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政府委員(大倉
眞隆君) 今回の引き上げは、株券等を譲渡いたしましたときの税率の引き上げをお願いしておりまして、公社債券の税率は据え置くということにいたしております。また、株券等の税率の引き上げ幅は五〇%ということでございますが、その
考え方をごくかいつまんで申し上げますと、やはり厳しい財政事情のもとで、当面の景気
対策に矛盾しないという範囲内ではできる限りの増収を図りたいということを私
どもとして
考えまして、この税はもともと定率税でございますから、
取引価格が上がればそれなりに負担はふえるのでございますけれ
ども、やはりこの
機会にその負担の率、水準そのものを実質的に増税をお願いしたいということでございます。上げ幅は、一般の投資家が株をお売りになる場合が基準になって
考えられておりますが、前回と同様〇・一五%、税率にして〇・一五%の上げ幅でございまして、上げ率が現行法の〇・三に比べますと五〇%ということになるわけでございますが、前回も上げ幅は〇・一五でございまして、しかし、それはその当時の改正前に比べますと二倍の上げ率であったわけでございますが、前回は二十年ぶりの改正で、改正前と比べまして非常に
市場が大きくなっておったわけでございますけれ
ども、今回は、前回改正後
市場の大きさというものはそんなに変わっていないわけでございます。その点も
考えなくてはならないと思いますし、同町に、流通税でありしかも定率税でございますから、やはりある程度限界がある。その限界がどの辺かということにつきましては国際的にもいろいろ御議論がございますが、大体〇・五%程度というのが妥当ではなかろうかと、これ正式の決定でも何でもございませんけれ
ども、そういう意見が多いわけでございまして、今回の引き上げ後で〇・四五でございますので、おおむね妥当な水準ではないか。また、この程度の上げ率、上げ幅であれば、証券
市場にそう大きな
影響、深刻な
影響をもたらさないで済むのではないかということをいろいろ
関係方面とも十分議論をいたしました結果、このような案でお願いをしておる。公社債券につきましては、やはり従来からもそういう
考え方がございましたが、今後ともその公社債
市場を育成してまいりたいという
考え方が依然としてございまして、この際は据え置きということでお願いをしたらいかがかと
考えているわけでございます。
第二点の個人の有価証券売買に伴うキャピタルゲインの課税につきまして衆議院で附帯決議をいただいております。私
どもの方も、中期答申をごらんいただきますとおわかりのように、一挙に全面的に課税するということは非常に問題が多い。しかし、段階的に課税を
強化するということが必要ではないかという答申をいただいておりますし、私
どももそのように
考えておりまして、しかし、実行可能なような具体的な段階的課税
強化というものを
考えていきたい。具体的には、現在原則非課税の中で特定の
取引については課税をするという仕組みになっておりますが、特定の
取引は課税をする、たとえば買い占め、事業譲渡類似あるいは公開というようなことをいろいろ書いてございますが、その中に継続的かつ大量の
取引という
考え方で、具体的には一人の方が年間五十回かつ二十万株以上を売った場合には、それによって所得が生ずればそれは課税する、それをもう少し課税
強化の
方向で改善ができないかということを現在部内で研究中でございます。なるべく早い
機会に実行可能な案を探り出てたいということで、鋭意
努力を続けてまいりたいと思います。