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参考人(佐竹浩君) いやもう本当に、竹田
先生はしばしば私
どもの支店に実情を視察していただいておりますだけに、大変まあいろんな点でよく
状況をおつかみの上で大変御心配をいただいておるわけで、ありがたいことでございます。
ただ、これはそういう実は心配は私はあるまいと、つまりおっしゃるような上位シフトということは余りないと思うんですね。それはなぜかと申しますと、これは私
どもの
融資先の――これは
先生に申し上げるのは釈迦に説法みたいで恐縮でございますけれ
ども、大体九割は従業具の数も九名以内、非常に小さな小零細企業でございますね。それにまたいろいろ取引先の実態調査なんかもしておりますけれ
ども、それじゃみんなその人たちが黒字企業かといいますとそうじゃないんですね。これはまあ実をいうと、こんなことを余りこういうところで申し上げていいのかどうか問題だと思うんですけれ
ども、
公庫法第一条の精神は、要するに
一般の
金融機関から
融資を受けることが困難である、そういうお客様にお貸しするのがわれわれの任務なんです。ですから
一般の
金融機関がどんどん促せるような人には私
どもは貸しちゃいかぬのです。そういうことですから、もともとこれは
制度的に非常にリスキーな
融資をいたしておる。それはわれわれ覚悟の上でやっておるわけです。ですから現在のお取引先の小企業の法人調査をいたしますと、これは数字はちょっと申さない方が、伏せた方がよろしいかと思いますが、かなりの欠損、あるいは自己資本が飛んでしまっておるというところもございます。そういうところへやっぱり貸しておるわけです。それじゃなかったらそういう人は市中
銀行へ行ったって借りられないわけですから。まあそういうようなことでございますので、決して上位シフトということはないと思います。
それから、いま
進学ローンが始まったがために何かほかのものが動員されて、中小企業
金融プロパーの
融資がお留守になるんじゃないかという御心配をいただきましたが、これは一応ごもっともな話だと思うのでございますけれ
ども、これは
先生もたしか御
承知だと思うんですが、四半期別の業務の季節変動がございます。これ見ますと、大体柳通
貸し付けの直貸しのところだけとってみますと、普通は四半期三カ月で十五万件ぐらい処理しておるんでございますよ、十五万件ですね、ずいぶん多いと思いますが。ところが一-二月になりますと、それが去年の実績なんかで見ますと大体十三万件ぐらいになっておるんです。ちょうど二万件ぐらいそこにすき間がある。今度、いま
先生も御
指摘のように、
進学ローンだけ二万件じゃないかとおっしゃってくださってますが、そうしますとちょうどその二万件がすっと入りますと大体ほかの四半期とほぼ同じ、第一・四半期、第二・四半期ぐらいと同じ
程度の十五万件。それから第三・四半期は特別でございます。これはどうしても多くて、年末
金融がございますので、これはどうしてもこの十-十二月は大体全体の三判占めますので約十九万件こなさなきゃなりません。ですから十-十二月に十九万件こなしておるわけでございますので、一-三月で十五万件こなせないということは実はないわけでございますね。
ですからそういうことで、これは
先生、実に実務というものはいろんなやりくりと申しますか、繰り合わせがいろいろございまして、それは支店長が支店の中のところをうまく仕切りながら本当はやっていくわけでございます。それで事務の繁閑を見ながら、たとえば今期は早期監理の方はちょっと手がすくようだと思えばそっちを
審査の方へちょっと移すとか、いろんなことを毎日非常に機動的に動かしております。これはもう現場をごらんになっていただいておわかりいただいておると思うんですが、そういう
意味でございますので、私は非常に御心配いただいてありがたく思いますが、今日いままで検討をしたところでは
進学ローンについて特段の支障はないではないか。
第一それに、
先ほど来七万件だとか値だかという話も出てすけれ
ども、これとても言ってみれば架空の数字でございます。何の根拠もない。二百億とかなんとか言ったって、これも特段の根拠があるのかと言われりゃそんなものは根拠も何もありゃしないんです。およその日見当で出しておるものだと思います。また、そうせざるん得ないと思うんですね、これは。実際にやってみて本当にこれはどうなるのかということは、まさに
先生御
指摘のようにやってみないと本当のことはわからない。ですからそういう
意味でわれわれは万全の備えをしながら臨みますが、現実に来年の二、三月のところにおいて実際にやってみて、どうしてもいろいろ問題が起こってきて
改善を要するということであれば、それはもう当然改作していかなきゃならぬと。ですから、何と申しましてもやっぱりやってみなきゃ本当のことはわからないというところだけは実はあると思います。だけ
ども、万間違いのないようにわれわれは努力をいたさなければならないという感じでございます。
なお、ちょっと補足いたしますと、不動産の
担保があるじゃないかというお話もございましたが、実はいま
国民金融公庫では大体
担保とっておりますのは全体の五%ぐらい、百人おられますと五人なんです。九十五人は無
担保です。よろしゅうございますか、無
担保だけれど保証人がついているというケースが大部分。それから
経営改善資金の場合は御
承知のように無
担保、無保証でございます。ですから、物的
担保とりますのは全体の五%、五人しかいない。というのはなぜかと申しますと、何分にも
金額が小口でございます。開発
銀行のように何十億という巨額な賞金を一企業に住しているような場合と違いますので、私
どもの方はもう百万円とか三百万円、多くて五百万とかそういう金でございます。ですから、現在支店で実際に運用しておりますのは五百万円以下については物的
担保はいただかないと、どうぞ
担保は結構でございますから、保証人だけお立てくださればというのでやっております。
それから、今度の
進学ローンの場合、おっしゃるように事業家と違うではないか、
金融になれない人がいるではないかと、御
指摘のとおりだと思うんです。ですから、これは言ってみれば
消費者金融、消費者
ローン一般に通ずる実は基本問題だと思うんですね。ですから、そういう消費者
ローンの債権保全というものはいかにあるべきかということはやはり根本問題としてございます。これはどうも従来のような、ただ保証人を立ててくださいというようなことで果たしてうまくいくのかどうかという点がございます。私
どもは火を申しますと、これは衆議院でもそういう御
質問ございましたが、信用保証の機構をつくってやるべきじゃないかという御意見がございました。私
どもまさにそれだと、もうそれでいくしかないと。保証人なんか立ててくれなんて言ったら三日の間に合わないわけです。だから、何としてもこれは信用保証
機関を新たに設けまして、それによってできるだけ安い
保証料で、要するにお金をちょっと納めさえすればそれで保証人も何も要りませんという形にしまして、
担保も要りません、保証も要りませんと、ほんのちょっとした
保証料だけちょうだいすればそれで結構でございますという形にしてこそ、初めて急速処理、迅速処理ができるんではないかと、こういうことで実は監督官庁ともいろいろお願いしまして、目下御検討をいただいておる最中なんです。