお問い合わせになってお調べになる問題と、二つあるわけでございます。電話帳の方は、これは存続の必要があるというふうに諮問委員会答申の中になっておりますし、私どもも実際にいろいろ調査をいたしまして、存続の必要があろう、また、諸外国でもこれを廃止したところはないというふうに考けておりまして、今後もその充実を図っていくつもりでございます。  しかしながら、案内呼数と言っておりますが、コールの数でございますけれども、これはやはり加入数がふえてまいりますに従いまして、わずかずつではございますがふえる傾向もございます。そういうところから、諸外国におきましても有料化という問題が出てまいったのではないかと思います。諸外国実情を若干申し上げますと、アメリカあるいはカナダの一部では、逐次有料化が進んでおりますし、またヨーロッパのフランス、西ドイツ、イタリー、スウェーデンというようなところで、有料化が実施されているように聞いております。したがいまして、私どもといたしましても、諮問委員会答申の中にもございますし、今後検討をしていかなければならないというふうに思っておりますが、電話運用部門と申します、まあ交換手を中心にしたところの要員問題全般の問題もございますので、その辺もにらみながら慎重に検討して、諮問委員会の御趣旨方向を考えてまいりたいというふうに思っております。
  22. 最上進

    最上進君 今後いろいろ御研究し、また検討をされるというお答えのようでありますが、大体やはり時期的な明示というものをしていただければありがたいわけでありまして、大体いつごろをめどにこういうものを実現をしようという考え方で今後検討されていくのか。まあ諮問に、当然もう答申されているわけでありますから、いまの御説明にありましたとおり、すでに西欧の国々では有料化が実施をされ、しかもアメリカカナダ有料化検討中ということでありますけれども、これもやはりかなり前向きの姿勢のようでありますので、そういう中でひとつわが国の電電公社におきましてもそうした方向を、しかも財政的に非常に厳しい状況の中でありますので、これ実現方をぜひお願いをしたい。どの辺をめど検討されていくのか、その辺の時期の明示をしていただければありがたいと考えております。
  23. 浅原巌人

    説明員浅原巌人君) まあ、いつごろからやるかやらないかというのは、非常にむずかしい問題がございます。実際には検討いたします場合に、先ほど申し上げましたような運用要員の問題、あるいは工事の問題、その他、お客様に対する影響の問題等、十分に検討していかなければならないと思っておりますので、現在のところ、いつごろからということにつきましてはちょっと申し上げるような材料を持っておりませんけれども先ほど申し上げましたように、諮問委員会答申趣旨というものを踏まえまして、十分に検討してまいりたいというふうに思っております。
  24. 最上進

    最上進君 では、その点はぜひひとつ前向きでお願いをしたい。  続けてお伺いしますが、電信電話利用者委員会、これは中央で一カ所、地方で十一カ所あるわけでありますけれども、これについては、さきの第七十八回国会の公衆法改正に伴う附帯決議によりまして全国各地に設置をされたわけでありまして、今回の答申におきましてもその活用が大変強く望まれているわけであります。そこで、設置後一年余を経た同委員会活動状況と、サービス改善に反映をした事項等について、概略御説明いただきたいと思います。
  25. 西井昭

    説明員(西井昭君) お答え申し上げます。  ただいま先生がおっしゃいましたとおり、全国の通信局単位に十一の地方利用者委員会を五十二年、昨年の三月に設置をいたしております。で、それぞれの地方委員会におきまして現在のところおおむね三回程度開催をいたしております。おおむね三回程度と申しますと、一、二のところで四回開催しておるところがございますが、大体三回程度開催をしておるところでございます。それから中央の利用者委員会でございますが、地方の運営状況を勘案いたしまして、昨年の十一月に本社に中央利用者委員会設置をいたしまして、十二月に一回開催をいたしております。  で、ただいまおっしゃいました、そういう利用者委員会で出された意見、要望について事業に反映したものはどういうことかということでございますが、これは非常に多方面にわたっておりまして、一々全部申し上げると非常に数が多くなりますので、そのうちの主なものだけ申しますと、まず、遠洋漁業基地に百円公衆電話を増設をいたしましたとか、それから空港内の公衆電話の利用案内板を改善いたしましたとか、それからあと、まあ大安日等の一一五がいろいろ出にくいというようなお話がございましたので、そういう大安日対策というものを強化をいたしましたとか、それから各種商品PRを積極的に実施をいたしておりますとか、それから電話教室等を地方でいろいろ実施をいたしまして、そういうものを通じまして学生あるいは新入社員等の電話関係の指導教育を強化をしておりますとか、それから電話帳の配付につきましても、希望者の方だけに配付をいたしますとか、まあそういういろんな施策を各地方において実施をしておりますところでございます。
  26. 最上進

    最上進君 先ほど答申の中で、もう一つこの際聞かせておいていただきたいんでありますが、電話番号案内の問題と、やはり一般国民にとりまして大変関心のあります、身近な問題であります電話帳の問題でありますけれども、これは、この答申の中で触れておりますとおり、現在の収支状況から見て、まあ従来のとおり自区版については無料の配付である、ところが、「他区版のうち同一県内のものについては希望者に無料交付されている現行方式が妥当である」というふうに指摘されている反面、「県外のものについては、生活圏の拡大に伴って他地域電話番号を知る必要性が高まっている現状からして、他区版の希望者への無料交付の範囲および必要な電話番号の他区版への掲載について検討する必要がある」ということを指摘しているわけでありますが、やはり私どもこの電話帳を利用する際に、いまの指摘というものは非常に強く感じます。  同時にまた、特に感じますのは職業別といいましょうか、産業別の電話番号の区分といいましょうか、この引き方というのが非常にやはり難解である、個人に比べますとあれはなかなか時間がかかるものであるということを痛感をしているわけでありますが、こういう点につきましてはどのようなお考えをお持ちであるか、お伺いをいたします。
  27. 浅原巌人

    説明員浅原巌人君) 先生指摘のとおり、電話帳につきましてはいろいろな問題がございます。歴史的な問題もございますし、現在行われております編集方法の問題もございます。あるいは費用の問題というものもございます。お客様との関係におきまして、この諮問委員会答申という中にも触れてございますように、自分の地域だけじゃなくて近所の他地域番号を知る必要の問題というのもございます。先ほど案内の方でも一〇四番のほかに一〇五番というのがございまして、他地域電話番を知るシステムがございますが、電話帳電話による案内サービスと両々相まちまして現在やっているわけでございますが、先生指摘の問題も含め、あるいはこの諮問委員会指摘されている問題も含めまして現在検討をいたしております。できるだけ早くかつ御納得のいただけるような方法を見出しまして、逐次実行に移したいというふうに考えております。現在、せっかく検討をいたしておる次第でございます。
  28. 最上進

    最上進君 概略御説明、理解をさせていただきました。  最後に、きょうは触れるのはやめようと思ったんでありますが、冒頭の質問でありますので一、二問お伺いをしておきたいんでありますが、先般の三月二十六日の成田管制塔の過激派襲撃事件に関連いたしまして、先般の委員会におきましての警察庁の警備の御説明によりますと、大体すでに百六十六名が検挙され、身元が半分以上明らかになってきているようであります。その逮捕者の中で公共企業体関連の職員が十四名のうち、郵政関係と申しましょうか、郵便の集配の職員を中心にいたしまして郵政省六人の逮捕者、加えて電電公社では四名の逮捕者がすでに出ているということをお伺いをしているわけでございます。同時に、これが電電の場合には、一つ特徴は、宮城県に仙台を中心にして逮捕者が集中をしているという事実に対しまして、私どもやはり何か地域的な問題を考えますときに欠陥があるんではないかということを感じるわけでありますが、この点につきまして、総裁としてどのようなお考え方を今回の不祥事についてお持ちか、お伺いをしておきたいと思います。
  29. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 二十六日の成田事件、国民としてどなたもこれは非常に偶然としたと思いますが、その中で私ども公社の職員が三名逮捕されていたということを発見しまして、大変に驚き、また申しわけない次第だと心から遺憾に思っております。何ともおわび申し上げる次第もございません。  その逮捕者の氏名も、ようやく最近警察でお漏らしいただいた程度でございますが、なお逮捕されない者も参加していてはいけないということで、全国通信局に指令しまして、現場で徹底的に、その当時の前後に休暇をとっていまだに出勤しないような人がおるかどうかということを調べてまいりました。一名、現在でも出勤しないのがおる。これは大阪地区でございますが。したがいまして、ただいまのところ五名はこのグループに参加したということが言えると思いますが、この逮捕されたときの状況その他は全くまだわれわれわかりませんけれども、私は厳重にこの問題に対しては対処したい、一刻も早く処置をしたいと思っております。ちょうど数日後、先般七日に全国通信局長会議を招集しまして、この問題に対しても厳重に注意を喚起して、また従業員の監督等についても一層厳重に監視するということを図れということを注意いたしました。  ちょっと先ほど逮捕者三名と申し上げたかと思いますが、四名でございます。間違いでございます。逮捕者は四名うちの者が入っております。訂正いたします。  いずれにしましても、この問題は逮捕の問題と、それから同時に私ども通信を預かっておりますので、成田付近のその後の通信施設、機械、線路の警備ということに対しては、また御質問があれば詳細その対策等も御答弁申し上げますけれども、徹底的に厳重にできるだけの防備を固めて、また監視パトロールも重ねて、警察とも密接なる連絡をとって、こういうことが二度と起こらないような監視体制をいま固めているところでございます。
  30. 最上進

    最上進君 この間も委員会で、郵政省の職員の逮捕をめぐって私が指摘をしたわけでありますが、同様なことが言えると思うのでありますけれども、たとえば郵便課のその職員の場合には、二十五日から、すでに前日から休みをとっている。しかも、いま三月に入ってからの欠勤状況を調べ上げておりますけれども、恐らくあれだけのことをなし遂げる、やる前段には、何度も何度も準備工作のために職場を放棄して、調べ上げますと恐らくかなり欠勤日数が出てくるのではないかということがいま私の持っている感じでありますけれども、そういう中で、事件が発覚するまでとにかく職場ではわからなかった。二十五日から、二十六日に逮捕されて、留置されて、わかったのが三十一日だという、そういう報告が人事局長からなされたわけでありますけれども、恐らく今回集中しております仙台中心のこうした一連の職場におきましても、郵政と同様のことが私は電電においても言えるんではないだろうか。  しかも、先般の御説明によりますと、三万五千人のとにかく全国過激派の中で、労働者の割合が六割だということが明確に指摘をされ、しかもそのうちの二割はこれは公共企業体関係のいわゆる公務員が中心の人たちであるということをお伺いをいたしまして、大変愕然とし、日本もやはりここまで来ていたのかなということをつくづく感じ入ったわけであります。こういう問題に対して、私どもは今後やはりいままでの甘えの構造から脱却をさせて、断固たる姿勢でわが党も臨んでいく覚悟でおりますので、こうした職場管理の問題につきましては、ぜひひとつ上層部の方々、しっかり御指導いただきますようにお願いをしておきたいと思います。  以上をもって質問を終わりたいと思います。
  31. 大木正吾

    大木正吾君 大臣がまだお見えになっておりませんので、政務次官からお答えいただきたいんですが、予算委員会におきまして、ことしは与野党ともどもに、円高問題で大変な経済動向の中におきまして、とにもかくにも予算のつなぎをしないでも上げる、こういう状態になったわけでありますけれども、このことは、国内的に何とかして円高不況問題の克服をしたい、こういう気持ちで努力し合った、こういうふうに考えておるんですが、その中における、不況をなくすために、消費者が物を買う力が落ち込んでいるわけですね。その大半というものが、御承知のとおり経済計画の中におけるGNP構成費で個人消費が五六%前後を占めているわけですから、その五六%前後の中の大体七、八割はこれは労働者の賃金でございますから、その問題について、電電公社当局も全電通との交渉をしておるやに承っておりますけれども、その交渉状態の進捗について冒頭伺っておきたいと思います。
  32. 山本正司

    説明員(山本正司君) お答え申し上げます。  春の賃金問題に関しましては、三月一日に全電通労働組合から要求書が提出されまして、それ以来本日までの間に、賃金に関しまして十回交渉を行っております。
  33. 大木正吾

    大木正吾君 交渉の中での主な対立点はどんな問題がございましょうか。
  34. 山本正司

    説明員(山本正司君) 賃金問題につきましては、物価の上昇あるいは生計費、民間賃金の動向といったようないろんな要素について、労働組合との間で論議を重ねておるところでございますが、民賃の動向等も逐次出てまいってきておりますので、公社当局として速やかに有額回答をすべきではないか、あるいは民賃、物価、生計費等を考えて賃上げの必要性を認めるかどうか、そういった点について論議が交されておるわけでありますが、公社としては、民賃の動向というものも、まだ私鉄が出まして、ようやく本日鉄鋼、造船等が出される段階になったわけでありまして、まだ十分に見きわめる段階にないということで、その辺の論議をただいま交しておるところでございます。
  35. 大木正吾

    大木正吾君 一般的に賃金を決める要素というものは、いま山本理事のおっしゃったような物価さらに一般的な生産性、公社の場合には財政的な問題が絡むでしょうけれども、同時に民間賃金の動向、こういうふうに私たちも承知するんですが、いまお話ありました中で、賃上げの必要性についてはお認めになったと理解してよろしゅうございますね。
  36. 山本正司

    説明員(山本正司君) 物価の状況等を見るならば、実質賃金にいろいろ影響が出てきておるであろう、したがって賃上げの必要性について何らかの措置が必要ではないかというふうにも考えられるが、まだ明確な回答を出す段階ではないと、こういうようなことで現時点においては終わっておるわけであります。
  37. 大木正吾

    大木正吾君 賃上げの必要性は、実質生活が物価の影響で若干落ち込んでいるという中で、必要性は認めるけれども民間の動向等がはっきりしない、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
  38. 山本正司

    説明員(山本正司君) 賃上げの必要性を明確に認めるにはまだ材料不足だと、こういう段階になっておるわけでございます。
  39. 大木正吾

    大木正吾君 それでは具体的に少し伺ってまいりますけれども一つは、まあきょう鉄鋼の回答もあった、これは後にしますが、最初伺いたいのは、いまおっしゃられたところの、実質賃金という言い方もありましょうが、実質生活ですね、物価が上昇していますから生活が下落するわけでしょう。これについての問題でございますけれども、物価の上昇についてはどういう御認識でございますか。
  40. 山本正司

    説明員(山本正司君) 三月末の前年度対比で四・四%の上昇というふうに承知いたしております。
  41. 大木正吾

    大木正吾君 多分そうおっしゃるだろうと思っておったんですけれども、物価の上昇というものは、年間の尺度で見る場合もございますし、四月だけでもって見る場合もございますし、政府自身が新しい、まあ五十三年度の計画の中では六・八%、こういうふうに推計していますが、同時に、五十二年度についても政府自身が七%を上回る物価上昇、こういうふうに言っているわけですね。ですから、四月だけの物価の上昇状態で生活の下落あるいは上昇状態を見ることは適当ではない、こう考えておるんですが、その辺どうでしょうか。
  42. 山本正司

