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政府委員(
矢島錦一郎君) ただいま先生御
指摘になりましたように、確かに酒類
業界、特に
清酒の
業界というのは混迷、苦悩に満ちているではないかというような
お話、ごもっともでございます。私
どもも、産業所管
官庁としていつもそういうようなおしかりを受けておるわけでございますが、酒類
業界は、
御存じのように
ビール、
ウイスキーといったような寡占
業種が中心の産業と同時に、
清酒などのような非常に中小企業性の商い小規模企業が非常に多い
業種まで混在しておりますので、それぞれについて非常に個別の対応が必要だというような
意味で、しかも、特に昨今の経済情勢から見まして、酒類の消費
需要が飛躍的に余り伸びていないというような
状況のもとに、やはり酒類産業行政が、それぞれの
消費者のニーズに対応してどういうような成長性を続けていくかということにつきましては、私
どもは、個々の企業がそういうことを十分認識してやっていただくということが第一であろうかと思うのでございますが、やはりそれはそれといたしましても、私
どもとしては特に
清酒、これは中小企業性も多うございますし、
需要の伸びもよくないというような実情を反映いたしまして、そういうような最近におきます、特に情勢の変化に対応いたしまして弾力的な必要な対策を今後ますます立てていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
先ほど伝統産業振興法とか、そういうような古来のものをもっと尊重していくべきではないかというような
お話もございましたが、やはりそういうようなことも、もちろん民族の酒としての
日本酒というものにつきまして、できるだけのきめの細かい配慮を続けてまいりたいという気持ちが、私
ども産業所管
官庁としての
立場でございます。いま先生のお言葉を激励の言葉というふうに承りまして、ますます
努力をしてまいりたいというふうに思うわけでございます。
それから、
増税によりまして酒類の販売
価格が当然値上げされるということでございますが、
清酒につきましては昨年の六月以降、散発的ではございますが、かなりの引き上げが行われています。酒類全体を見ますと、
増税分をどういうふうにするかというような問題につきましては、お酒自体は自由
価格でございますので、基本的には個々の企業が自主的な御
判断によりまして、転嫁していくのかあるいは吸収していくのかというような問題がございましょうけれ
ども、物によりましては企業
努力で吸収できるものもあるかとも思いますが、元来、間接税というのは転嫁されるのを前提としております。その限りにおきまして、やはり
増税分を転嫁して、その分だけは、あるいはその端数調整分ぐらいはやはり上げていくということはやむを得ない措置ではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ全般的な問題といたしまして、こういうような機会を利用いたしまして便乗値上げといったような動きがあることにつきましては、私
どもとしては、そういうような
消費者の利便という問題もございますし、あくまでも
増税というものと
コストアップあるいは便乗値上げというものは別のものというふうに理解いたしまして、はっきり分けていくべきであるというふうに考えておるわけでございまして、たとえば今度の
増税につきましても、便乗値上げはやるべきでないということを強く要請してまいりたいと思うわけでございます。
以上でございます。