○木島則夫君 現行の特定局制度は、局舎の私有であるとか、あるいは
局長の自由任用制であるとか、大きく言って三つの柱が中心となっておりまして、そこから枝葉が出て、それが制度化されたものであると言って言い過ぎじゃないと思います。私はこのうち私有局舎にまつわる局舎問題の占めるウエートというものが非常に大きい。局舎問題さえ解決すれば、全部が解決するとは言いませんけれど、特定局における問題はその八〇%が解決されたと言ってもいいくらいこの問題にはいろいろ複雑な問題が絡まり合っているということを御
指摘を申し上げたいと思います。
もちろんこの私有局舎は
局長の自由任用制と密接な
関係がございまして、どっちか一方の問題を突き詰めてまいりますと、必ずほかの方の問題も一緒になって出てくるんです。複雑怪奇
——怪奇とは言いませんが、複雑な問題を秘めている。その
問題点を
一つ一つ究明していくことは大変大事なことではありますけれど、改革となるとこれを同時に進行せしめなければならないという、そこに私は一番大きな難点、大事な点があるというふうに考えます。
私どもが私有局舎の国有化促進を要求するのは、私有局舎というものが国有局舎に比較をして非常に
問題点が多いことですね。また、その
問題点の解決が私有局舎であるために容易にできないというところに
問題点の
指摘を申し上げているわけでございます。
で、私有局舎には、私が一々ここで項目を挙げるまでもなく、
問題点を羅列してみますと、局舎が当該
局長の私有の場合には、
局長が退職をいたしますと、その後任に
局長の
家族がなり、世襲的な人事となるわけですね。この場合、後任
局長が部内者であればまだいいんですけれど、全く郵政業務の知識を持たないような部外者の場合が非常に多いという
問題点があります。次に、
局長の
家族に後任
局長のなり手がいない場合には、当然、新たな
局長——新たな
局長は、買収または賃貸等によりましてその局舎を確保するか、あるいは別に局舎を用意しなければならず、そのために、ときには
局長がかわるたびに局舎が移転することもあり得ると、こういうことになります。同一特定局に長い間勤務をいたしましても、従業員は、自分で局舎を確保しない限り特定
局長にはなれない。次に、局舎が古くなって、狭くなっていっても、家主のプライベートな費用で改善、改築をさせるためには、十分に行えない場合が多い。特に大都市の場合には、
土地が騰貴をして、とてもじゃないけれど、私力で賄える問題をはるかに越したところに大きな壁が存在をしている。次に、
局長の私宅と局舎が共用の場合には、公私の区別がややもしますと不明確になりますね。また、部外者である
局長の
家族が事務室に出入りをする、ときには業務についても口出しをするなど、従業員との間のトラブルの原因にもなりかねない。
こういうふうにして挙げてまいりますと、とにかくいろいろ問題が、さっきから申し上げているように、たくさんあるわけであります。
そこで、局舎問題について細かく言ったらこれはもう切りがないし、一時間やそこらではとてもできません。もちろん私は、百年の歴史のある
郵政事業の中で特定
郵便局が果たしてきた
役割りというもの、地域との密着性、そういういい面も決して全部を否定するものではございませんけれど、
郵便局舎がどんどん近代化してすばらしい局舎に変わっていく、そしてコンピューターの導入も行われる、機械化、合理化がすばらしい勢いで行われているという半面があるかわりに、こうした明治以来の名残がいまだに尾を引いているという
——きょうは細かいことは結構ですから、
大臣ね、たとえばですよ、当面は私有局舎の方が数字の上で、そろばんをはじくといいですか、確かに
財政上はこの方がいいかもしれないけれど、ここから起こる複雑な
問題点、局員の士気の問題、効率の問題、
運営上の諸問題などを考えますと、かえって私は高くつくと思いますね。
ここら辺の根本認識について、いまは併用という形をおとりになっていますけれど、これはやっぱり
問題点が多過ぎて、どうしても改善をしていかなきゃならないという強いお
気持ちを、いまのたった短い
説明でも
大臣は起こされたと思うわけでありますけれど、いかがでございましょう。