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坂倉藤吾君 いまちょっと社会的な世論に耳を傾けてもらいたいと思うんですがね。都市部の大変地価の高いところ、こういうところはだれが見ましてもいま現に困っておりますように、国ででも手をつけなければ、個人で投資をしてそうして
局長になってという魅力がないからやり手がないですわな、はっきり申し上げまして。ところが
一般的に特定の大都市を除きますと、特定局舎ほどいわゆる投資効果がかたくて、しかもいいものはないんじゃないか、こういうふうに言われています。これはかつて特定局について、特定
局長という本来
郵政省の人事権にかかわるものが、
局長の後任に推薦をし責任を持って
局長にさせるからと言って株の売買が行われたり、いろいろした歴史もあるわけでございまして、いまそれが起こっているというふうには私は言いませんよ。しかし、そういうような歴史を積み重ねて今日まできているわけです。
そういう形の中で、特定局は、最近はたとえば
数字が合うんです。局を建てて大体十年間すれば投資をした資金というものは返るんじゃないか。しかもいま
大臣はいろいろ言われておりますが、この賃貸契約書の中で、家主が負担をすべきもの、借り主が負担をすべきもの、明確に区分をされましたね。そして大方いま言われましたような小破修繕にかかわるようなもの、あるいは部品の簡単な取りかえ、こうした常時金を必要とするものはおおむね公費で支払われることになっている。基本的な土台をかえたり新しいものを増築をしたり
——増築をしたって増築をしたらその分がまた局舎料の改定になるんですから、そういう立場の中で特定局舎ほどいいものはないなあと。しかもそれにプラスをして
局長人事までくっついてくる現状じゃないか、こうなっているんです。これはかつて特定局の局舎料が、たとえば特定
局長会が全国的に一括受領をやりまして、そしてこれはもう古い時効の話ですから私はしますけれ
ども、一時的には
税金を何とかうまくできないかというようなこと等もありました。これはいま改定されてますから、これはもう結構です。
しかしそういうような
幾つかの形で、特定の人間だけが、そこで局舎料なら局舎料を利用しながら
一般の
人たちよりも優遇をされる、こういう形というのは私は今日の社会の中では、いますぐに全部なくせとは言いませんけれ
ども、少なくとも改善を図っていくような方向というのはとるべきじゃないんだろうか、良心的にも。私はそういうふうに思うんですね。いま、少し前の時代と今日の時代というのはずいぶんそういう意味合いで、社会的に特定
局長といえ
ども一般化をしてきているという、こういう認識を基本的に私はやはり省としても立ててもらわなきゃならぬだろうと思う。
私は
郵政省の歴史の中で、たとえば地域の大変な有力者が自分の家屋を投げ出して無償で
郵政省に提供をして、それが特定局制度の一番最初の問題ですね。それ以来ずっと長い間貢献をしてきた、その貢献度合いについては私は正直言ってそれは認めます。しかしその貢献があったということと、今日の社会の進歩にあわせて体質的にはやっぱり変化をしていってあたりまえの話だろうと思う。そのテンポが狂いますと、これはやはり社会的に指弾をされて、その社会的な指弾というものは当該個人にわたるんではなくて、
郵政省の姿勢の問題としてそこに集中をすることになると思うんです。私は
郵政省がそういう意味できちっと姿勢を正して、この特定局の問題については対処をしていかなければならない、いわゆる近代化を図っていかなきゃならぬ重要な時期だと思っております。
そういう意味で、私は局舎の問題につきましても、併用方式と言っているけれ
ども、その併用のあり方についても再検討を加えていくべきではないんだろうか。同時に、損得の話がありまして、これはまた改めてということになるでしょうけれ
ども、いまの局舎に対する還元率からいきますと、果たしてそれでもって借入局舎そのものが経費的に
郵政省の事業
運営に、今日大変苦しい時期ですから、それに果たして貢献をしているんだろうかどうだろうか。ここは一遍、聖域化をしておった特定局制度なんですけれ
ども、私は率直に言って足を踏み入れて検討をして、そうしてその結果が、今日足を踏み入れる必要はないという結論が出るんなら、それは別です。しかし、入れてみて、私はその問題について結論を出すべき時期じゃないのか。そういう意味合いでは、
服部大臣が
先ほど、
郵政事業全般にわたってもろもろの問題があるので検討をしていくという、大森議員に対してされた
答弁の趣旨というものは、そこまで踏み込んでほしいという意味で私としては聞いておきたいと思っておるのですよ。この辺は
大臣にひとつ明確に
お答えをいただきたいところだと思います。
それからもう
一つの
関係は、ついでに
指摘をしておきますが、賃貸借契約書がございます。これは大体これで統一的にやられるということですね。ところがいま、借入
特定郵便局の契約者別に見ていきますと、現
局長が自己所有にかかわるものと、それから
局長が契約をしておるけれ
ども所有者は別の人、こういういわゆる第三者が所有をしておって
局長が契約当事者になっているという場合がある。それから所有者そのものと契約をしている場合、こう三種類、契約の形があると思うんです。もちろん
局長の自己所有のもの、あるいは第三者が直接契約者になっているもの、所有のものですね、これは当事者ですから問題はないと思うのです。ところが、所有者でない
局長がこの賃貸借契約書に契約者として携わっておるもの、これが今日二百九十三局という
数字になるわけです。この
数字は私は少し信憑性を欠いているように思いますが、裏打ち
調査をいまやっておってきょうに間に合わなかったわけでありまして、一応いただきました三百九十三というのが
数字としましてこれだけあるわけです。
そうすると、この三百九十三の人々は、これは
郵政局長と
局長とが賃貸借契約書によって、契約をする。ところが所有者は別でありますから、
局長が所有者とも一度、口頭であるかあるいは文書であるか、そのことは別にしまして契約をする、いわゆる転貸の形をとっていますね。そうすると転貸の形をとっているがゆえに、
郵政局と
局長との契約
内容というのは、これは
局長の責任でそのものずばりで出す場合と、それから
局長の責任にありますからこれを出さないで別途契約をする場合と、これまた大筋に分かれて二つある。この二つありますと、小破修繕だとか維持管理に必要な
内容というのはきわめて多種類にわたって、しかもそれが
郵政局で持つのか、あるいは貸与者が持つのか、この辺が大変
一般の人がこの表を一々ながめてみて検討しないとわからぬ仕組みになっているわけですね。第三者が見たときにさっぱり、これは
郵政から金が出ている。こちらは出さなければならない。当事者でも迷うんですから、第三者としては全く知らないという、こういう現状になっております。そこに不明朗な問題というものがまた出てくるわけです。
私は、第三者所有で
局長が契約を行うようになった
一つの歴史的経過を知ってますけれ
ども、それはきょうは触れません。しかし、少なくとも所有権を持たない
局長が契約をすることについて、次の段階としての
幾つかの問題を生むことになります。これらについては抜本的に検討をされることが必要なんではないか、これも私の気持ちとして一遍問うておきたいと、こういうふうに思います。