    説明員(山本正司君) 物価の上昇率の前年度対比をいずれの時点をとるかという点につきましては、いろいろ論議のあるところでございます。年間対比で申しますと六・八%ほどになるということも承知いたしておるわけでございますが、物価がどんどん上昇期にあるときと、それから鎮静に向かっておるとき、いろいろ状況、環境があるわけでございまして、その辺のところはまだ十分いろんな要素を加えながら考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っておるわけであります。
  43. 大木正吾

    大木正吾君 きのうもこれ参議院の本会議で議論があったわけですけれども、宮澤企画庁長官が答弁に立たれた際には、卸物価がマイナス現象を実は一月、二月呈しているわけなんです。確かに物価は鎮静し安定するにこしたことはないのでございますけれども、卸物価がマイナス現象を呈しているということは、これは非常にオーバーキル、要するに経済状態の異変なんですね。結局は。民間の経済の活力がなくなっていっていることでありまして、そういう点と同時に、もう一つ申し上げてまた意見聞きたいんですが、賃金というものはずっとことしも一年間続き、来年も続き、将来続いていきますね。そのときに、四月だけの物価上昇が四%台であるからという話では、毎月賃金を上げておるわけでもないし、物価によって毎月変えておるわけでありませんから、常識的には、四月のものもごく一部の参考にはなるでしょうけれども、やっぱり、年間の風速といいましょうか、年間の上がりぐあいですね。これを見てやっぱり実生活を守るといいましょうか、防衛する、こういったことは常識と考えるんですが、どうでしょう。
  44. 山本正司

    説明員(山本正司君) 賃金に関しまして考えなければならないのは、いろいろな要素があるわけでございます。物価もその一つだと思うのでありますが、その物価の上昇率そのものに、いまお話が出ましたように、年度間をとるのか、年度末をとるのか、また議論の分かれるところであります。いずれにしましても、賃上げそのものは、そういったいろんな要素、まあ一番大きくは民賃の動向というものを勘案しながら決まっていく、決めていくと、こういうことになるだろうと思うわけでありまして、その中に物価、生計費その他が融合して、織り込まれて民賃に反映されているんだというふうに考えておるわけであります。そこで、私どもとしては、民賃というものを大きな尺度としながら、他の要素も考えつつ賃金交渉というものをやっておるわけでございます。
  45. 大木正吾

    大木正吾君 聡明な山本総務理事に少し回答をはぐらかされてしまって残念なんですけれども、ただ、物価問題も賃金を決める要素の一つという、このことは認めていただけますね。そして、手元にあるのは総理府の資料なんでございますけれども、実は、住宅投資とか、あるいは自動車の買いかえとか、そういった耐久消費財とか、もっと、基本的なものはなかなか手が出ない中で、ここにある総理府の統計で見ていきますと、五十年を一〇〇にしまして、五十三年一月が主食が二七・六%上昇し、生鮮魚介類が四三%上昇し、そして教育費、それから電電公社関係ございますけれども、交通通信費五七・六%、教育費五二・九%、こういう状態なんですね。こういうものこそは、実は、家庭の主婦にしてみて、あるいはサラリーマン個人個人の家計に入りますと、出費の順序とすれば一番早い、あるいはどうしても生活必需問題としてこれは払わざるを得ないものなんですよ。  ですから、なべて、四・四%、四月という見方はぜひ改めていただきたいし、特にこの物価に占める生活必需関係のものが非常に上がってきている。同時に、ことしもまた、いま私鉄の話もされましたけれども、運賃関係その他、公共料金の上がることも幾つかあるわけなんですね。そういった御認識をぜひ公社の交渉当事者、あるいは公社側といたしまして、賃金を決める要素としてあなたがおっしゃったのは、実質生活の下落は食いとめなくちゃいけないということがありましたから、民賃のことでも大事ですが、私はまず物価問題から伺ったわけでございまして、その辺について、民賃の動向が公社賃金を決める主たる要素という話は、経過的には私も承知いたしますけれども、物価問題について、ひとつ、はぐらかさないで、もう一遍、物価の上昇、同時に実質生活を落とさない、そういった考え方で交渉に当たる、こういうような御返事はちょうだいできませんか。何%は結構ですから。
  46. 山本正司

    説明員(山本正司君) ただいま大木先生のお考えも伺ったわけでございますが、私ども労使の交渉の場面におきまして、相当細かなデータ等をもとにして、他の企業体と比較いたしますれば、自主交渉重視という立場から相当詳細な論議を進めておるわけでございます。それぞれ立場、主張点、いろいろございまして、中には対立するものもあるわけでございますが、十分論議を深めましてさらに進展をするように努力をいたしたいと思います。
  47. 大木正吾

    大木正吾君 物価問題については公社側としても上昇していることは認められ、しかも自主交渉の賃上げの要素というように御返事をちょうだいいたしましたから、次の問題に入ります。  公社の経営状態なんでございますけれども、国鉄なりあるいは専売公社電電公社少しく違いますが、三公社の中では私は経営状態は比較的安定している、将来のことは、十年先のこと五年先は別ですけれども、大変御苦労されている皆さん方の立場あるいは労使関係、そういったことも含めて公社の経営状態は比較的安定し、五十二年度も若干の黒字を生む、こういう状態であると見ておりますが、そう考えてよろしゅうございますか。
  48. 山本正司

    説明員(山本正司君) 公社の経営状態は、他の公共企業体等に比べれば、財政的に見てもその他の面から見ても健全かつ安定しているではないか、こういう御指摘でございます。確かに、きわめて大まかに申せば先生指摘のとおりだろうと思うのでありますが、ひとつ財政状況をとってお答え申し上げますと、確かに五十三年度の予算等を見ますると相当大きな収支差額というものが出ておるわけでございます。しかし、これは一昨年国会を通していただきました料金改定の結果、あらかじめ各年度このくらいの収支差額というものが出るであろうということを見込んでおった額でございまして、かつ、それらの金額というものは、その料金改定以前の二年ないし三年にわたって続きました累積赤字を解消するというめどで料金改定というものがなされたわけでございまして、いわば出るべくして出た収支差額であるわけであります。  五十三年度の支出について見ますと、収入は四・四、五%の伸びに対して支出全体は九・九%くらいの伸びになっておるわけでありまして、そのこと自体をつかまえて考えてみますと、やはり相当な収支差額は出ておりましても、これは年々額が減っていくものであり、いわば公社の手足を食いながら事業運営というものがなされておるというふうにも言えるのではなかろうか、こういうことで、数字上の点だけで公社の財政というものが健全であるというふうに判断することは非常に将来にとって問題があるんではないかということで、私どもこれからの電電事業の経営について、従来以上に、日本経済がそうでありますように、電電事業の経営そのものも非常に厳しい場面に直面しておるということを感ぜざるを得ないわけでございます。
  49. 大木正吾

    大木正吾君 一般的に企業経営をいたしまして、経営者の努力、働く労働者あるいは従業員の努力ですね、そういったものによって、民間の会社でも電電公社でもやっぱり収益というものを生むわけですからね。しかもこの収益というものを生んだときには、株式配当なりあるいは銀行の金利の返済とか、そういった諸費用も絡むでしょうけれども、常識的に考えた場合にやっぱりその仕事に携わった方々がある程度それによって利益の配分を受けることは当然だし、ファンドを残して将来の投資に備えることも当然でしょうし、ですからそういうような形でもって考えていただきますと、十年先のことは別にいたしましても、二、三年後には必ず赤字になるから、こういったものがありましても、それは九・九%の支出の中身をまた議論してもいいんですけれども、時間がありませんからそんなことはきょうはやめますけれども、ただやっぱり利用者に還元するという方法があり、同時に従業員がやっぱり働いておるんですから、さっきお話があった物価の上昇による実勢額の下落という問題との兼ね合いも含めた配分にあずかることは当然でしょう。私はそう考えるんですが、そうじゃないでしょうか。
  50. 山本正司

    説明員(山本正司君) ただいまのお話は、労働分配率といったような観点に立ったお話だろうと思うのです。  公社の収益の上がってきた、その源泉には当然事業に働く従業員の努力というものも大いに、非常に大きくあずかって影響のある問題だと思っております。したがって、この賃上げを初めとする従業員の労働条件の改善、向上といったような問題につきましては、従来からもそうでございますが、事業の成長発展あるいは合理化、省力化、こういったものによる事業の成長発展というものと相関連させて考えながら、従業員の努力というものに報いていくという姿勢を従来同様に持っておることにつきましては、別に従前と変わりがあるわけではございません。
  51. 大木正吾

    大木正吾君 秋草総裁以下幹部の方に、私もかつては電電のもとで働いていた一人でございますから申し上げさせていただきたいんですけれども、交渉経過の資料いただきますと、収支差額の認識について、説明の中に、一般の企業とは違って、公共的必要余剰ですか、何かむずかしい新語があるんですけれども、これは本当は経営委員会なり何なりに行って都留先生にでも聞きたいんですけれども、こういう言葉、だれが発想したか知りませんが、民間企業でも公社でも、特に電電公社の私は話をしてるんですから、国鉄の場合の運賃問題のときも連合審査に加わって国鉄総裁に申し上げたんですが、どんなに新幹線をつくったって並行して縦貫道路がどんどん通っているモータリゼーションの中でもって、年配者は新幹線を使いましても、子供は使ったって若い衆はどんどん結局車でもって行っちまうんですよ。釧路の新鮮な魚だって、結局いま見れば東京の高速道路、夜間から朝から、とにかくどんどん冷凍車走っているでしょうが。国鉄の貨車で来る魚はないですからね。  そういった状態との関係電電公社を見たときに、公社債の発行限度の問題とかあるいは専売なども、ちょっとこれ、たばことかあるいはその他の塩とかの問題と違いますけれども、民間企業と最も比較しやすいのは電電公社と私は見ているわけなんですよ。ですから、余り新語を発見されなくても私たちはわかるわけですけれども、とにもかくにも電電公社というものは、労使関係が団体交渉を中心にして安定しており、そのことも影響しながら、やっぱりほかの公社に比べたらという立場で質問したわけでございますからね。そういう点では経営状態が安定している。  もし山本さん、料金の値上げをしたから云々とおっしゃれば、それじゃ一年半前ですかの料金値上げ、上げ過ぎたんですか、あれは。タクシー運賃でも国鉄運賃でも上げたら三月ぐらいは経営がダウンしますよ。電電公社電話料金はその直後少しは響いたかもしれませんが、私はこんなものはコンピューターははじけませんから、だから電話料収入などがそのときにがくんと落ちたということであればまた問題があるんですけれどもね、そうでないとすると、こういったような文言なりいまのお話というものは、もう少しやっぱり民間企業経営との兼ね合いでもってお考えになった方が説得力がある、こういうふうに考えるんです。そういう考え方は、総裁、間違いでしょうか。
  52. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 御案内のように私ども電電公社は、言うならば完全独占事業でございます。いまの大木先生の御所見といささか私、所見を異にせざるを得ない。むしろ交通運輸事業の方がかつては天下の国鉄でございましたけれども、いまは国鉄の独占性というものは非常にわずかになっておりまして、むしろ公社こそ、非常に民間との比較ということは、あらゆる資料をとってみましても独占事業ということでなかなか比較しにくい。国鉄ならいろいろと隘路もまたやむを得ない点もありますけれども、ひとつ競争会社というものとの比較検討がいろいろ材料が転がっております。そういう意味ではいちずに民間と同じようなやり方に走るということは電電公社としては非常に警戒を要し、つつましく配慮しなけりゃならぬ前提条件ではなかろうか。大木先生のせっかくの御所見とはいささか私、所見を異にいたすものであります。
  53. 大木正吾

    大木正吾君 それは三公社と申し上げたが、四公社ならもっとはっきり私の意見も聞いていただけるはずなんですが。この電灯見てください。東電ですがね。そうして大阪へ行ったら関西電力ですよ。関西電力で、九分割の電力会社でございますけれども、これに対抗しているのはないですね、そうでしょう、秋草さん。ですから、もしも電力会社を公社化していけばもっと問題はっきりするわけなんですが、私らが公共的必要余剰説、余剰論と、これはだれが発想したかわかりませんけれども。だから独占企業といった場合には、経営形態とは別にしまして、石油関連もあるでしょうし、電力もそうでしょうし、そういったことがございます。  中で一番典型的に料金問題との兼ね合いでもって山本さんおっしゃったもんだから、国鉄の例を挙げてお話をしたんですが、いずれこれは、きょうはこの問題が本題でありませんから。ただ問題は、賃金を上げる場合に、最後にはっきりさせておきますけれども公社が持っている資金の中でやれる場合と、同時に、公労法十六条ですか、要するに国会の承認を必要とする問題と、国の、よく親方日の丸という議論が出てきますけれども、私は少なくとも電電公社国民の税金でもって賃金をもらっているという見方はしておりませんので、ですからその辺との兼ね合いというものが非常に大事なところなんで、経営形態の別の場所でやってもいいわけでございますけれども、逆に聞きますと、要するに公社の賃金というものは、国民の税金と全く無関係とは言いませんよ、公社の経営の建物とか何かそういったことと関連してきますと。無関係とは言いませんが、現に経営している状態の中に生み出されるものは、これは少なくともやっぱり国民の税金で云々という議論とは違ったものだということはお認めになるでしょう。
  54. 山本正司

    説明員(山本正司君) 私ども先生と同じように、国民の税金で事業が賄われておるという考え方には立っておりません。しかしながら、立法論としてはともかく、現行制度の中におきましては、予算というものの中に計上してあれば何でも当事者のみでできるんだと、特にただいま問題になっております賃上げの問題について、そういう仕組みにはまだなっておらないわけでございまして、いろいろ現行制度のもとにおける制約というものも十分頭に置きながら問題に対処していかなければならないということを一言申し上げておきたいと思います。
  55. 大木正吾

    大木正吾君 山本さん、その話はもう少し先にしたいと思っていたが、ただ、いまあなたがそうおっしゃるからあえてここで少しく、これは公社が出された資料でございますから、私たちなりあるいは組合がでっち上げたものじゃないという前提に立ちまして申し上げさしていただきますと、「公共企業体等基本問題会議公社資料」、五二年一月十九日、この中の給与に関する部分の最後の末尾の方にあることは、これはきわめて妥当だと私は考えて拝見をしたんですけれども、いろいろ書いた中で最後にこう書いてありますね。「公社としては、賃金問題の自主的解決の方向に向ってさらに前進をはかり事業の円滑な遂行のため、労使関係を安定させていくことが極めて重要なことであると考えている」こう書いてありますわね。このことは、公社の書いたものですから、お認めになるでしょう。
  56. 山本正司

