○
佐藤三吾君 昨日から
連合審査等で
道交法の問題についてはるる審議がされたわけですが、私はそれに関連して一つだけ質問してお答えをいただきたいと思っております。これは主として運輸省に関連するわけです。大臣の所用で時間のこと十分承知しておりますが、最後に一言いただきたいと思いますので、しばらく時間をいただきたいと思います。
きのう、大臣の、
連合審査の中で御発言がございましたように、今度の
道交法の
改正の中では、一つの大きな柱として身体
障害者の保護安全、こういう問題を取り上げてみたいと強調されたわけです。それと関連する問題ですが、身障者
対策基本法というのが四十五年に制定されておりますね。これの二十三条の中で、特に身障者に対する経済負担の軽減を中心として、国または自治体が努めなければならないということを強調しておるわけです。その問題でいまの実態と
対比しますと非常にその趣旨が生かされていない、そぐわない実態に私はあると思うんです。それはどういう点かというと、国鉄が
昭和二十七年の四月八日に公示百二十一号で出したいわゆる運賃割引の規則にしましても、それから航空局が航空運賃の身体
障害者の割引制度の概要というものをそれぞれ制定して出しておるわけですが、実態とそぐわない点は何かというと、この
道交法の中でもそういうものがあるんじゃないかと私は思うんですが、心身
障害児というとらえ方が、主として肢体不自由児ですね、こういう方々を中心にとらえて、ところがいわゆるこの精薄ですね、重度
障害児であるとか、そういったものが、言うならば身障児全体のとらえ方の中にらち外にこう置いておるんじゃないかという感じがするんですね。たとえばこの国鉄の例を見ますと視覚に
障害、いわゆる目が見えない。一種の中で耳が聞こえないとか、聴覚。それから声が出ない、音声、言語
障害ですね。こういう形になっておるんですけれ
ども、いわゆる精薄関係の重度というのはその他の中に置かれておると、こういうかっこうになっておるわけです。で、それがどういう具体的な現象を示すかというと、たとえばいま御存じのとおりに、身体
障害者の中で重度の児童の施設というのは国の場合にはたった一カ所しかないわけですね、所沢の秩父学園です。私はそこのいま親の会の会長をやっておるのですけれ
ども。地方の都道府県の段階など幾つか施設があるんですけれど、確かにこの肢体不自由児関係はいわゆる
社会的に訴える力を持っていますから、また現実にそれがいろんな形の中で
社会全体の中でそういう施設をつくったり措置がとられてきていますね。ところが、重度の場合になると、都道府県段階ではなかなか、言うなら、最近ようやく公立が出てまいりましたけれ
ども、ほとんど慈善事業ですか、こういうところが賄っておるという実態で、事実上この重度になるとなかなか扱うところが少ない。したがって、ある一カ所、たとえば東京都であるとか、それから国の場合にたった一カ所しかないんですが、そういうところに全国から集まってこざるを得ない、こういう仕組みになっているわけですね。で、そういう仕組みになっておるのですが、やっぱり学園ですから春、夏、冬の休みがある。同時にまた家庭教育という面も重要な教育の一環ですから、ですから、そこにまあひとつ夏休み、春休み、冬休みは連れて帰ってくれと、こういうことになっているわけです。ところが、この国鉄運賃にしましても、航空割引にしましても、いわゆる本人と一緒でなければ割引の
対象にならないという仕組みになっている。いわゆる保護者が、たとえば九州から、北海道から東京にやってきて、来るときの運賃は割引の
対象にならない。それから今度は、子供を連れてきて帰るときには一人ですから割引の
対象にならない。こういうような実態が基本法の中でうたわれておるように、そういう家庭というのは経済的にも大変な負担がかかっておりますから、ましていわんやそういうような実態から見ると、なかなか連れて帰ることができないという、こういう悩みをたくさん持っておるわけで、親の皆さんにしてみれば。で、そういったことが一体どうしてできないのかということで、まあこの条文をとってみると、いま言うように肢体不自由児を中心に置いているわけですね。たとえば重度のいわゆる精薄というのは、
障害児というのは、たとえば汽車に乗せても一カ所に、たとえば一つの席に据えておっても肢体不自由児の場合は頭はしっかりしていますから、普通の人よりは体の苦痛はあっても大体お客に迷惑かけぬで七、八時間の旅行はできるのですよ。ところがこういう子供の場合には、ほとんど一時間過ぎたらもう、ちょっと異常な状態になりますから、結果的には汽車の利用ができない。こういう隘路があるのですけれ
ども、こういった問題について、ひとつ
実情に沿った措置というものをできないものかどうか。この点について、これは運輸省の所管だと思いますが、お聞きしたいと思います。