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政府委員(
森永正比古君) 今回の
法律改正で
お願いをいたしておりますのはいろいろございまして、まず第一番目には、
許可の
欠格条項の中に
覚せい剤中毒者を入れるということでございます。
第二番目には、新たに
許可を受けようとする者に対しては、射撃の検定に合格した者でなければならない。または教習射撃場において一定の教習を終了した者でなければいけない。それに関連して、指定教習射撃場の
基準なり、あるいはそこで指導いたします射撃指導員、あるいは教習射撃指導員、そういうものの
基準を定める。あるいは
許可証の合理化ということで、いままで一つの銃の
許可に対して、一つの
許可証が必要だということでございましたけれ
ども、そういうものを一冊のもので賄うと。あるいは
許可証の有効期間を五年としておりましたけれ
ども、三年に改める。そのほか、現在は銃が失効した場合には、仮領置の制度がございません。そういうことで、違反をして取り消しを受けた者の
措置と著しく不均衡が生じております。そういうものを是正する。あるいは
猟銃につきましては自己保管が原則になっておりますけれ
ども、長期出張をするとか、あるいは入院をするという場合には、適当なところに預けた方がいいわけでございまして、公安
委員会に届け出をして、指定したところは預けることができるというような、まあ非常に多角的な
改正を
お願いをしておるわけでございまして、この
改正について、必要性は何かというお答えについても、これは一つずつ、まあ厳密に言えば違ってくるわけでございますが、総括して申し上げますと、この提案
理由の中にも規定してございますように、何といっても第一には、
猟銃等によるところの
犯罪や事故を未然に防止するということにあるわけでございます。その数字的なものにつきましては、この初心者の事故というものがふえているかどうかというのが一つの問題になると思うんですが、これは必ずしも
猟銃を
所持して五年未満の者についてはふえてはいないわけでございます。むしろ
減少しております。三年以下のものについては若干
増加をしている。これは
猟銃の
所持の期間、いわゆる経験年数からいえばそういうことで必ずしも大幅にふえたという数字は出てないわけでございます。しかしながら、事故の内容を見てみますと、これはたとえば経験年数が十年、十五年たっている人の事故であっても、やはり初歩的なミスあるいは基本を忘れたための事故というものが
かなり多いわけでございます。したがいまして、昨年は前年に比べてそういう初心者の事故が減っておりますけれ
ども、やはりこういう事故はむしろ一件でもあってはならないわけでございます。特に先ほど申し上げましたように、経験年数のある者についても、やはり初歩的なミスによる事故が多いわけでございますので、この際新規に
許可をとろうとする者に対しては、やはり射撃の検定なり、あるいは一定の教習射撃を受けて基本をしっかり身につけるということが必要ではないかというふうに考えているわけでございます。また、
銃砲等を使用したところの
犯罪でございますけれ
ども、これは
銃砲全体で見ますと必ずしも最近ふえたという結果は出てないわけでございます。
警察庁に報告のあったものだけでございますけれ
ども、
昭和五十年には九件、それから五十一年では十五件、それから五十二年には七件というものが
発生をいたしております。しかしながら、
覚せい剤の
中毒者によるところの
犯罪や事故というものは、これは
かなりふえておるわけでございます。
覚せい剤中毒者の
銃砲による事故というのは、先ほど申し上げましたように、必ずしもふえてはいないわけですが、
中毒患者による事故というものは
かなりふえております。これがやはり
銃砲を将来
所持することによって
犯罪を起こす、あるいは事故を起こすという
危険性は
かなり高いわけでございます。そういうことを総合的に考えまして、今回の
改正案を作成したわけでございまして、御審議を
お願いしているわけでございます。