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政府委員(
佐藤順一君) まず一番最初人数の問題が出ましたが、ちょっとひとつ追加説明をさせていただきたいのでございますが、ただいま五十二年の通常
選挙の場合でこの郵便による不在者投票の方法で投票された方々が一万四千六百二十二人の方であったということを申し上げましたけれども、実は身体障害者の方、重度の身障者の方々におかれましても、毎度の
選挙で、今度の制度が生まれましたものの、今度の制度以外の方法、たとえば指定病院におきます不在者投票なり、指定病院に入院中であるという方が指定病院におきます不在者投票、あるいは親戚の方とか友人の方々の介添えによりましていままでどおり投票所に行っていらっしゃる、やはりいままでの方法に慣れておるというようなことで行っていらっしゃるという方々が相当あるということがわかりましたので、この間の五十二年の通常
選挙の際に、一体どんな状況であろうかということを――一部の市でございます、結果は十七市ということになりましたけれども、重度の身障者の方々の投票状況はどうかということを抽出で調べてみましたところ、いま申し上げましたようなこの方法と、それから指定病院等の方法、それから当日投票所に出向いての投票という方法を使われまして、合わせましてこれらの抽出市におきます投票率は対象の方々のうち四〇・七%ぐらいなるということでございますということを一応申し上げておきたいと思います。しかし、全国のすべての方々の投票率が六八・五%でありましたことからいたしますと、まだまだ一層これらの方々の投票率を高める、すなわち投票していただくということのために努めなくてはならないということを私どもは痛感しているところでございます。まず、数字のことを申し上げた次第でございます。
それから次に、手続が煩雑に過ぎないかという御意見がございました。これにつきましては、四十九年に法
改正によりまして創設をされましたその際に検討されたことがございますけれども、実は過去におきまして、
昭和二十六年当時この制度がありましたころ、これに絡んでいろんな不正というものが介入したというようなことの経緯にかんがみまして、
選挙の公正を確保しなくてはならないという非常に重要な要請があったということが
一つ。それからもう
一つは、当日投票主義に対する、そういう原則に対する例外であるということからして、対象の方の決め方とか手続等についてはやはりどうしても厳正なものでなくてはならない。この両面からいたしまして、先ほども申し上げました、
一つは、郵便投票の証明書の
交付を受けていただくということが必要である。それからもう
一つは、投票用紙の
提出はぎりぎりこれは郵便によっていただく、他の不正を介在させないために郵便によっていただく。この二つあたりは確かに大変と申せば大変でございますけれども、最小限の要請として手続を入れたということでお含みたいただきたいと思います。
ところで第三点の、なかなかいろいろと
経費がかかるのだというお話ございましたけれども、実はいま申し上げましたことも含めまして、重度身障者の方々でこのケースに該当されます方々が実際投票をされるというためにはどういう手続が必要かと申しますと、まず第一に、いま申しました郵便投票証明書の
交付を申請していただくわけでありますけれども、しかしこの
交付申請は、およそ
選挙などありません、言うなれば平時におきましてあらかじめ請求をしていただくことが可能でございます。しかも、それは郵便等によられませんでも、使者によって、お使いの方によって申請していただくことも可能でございますので、この辺は余裕を持って
経費を節約しつつやっていただくことができるのではないかと思うわけでございます。これが一点。
それから次に、実際
選挙に入りましてから投票用紙を
選挙管理
委員会に請求していただくということが必要になるわけでありますが、これも
選挙の期日の告示前でございましても請求だけはできるということになっております。大体
選挙の事由が発生いたしますと請求ができるということでございます。これもまた郵便によりませんでも、使者の方によってでもできるということでございます。したがいまして、やや余裕を見て請求をしていただくということでございます。ただしこの場合、公示前でも請求できますが、
選挙管理
委員会は公示された直後でなければ送ってまいりません。これが届きましたら、今度は自宅におきまして候補者の名前を投票用紙に書いていただき、そしてそれを封筒に入れまして、これは最小限郵送していただきたいわけでございます。ですから、最後のところでぎりぎり
経費がかかることは私どもも
承知をいたしておるわけでございます。
そこで、
経費の公費負担はどうかということでございますけれども、現在の
選挙法、
選挙制度のもとにおきましては、一般に
選挙人の方々が自分の
選挙権を行使するために必要とされる
経費、一般の方が投票所に行くためにバスに乗られるとか、あるいは電車に乗られるということがありましても、そういった交通費などもそうでございますし、それからまた御
指摘ありましたこの郵送料もそうでございますし、およそ自分の
選挙権を行使するために必要な
経費については各人で御負担をいただく。こういう考え方から制度ができておるものですから、現在のところ公費負担はされておらないわけでございます。
そこで、さらに公費負担について考えてはどうかという御意見でございますけれども、私どもといたしましては、全体の制度の一環といたしまして、いままでも実は御要望がありまして
お答えしておったところでございますが、引き続き検討さしていただきたいというのが私どもの結論でございます。