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政府委員(
田中敬君)
運用部の保有いたします
国債につきましては、本
年度に入りましてと申しますよりも、
運用部として初めて本年一月に三千億円、二月に二千億円、三月に三千億円の市中売却を行ったわけでございます。
国債事務につきましては、日銀にこれを全部代行させるという規定がございますので、
資金運用部の保有
国債につきましても日銀がこれを代行して売却をするという形をとっております。
日銀がこれを売ります方法といたしましては、いわゆる
公募入札方式で売却したわけでございますが、この
公募入札につきましてまず一つの要素は、一体だれか応募できるかということでございます。応募資格者につきましては、いままで三回の入札につきましては日銀と取引のある
金融機関、全部で四百十六社になっております。うち総合証券たる
証券会社か十社、
あとは都銀、地銀、興長銀、信託、信用金庫まで入っております。この四百十六社が応募資格あり、応札資格ありということで、まず応札資格をそこで制限いたしております。
それから次は、入札につきましての札の上限下限をどうするかという問題でございますけれ
ども、これにつきましては、たとえば何億円売るということをオファーいたしました日の相場を基準といたしまして、上下二%の値幅制限というものを日銀では付して入札の幅をそこに制限をいたしております。
それから、しからば入札をした場合にいかなる者が落札し得るかという入札
方式の問題でございますが、入札
方式につきましては、第一回目はダッチ
方式というものを行いまして、二回目、三回目の売却につきましてはコンベンショナル
方式という入札方法を採用いたしております。そのダッチ
方式と申しますのは、私、先回福間
委員から御質問がありましたときに、若干ダッチの中身につきまして間違えたことを申しておりましたので、ただいまから申し上げることが正確でございますので、そのように御了解いただきたいと存じますが、ダッチ
方式と申しますのは、買い入れ希望価格の高いもの、たとえば千億
国債を売るとオファーをいたします。そうしますと、入札者がこれを百五円で買うか百四円で買うか百三円で買うか、それぞれか入札するわけでございますが、百五円で買うという人が、たとえば百五円での入札が四百億あったといたします。それから百四円の入札が四百億あった。耳三円の入札が三百億あったということになりますと、下億の売却希望価格がそれでもう千百億になりまして満たされるわけでございます。ダッチ
方式と申しますのは、その際どの価格で売るかというのは、その千億の線に達したところの価格、すなわち五円、四円で八百億までいって、次の札で、いわゆる三円のところで千億に達したということでございますので、五円で入札した人にも三円で売るというのがダッチ
方式でございます。
それから二回目、三回目に行いましたのはコンベンショナル
方式と申しまして、これは、ただいまの千億を例にとってみますと、五円で買いたいという希望者が四百億、それから四円が四百億、それから三円が三百億あったということになりますと、千億を五円で申し込んだ人には五円で売る、四円で申し込んだ人には四円で、これがコンベンショナル
方式。
従来の入札はこのダッチとコンベンショナルとそれぞれ行ったわけでございますが、これはアメリカにおきましてもいろいろダッチ
方式を行ったりコンベンショナル
方式を行ったり、各国においてもいろんな入札方法をとっております。いずれがいいのかということは見る角度によっていろいろ違いますけれ
ども、ダッチ
方式で行ったような場合は価格が一本化されるということで、たとえばそれを
個人が買う場合に、転売価格というものはもとの値が同一でございますので非常に買う
個人にはわかりやすいというような利点がございますし、それからコンベンショナル
方式は、たとえば
運用部が別にこれを売って金をもうけるというつもりで売っているわけじゃございませんので、しかし、売る側からして多くの利益を得るという観点からすれば、統一価格の二円で売るよりも、五円で買いたいという人かあれば五円で売った方がそれはキャピタルゲインは多いわけでございますけれ
ども、それぞれその売却の目的、
発行の目的、あるいは売られたものが将来どういうふうな形で流動化していくのかというようなこと、いろいろの観点を考えて今後ともこの入札
方式につきましては、それぞれのケースに応じてダッチ
方式、コンベンショナル
方式、いろいろ併用していくことかやはり必要であろうというふうに考えております。
以上のような
方式で三回にわたりまして、いずれもこれは当時の市場価格、いわゆるオファー日の店頭気配、あるいは上場価格よりも若干高い価格と申しますか、低い金利、いわゆる市場の実勢をこれが反映してくれたと思いますけれ
ども、そういう価格で落札をされておりまして、落札者は
証券会社、
銀行、いずれもこれを落札いたしておりますが、どこが
幾ら落札をしたかということは、これは日本
銀行の方も私の方も外に公表しないということにいたしておりますので、
内容については御勘弁願いたいと思いますが、第一回の場合は
証券会社が相当数持って、第二回、第三回は第一回よりも
銀行が落札した
割合が多くなったという結果になっております。