○
参考人(
木村清昭君) 日常の処理でございますけれ
ども、私
どもとしましては、中小企業の方から申し込みかございますと、それにつきまして
審査をするということになっております。実際に毎日三件から四件、こういう状況で
審査を行っておるわけです。
この中で、お客様と面接しまして、
資金の使い道や御商売の状況等を聞いておるわけです。面接は大体一件当たり一時間ぐらいかかるわけでございます。これを四件しますと約四時間かかるわけですね。ですから、九時から始めまして十二時までで三件。その後昼休みを一時間とりまして、一時から二時まで四件目の方とお会いする、このような状況になっております。
このうち、四件のうち大体一件か二件ぐらい実際に
店舗や工場に行って現地を拝見さしていただいておるわけです。これは非常に距離的にも遠いところ、あるいは近いところもございますけれ
ども、平均しまして約二時間ぐらいはかかるというふうに思っております。
その後、決算書の分析や調査票と申しまして、これは企業のカルテのようなものでございますけれ
ども、これを整理して役席の方に提出する。こういうことになっておりまして、この整理に一件当たり三十分から一時間
程度かかる。
こういうような状況でございますから、どうしても所定の——平日の場合ですと現在七時間五分という労働時間になっておりますけれ
ども、これでは十分
仕事が仕上がらない。こういう点がございまして、一方、お客さんからしますと早く
資金が欲しい、こういうような要望も非常にありますので、
仕事を終わって帰宅してから
仕事をせざるを得ない。こういうような状況になっておるわけです。
で、最近の
業務は、非常に不況のため、それから経済情勢の悪化という点で
仕事が非常にむずかしくなっておりまして、できるだけお客さんの
お話を十分聞いてやる、こういう点では非常に時間のかかるような状況でございまして、
労働組合としましても、この五月
段階で
支店の持ち帰り労働の状況につきまして調べましたところ、百三十三
支店のうち百二十六
支店で実際に持ち帰りが行われている。こういう点では現在の人員が不足している、こういう点が端的にあらわれているというふうに思います。
また、働いている者の健康の状況につきましても、私
ども労働組合がことしの一月に実施しました日本産業衛生学会制定のアンケート用紙を用いた調査結果によりますと、実施者約三千名のうち百九十六名が休養とかあるいは治療を要するというようにアンケートの結果に出ております。これは百九十六名のうち男性が二十二名、女性が百七十四名ということでございまして、女性の中には
事務労働者特有の頸肩腕症候群という病気が出ておるという点が指摘できるというふうに思います。
また私
どもは、
政府関係特殊法人百十余のうち、
事務系でこの頸肩腕症候群について
業務上の労災申請の申し立てを現在しておるわけですけれ
ども、私
どもとしましては、現在七件を労基署なり中央
審査会の方に申し立てをしている。こういう点でやはり
組合員の健康、こういう点を見ましても非常に危機的な状況にあるのではないかというふうに思います。
また、五月だけをとって見ましても、病気休暇で休んでおるという方が実際七十六名という数に上っておりまして、このうち長期病休者四十六名ということでございまして、この中には内臓疾患とか頸肩腕障害、あるいはノイローゼ、こういうような形の病名になっております。
私
どもとしましては、こういう病気をなくさせるとともに、直ちに治るような形の
措置をいろいろ講じていただくように企業側にも申し上げておるわけでございますけれ
ども、現在頸肩腕障害の援助
措置というのが
公庫側から
提案されてまいりまして、これは
公庫の指定する二百七十八人の医療機関で頸肩腕障害、こういうような診断を受けた場合については、治療費の健康保険ではきかない部分につきまして二万円の補助、また病気休暇につきまして、通常の病気より上回った内容というような形の援助
措置というのが出ておりますけれ
ども、実際これらの頸肩腕症候群で罹病しておる方を見ますと、
公庫の指定した二百七十八の医療機関に該当していないということも出ておりますので、現在のところ指定医をふやしていただきたい、こういうような点を
公庫側と
団体交渉で交渉をしておるところでございます。
それから五月の職場の状況を見ますと、
審査業務のほかに、督促
業務としまして早期監理あるいは監理係というのもございますけれ
ども、この中では百三十三
支店のうち十
支店については残業がなかったというふうな報告がございますけれ
ども、そのほかの
支店におきましては、平均して六時間ぐらいの残業が月末に集中しておる。
現在、ことしの七月に全店オンラインということで移行作業が行われております。こういうオンライン移行
事務が集中する
支店におきましては、月三十七時間というような非常な多くの残業になっております。また契約係と申しまして、融資の決定した方に対しまして借用証書等を、必要書類を整えて契約をする
業務につきましては、百三十三
支店のうち五月に残業がなかったというのが三十六
支店ございましたんですけれ
ども、そのほかの
支店におきましては、残業平均月四時間半ぐらいの時間になっている。オンラインの移行の
支店では月二十時間ぐらいの残業になっておるという点が報告に出されております。そういう点で、私
どもとしましても今年度
公庫の人員をふやしていただきたいという点でいろいろ運動をしておりまして、現在のところ四百三十九名の人員をふやしていただきたいというふうに思っております。
そういうような状況で、
先生の御心配されるように、私たちの職場には持ち帰り労働あるいは健康を害している
組合員また残業の状況と、これが現在
進学貸し付けか行われていない
段階でそのようになっているというところでございます。