    説明員(山本正司君) 電電公社としての考え方を述べたものでございます。
  57. 大木正吾

    大木正吾君 回りくどく議論して申しわけなかったんですが、そのことが経営問題と関連して山本さん御自身が先走って自主交渉の話をしたもんですから、ちょっと触れておいたんで、後でまたこのことはもう一遍伺います。  そこで、民間賃金の問題がもう一つ公社の賃金決定の大きな要素と、こうおっしゃっられた。そのことは私もまさしく賛成というか、見方は同じなんですが、きょう鉄鋼の回答が出まして、これは四・二%ですわね。鉄鋼は三分の一いま溶鉱炉がとまっちゃっているんですよ。そういった中で四・二%の回答を示した。造船、重機、これは三分の二がいまドックはほとんどもう動いてないですわね。そういうところでもって四・三%の回答を示した。同時にサービス業の電電公社に関連を持ちます電機、日立、東芝、この関係を見てみますと六・五%の回答を示していますよね。同時に松下が七・五%、日産、トヨタ、ホンダ等が大体八%ですね、七・九八%の回答をしているわけです。こういう傾向に対しては電電公社は御承知のはずですけれども、どういうようにお感じになりますか。
  58. 山本正司

    説明員(山本正司君) ただいまお話しのように、鉄鋼あるいは造船、電機といったようなところの回答が本日出されたようであります。これをどういうふうに考えるかというお話でございますが、私どもといたしましては、まあ逐次民賃が出されてまいってきておるわけでございまして、こういうものをさらに積み上げまして労使交渉の場に臨みたいというふうに考えております。
  59. 大木正吾

    大木正吾君 ということは、公社が最も重視をいたします民間賃金が、ぼちぼち回答が出始めているし、朝日新聞、読売新聞等の回答はもっと高いんですけどね。そういうことは余りきょうは例示として申し上げませんが、公社御自身も回答する時期が迫っている、こういうふうに御判断されていますか。
  60. 山本正司

    説明員(山本正司君) 回答の時期というお話でございますが、まあ同じようなことを繰り返すことになるわけでございますけれども、民賃を柱として、その他の要素も考えながら回答額についてやはりいろいろ公社関係機関との連絡、打ち合わせということもございますんで、そういったものをやりながら回答時期もあわせて額等も詰めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
  61. 大木正吾

    大木正吾君 いまおっしゃった中での打ち合わせというのは、どこと打ち合わせをされるんですか。
  62. 山本正司

    説明員(山本正司君) やはり電電公社も政府機関一つでございます。監督官庁等もございますんで、まあもろもろの関係機関ということでございます。
  63. 大木正吾

    大木正吾君 先ほど申し上げたように、物価の問題についても実勢額の下落を認められ、公社経営についても、それは民間とは若干違うけれども、だれが見ても赤字でないことは明らかなんですわね。そうすると、これもやっぱり従業員賃金を全然据え置くという話にならぬでしょうね。そしていま民間の賃金の回答についても、まあ高い低いはございますけれども出そろってきている。しかも、これが最終的に私鉄の第一次回答、安いんですが、恐らくこれも大体七%、六%超すことは間違いないと私は見ていますけどもね。ですから、そういう意味合いでもって公社自身が組合と交渉をずっと三月の初めから精力的に十回もやってきたんですからね、何らかの前向きな回答を示す主体的な立場を持つことが、これが私は自主交渉、自主回答と考えるんですけどね。それといまお話があった政府関係機関とおっしゃられたんだけども、どっちにそのウエートを置いてお考えになるんですか。
  64. 山本正司

    説明員(山本正司君) これはまあ総裁からお答えいただいた方がいいんではないかと思いますが、むろん経営の当事者というものは公社総裁でございますから、総裁としての、経営者としての慎重な検討を経た上での額なり時期なりというものを持って関係の向きと連絡、打ち合わせをするということで、むろん主体性は私は公社当局にあるというふうに考えております。
  65. 大木正吾

    大木正吾君 総裁。
  66. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 御質問の趣旨はよくわかります。もちろん私とすれば主体性は相手の、うちの従業員でありますし、二番目は関係機関という監督官庁 そういう点に重点を直していかなけりゃならぬ問題だと思っております。ただ、先生なり外の方から見ればこれは逆にもとれるかもしれませんけれども、私は一にも二にも従業員あっての事業であるということで、年々こういう時期になりますると関係各省を回って、私の意見も開陳し、御協力を仰いで現に動いております。ただ、ただいまの公社の制度というものは、御案内のように、完全な私企業ではございません。いろんな制約がございます。そういう中で関係の同僚団体はもちろんのこと、いろいろと相談をした上で自主能力を発揮する限度において、限度限りの努力はしておるつもりでございます。
  67. 大木正吾

    大木正吾君 その制約的な問題についての公社法に絡む給与なり給与準則のことはまた後で伺いますけれども、いまおっしゃられた、要するに総裁が他の関係の政府機関と話をされて歩くという苦労はわかるわけですけれども、私は、あくまでもこの事態を見ていまして、国会が予算を早く上げたというのも、やっぱり日本の経済動向を心配しているから上げたんでして、あの途中でもって、さっき最上先生が質問された成田事件もあったわけですよ。その関係でもって国会の方は一日半ぐらい時間を費やしたんです。ああいう四人という者なり、もっとおるかもしれませんけれども、私たちは社会党といえどもああいうような極左集団というものを許すことはできないんですよ。ただ私は成田空港に絡んで、最上先生からもおっしゃったからあえて申し上げるけれども、三百世帯ぐらいの一族郎党があそこにおるんですよ、私個人の。心配しますことは、開港してからもしもあの種の事件が起きてくるとどうなるかということを真剣に心配しておるんですよ。開港をしてから、まさかあそこに五メートルもの大きなバリケードをつくって地下まで守ることはできないんですよ。騒音が今度どんどんどんどん広がっていって、四分間に一機ずつ発着する状態ですから、今度は九十九里海岸に向けて銚子周辺から農民の不満がずっと広がるんです。  きょうは別の席ですからあえて申し上げませんけれども、運輸大臣とかあるいは官房長官と話をする機会を考えています。とにかくそういった方々のことは別にいたしましても、やっぱり予算を通した国会の気持ちを考えていただければ、同時に、やっぱり景気の回復を願う日本の国民全体の感情からしますれば、様子を見ることも結構なんですけれども公社御自身が、やっぱり秋草総裁おっしゃったとおり、お気持ちはわかったんですけれども、そういった気持ちをもう少し前向きに政治的な話を進めていただきまして、ことしは労働組合もぼくが見ている限りでは、世の中騒がすようなストライキはそうたくさんないみたいな感じもしておりますので、やっぱり国民の期待にこたえて早く賃金紛争の解決をするということにしてもらいたいと私は考えているんです。ですから、ぜひ、お考えあるでしょうから、その話をとにかく進めるためにも、自主交渉のもう一歩前進ということを私はどうしても公社当局はすべきだ、そうしてもらいたい。それについては総裁の再度の御回答をひとついただきたいです。
  68. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 関連の公社関係の担当者とも打ち合わせてはおりますが、その情報によりますと、私ども公社の団体交渉ぐらい熱心に回数を重ねて討議しているところはないというふうに私も報告を受けておるわけで、これは長い電電公社労使関係の伝統として、できるだけ労使間で煮詰めていくということを守り抜くということは今後も続けていきたいと思っております。ただいまの御指不なり御忠告もありますから、一層これから精力的に団交を続けて、できるだけ早く意義ある回答をしてみたいと、こういうふうに思っております。
  69. 大木正吾

    大木正吾君 お気持ちはわかりました。  私も、ぜひそのことを大事にしてもらいたいんですが、これは今国会の三月二十九日の衆議院で——大臣がおりませんので、政務次官の発言じゃございませんのでちょっと申し上げにくい。大臣が来てからにしようと思ったのでございますけれども、わが党の鈴木強代議士の質問に対しまして、服部郵政大臣はこういうことを答えています。まだ記録が官報その他出てきていませんが、その中にこういうことがあります。要するに、公社、公団は予算が決まれば独自に運営されるべきである、こういう趣旨の答弁がございまして、これいまの問題ときわめて関係深いものですから、政務次官、もし御所見あったら伺いたいんです。
  70. 宮崎茂一

    政府委員宮崎茂一君) いまの、ちょうど大臣が来て、自分から答弁すればいいんですが、いまの話、私もよく存じておりませんが、そうしてまた大木委員は、賃金とかそういった筋の専門家でございますから、私から申し上げるのはどうかと思いますが、結局私どもは、電電公社の賃金の問題は、公社の労使間で自主的に決定されるべきものだと、こういうふうに考えておりますし、また、御存じのような公労委と、そういった機能がございますので、そういったところでやるということが、そういうふうに伺っておるわけでございます。  ただいま、大臣がだれの制約も受けずに独自の構想で決められるべきだと、こういうような発言をしたというふうなお話でございますが、やはり法律の定めるところによりまして、郵政省としましては、公社の予算総則と申しますか、そういう規定がございますので、そういった関係から、やはり承認を受けていただくところは受けていただくということになるかとも思いますが、先般申し上げましたように、なるべくひとつ自主交渉で決めていただきたいと、私自身はさように考えておりますが、もし答弁が非常に要を得ていませんでしたら、済みませんけれども、本人が申し上げたことでございますので、本人から直接ひとつお聞き取りいただきたいと、かように考えております。
  71. 大木正吾

    大木正吾君 服部大臣は、非常に怜悧といいましょうか、冷静でかつ能弁な方でございましてね、ぜひ服部郵政大臣のきょうは御懇篤なる私に対する卸教示を賜りたい、こういう気もちで、伺っておるのですけれども、残念ながらおりませんのでね。  ただ、これはもう私、釈迦に説法なんですが、政務次官、こういうことが書いてあるのです。公社法の七十二条に、「(給与準則)」という項がございまして、この中には、ちょっと読み上げてみますと、「公社は、その職員に対して支給する給与について給与準則を定めなければならない。この場合において、この給与準則は、これに基く一事業年度の支出が国会の議決を経た当該事業年度の予算の中で定められた給与の総額をこえるものであってはならない。」こうなっておりますね。ということで、いま政務次官おっしゃったことで間違ってないんですよ、これは公社法ですからね。  ですから、そういうことが一つと、よく国会で問題になりますところの、仲裁が出ましてなかなか資金がない場合の項が、これは公労法にございましてね、この公労法の関係ですと、これは十六条に、資金の追加支出に関する国会の承認という項がございまして、これは要するに、さっきちょっと論争いたしました、財政的に当該の公社などがどうしても追加なり補正なり流用なり等について、国会の承認を得なければならないということが起きた場合にこの項が適用されるのでございまして、電電の収益に絡む議論、さっきちょっとやりましたけれども公社の総裁以下の方々が、こういった法律がありながら、それを狭める解釈の仕方を私はとってほしくない、こういう気持ちがございます。しかし、総裁の答弁の中に、他の関係の向きともという話もございましたから、そういうことを期待をしながら、自主回答が早く出ることを期待しておるんです。  私自身も、かつて当該組合の幹部をしたこともございまして、ぜひ聞いてもらいたいんですがね、電電公社、今度六次に入りましたから、ちょうど二十五、六年間、国民の世帯に、ほとんどのうちに電話がつくような状態にまで持ってきたわけですよ。その間に、何十人、何百人の交換手方々が職場を失ったという問題が何遍もあったんですよ。そういうときに、労使関係というものはやっぱり団体交渉を中心として職員の訓練あるいは配置転換等をやってきたわけですからね。そのことが定着しているからいまの電電労使関係というものはきわめて安定的な状況に推移しているわけですよ。六次に向かったときに、そういったことを壊してもらいたくはないし、同時に公社のこの資料の中にございますけれども、やっぱり従業員の協力がなければいかぬと、こういうことが書いてありますのでね、私はやっぱりその考え方は、毅然として守ってもらいたいということが公社に対する注文と希望なんです。  そこで少し長くなりましたけれども、具体的に少し入って皆様方に御紹介いたしますけれども、これは四、五年間の回答です。金額の問題です。昨年が四月の十六日ですから土曜日になりますか、とにかく四月十六日に七千百九十一円、定昇込みにしまして一万五百九十円、こういう回答が出ております。それから同時に一昨年五十一年は四月十七日ですが、これが定昇込みで八千四十三円、最終妥結が一万一千六百二十円、こういうことなんですね。しかしきょう十三日でございますから、十七日まで四日間、十六日まで三日間、しかも土曜、日曜をはさむ、こういうことですから、少しやっぱり予算を通過さした日本の経済の現況等からいたしまして、有額回答をするという問題について、こういった経過を踏まえて一歩前に出た私は御回答がいただきたい、こういう気持ちでもって回りくどくしつこく質問しているわけなんですけれども政務次官どうですか。服部大臣来られましたけれども、こういった経過に基づきまして、もう一遍大臣の座る前に御所見いただけませんか。
  72. 宮崎茂一

    政府委員宮崎茂一君) 前段の、電電公社がいろんな技術革新に対してよくいままで労使間の協調によりましてりっぱな経営形態として育ってきたと、私もそのように思っております。また今後もいろんな技術革新があるんだろうと思います。したがいまして、よりよいいままでの労使の慣行を続けていただいて、そして賃金は自主交渉でやっていただいて、社会のためにその事業の要請される趣旨に従って貢献をしていただきたいと思います。  いま大木委員から、過去におきますところの賃金の数字につきましていろいろとお教えいただいたわけでございますが、私はとんとこういった数字のことはよくわかりませんが、最終的には先ほど申し上げましたように、公共企業体の委員会でお決めになるんじゃないかと思っております。そういうようなことでございますから、ちょうど大臣もお見えになりましたし、私の気持ちだけを、間違っておるかもしれませんが、気持ちだけを申し上げてお答えにしたいと思っております。
  73. 大木正吾

    大木正吾君 大臣、本会議終わったらしいですけれども、質問していいですか。
  74. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) どうぞ。
  75. 大木正吾

    大木正吾君 非常に優秀な聡明な大臣ですから、すぐ聞いてもいいと思うんです、転換ができるはずですけれども、実はいま電電の労使関係につきまして、いままで、これはいずれ大臣の御判断なり決断が要るでしょうけれども、とにかく賃金の自主交渉論争をやっておったわけです。大臣は衆議院の逓信委員会におきまして、三月二十九日、これは正確に官報に掲載されたものではありませんから、正確には把握できません。こういう趣旨の発言をされておるんですね。要するに、政府の介入が強く、最も利とするところが発揮できてないということは、これは要するにいまの公社に対する縛りに対してもっと自主的にやるべきである、こういう趣旨のことを述べて、その後で、公社、公団は予算が決まれば独自に運営されるべきである、こういう趣旨の、趣旨とあえて申し上げますがね、ことを答えられておるんですが、いまでもこの心境変わりありませんか。
  76. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) これは公社、公団法の第一条にもはっきりいたしておりますし、これは私にとって忘れられない思い出があるわけなんですね。衆議院に当選直後にこの公社、公団法というものに、私は商売人のせがれですから、非常に関心を持って、なぜ国の機関がこういったものをつくるのかということでいろいろと、当時の池田総理がこういうことをやられたというので、なぜそういうことをやるのかということをお茶の場で私は聞いたことをまだはっきりと鮮明に記憶に残っているのです。それはお役所仕事というのはああでもない、こうでもないとなかなかはかどらない。そこで、戦後の復興は何といっても限られた部門で専門的にそういった在来の役所機構の悪い点を除いて、公社、公団が独自の力で進んでいくところに公社、公団の設立の意義があるんだということを聞きまして、私は非常に感銘をいたしました。  今日までいろんな機会を通じて、また衆議院でもそういった問題に触れられたことをはっきり答弁した記憶がありまするが、日本の公社、公団はアメリカ公社、公団法を見習ってつくったということも聞いておりますし、私はいま現在も、いわゆる予算審議を通じていろいろと国会議員並びに政府の意向を公社、公団側に十二分に意識、認識せしめて、あとは私はやっぱり自主的に公社、公団の設立の趣旨に沿った方向でやらすべきが一番理想だと現在も考けております。
  77. 大木正吾

