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穐山篤君 少し抽象的ですが、先ほど
大臣も言われたわけですけれ
ども、
輸入の問題について、単純なチョコレートとかなんとかという品物はともかくとして、
産業構造に重要な
影響があるわけですね。かつて高度成長のときには在庫
調整が行われる、直ちに設備投資という新しい機能が働く、そして成長率がどんどん上がる仕組みになっていたわけですね。しかし、現在では不況、円高という問題も背景に持ちながら、どの商売をやったらおれの、あるいはこの
産業では安定をするかというのは、みんな暗中模索だと思うのですね。ですから、宮澤長官は三、四月ごろになれば在庫
調整はうまくいくと言う、しかし日銀その他は七、八月ごろでなければはっきりしないと。仮に時期がおくれたにしましても、在庫
調整が行われてすぐその後新たな設備投資がどんどんふえていくというふうな構造になっていないわけですね。もう
産業構造としては、政策としては非常にみんな迷っているわけです。ですから、そういう
段階にチョコレートだとかオレンジだとか――オレンジもこれは問題がありますけれ
ども、単純な
輸入品についてはある
程度の
拡大は見込むことができると思いますけれ
ども、これが設備投資を伴う、あるいは操業度をもっともっと高めるための
輸入の品物がどれだけふえるかというのは非常に危惧を持たざるを得ないというふうに私は考えるわけです。ですから、きょうのところは具体的に六十億ドルに圧縮をするための積算根拠というものは明示されませんから、いずれまあ別な機会で結構ですけれ
ども、やっぱり見通しある話を明示をしなければ、こういう
委員会の論議としてもつまらぬじゃないかというふうに思います。
さて、具体的なことについて、開発
原油の問題について一、二お伺いをしておきたいと思うんです。時間ありませんからはしょってまとめて申し上げますけれ
ども、
石油、
原油というのは
日本の立場から言えば戦略物資であることは間違いないですね。ですから、
石油の
輸入、
石油の備蓄、
石油の開発ということについて力を入れていることは十分に
承知をしますが、それにしてみては海外で
日本の企業がアラビア
石油を含めまして幾つか開発をしているわけですが、戦略物資にしてみては力の入れ方が、ざっくばらんに申し上げて財政的な援助を含めて力の入れ方が非常に足りないというふうにまず第一に
指摘をしておきたいと思うんですね。
たとえば、
日本の企業が
外国に出てボーリングをする、そういう場合に財政的な援助というものは
石油開発公団が行う。しかし、あとのことは全部あなた方やりなさいというふうにほうり出しているわけですね。戦略物資にしてみては原子力やその他のエネルギーとどうも違った
態度を持っているような気がします。この点は私はこれからのことを考えてみれば、もっともっと戦略物資らしい国の力あるいは財政的な背景というものを与えなければならないと思うわけですが、その点を
一つ。
それからもう
一つは開発
原油、この資料を見ますと、あるところでは最近やめたというところも含めまして開発
原油を
日本に逆
輸入をする量というのは非常に減ってきた。まあ一時の二分の一以下に減ってきているわけですね。これは埋蔵量はたくさんあるんだけれ
ども、品質だとかあるいは
価格だとか、そういうことで
国内の企業が
引き取り手がないということも
一つの原因だろうというふうに思うわけです。あるいは悪い品質で高い品物を無理やりに買わせるような行政指導というのは困るという、その反対の意見もいま現に出ているわけです。しかし、品質が悪ければ精製の技術がそれを補う、これはいずれの場合でもあり得るわけですね。したがって、私はこの戦略物資、開発
原油についてもう少し明確な
態度を示さないと、現にアラビア
石油その他一生懸命にがんばっているところが意気喪失をして撤収をするということも考えられそうです。そうなりますと、勢い
政府の行政指導で、それぞれの系列はこれだけの量を
引き取りなさいというある
程度の強制力を使わないと、いわゆる日の丸
原油について発展をする可能性がないわけですね。一体開発
原油について、
関税の面ではこういうことなんだけれ
ども政策的にどうするつもりか全然明確でないわけです。これはわれわれとして非常にいただけない話です。その点明確にひとつしてもらいたい。