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参考人(山本博君) ただいま
会長から基本的なことを申し上げましたけれども、五十一
年度から五十三
年度の三カ年
計画と申しますのは、
国会でその当時御
審議をいただきまして御
承認を得た
計画でございますが、
内容といたしまして、今日の時点で振り返ってみまして、どういう点にそごが来ておるのかと申しますと、第一には
受信料収入、こういう点が一番大きなそごを来した
内容でございます。この点はどういうふうに推移をいたしておりますかと申しますと、第一
年度は、これは二カ月の暫定
予算という事態がございまして、その当時計算をいたしまして約百十二億円の減収であるという事態が起こったわけでございます。しかしながら、決算をいたしましてみますと、百十二億円の
収入不足だけではなくて、その後の
受信料徴収の状況というものが必ずしも順調にまいりませんで、第一
年度だけで申しますと、約二十三万件ぐらいの契約純増が達成いたしておりません。したがいまして、第一
年度におきましては相当大きな減収ということを引き起こしたわけでございます。
それで五十二
年度になりまして、これは当初の見込みでございますと
収支相償という予定になっておりました。しかしながら、第一
年度がその当時の見込みで約百八十億の黒字を出して、それが二年目に
収支相償になって、第三年目にその百八十億が持ち越されまして、第三
年度の赤字百八十億を
補てんをするという
計画で御
承認を得たわけでございますが、第二
年度は、いま申し上げました第一
年度が百八十億ばかりの黒字になる予定が九十億足らずの黒字にしかなりませんということによりまして、第二
年度は何とかして
収支相償よりももう少し
努力をしようじゃないか、これは
企業努力をもっとしなければ、このままの推移では非常に大きな危機がこの三
年度内に来るであろうということで
努力をいたしまして、五十二
年度は、これは五十二
年度の
予算で御
承認を得たときに出しました数字でございますが、二十億黒字を出すと、こういう
計画にいたしておりまして、これは目下
予算進行中でございまして、決算が済みませんと最終的な数字は出ませんけれども、この点につきましてはなお現在
NHKの内部で
企業努力をいたしまして、との二十億以上にさらに黒字の額を上げようということで鋭意
努力中でございます。
で、五十三
年度の
予算が現在御
審議をいただいておりますが、これが先ほど来お話がありました二十九億の赤字になっております。これは
支出充当も入れますと百十八億の赤字になりますけれども、これを第一年目と第二年目とのいまの九十八億と、それから二年目の二十億と、これを合わせまして百十八億の持ち越しによって
補てんをして、第三年目といたしましては、数字の上では完全に三カ年間の初めに予期をいたしました三カ年間のサイクルで
収支を相償するということは一応できております。なお五十二
年度の決算、それから五十三
年度の
予算の執行過程においてさらに
企業努力という面では
努力をして、この点の改善方を図りたい、こういう気持ちでございます。
で、
支出の方でございますけれども、
支出の方は当初二二%でその当時計算をいたしました。これは石油ショックがありました後でございまして、物価の上昇率あるいは人件費の上昇率、その他もろもろの
支出増の要素がございまして、特に五十一
年度以前は約八カ年にわたりまして
受信料改定ということをいたしておりませんで、たとえば
建設計画なんかは償却費の範囲内で抑えていくということを三カ年ほどやってまいりましたので、いろいろな
意味で老朽施設などが改善されておりませんので、この点を少し五十一
年度以降において改善をしようというような
計画もございましたので、五十一
年度から五十三
年度までは平均いたしまして約一三%の
支出増ということで見込みましたけれども、いま、午前中からもお話がありましたように、現在の
経営状況から見ますと、なおいろいろな節約をしなければならないということで、
計画の
見直しその他をいたしまして、たとえば一三%の
支出増のものを一二%まで落としまして補正の
計画をつくりました。その結果、先ほど申し上げました中で、
建設計画の部分につきましては、多少暫定
予算のしわを
解消するために、
建設計画も、一般の
事業予算のほかに相当の
計画を繰り延べました。
したがいまして、
事業支出の中では、
建設計画の部分において、当初予定した
計画というものが多少五十四
年度以降にずれなければならないというもの、地方の会館とか研修所とか、そういうものにつきましては
建設をおくらしております。あるいは大電力の問題につきましても、五十四
年度以降にずれ込ませるというような手だてをとりまして、
建設計画につきましても二カ年間で二十五億円落とすという措置をとったわけでございます。
それから
難視解消につきましては、これは三カ年間でほぼ当初の
計画どおり実施をすることができる見込みでございます。いわば、
計画全体の中に緩急と軽重というものをつけまして、総合的に当初立てました実態的な
計画というものはほぼ予定
どおりできるんではないか。
最後に、そういう措置をとりましても、最終的に
受信料の欠損というものが響きまして、三カ年間の総合的な赤字というものは、
事業収支で約百五十億円ばかり発生いたしました。いまの百十二億の暫定
予算分も入れてでございますが、その百五十億ちょっとの金額のうち、約三十億をこれは
資本収支の部分の改善によって賄いました。後、百二十億ばかりがどうしても
事業収支の中で
NHK自身の
努力でこれを
解消しなければならないという金額として出てまいりました。これを、三カ年間に百二十億につきましては、これは
経済情勢——いろいろ物価の上昇が、当初見込んだよりも結果として低くなりましたし、それから金利の問題も大分低くなりました。また、
NHKの
企業努力というものも、その期間において相当節減
計画を厳しくいたしまして、この百二十億の
事業収支というものも賄い切ったわけでございます。それで総合的に、三カ年間の最後の五十三
年度においては
収支相償、で、
計画におきましては、ほぼ順調に推移をいたしまして、
建設計画の一部において五十四
年度以降にずり込ませなければならなかったというのが大体の
内容でございます。