    大木正吾君 非常にりっぱな腹を持たれて、しかも聡明な、昔のことを記憶されている服部郵政大臣をいただきまして、電電の恐らく経営陣もありがたいと思うんですが、そこで、私、予算委員会大臣にも少し御質問したことございましたけれども、党内にもずいぶんいろんな議論がございましたけれども、四月四日の日に参議院予算委員会が——二十一日間もあなた軟禁状態でですね、大臣も大変だった。よく居眠りしないでしんぼうしたと思いますけどもね、とにかく上げたことは、これはやっぱり国の経済が危なっかしいという問題でもって与野党ともに合意して上げたわけですから、そういうことにかんがみていきますと、いま一番大事なことは、やっぱり当面の今月の課題というものは、労使間の賃金の交渉はどんどん民間も進んでいますから、いま大事なことは、早く賃金を決めまして、国民の購買力をつけて、そして公共事業と購買力が動いた中でもって民間企業が動いて、活力を増していくということが私は一番妥当な政策方向だと、こう考えますが、大臣いかがでしょうか。
  78. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 賃金を上げることは私も大賛成であります。これもどの機関においてもどんどん賃上げをやって国民の生活内容を豊かにし、どんどん購買力を上げていくことも特にこの時代に、これはもうぜひ必要なことであることは全く同感でありますが、やはり企業というものは、たとえこれは民間であろうが公共企業であろうが、やはりおのずからとるべき責任を明確にせねばなりません。私は基本的には賛成ではありまするが、やっぱり企業内容によって賃金ばかりにこだわることはかえって賃金のいわゆる急激な値上げにおいて企業に大きな経営の行き詰まりが生ずることが万が一にもあれば、これは大変な大きな社会問題に発展すると考えるわけでありまして、こういう問題は、当然私は労使間において、また公共企業体であればいろいろとこういったものの体系であるわけでありまして、そういった問題を処理する機関もあるわけでございまするし、まあ円満のうちに話し合いでできるだけ賃金を受ける方々の立場を考えつつ解決を図っていくことが最も理想ではなかろうかと、かように考えている次第であります。
  79. 大木正吾

    大木正吾君 大臣先ほど池田さんがアメリカのコーポレーションシステムを持ち込んだ、こうおっしゃられましてね、そのときのことをいまでも思い起こす、こういうふうにおっしゃられたんですが、いま日本には公社三つございまして、政府関係の外郭団体の小さな公団等は抜きまして、結局電電公社、日本国有鉄道、それから専売公社でしょう。その中でもって電電公社は、大臣の所見としまして国民の税金を賃金に回しているということはないわけですね、これは御承知と思いますけれども公社らしい経営をしているのは電電公社と見て間違いでしょうか。
  80. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 大変厳しい御質問でありまするが、私は、電電公社はまあ総裁以下関係者が大変な努力を払ってまあまあ公社の中でも堅実な歩みを進めていると理解いたしております。したがって、これがいつまで維持できるかというちょっぴり不安もなきにしもあらずでございまするが、予算審議を通じて、また平素の連絡の時点において、お互いの意見の交換を図って現在のやや良好な状態を維持し、できればもっとよい内容のものに進んでいってくれることを願っている次第でございます。したがって、三公社のうちで最も堅実な歩みを続けていてくれると。これは経営者はもちろん全三十数万の職員の一致協力のたまものであると絶えず感謝をいたしております。
  81. 大木正吾

    大木正吾君 労使関係について、最後にこれは総裁と大臣伺いますが、先ほど質問したことのこれは再確認ということにもなりますが、一つは、これは大臣、五十二年一月、いまやってます公共企業体等基本問題会議に公社が出した資料でございまして、大臣ごらんになっているかどうかわかりませんけれども、この中に職員の給与という関係の項が四十八ページにございまして、そして……
  82. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) ちょっと待ってください。
  83. 大木正吾

    大木正吾君 これ差しあげます。  それで、この中にぜひページでもって見ていただきたい部分がございますのは、いま私がちょっと触れましたけれども、四十二ページ以降なんですが、電電の労使がとにかくぎりぎりに交渉を詰めながら何回も徹宵しながらやってきました労使関係の血のにじむ論議なり経過が四十二ページ、四十七ページ、四十八ページにございましてね、大臣に見てもらいたいのは四十八ページの一番末尾の方なんですよ。折ってございますからひとつ見てください。その一番下にありますのは、「公社としては、賃金問題の自主的解決の方向に向ってさらに前進をはかり事業の円滑な遂行のため、労使関係を安定させていくことが極めて重要なことであると考えている。」こういうふうに記述されていますね。これは大臣が衆議院の逓信委員会でもって答えたことと全く同趣旨のことと公社は資料で出していただいているわけですよ。大臣の立場からしましてそのことは正しいし、そうあるべきだと、こういうふうにお考えでしょうね。
  84. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 賃金その他の、まあ給与の決定に際しましては、本来団体交渉の対象として当事者間の自主交渉により解決を図るべきであるという趣旨の御質問と私は理解したんですが、それでいいでしょうか。
  85. 大木正吾

    大木正吾君 それで結構です。
  86. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) これは解決が図られることができ得べき及びその現実の解決が公労委の仲裁とか調停とか、仲裁手続によっている状況にあることにつきましては承知いたしておりますが、これに関する諸問題につきましては、目下公共企業体等基本問題会議において幅広い観点から鋭意検討されているところでありますので、その検討結果を見守っているところでありまするが、私は、この検討結果を見守るという趣旨は、できる限りそういった自主解決の方法が実現できるように見守る気持ちは祈る気持ちであると御理解をいただきたいと思います。
  87. 大木正吾

    大木正吾君 くどくなって済みません。もう一遍だけ大臣の所見を伺いますが、実はいまおっしゃられた趣旨にのっとりまして四十五年からずっと自主交渉ですね。そして四十四年までは常にストライキが何回か始まっちゃってから仲裁あるいは労働委員会に持ち込まれたわけですね。このときからゼロ回答ということは政府も反省をしまして有額の回答を出すことはずっと続いておるわけですよ。  一昨年は四月の十七日に回答がなされまして、そのときの率が定昇込みで六・三六%。昨年が、これが四月の十六日でございまして、そして同じく定昇込みの率が七・七%なんです。きょうは大臣四月の十三日ですね。あと三、四日たちますとちょうど去年、おととしの回答日に当たるわけなんです。電電の秋草さんは非常に慎重なものですから、考え方は何かお持ちのようなんですが、ぼちぼち三、四日の間には自主回答でゼロできました日にちを越えまして、数字でもってものを言ってもらいたい、こういう時期に迫っていると思うのですが、どうでしょう。
  88. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 先ほどお答えしたように、私たちもただ便々と時期を待っておるわけじゃございません。連日連夜精力的に団交を重ねて決着を早めようと努力しておるわけでございます。  ただ、いま歴史的な最近の年度の回答日をおっしゃられましたけれども、必ずしも——昨年は確かに十六日、一昨年は十七日でございますけれども、四十五年、四十六年、四十七年、四十八年、これは二十七日、二十七日、二十四日、二十三日と。ただドル・ショック直後の四十九年は、これは一般の世論も非常に大きな反響もあったので、非常に早まって四月六日というのもございます。ですから、そんなにおくれているというまだ時期ではないと思っておりますが、いずれにしても精力的に団交を続けてできるだけ早く決着をつけたいと思っています。
  89. 大木正吾

    大木正吾君 それでは労使関係に関しまして、いまの総裁の苦労、大臣の腹構えを伺いまして、自主回答を一日も早くしていただくように、私自身もかつては労働界におったのでございますけれども大臣に申し上げておきますが、ストライキをやることは好ましくない、それをなくするためにはやはり有額な回答が出てきまして円満に解決してもらいたい。こういう気持ちを持っておりますから、労働界の親分だったからあいつはストライキばかりをやらしておったと、こう誤解があっちゃいけませんから、もう自民党の先生方にもぜひそういったことは御理解願っておきたいと、こう考えまして、自主回答が一日も早いことを期待いたしまして本問題の質問は終わります。  後は時間を少し残しまして、伺いたいのは、実は先ほど最上先生もおっしゃっておりましたこの六次計画に絡む問題と、電電事業の将来に関することなんですが、実は河本通産大臣と非公式にも話をしたことがあるんでございますけれども、     〔委員長退席、理事案納勝君着席〕 最近、機情法という、略称でございますけれども、ああいうものが飛び出しまして、一部の電電の事業を結局民間に移すという話も新聞等に出まして、これは新聞記事持ってきていますから、後で。それからこの間の、これはキャンディーズじゃないですね、キャプテンズというんですか、これ。こういうすばらしいものを開発されまして、そして大いにやっぱりサービスを拡大することはいいことなんですが、もうちょっと古いやつ、一月の十七日に通産省が機情法という中でもって、情報産業ですね、こういうものを一応民間に切り離していく、こういうことが出ましたときに、宮澤長官、通産大臣等に私は内々意見を述べたり、あるいは関係局長に余りうかつなことをしたらえらいことになるという話をしたことあるんですけれども、このことは大臣は知っていますね、閣議でもって話があったと思いますから。  そして、続けて、これは非常に簡単に物を考えがちなんでございますけれども、いまは自動車がやっと国内、国外含めて外貨の、円高の中でも息をついでおりますけれどもね、しかし鉄鋼、造船などはなかなかこれは息を吹きかえすことは、戦争でも起こらぬ限りないと思うんですね。しかも、化学関係は石油がああいう状態ですからなかなか大変でしょう。そうしますと、やっぱり重化学産業が、結局日本がだんだんと停滞といいましょうか、そういった状態に入っていきまして、八〇年代の産業の中心をなすものはやっぱり情報産業と私は考えるんですが、この辺は大臣なり総裁の御所見はどうでしょうか。
  90. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 私もこういう仕事に従事しておる関係から、いろいろと関連の人ともお話を伺っておりますると、     〔理事案納勝君退席、委員長着席〕 やはりいま大木先生がおっしゃったような、十年、二十年後の展望を見ると日本ではなかなか重化学工業のようなものは発展しにくい。じゃ将来伸びる、発展性のある事業は何かと言うと、手前みそのようになりますけれども、エレクトロニクス、ことにコンピューターあるいはそのもとになる超LSIの開発と、これが大々的に世の中に出るという時代になりますると、通信というもの、コミュニケーションというものとコンピューターというものがもう一視同仁になって溶け合って、世の中に全部はめ込まれるという時代が来るであろうと。したがって、そういう産業を担うのは、いまアメリカと日本しかありませんから、まあほかもありますけれども、非常に出おくれたということで、この情報産業というものは、なかなか電気通信という範囲以外に非常に発展する洋々たる前途をはらんでいるというふうに理解して、電電公社もその開発の一翼を担う意味で、技術先導的な技術陣営の育成なり意欲を燃やす、あるいは予算をいただくという点については非常に精力的にやっていきたいと思っております。
  91. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 八〇年代ということを前提に置いての御質問でございますが、確かに大木先生指摘のとおり、現代までの文明の発達というのは、鉄鋼あるいは造船というようなものを例に引いてのお話でございましたけれども、まあ距離と空間というものを人類がどうやって縮めてきたかという歴史でもあろうかと思います。確かに蒸気機関のイギリスにおける発明あるいはアメリカの自動車を中心とした文明の発達、生活の改革といったようなものが現在まで人類の経済を支え、あるいは、新しいブレークスルーとして新しい人間の生活を開いてきたのだろうというふうに思います。  そういうことを前提に置いて考えてみますと、今日、距離あるいは空間というものを画期的に縮め得るというものは、やはり電気通信というものが非常に重要な役割りを担っておることは確かでございます。その意味で、ただいま電電公社の総裁からお答えございましたように、データ通信事業というものが省資源あるいは知識集約型産業への転換あるいは国民福祉充実、社会生活の情報化等といったような観点から、今後の社会発展の中核を担っていくものの一つであろうというふうに存じておるわけでございます。
  92. 大木正吾

    大木正吾君 いま御両者からお答えがあったので、私も決して逓信委員会なりそういう立場で問題をセクト的にとらえることじゃなく、八〇年代と申し上げましたが、いま五十三年でございますから、もうすぐ五十五年なんですね、政府の経済計画でも五十七年まで。電電のこの五カ年計画もこれから始まって五年後ですからね、ちょうど中間に、結局八〇年といったことは五十五年ということなんでして、恐らく造船とかあるいは鉄鋼の場合には、どういうふうな産業構造に変えていくかという問題は、非常にむずかしい問題があろうと思いますしね。まあ原子力というもので化学産業救うことはできないわけですから、石油資源の枯渇ということを展望したときには、世界的に情報産業、コンピューター、そういったものが付加価値の高いものですからね、産業の中の中心部分を占めてくる、これは間違いないと思うのですね。  そこで大臣伺いたいのですけれども、いま監理局の方の御発言あったんですが、距離とか空間とか、そういった私は技術論をしたいと思っていないのです。まあ電電公社の出身ですから細かなことはきょうは省きますが、要するにコンピューターとか情報処理、そしてそれに関するサービスということは、実はこの情報産業の中には、服部郵政大臣が何年のお生まれで、そうしてどういう政治的なキャリアがあって、日本における二十人の大臣のうちの一員であって、その中堅で、決断力がすばらしくて、思想的にはどっちで、自民党のどこの派閥で、こういうこととか、あなたの財産から健康状態、全部がこうファイルの中に入っているわけですよ。しかもそういうものは、いま監理官がおっしゃったとおり、まさしく空間なく、これはもう海とか何かでもって遮断できないわけです、空間からね。  そういうふうなことを考えますと、私自身非常にさびしいと思いますことは、秋草総裁の御答弁のような趣旨のことが、もうちょっと五次計画、六次計画の冒頭に、関係の官僚から従業員から服部郵政大臣などを含めて、日本の産業の中心を占める部分という、要するに展望的な視点で新しい計画の冒頭にそういったことが書かれていなければならなかった、こういう感じを持っておりましてね、その辺大臣の所感どうでしょうか。
  93. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) まことに高邁な展望についての御意見を聞いて、教えられるところが多くあったわけでありまするが、まあ情報産業の中核的な役割りを将来にわたって果たしていくものとして、データ通信の分野が挙げられているところは御案内のとおりであります。  いま総裁も、非常にこの重要性を認め、将来の展望に立って、いまから整備拡充やるのでなければならないということは、もう機会あるごとにお互い意見交換をしているわけでありまするが、その点においては全く基本的に同意見でありまするが、まあいつも御指摘受けているとおりに、データ通信分野においてかなり電電公社に占める何といいましょうか、現在の赤字ということに経営の最高責任者としてかなり頭を痛めているように私は理解しているわけなんです。だから心と口とにかなり差があると理解してやってもらいたい、本人は実態はよく理解しながらも、やっぱり電電公社の経営自体余り大きな打撃につながることがあっては大変だというので、少々消極的であるということも私は今日まで見てきたわけでありまするが、第六次計画を見ますと、将来展望としてうたってはございませんが、基本方針としては豊かな社会の実現を目指し、データ通信の拡充、開発推進してまいらねばならない、またデータ通信に適したデジタル通信網の開発、導入も推進することを挙げております。  郵政省といたしましては、電電公社のデータ通信サービスの拡充、開発計画につきましては医療、行政、それから環境、流通などの国民福祉、社会開発等に寄与するサービスの推進を図るとともに、データ通信の利用態様の高度化と多様化に伴う新しい交換網サービスの開発、導入の推進について、適切なる指導と言うと大変オーバーな言葉でありまするが、言葉の表現上御理解を得て、そういった方向で進んでまいりたい、またきわめて重要な問題でありますので、今後も国会関係とも緊密な連携をとりつつ、万遺憾のないような措置、その時点で後悔をしない方途を講じてまいりたいと考えている次第でございます。
  94. 大木正吾

    大木正吾君 私たちは雇用問題ということをよく申し上げますけれども、日本の産業の分野がだんだん国際的に侵されるということは大変心配なんですよ。  要するに、さっきちょっと触れましたけれども、例として大変大臣の個人を申して申しわけなかったんですが、たとえばここにいる委員方々あるいは若い町の青年諸君が、どういうものを三年後に、五年後に求めていくかという国民のニーズをコンピューターは全部ファイルして、そして押さえているわけですよ。ですからこの辺の問題については、コンピューター情報産業というものはすべての産業、国民の好みから何から次の時代の二年後、三年後、何が流行し何が売れていくかということを全部これ調べていきますからね。そうすると、大臣ね、このことを簡単に少し財政的にデータがいま赤字だからと、これはぜひ電電公社に直してもらいたいと思います。同時にまた関連したものをプールしていく必要がございますけれども、私が心配することは、この情報産業を通じて他の、いま大臣たまたまおっしゃられたけれども、たとえば医療問題でありますとか、あるいは医療の場合でも器械の問題がございますよね。教育問題とか生活に関連する環境、たくさんの問題ありますよね。そういったもので、日本の市場として、マーケットとしてとらえたときに、どういうものを持ち込めばいいかということを、もしIBMが日本に電電公社並みのものを持ち込んできたと仮定いたしますと、それは完全に日本の他の産業を、大臣が経営する会社の御商売だって結局向こうにいわばとられてしまう、こういうことにもなりかねないんですよ。  現在すでにIBMとか、あるいはDAとか、そういった会社が若干日本にも入ってきてますけれども、私が心配するのは、その辺のすべての産業を網羅しまして、大きな、世界で巨大な産業構造の変換期にある、その中における情報産業の持っているものは、単に何か情報サービスじゃないんですよ、すべての産業の中にいまどんどん銀行とかあっちこっち入っていますけれども、そういったものから次の産業というものを育成し、同時に開発していくものが全部この情報産業を通じ行われていくんですよということについて、大臣は御理解がいただけるでしょうし、そういった決意で電電公社の幹部も物に処していかなければ、この巨大な世界的な産業転換期に対処し得なくなってしまうんですよ。ですから、そこについて少しく大臣見解と総裁の見解を再度伺いたいんですよ。
  95. 輿寛次郎

    説明員(輿寛次郎君) データ通信はいわゆる情報産業のまた中核をなすものでございまして、公社は初めてから約十年、法定化されましてから約六年を経ておりますが、その間一貫いたしましていわゆる公共的、全国的、技術先導的というような三つの目標、原則を掲げまして進めてきたところでございます。そういった意味ではこの方針は今後も変える気はございませんで、ますます従来以上にやってまいりたいと考えます。  特に最近の問題といたしましては、先生指摘の外資の問題がございまして、昨今いわゆる日米交渉なんかでも出ておりますように、関税の引き下げ、あるいは値下げ、あるいは進出というような問題がクローズアップされておりますが、こういった外資は特にその規模におきましてもあるいは内容におきましてもきわめて大きなものでございます。そういった意味では日本の情報産業はまあ育ったと申しましてもまだ十分ではございません。そういった意味で公社といたしましては従来と同様に民間メーカーとも十分協力いたしまして、あるいはわれわれの持つ研究機関も動員いたしまして、何とかそれに対抗するようなよいものをつくってまいらなければならないと考えております。何と申しましてもデータ通信はいわゆるお客様が選ぶものでございまして、独占ではございません。したがいまして、やはり外国と比較いたしましても現実にそのものが品質がよくて安くなければ使われないわけでございますから、そういった意味では今後ますます技術開発とかあるいはシステムの開発が重要であろうかと考えます。  そういった意味で、六次計画につきましては事新しくといいますか、大きな項目は掲げておりませんが、やはりわれわれといたしましては、実際問題としてこれから関係当局とも御協力を得まして大いに努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
  96. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) もう端的に申し上げて、私もすっきりと晴れ晴れした気持ちであります。と申しますのは、対国会関係で、現代のデーター通信の内容はきわめて深刻であります、率直に言って憂慮いたしておりましたが、ただいま国会でこういう論議をしていただいて、逆にしっかりやれという言葉は素直に申し上げてわれわれの願っていることであります。御承知のとおり、情報処理産業がもう一〇〇%自由化されました今日、外資系企業であるからといってこれを日本で認めないというわけにはまいりません。でなくとも現在かなり優劣の差があると私は素人なりに判断するわけでありまするから、今後は国の将来のことを考え、少々の犠性を払ってでも諸外国の外資系企業にも優に対抗でき、それ以上の機能を持てるような技術開発、すべての整備に今後は大いに力を注いでまいりたい、またまいらねばならない、かように考えている次第でございます。
  97. 大木正吾

    大木正吾君 これで終わりますが、重ねて大臣と総裁に、これはお答え要りません。お願いいたしておきますけれども、私自身が別に高邁な理屈をここでもって並べているわけではないわけなんです。むしろ未来産業という問題で、この五年間の計画の途中でもってこの問題について対応しなきゃならないし、いまお答えあった中でちょっと気になりますことは、確かに仕事ですから赤字はいけません。赤字はいけませんけれども、そのことを一歩突っ込んで、私は、赤字の克服も大事に違いないけれども、やっぱりアメリカ、西ドイツに負けないところをそういったデータ関係、情報関係の機械あるいはサービスですね、とにかくいまもしもハードなものが、自動車なんかは完全に負けてますから、アメリカなんか。ECもだめですから、それは日本に譲りましょう。しかし、IBMとか、そういうものを中心として情報関係は、宮津さんが大分苦労された関税率の問題からぼくは入りまして、関税交渉のときにも、アメリカと同じになるのか、だんだん下げてきてますわね。そして現に日本に入っている若干の外国関係の会社があって、今度機情法が出きまして、そしてデータを離していくと、こういう話が飛び出してくる。  私は、日本の政治家というものは何を考えておるかということを、本当に党派を抜きにして憂えるんですよ。もし民間にいま手放したらどうなるんですか、結局赤字ですよ。電電の仕事を、赤字の部分を切り離している歴史はないですよ。国際電電を別にしましたときだって、国際電電は黒字だから、これは確かに吉田さんが、古い時代ですけど別会社をつくったことはございますよ。ですから、赤字のデータを切り離して機情法にぶち込んで民間企業に持っていくということのねらいは何かということを、少しくこれは私が勘ぐり過ぎかもしれませんけれども、要するに民間の外国資本が日本に上陸しやすい、儀性を払ってもアメリカは出てくる。そして日本の将来産業の状況というものをつかんで、そして他の分野にもどんどん上陸する。これが向こうの戦略と私は考えてます。  ですから服部大臣大臣を長く続けていただきながら、総裁ともどもに、ここ二、三年間非常に大事でございますから、ぜひ日本の将来産業という問題といっても二、三年先ですけど、ぜひ赤字の克服と同時に、国策と言うと言い方が悪いんですけども、日本の国の将来のために、空間とか通信とか、そういったサービスの、技術の問題じゃない、それに組み込まれるファイルの中の問題である。全部新しい産業のニーズを先取りしていくんですから。そういったときに、小資本の民間が太刀打ちできないはずなんだ。そういったことをお考えいただきまして、この問題については、どうせ経済計画もローリングするし、電電もローリングすることは間違いないですから、そういった中で大臣と総裁は決意を持って、未来産業の中軸となるデータを含む情報関係産業に対しまして、中間的にもこの逓信委員会に対しまして、再来年ぐらいで結構ですから、電電のローリング計画の中に情報産業をもっと強くうたい込まれてくることを期待いたしまして、終わらせていただきます。
  98. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) ちょっと誤解があるので。  このたびの通産省が出した機構法について、私は、誤解が残ってはいけないので、実態を申し上げて御理解を深めたいと思います。  それは、通産省がああいった問題を持ち込んだときに、これは政府部内のことを言うのはまことに恥ずかしいんですが、私は省議を開いて、省を挙げてこれを紛砕せよ、絶対許されない、こういった、事務次官以下全幹部に厳しく訓辞をしたことも確かに記憶がありますので、どうぞ、決して赤字の分を切り離して民間に泳がすんだというさびしい考えは毛頭持っていなかったということを御理解願いたいと思います。
  99. 大木正吾

    大木正吾君 党派を超えて感謝いたしますよ。がんばっていただきたいと思います。
  100. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) じゃ関連しまして案納勝君。
  101. 案納勝

    案納勝君 私、一点だけ短時間で関連で緊急に質問をいたしたいと思います。  まず第一に、電電公社の総裁に、これはきょうは電電の一般質問ですから。いま手動局の自動化が進められて、ほぼこの計画は終わろうとしております。五十三年度中に改式が全部完了すると聞いておりますが、その計画予定どおり進んでいるんですか。その点、ちょっと。
  102. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。五十三年度中に沖繩の手動局も一切含めまして全部終了するように計画しております。
  103. 案納勝

    案納勝君 これ、ちょっと畑違いですが、きょう、ここへ簡保の局長お見えになっておりますか。  簡保局長 お尋ねしますが、簡保資金の運用について、地方自治体に法律に基づいて貸し出しを行っていますが、これは法律に基づいて行われていますか。どういう手続で行われていますか。
  104. 佐藤昭一

    政府委員(佐藤昭一君) お答えいたします。  簡易保険の資金の地方公共団体への貸し付けでございますが、すべて地方債の起債の計画に基づいて行われているわけでございます。  ところで、地方公共団体に対する起債でございますが、御承知のとおり毎年自治省におきまして、大蔵省と協議をしました上地方債の計画が策定されまして、この計画を基本として当該年度の起債承認が行われております。この地方債計画は、当年度の起債許可予定額の総額をまとめましたもので、事業別、たとえば公営住宅であるとか、あるいは義務教育の施設整備事業であるとかというふうに事業別に、かつ資金区分、これは資金区分と申しますと、資金運用部の資金であるとか、あるいは簡保資金とかいうような資金別、そういった資金別あるいは事業別ごとに明示して策定されるわけでございますが、この策定に当たりましては、政府資金の分担につきまして、郵政省といたしましては資金運用部資金を所管する大蔵省と分担の協議を行いまして、事業別に資金分担額を決定しております。  この年度計画に基づきます実行は、国の財政政策、地方の財政状況などを勘案しながら、自治省は大蔵省と協議の上、各事業ごとに年に数回に分けて起債の許可予定額の枠の配分を行うわけでございます。自治省がこの配分に当たりまして簡保資金の分担事業に融資依頼があったときには、郵政省といたしまして政府資金の分担について大蔵省と再度実行上の分担の協議を行いました上で、事業別、それから都道府県別に融資額を決定しております。  ところで、今度は市町村への融資額の決定でございますが、本省の下部機関でございます地方郵政局あるいは沖繩の場合には管理事務所でございますが、ここにおきまして、本省から通知を受けた都道府県ごとの枠の範囲内で本省段階と同様に、各都道府県からの融資依頼に基づきまして、地方財務局あるいは財務局と協議しまして融資する地方公共団体を決定するということにいたしております。  そこで、地方公共団体では、地方郵政局などからの簡保資金の貸付通知によりまして起債事業の許可を受けるとともに、当該事業の完成を待って簡保資金の借り入れ申し込みを行いまして、そこで郵便局で資金の貸し付けを受けると、こういう段取りでございます。
  105. 案納勝

    案納勝君 あくまでこれは法律に定められた公正な手続によって行われているわけですね、保険局長
  106. 佐藤昭一

    政府委員(佐藤昭一君) これは、やはりそういった法規手続によってやっております。
  107. 案納勝

    案納勝君 そこで大臣、これは言いたくないんだけれども、緊急に大臣のひとつ見解をお聞きをしたいと思います。  いま選挙が行われています、地方選挙が各地で。喜多方の市長選挙が行われている。大臣が応援演説に行かれました、四月の九日ごろ。ここにその大臣の演説内容のテープがあります。街頭演説です。私は、実は大臣御存じのように、大臣が就任されて当委員会に来られまして、当委員会でのいろいろな大臣の積極的な前向きの意見の中に、大臣として慎重にやってもらいたいという点について幾つかお願いをし要望をしたことがあります。きょうは、余り言いたくはないんです。  このテープの中によりますと、かつての仙台で小沢さんが国会で問題になったような、余り変わらない内容なんです。喜多方市の市長選挙の際に、あなたの演説の中では、現在の革新市政というのは水と油だ、変えにゃいかぬ、そこで、きょうは伊東代議士のお伴をしてお願いにあがったと、こういうところから始まっているわけですね。ここあたりは言わないとよく最後に通じないから言いますが、私は候補者にお会いした。第一に感じたことは、勇気ある方であると思います。市民がこの勇気を育ててください。そして、いま流れを変えるために国会、県会、市会議員の皆さんが、選ばれた方が一体となって結集して新しい市づくりをしてほしい。——これは大したことはありません。当然でしょう。  そこで、これから先なんです。私はここへ来るに当たり、私の所管する行政について喜多方市と一体どういう関係があるかを調べました。簡易保険は国民の零細な金を集めて国が、郵政大臣が地方に還元、資金運用します。この金を地方で使ってくださいとして資金運用します。ところが、この喜多方市は六億四千六百万円でございます。市と名のつくところで三十億を下ることはありません。これは市民の福祉の発展に、生活関連に使っていくのがこの施策でございます。さて、あわせて電話事業についても言えます。この喜多方市にいまだに三つの手で回す電話局がある。電電公社技術は世界一でいま一〇〇%が自動化されている。——一〇〇%というと三つあるから適切でないんで、一〇〇%に近いと言いかえられています。三つの手動局がある。そこで、私は喜多方を調べると同時に直ちに下命をしました。私は喜多方に来る以上、いつまでやるかと報告しなければならない。ことし九月までにやります。——一、二の例をとりまして、この候補を支持することが、そして言葉を次いで、勇気を育てていただけなければやりたいこともやれません。この気持ちを理解していただくならば、過去八年振り返って候補を、こうつながっているわけです。  私は先ほど呼ばれまして、それでこれを一生懸命、衆議院の逓信委員会の理事さんの皆さんと一緒に国対で実は聞かされてきたわけであります。大臣、これは事実がそのとおりなのかどうか、まず簡単にお答えいただきたい。
  108. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 前後のあれがありますが、その部分だけを指摘されたとおりに、確かに私は街頭演説をいたしました。
  109. 案納勝

    案納勝君 公職選挙法には、公務員等の地位の利用、あるいは利益の誘導、きわめて禁止されています。あわせて私は大事なのは、憲法十五条、憲法十五条の公務員というのは国会議員、大臣——国会議員といいますが、大臣を指しているわけですね。したがって、公務員の選考及び任免等について規定をされています。「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」確かに、政党政治ですから、議会制民主主義ですから、各政党それぞれ立場があります。意見があります。しかし、立法府でお互いにその意見の違い、あるいは政策の違いを戦わして法案がつくられてくる。その法案には忠実に、しかも全体の奉仕者として差別をすることなくこれを施行するのが、行政組織法の中にもある大臣の職責だと思います。  しかるに、一自民党の国会議員ならいざ知らず、大臣として、これをあたかも、この三つの手動局というのは喜多方の行政区内にはないんですね。喜多方の周りにあるんです。一ノ木局、北塩原局、桧原局です。喜多方の電報電話局の管内には違いありませんが、行政区内にはないんです。これは大臣の思い違いだと思いますがね。これでいきますと、簡易保険だって、この喜多方は革新市政だから六億四千六百万しかないんだと。大体一般の市と名のつくところには三十億から出していますよ。電話だってこんなにおくれています。私は所管として調べましたが、私、命令しました。変えてもらわけなれば、変えるために努力してもらわなきゃやりたいこともやれないからと。これはまさに利益誘導であり、憲法上の大臣としての私は資格を疑わざるを得ないと思う。  私はこれについて、もう言いたくないんですが、大臣、積極的、前向きであるいままでの施策について、私もそれなりに評価する。しかしこれらの問題をだまって私どもは見逃すことできません。大臣のこれについての御見解を明確に承りたいと思います。
  110. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 党から応援に行けという命を受けて会津喜多方の市長選挙に参りました。まあそういうムードの中で、やはり殺気立った戦いのさなかで、私も少々エキサイトしたきらいはもう率直に認めます。御指摘を受けてまことに遺憾なことであったと、かように考えて深く反省をいたしております。今後は十二分にそういう場合が来てもひとつ心してやってまいりたいと考えております。
  111. 案納勝

    案納勝君 終わります。
  112. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 今回電信電話拡充・改良第六次五カ年計画がスタートしたわけでございます。そういう意味で、昭和五十三年度の運営基本方針、郵政大臣、一番最高責任者として、その後総裁からも御見解をそれぞれお伺いをしたいと思います。
  113. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 電信電話諮問委員会の先般の、まあこれは御指摘どおり公社総裁の私的諮問機関でありますが、その答申の中に、ただいま矢原先生の御指摘答申をされたことも十二分に理解いたしております。私もかつて、たしか衆逓であったか、ただいまの御指摘について答弁したことがありまするが、先生の御指摘のような考え方を持っていることをはっきりいたしておきたいと思います。
  114. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 電信電話諮問委員会答申もつぶさに検討し、また討議中のいろいろな先生方の所見もつぶさに速記録を拝見しまして承知しておりますが、非常に私はりっぱな、また時宜に適した答申だと非常に感謝しております。これに基づいて第六次五カ年計画にもその趣旨を織り込み、またこの答申の内容も私一存では実行できない諸種の問題もございます。またいろいろと実行的に法制上の問題を離れて郵政大臣等の指示を得て改善できるものもございます。いずれにしましても、この問題につきましては今後とも丁重に取り扱って実行に移していきたいと思っております。
  115. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 六次五カ年計画、これ三本の基本的な重要課題というものを明示をされておられます。そういう意味でまず簡単にお伺いをしたいと思うわけでございますが、一つは、公社の方では、第一の柱の中では、電気通信設備の整備が遅れた地域におけるサービスを改善、社会福祉向上に寄与するサービスを充実すると、これが重要課題の第一の柱になっているわけでございますが、まず簡単で結構でございますので、これに対する方途、施策といいますか、具体的にお伺いしたいと思います。
  116. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  六次五カ年計画一つの柱といたしまして、いま先生のおっしゃられました、いままで通信設備の余り行き届かなかった過疎地域等におきますサービスの改善を図り、豊かな生活の実現に寄与いたしたいということが一つの柱でございます。それで、その具体的な方途といたしまして、まず、現在加入区域というのが大体局から五キロメートル、昔は一、二キロでございましたが、五次の五カ年計画で五キロメーターに拡大いたしました。それを第六次の計画中に五キロを七キロに拡大いたしたい、こう考えている次第でございます。  それから、非常な需要のありましたときにつけました地域集団電話というのが、農村漁村地帯にございます。ところが、多数共同でございますので非常にかかりにくいという点の苦情が多く、一般の加入電話に変更してほしいという要望が熾烈でございます。この地域集団電話をこの六次中にすべて一般加入電話に変更いたしたいと計画している次第でございます。これらの施策をとりますことによりまして、五キロ以遠にありますおおむね三十万世帯と考えられている世帯のうち九割が加入区域の中に入ると、こう考えている次第でございますが、それでもなお非常な特殊なる地域電話のつかない集落というのがございます。大体五十二年度末で三百余りあるわけでございます。それらのところにつきましてはできるだけ早く、少なくとも六次中には公衆電話をすべてつけまして、無電話集落というようなものをなくしたいと、こういうふうに計画している次第でございます。
  117. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 また第二の柱として、生活を豊かにする新電話サービスの積極的な導入、こういうふうに書かれてあります。こういう点についても具体的にどういう方途なのか、伺いたいと思います。
  118. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) いままでは積滞がございましたので、積滞を解消するというようなことが第一の目的でございました。積滞がようやく解消いたしまして、これからもっと新たなるサービスに重点を移し、やっていきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。それには、まず電気通信網の機能を改善していくために、電子交換機を中心に、設備を拡充整備いたしたいというふうに考えております。  それからまたいろいろな各種多様化する要望にこたえたいということで、従来にも増してプッシュホンとかあるいはホームテレホンとか親子電話等の普及を積極的に進めるとともに、そのほか新しい電話サービスといたしまして、会議電話とかあるいはまたスピーカーホンとか、さらにまた耳の不自由な方に対しまして骨伝導と申しまして、骨に、ほお骨とか額とかに当てますと聞くことのできる骨伝導の電話機というようなものの開発、導入に努めたいと、こう考えている次第でございます。
  119. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いまお話がございましたが、その中で骨伝導のこの問題はどの程度まで開発というのか、研究が進んでいるのか、もしわかればお願いしたいと思います。
  120. 小口文一

    説明員(小口文一君) 骨伝導の電話機につきましては一昨年ぐらいから開発を進めておりまして、試験的にはかなりりっぱなものができております。あと本当に使えるところまで持っていく努力がもう少し要るわけでございますけれども技術的には見通しがはっきり立っている状態でございます。
  121. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ひとつ鋭意努力をしていただきたいと思います。  第三の柱としてはデータ通信、それから画像通信、移動通信など新しい通信手段ですね、そういう開発によって社会的なニーズの高まりに備えていこうと、こういうことで新しい技術やサービスの開発、研究、こういうふうなことを将来の事業の発展基盤として築いていくことも訴えられておるわけですけれども、この件についても、簡単で結構でございますから、具体的にお答えをしていただきたいと思います。
  122. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  電気通信事業を長期に展望いたしますと、現在、電話におきます音声だけの通信ということだけでなくて、次には視覚による通信、あるいはまた人対人だけでなくて機械対機械の通信というようなものが情報通信の中においてますます盛んになっていくというふうに考えられております。  それで、まず機械対機械のデータ通信でございますが、これは公共的なもの、全国的なもの、開発先導的なシステムというのを従来からも進めてきたわけでございますが、それをより一層第六次に目がけて推進していきたいと考えております。そして、それを備えるためにはデータ通信に適しました電話網というのでなくて、データ通信に適しましたディジタル通信網、DDX網と呼んでおりますが、それの開発導入を推進していきたいと、こう考えている次第でございます。  それからまた、画像通信にいたしましても、ファクシミリ通信を中心といたしまして積極的に進めていきたいと、こう考えている次第でございます。  それからまた電話というようなものも、単に固定した電話というだけではなくて、移動体から、たとえば船舶とか自動車からの通信というようなものを拡充開発を積極的に進めていきたいと、そういうことでございまして、船舶についております電話自動化するとか、それから自動車に自動の電話をつけるとか、あるいはまたポケットベルサービスというようなものを拡充をいたしたいと、こういうように考えている次第でございます。
  123. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いま三つの柱の重要課題についてまず簡単に質問したわけでございますが、多様化する社会の中で、非常に国民の大きな利用価値といいますか、非常に重要視いたしておりますので、掲げた問題については必ずこれ、達成していただきたいと思うわけでございます。  で、もう少し具体的に質問したいと思いますけれども、そういう中で公社としては三点の重要事項というものをまた掲げていらっしゃるわけですけれども一つマーケティング活動推進でございます。ここでお伺いしたいのは、全国の電話機数、まあ五千万個と言われておるんですけれども、現時点で少し増減があればその点と、それから一加入電話当たりの付属機器数、これ、先進国との比較でどの程度に位をしているのか、数字的に教えていただきたいと思います。
  124. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) 最初に電話機数でございますが、これも各国等々と時点がちょっとずれますから正確ではございませんが、現在わが国の電話機数がおおむね四千四百万個ばかりございます。それで、いまおっしゃられました付属機器がどのぐらいついているかということでございますが、大体電話機数に対しまして〇・三程度だと思います。
  125. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 先進国との……。
  126. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) 先進国の状況は国によりましてかなり違うわけでございますが、アメリカにおきましては大体総電話機数の四七%が付属機器でございます。それから逆に非常に少ない国もございまして、スウェーデン等は付属機器というのが少のうございまして、大体日本とほぼ同じ三〇%ぐらいが付属機器でございます。あとイギリスが大体四六%ぐらいというふうでございます。
  127. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 日本は三〇%。
  128. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) はい。
  129. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いま御報告をいただいたわけですけれども公社考え方として一加入電話機時代到来という形の、私もそういう感じを受けるわけですけれども、こういう時代に向けてのもし計画があるとすれば、いま先進国の例も伺ったわけですけれども、付属機器の増設計画というもののそういうプラン等があれば、どういうふうな計画を立てていらっしゃるのか、お伺いしたいわけです。
  130. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、積極的に各種電話販売いたしたいと、こういうふうに考えておりまして、六次計画中で申しますと、プッシュホンを二百九十万個、ホームテレホンを百二十五万セット、親子電話を四百十万個、ビジネスホンを三百三十万個販売いたしたいと、こう考えているわけでございます。それで電話機数でいたしますとおおむね五千八百万個にいたしたいと、こう考えている次第でございます。
  131. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 まあ、とにかくその線の計画があるわけですから、顧客の立場に立った体制というものも確立をしていただきたいと思います。  二番目にお伺いしたいのは電気通信網高度化でございますけれども、画像通信のような視覚による通信、これは増加することが予想されるわけでございますけれども、そうなると通信の質、量、整備拡充、これは大きな課題ですけれども、画像通信のこういうふうな目安というのか研究というのか、どの程度まで公社としては確立体制にあるのか、そういう点をまず伺いたい。
  132. 小口文一

    説明員(小口文一君) 画像通信につきましては、視覚に訴える通信というのがわれわれ技術開発する者にとりましては最終的な理想だと考えているわけでございます。したがいまして何とか画像通信というものを発展さしたいわけでございますけれど、しかし通信の理想といっても、その絵を送ることに関しまして現在の技術だとまだ経済的に引き合うところまでいきません。つまり、金がかかるわりあいにそれに対する効用というものが十分じゃないところがございます。これがテレビ電話に代表される画像通信でございます。しかし、画像通信というのは、いま申し上げましたように、将来の理想的な通信だと考えておりますから、これの発展を大いに図らなければいけないと考えているわけであります。  それで、第一のステップとしては、動く絵じゃなくてとまっている画像、静止画ですね、静止画とか、文字とか、図形とか、こういうものを送るには動画を送るものに比べて非常に技術的に簡単になりますので、現在われわれ考えておりますのは、ファーストステップとしては静止画を送ることを考えております。これがファクシミリにつながるわけでございまして、したがって、第一ステップとして、画像通信の最初のステップとしてはファクシミリのようなものの発展を考えているわけでございます。そういうものができて、技術がさらに進歩し、LSIとか、そのほか通信網の、先生おっしゃいました高度化というようなものができた暁には、将来いずれの日にか本当に動く絵も送れて、われわれと遠く離れた人たちが向かい合って話をすると同じ状態の通信ができることを望んでいるわけでございます。
  133. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 もう一つは、とにかく伝送路の大容量化の問題とか、交換機能の向上、いろいろ問題があると思うのですが、もう一つ研究開発等でお伺いをしたいと思うんですけれども先ほども御答弁の中で少しありましたんですが、自動車電話の適用化の問題、それからもう一点は、光ファイバー通信というのですか、この二点についての実用化を目指す研究というのがどこまで体制が樹立しているか、どんな進みぐあいなのか、その点もお伺いをしたいと思います。
  134. 小口文一

    説明員(小口文一君) 自動車電話につきましては、現在われわれ開発をしております自動車電話方式は大容量方式と言いまして、非常に大ぜいの人に、一般の大衆にも使っていただくという、加入者が、大ぜいの人ができるような方式を考えているわけでございます。こういうふうになりますと、周波数もかなり必要になってまいりますので、比較的高い周波数、八百メガヘルツから九百メガヘルツ範囲のところでないと十分な周波数が得られないのじゃないかというふうに考えておりますので、そういうものについていま申し上げました大容量の自動通信ができる方式をいろいろ研究いたしまして、これは研究開発の上では現在技術的には確立しております。ただ、実際に周波数をいただくとか、あとその他の問題が残っておりますので、開発は終わったということだけ申し上げたいというふうに思います。  それから、光ファイバー通信の話ですけれども、光ファイバー通信というのは、レーザーが約十五年ぐらい前に発明をされましたけれども、その後、光ファイバーというものが昭和四十五年に初めて可能だということがわかりまして、それ以来世界じゅうの人が光ファイバーというものを研究しているわけです。電電公社におきましてもそのころから開発に取りかかりまして、現在特性が非常にいい光ファイバーができるようになりました。特性だけでいきますと世界で一番いいのもわれわれの手でできるようになった状況でございます。ただ、これを実際に伝送線路を光ファイバーで引くということになりますと、まだ何といっても光ファイバーのつくり方が現在は実験段階のものでして、量産に適する段階になっておりませんので、そういう製造技術というものがこれからの問題だというふうに思います。公社としましては、しかし、こういうものを使って実験をさらに進める意味におきまして、この夏から秋にかけまして、東京の唐ケ崎と蔵前の間約二十キロに六十四心の光ファイバーを引いて、実際の環境下における光ファイバー通信というものの実験をする、こういうことを繰り返すことによって本当のエンジニアリングとしての光ファイバーというものが確立するのだというふうに考えております。
  135. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ひとつがんばっていただきたいと思います。  三点目の、これは現実に引き戻すわけですけれども現場業務充実という問題の中で、やはりお客さんのサービスの向上であるとか、内部的には適正な要員配置、そうしてまた経営者としては経営の効率化、働く人に対しては職員の働きがいのある福祉向上、こういう四点が課題となっておりますけれども、やはり掲げた以上は、先ほども申し上げておりますように、すべて、やはり一〇〇%きちっとしていただかなくちゃいけない、そういう私も考え方でございますけれども、これらに対して総括的に、簡単で結構ですからどう対処されようとしているのか、伺いたいと思います。
  136. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) いま先生の御指摘のとおり、これからの六次を進めるに当たりまして、掲げた目標というようなものを十分達成いたしたい、こういうふうに思っている状況でございますが、公社を取り巻く環境、非常に流動的でございますし、また、景気等非常に厳しい状況にございます。そういう中におきまして、いままでと違いまして積滞というようなものもございません。これから発生する需要、あるいはまたいろいろな需要サービスを開拓していかなければならないわけでございます。そういう中にありましても、いま先生のおっしゃられましたように、これからの経営の安定した発展を図るために、収入の確保に努力し、また一方、経費の節減を図りながら、事業のいろいろ近代化、省力化というようなものを積極的に推進することによりまして六次の計画を達成いたしたい、こう努力する所存でございます。
  137. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 第二の質問は、福祉対策用の電話施策について伺いたいと思うのでございますが、これは先ほど最上委員の方からも質問がございましたが、私も毎々の委員会でも何回も取り上げておるわけでございますが、やはり非常に重要な問題でございますので、重ねて質問をしたいと思うわけです。重点施策の中に、やはり、「社会福祉向上に寄与する電話サービス充実に努める」、こういうふうにも明記をされているわけです。また、主要な建設計画の中においても五十一年度の補正予算四万五千、五十二年度の予算四万五千個、こういうふうな形の中で五十三年度を迎えているわけでございますが、まず福祉対策用の電話について、実態はどうなのかということ、厚生省の立場からどういうふうに実態把握というものをされていらっしゃるのか。厚生省の立場からまずお伺いをしたいと思います。
  138. 末次彬

    説明員(末次彬君) お答えいたします。  厚生省でやっております福祉電話設置事業と申しますのは、市町村が電話を取得いたしまして、それを低所得の一人暮らし老人の方で安否の確認を必要とする、あるいは重度の障害者でコミュニケーションあるいは緊急連絡等の手段として電話が必要な者、こういう者のお宅に電話設置いたしまして、こういった老人あるいは障害者の方々に孤独感の緩和、安否の確認といったものを図る制度ということでございまして、そのただいま申し上げました設置対象者につきまして、私どもの方で調査いたしましたところでは、老人、身障者を含めまして約五万九千台が必要というふうに考えております。五十二年度末までで大体三万二千台の設置を終わっております。五十三年度以降残りを計画的に整備していきたいと、かように考えております。  なお、五十三年度予算におきましては八千五百台の予算を計上しております。
  139. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 公社としてはこれらに対してはどういうふうに進めていくつもりなのか、伺いたいと思います。
  140. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) ただいま先生からお話ございました、いわゆる福祉電話につきましては、国ないしは市町村である程度負担していただきまして、私の方ではそれを要望に応じてすべておつけするという考えでおります。それでいま私の方でできる限りの優遇措置といいますか、こういうことも講ずる必要があるということで、たとえば設備料につきましては、十二カ月の分割払いができるとか、それから債券は免除するとか、こういうことをいたしております。
  141. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 では、福祉電話に対しての優遇措置としてはいまお話がございましたそれは公社ですね、公社の方ですね。
  142. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) そうでございます。
  143. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 では、厚生省にもう一度お伺いをしますけれども負担については、本来のあり方としてどういう、現況のままでいいのか、それともこういう時勢になっておりますので、将来のあり方としてはどうすべきであるか、そういう見解は厚生省としてはどうでございますか。
  144. 末次彬

    説明員(末次彬君) 老人問題あるいは身障者の問題、特に老人の在宅福祉サービスの問題と申しますと、これは国民全般で考え対処していかなければならない事業というふうに私ども考えております。そういった観点から考えますと、老人に対する施策といいますのは、最も地域住民に密着しております市町村が主体となってこの事業を進めていくということがたてまえであろうというふうに私どもは考えております。したがいまして、この福祉電話設置につきましては、設置費につきまして国及び都道府県、市町村がそれぞれ三分の一ずつを負担するという負担割合で補助を行っておるわけでございまして、老人福祉問題に関する、特に在宅福祉問題に対する対応の仕方といたしましてはこういう行き方が望ましいのではないかと、かように考えております。
  145. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 金額に厚生省としてはどうですか、つかんでいらっしゃいますか、総額。
  146. 末次彬

    説明員(末次彬君) 五十三年度で申し上げますと、八千五百台の台数を予算上計上いたしておるわけでございます。一台あたり八万三百円ということでございます。その三分の一を補助するということで八千五百台分で二億二千七百五十一万七千円の予算を計上いたしております。これは国の負担分でございますが、都道府県及び市町村もそれぞれ同額を持つということでございますので、それぞれただいま申し上げた金額を負担していただくということになろうと思います。
  147. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 非常にお体の悪い方であるとか、そうして国や地域の中で老齢の方々が、やはりいまの老齢の方々というのは戦争の前後をはさんで非常に日本の国のために活躍をされていらっしゃった。それは今後も戦争あるなしにかかわらずお年寄りの方、身障者の方々に対して健全なる国民がいろいろ配慮をするというのは、政治もそうですけれども当然だと思うのですね。  そこで、もう一回厚生省にお伺いをするわけですけれども、非常にいま地方財政が大変な状態になっている。そうして福祉に関するこういうふうな問題に対しても、国、県、市町村という三つの分担に三分の一ずつ分かれているわけですけれども、せめて、まず国が全部見ればいいわけですけれども、そういうわけにもいかないでしょうから、まず、第一段階としては市町村の負担を省いていく。そうして、それは国が持っていく。そうしてそれが過ぎていけば第二段階としても、県に移行している問題についても、せめてこの問題については国が全面的に見るべきではないか。こういう私は考えを持っているわけですけれども、これは厚生大臣にお伺いをしていかなくちゃいけないんですけれども、代表としてあなたお見えになっていらっしゃいますので、そういういまの私の考えに対してどういうふうにお考えなのか。その点お伺いをしたいと思います。
  148. 末次彬

    説明員(末次彬君) 先ほども申し上げましたことでございますが、こういった在宅の福祉問題、これは地域社会の最も重要な問題であろうというふうに私ども考えておるわけでございまして、そういった意味からこの福祉電話設置事業を市町村が設置主体になる、事業の主体になるというふうに考えております。したがいまして、こういった住民に密着した福祉施策といいますものは、やはり市町村が責任を、その第一義的な責任を持つ。これに対しまして国及び都道府県が応分の援助をするというたてまえが望ましいのではないかというふうに考えております。したがいまして、現行の負担割合というのは、他の在宅福祉施策とのバランスから申し上げましても、一応現状のところこれが望ましいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  149. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 私は、それは厚生省の将来ともこういう形でいくというのは、一番やはり大変な立場に置かれていらっしゃる方々に対して、総合的な地方財政という立場から見て私はやはり改めていかなくちゃいけない、とにかくこのぐらいは国が全部見ていく。めんどうは市町村や地方自治体や近所の方に見ていただく、財政的なものはやはり国の所轄で見ていこうと、こういう姿勢でなくちゃいけないと思うのですね。  そこで、自治省にお伺いいたしますが、五十三年度の、私たちも予算を通して、地方財政が総括的に非常にもう赤字財政であって硬直をしている、そういう分野の中で、いろいろと国からの配慮もありますけれども、せめてこの問題については市町村、せめて市町村だけは負担を軽くしていかなくちゃいけない、こういうふうに自治体からもいろんな要望を受けるわけですけれども、地方行政、いわゆるそういう地方財政の立場に立っていらっしゃる自治省としては、この問題についてはどのように意見が交換されて現況まできているのか、そして将来は厚生省と同じ考え方なのか、それとも地方自治の立場を代表してこういう意見があるんだと、そういうようなことがございましたら伺いたいと思います。
  150. 小林実

    説明員(小林実君) ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。  御指摘のとおり、地方財政、非常に大変な時代になってきておりますが、私どもといたしましては、国が補助金を出して行います福祉事業もそうでございますし、また地方団体が単独で行います福祉事業も、円滑に実施されるように財源を確保していかなければいけない、こういうふうに考えておるわけでございます。  この御質問の福祉電話設置事業につきましての負担区分につきましてはいろいろ御議論があるかと思いますけれども、一応厚生省の方からお話がございましたようなことになっておりまして、国三分の一、県三分の一、市町村三分の一になっておりますので、私どもといたしましては、その地方負担分につきましては県、市町村ともに交付税措置を講じておるわけでございます。基準財政需要額の方で、県負担分、市町村負担分を全額基準財政需要額に算入しておりますので、その分につきましては交付税が参る、こういうふうになっておるわけでございます。この問題につきましては、今後とも厚生省の方とも連絡をとりながら円滑に実施されるようにしてまいりたいというふうに思っております。
  151. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 町村に行きますと、やはりわれわれが想像もしないように一万円とか十万円とか、もう十万のけた数を超えると、いまあなたは交付税の問題を云々されておりますけれども、非常にいろんな施策の中で大変な問題を——われわれは少ないなと、地方財政や村財政としては大したことないじゃないかと思っても非常に大きな負担になっている。  そこで、郵政大臣ね、現況はいま自治省からも交付税できちっと賄っていらっしゃると。厚生省としては、地域が見るべきものであって、公平に財政の分担をと。すべて私はその立場からは一理あると思うんです。しかし反面、地元の声としては、やはりこういう問題は、まずわかったと、国がよし、ひっかまえてやろうと、こういう計画の中から、全面削除しなくても、もう少しこの額を変えていかなくちゃいけない。せめて国と県が同率であっても、市町村はもう少し何とかせにゃいかぬなとか、それはそういう配慮が必要ではないか、お願いをしたい、こういう声が現実にあります。  そこで、郵政大臣も、非常に人情味の厚い、そういう方でございますけれども、こういう問題はもう前からできているんだから、そのままでいいじゃないかと言うのか、公社の方で非常に福祉に対するサービス、そうして国全体としても、経済が低成長であっても総理以下何とかせにゃいかぬというふうな気持ちを持っていらっしゃる。そういう観点の中で、経済が不景気になればなるほど、私はこういう非常に大変なところにいらっしゃる方々のそういう点を考えるべきではないかというふうに考えるわけですが、基本的な将来構想として、郵政大臣、いかがお考えなのか、お伺いをしたいわけです。
  152. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 矢原先生の、通信関係を通じての社会福祉政策に深い思いやり、全く先ほどから敬服をいたしております。  現在は、国、県、市と三等分の負担で、お気の毒な一人暮らし老人また重度の身体障害者に、関係機関とのつながりまたは非常時の場合の連絡、いまやっているわけですが、これを国ですべて賄うべきではないかという御指摘でありまするが、基本的に私も賛成であります。やっぱり自治体の今日の財政事情から言うならば、先ほど厚生省の担当課長の説明を聞いていると、二億数千万、まあたかが全部持っても十億に満たないという金額でありまするが、自治省の御説明では、県も市町村にも平衡交付税でこの負担分を補っておりますと。ただし、幾らとは言わなかったので、私は、まるまる平衡交付税で見ておられるのか、またそのうちの何割かはつまびらかではございませんが、これはこれなりに意義があると思うんです。  私もかつて村長やったことがあるんですが、自治の独立というわけで、国が全部見るよりか一応自治体を通じて平衡交付税で、この流れている率は疑問ですが、それで自治体の独立というものを認めているかっこうになると思うんですが、しかし、かなり効果を上げていることも、私は説明を受けたこともありまするし、交付税の内容についても、どういった算定規準でやっていただいているのかも、自治大臣と厚生大臣と私が、きわめて近い時期に、閣議後でも、まあ閣議前にでも、また別途設定してでも、ひとつ話し合ってみたいと思います。いま私がこうするべきだとも言える立場でございませんので、この点御理解いただいて、適当な時期に御報告申し上げるということで御理解を願いたいと思います。
  153. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 これに関連しまして、総裁に最後にちょっとお願いしたいと思うんですが、公社としていま二点ほど、こういうふうな福祉電話の重要性ということで、サービスというかそういうふうにされていらっしゃるわけですけれども、将来公社としてこの福祉電話を取りつけるに当たって、最大限、将来この程度ぐらいまではうちとしてもやはり努力をしていかなくちゃいけないなというふうな点がございましたら、一言だけお伺いしたいと思います。
  154. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 矢原さんの御質問にはなかったんですが、先ほど玉野理事が御答弁しました、公社として最大限とまで言えるかどうか、債券の免除、それから架設料の免除、月賦、分割払いですね、そのほか、これは公明党の先生のお名前ちょっと失念したんでございますが、一年ほど前に衆議院の逓信委員会で基本料の扱い方につきまして、いままでこれを業務用電話として扱っておった。ところがお使いになる老人のお方はこれはあくまで住宅に寝ていらっしゃる方でございます。ところがやっぱりこれは市町村の電話であるということで高い料金をいただいている。これは少し電電公社虫がよすぎやせぬかと。何かそれを住宅電話という形でとれないものかということで、私、これは確かに問題だなあということで直ちにこれは改善しますと言って部内に諮ったんですが、なかなか法律的にむずかしいのでございまして、しかし、結果は自治省と厚生省が非常に苦労なさって、結局いまは実質上住宅電話の基本料をいただいておるということになっております。  それも一つの限界だと思っておりまして、それ以上は技術的な新しい機材、より便利な、そういう不幸な方々により便利なものを改善して、世の中に提供するというところが精いっぱいの責任だと思っております。
  155. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 ひとつ御考慮をよろしくお願いしたいと思います。  では、第三の質問でございますが、減価償却問題ですけれども一つは昭和五十一年の公衆電気通信法改正の審議において、減価償却について活発な論議がなされたわけですけれども、その後における公社検討状況ですね、お聞かせ願いたいと思います。
  156. 小川晃

    説明員(小川晃君) お答えいたします。  先生ただいま御指摘のとおり、公衆法改正審議の際におきまして、公社の減価償却の方法につきまして非常に種々論議がございました。これを受けまして公社としましても、その際、建物及び工作物、これにつきましては、従来定率法でやっておりましたのを定額法にできるだけ早く切りかえるということでお答えしておったところでございます。昨年一年かかりまして、その方法について鋭意検討を加えまして、かつまた実施するためには相当膨大な作業がございました。資産の個別経理とか、あるいは事務を機械化していくというようなことが必要でございました。一年間かかりましてやっと膨大な作業を終わりました。つい先日郵政大臣の認可を受けまして、今年度からこれを建物、工作物につきまして定額法に切りかえるということを実施した次第でございます。
  157. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 公社も五十二年の四月に固定資産委員会設置され、一つは耐用年数設置の原則であるとか、また二番目には耐用年数の検証、三番目には耐用年数にかかる減価償却制度を柱にして、いま御答弁いただきましたように十分審議検討されたということになるわけですけれども、ここでお伺いしたいのは、五十三年から建物、工作物の減価償却法を定率法から定額法に変えられることになるわけですが、耐用年数も見直しとのことでございますけれども、見直しの内容及び減価償却費への影響、どの程度なのか数字的にお願いしたいと思います。
  158. 小川晃

    説明員(小川晃君) お答えいたします。  建物、工作物につきまして定額法から定率法に直しました。かつ耐用年数につきまして従来の公社が適用しておりましたものを税法の耐用年数におおむね沿ったものに改正いたしました。その結果、減価償却費におきましては、従来の方法でやるのと比べまして約百七十億円ほど減少をいたしております。
  159. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 昭和五十一年の公衆電気通信法の改正の審議の中で米澤前総裁が、積滞の解消後、電話のふえ方が減ってくる、そういう時代には定額、定率問題は検討すべき時期がくるのではないか。こういう答弁があったわけですけれども、ここ数年電話の架設は計画を相当下回っているのではないかと思うわけです。また、五十三年度予算では四十四年当時の水準である百六十万加入計画にすぎない。今後も減少の傾向は避けられそうにないと思うわけですけれども、こういうふうなことをいろいろ考えておりますと、こういう間のいま私が申し上げておりますような懸念、そうしてそれらに対する対応策、そういうものはいかがでございましょうか。
  160. 小川晃

    説明員(小川晃君) お答えいたします。  ただいま減価償却方法について今後の考え方の御質問かと存じますが、先生も御承知のように、減価償却と申しますのは、固定資産の取得価格の費用配分の原則でございまして、その対応期間におきます各年度別にこの取得価格をどう配分するかということでございまして、確かにかなり先生指摘のように電話の架設数は減ってまいっておりますけれども先ほど来六次計画について御説明申し上げましたように、公社の電気通信施設につきましては、まだまだサービスの改善を図る、そのためには新技術の導入を積極的にやっていくという必要がございまして、まだ既設設備に古いものがございます。そういったものがどんどん陳腐化してまいりまして、新しいサービスに対しての適応がまだ十分ではございません。したがいまして、耐用年数を実態に合わせるような努力をしてもなお早期削除の財産除却の傾向というものがまだ考えられるわけでございます。また、今後もそれに加えましてまだまだ都市構造が変化してくる、あるいはまだまだ道路整備工事が進められているというようなこと、さらにまた情報化社会に即応すべく新しい通信方式、こういったものを導入していくというようなことがまだ必要でございまして、したがいまして、六次計画におきましてもまだかなりの建設投資額を計上し、計画しておるところでございます。この傾向が存続するというふうに考えられます。  したがいまして、やはり早期削除に伴う償却不足の発生というものを防止いたしますためには、耐用年数を全般にウエートを置いていくという現在の定率法というものが公社のまだ現状では妥当ではないかというふうに考えております。
  161. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 時間ございませんので、最後に防災計画、また、それに関連してちょっと質問したいわけですが、今度の重点事項として防災計画、大都市における洞道網の建設及び災害応急復旧用無線電話機の配備等、非常災害時における通信確保を図るための施設というふうになっているわけですけれども、まずこれについての概要説明お願いいたします。
  162. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) 六次の計画におきまして非常に一つ重要な点は、通信が各家庭のものとなり、国民の必需品となったために、ますます非常災害時、異常時におきます電気通信を確保するというようなことが非常に重要になってきております。それで、信頼性の高い全国的な電気通信網の整備を進あるということも、非常に大切でございます。  非常災害時におきます通信確保の方策といたしまして、一つのケーブルが切られましても、ほかのケーブルで行くというような、主要なる都市間に対しまして一つのルートだけでなくて、有線がだめなら無線、あるいは有線におきましても、トラフィックの多いところは幾つかのルートに分けて設備するというような、多ルートと申しておりますが、そういう方策をとるほか、いざ災害になりましたときの対策といたしまして、無線による通信ということで、災害応急復旧用の無線の電話機を配備するとか、あるいはまた電話局等が火災等にやられた場合に大丈夫なように、非常用の移動電話局装置、さらにそれの大規模なもの、それからまた大都市におきましては、地震等におきます対策といたしまして、主要なる局間を洞道網でつなぐというような対策を考えておりまして、逐次積極的に進めていきたいと、こう考えている次第でございます。  さらにまたもう一つ、衛星等の通信によりまして、全国のどこにおきます災害におきましても緊急通信ができるというような方策も研究している次第でございます。
  163. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 強震計の整備等について、科学技術庁であるとか運輸省、また公社でございますから郵政省、建設省等で、動的な耐震設計についていろいろと、地震動の伝播及び構造物の挙動の実態のデータ、こういうふうなことがいろいろと検討されているわけですけれどもお話に聞くところでは、電電公社は従来から国立防災科学技術センターの観測事業推進連絡会議の委員機関として参画をしておられます。で、強震観測網の整備の拡充であるとか、計測結果の利活用等に協力をしておられるわけですけれども、協力体制の中で、電電公社として所轄として対応すべき問題、そうして資料提供もちろんされていらっしゃると思うわけですけれども、これに対してはどういうふうな段階になっているのか、伺いたいと思います。簡単でいいですよ。
  164. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) お答えをいたします。  私、ちょっと詳細なことをお答えできないんでございますが、最近私、覚えております一番いい例は、駿河湾沖の方面で、海底に地震が起こりましたときのこの地震の観測を実はいたす計画がございまして、大体海上約百キロ程度先まで海底ケーブルを引っ張りまして、その先に地震の観測器をつけるというような実は工事につきまして、私ども海底ケーブルの敷設船を所有しておりますので、それを使いましてこの敷設の実験をするというようなことで、すでに二回ほどこういう問題に直接的な協力をいたしております。この例は、海底ケーブルといいます非常に特殊な分野でございますので、私の方の海底線施設事務所という組織がございまして、そこが対応いたしているわけでございますが、一般的には大体、恐らく技術局が中心となりまして、窓口としていろいろ対応をしているというふうに一応了解をしております。
  165. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 それから、同じような形になりますが、公益事業の対策として、やはり電気通信、電力、ガス、水道、まあ郵政関係では公社関係にもなりますけれども各種管路の共同溝への収納、こういうふうな形で耐震性確保についていろいろと関係省庁、検討をされているわけですね。そこで問題は、共同溝整備の目的に、道路路面の掘削の縮減、また、地下埋設物の防災性能の強化、主要幹線管路を中心にする共同溝の設置というふうなことが課題になっている中で、電電公社としては従来からの管体の強化等、地下構造物の耐震性の確保、これの研究開発を進めていらっしゃるわけですけれども、そういうふうな点の成果、そうしてまた電電公社単独の洞道設置計画、着実に進んでいると思いますけれども、そういう点はどうなのか。  もう一点は、ガス管の同一溝内への収納に関する安全性の確保についてどういうふうな課題になっているのか。  もう一点は、電電公社では従来から、災害時における地下構造物の安全対策、その一環として耐震対策も考慮してる中で、接続工法というものが問題になるわけですけれども、伸縮の継ぎ手等の開発、これはどの程度までいっているのか、そういうふうな点を伺いたいと思います。
  166. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) お答え申し上げます。  まず、共同溝の設置でございますが、共同溝には現在二通りのやり方がございます。一つは、法による共同溝というもので、これはもう法で決められまして、建設省が主管で必要な企業が相乗りをしてやるというものでございまして、これは必ず公社といたしましてはこれに参加をいたしております。それからあとは、企業間の共同溝ということで、これはたとえば電力を相手に、あるいは水道を相手にというようなことで、必要な区間につきまして共同溝を計画しておりまして、これも私ども、やはり将来を考えまして、大体必ずこの共同溝の計画を進めるという方針でやっております。  で、現在私ども非常に東京等、いわゆる大都市におきます、先ほども御説明いたしました防災対策の一環としまして、特に東京、大阪、名古屋、こういうようなところでは洞道網の計画を非常に進めております。この関係につきましては、東京ではすでにもう約百キロを超えます洞道を掘っておりまして、これで主要の電話局の間を相互に接続をいたしまして、万一災害が起こった場合にも一番強いのはやはりこの洞道でございますので、この洞道によって伝送路を確保するということを考えております。  現在、そのほかにいわゆる管路という方式がございます。これは先生指摘のいまの伸縮継ぎ手というような問題になるわけでございますが、これはかつてロサンゼルスで都市型の直下型の大地震が起こりましたときに、実は管路といいますのは、相当これは折れてしまう、切断されてしまうということがございまして、私ども防災の見地から、いま実は洞道というものを中心に考えたいということで進めております。さらに管路につきましては、先生いま御指摘の伸縮継ぎ手というものの方法を現在標準にいたしまして、今後の工法はすべてそれで実施をするということで進めております。
  167. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 いま私、簡単に質問いたしておりますのは、大都市における震災対策、また都市防災化対策ですね、どうしても縦割り行政、横の連携が大変である。これは大臣一番よく御承知でございますけれども、そういうようなことで、簡単ですが、具体的に縦横やはり関係省庁ががっちりやらなくちゃいけないという問題点がまだまだ多くありますので質問したわけでございますが、大臣といたしまして、大都市における震災対策、それに対する電信電話等々の郵政省関係する諸問題が公社を通して非常に多くあるわけですね。そういうようなことで、最後に一言だけこれに対する決意といいますか、それを一言お願いして終わりたいと思います。
  168. 服部安司

    ○国務大臣(服部安司君) 御指摘の問題はきわめて重要であることは申すまでもございません。したがって、災害時にはこれはもう一省がどのような手を打っても効果を上げることは困難であることは、これまた御指摘のとおりでありまして、絶えず関係機関と緊密な連携をとりつつ、いついかなる場合にどのような事態が起きても、これに対処する体制の確立を図らねばならないと考えております。  わけて私の所管するいわゆる通信関係においては、これは災害があれば当然現代のいわゆる電気通信関係においてはかなり大きな被害を受けることも予測せねばならない。また御承知のとおり、これは有線関係でありますると、どこか一カ所被害を受けると全部機能が麻痺するという危険も生ずるわけでありまして、いかに緊急事態が生じたからといっても、そういう中で補修復旧作業はなかなか容易ではございません。それに備えて、そういう有事の際に無線による災害緊急連絡、災害救助対策といういわゆる二段構えの用意をいたしておるような状態でございまするが、今後もこういう問題については、私の所管する関係で、さきの静岡県の伊豆下田の震災のときにも、ちょっとした手落ちでかなりパニック状態になったということも、まことに苦い経験でありまするが、こういう経験も踏まえて万全の措置を講ずるように平素から心がけてまいりたい。また関係機関と緊密な連携をとって措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  169. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 関連してもう一点だけで終わりますので、よろしくお願いします。  成田空港の問題ですけれども、成田空港のやり直しの開港に備えて、電電公社としても対策本部が設けられているわけですけれども、まず成田においての被害実態ですね、公社として、その点まずひとつ伺っておきたいと思います。
  170. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) お答えいたします。  まず、被害は二回ございまして、一回目が三月二十六日、管制塔占拠の事件がありました当日でありますが、このときにはちょうど空港のゲート前、ですから空港外に当たりますが、そこで二条の加入者ケーブルが焼損をいたしておりまして、これで東京国際空港局、これには空港内の電話と空港近隣の電話と両方入っておりますが、空港外の加入者でございますが、空港外の加入者二十四加入が不通になっております。当日すぐには危険な状態でありましたため修理できませんでしたが、翌日の夕方には修理されております。それからまた同日他のちょっと離れた場所で電柱が六本ほど表面が焼けたというような状態で、こちらの方は回線への具体的な影響はございませんでした。  それから三十一日でございますが、これは成田報話局管内におきましてケーブル切断の事故が起こっておりまして、三月三十一日の十八時三十分ごろ成田−千葉間のマンホール内で同軸ケーブル一条、それから市外ケーブル一条、計二条が刃物で切断されまして、約二千八百回線の市外回線が罹障をいたしました。これにつきましては直ちに、二千八百回線のうちの約千四百回線というものは、すぐ切り替え装置によりまして他のルートに切りかえられておりますので、時間も時間でございましたので、そんな大きなふくそうにはなっていないという状況でございます。  それからまた同時刻ごろ今度は成田と下総、これは成田よりさらに北側の局でございますが、この間の今度は電柱の上で市外ケーブルが二条と、それから市内ケーブル二条、合計四条がこれもやはり電柱上で刃物により切断されておりまして、これで約百四十回線の市外回線と、それから約二百の加入電話、これは成田局収容の加入電話でございますが、これが罹障をいたしました。この百四十の市外回線につきましては、このうちの約二十四回線をポータブルの無線機で直ちに回線を救済をいたしておりまして、いわゆる孤立状態にはなっておりません。こちらの方につきましても、四月一日、翌日の朝大体九時半ごろまでには市外回線並びに加入者回線とも復旧をいたしております。  以上でございます。
  171. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 それで、成田空港周辺から都内までの幹線ルートのところには、マンホールは、実際の数字というのは何千カ所なんですか。
  172. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) ちょっと対象とする地域が問題でございますので、何千カ所というふうに申し上げるのは非常にむずかしいのでございますが、現在マンホールは、私どもいろいろ想定をいたしまして、簡単にあけられないように、これをのりづけをするというようなことを講じておるわけでございます。当初は成田の局と成田空港局という先ほど申し上げました局の間、この間につきましてはすでにもうあらかじめマンホールの防護措置を講じておりましたわけなんですが、実は三月三十一日に罹障いたしました分は、それよりもむしろ成田から千葉に向かうルートで実は切断されたものでございますので、今回は想定されますルートを相当手広くやはりこういうような防護措置を講じるということをやっておりまして、これで約三千カ所近いマンホールについていろいろ現在手を打ち終わっている状態でございます。
  173. 矢原秀男

    ○矢原秀男君 それでどうですか、地下道に対する公社関係のマンホールが三千カ所ものりづけというわけですけれども、それで防衛対策というものが、もう安全なのかどうか、技術的に。そういうような点はどうですか。
  174. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) お答えいたします。  いま、のりづけと申しましたけど、これ絶対に外れないというわけではございません、そうなりますと、後、私ども保守をする上で困りますので。しかし、相当な、ある特殊な装置を用いない限り簡単にはあけることができないということで、まずこういう措置をいたしますことによりまして、地下ケーブルについてはなかなかこれは手をつけられないだろうというふうに考えております。  ただ、もう一つございますのは架空のケーブルでございまして、これは電柱といいますものはわりと簡単に登れますし、そこでいろいろいたずらしようと思えばできるということで、これについては非常にむずかしい問題がございます。しかし、私どももみずからの力で相当この辺監視体制、パトロールでございますが、こういうものは強化いたします一方、関係の警備当局にも特に重要な施設というものをお示しをいたしまして、特にそういう点についての警備を強化していただくようにいろいろお願いをしてございます。
  175. 栗原俊夫

    委員長栗原俊夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。     午後五時二分散会