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井上計君 先ほどから
竹島問題につきましては、ほとんど質疑が出尽くしたという感じもいたします。大変不幸な事態が発生しておることについては私も
認識をしておりますし、あるいは大変またただいまのような過激な意見も出ておりますけれども、それについては
総理明確にお答えになりまして、私も安心もしましたし、また私ども全く同感でありますが、ただせっかくの
機会でありますから私の所信も申し上げて、この問題等について改めてまた
総理のひとつ御所見を承ってまいりたいというふうに思います。
大変
認識の違い、大きな違いが質問者と
総理、
政府側の間にあるというふうなことを改めて実は痛感をいたしました。そこで、
日韓関係についてはいま一度明確に私はしていく必要があるというふうに思います。
韓国と
わが国とは歴史的にもまた地理的にも最も深い
関係にある間柄もう当然でありますし、またこれからも
わが国にとっては切っても切れない最も緊密なかかわり合いを持っていかなければいけない隣国であるわけでありますから、そういう
認識を明確にやはり
総理に改めてひとつしていただきたい、こういう
一つ要望を申し上げまして意見を申し上げますが、そこで先ほど
総理の御答弁にありましたけれども、終戦直後不幸にして李承晩ラインが設定をされた、それが今回の問題の発端になっておるわけでありますけれども、そのことについては若干後でひとつまたお伺いをいたしますが、国交正常化の際、
竹島についての
紛争の
解決に関する交換公文が締結された、これはもう先ほどから
お話しのとおりです。そこで、将来
両国間の外交的努力によって
解決する形になっておりますけれども、まだ現在まで、先ほど来いろいろ御答弁のように諸般の事情で大変むずかしい根強い問題等から、この
解決の方法がいまだに見出せないで日時が経過をしておる、まあやむを得ぬことだと思いますけれども、しかし最近新しく国際的な海洋秩序の進展によって
竹島問題が非常に大きなまた
国民の重大関心事となっておりますので、速やかにこれらの問題等を
解決をして、そうしてあわせて
領土にかかわる問題を
解決することがまた二百海里時代にあって将来の
日韓関係、漁業秩序をさらに明確にまた明瞭に、明朗にしていくことだと思いますので、一層のひとつ努力をお願いをいたしたいというふうに思います。
ただしかし、大変先ほどから
議論が出ておりますが、
竹島問題については
政府の態度は
弱腰である、この際断固たる処置をと、先ほどから公明党の峯山
委員も共産党の安武
委員もはっきり申し上げて過激な、さらに新しい国際
紛争を起こすかのようなずいぶん
議論がされておりますが、経済協力の供与を停止するとか、あるいは
日韓定期閣僚会議を中止をするとか、聞きようによっては国交断絶も辞せずと、こういうふうな意見のように実は聞いたわけでありますけれども、しかしこういうことをやって、
韓国が果たしてそれによって譲歩するのかどうか、それは
解決の糸口になるのかどうかというと私は全く逆だと、逆にもっともっとそれは
紛争を大きくして、もうどうにもならないようなことになるんではなかろうかというふうに思いますし、また先ほど来の意見は多くの
国民の意見ではない、一部の意見だというふうに私はそのような
認識を持っておりますが、これらについて
総理はどうお
考えでありますか、先ほど来御答弁がありましたけれども、改めてひとつ明確にお願いできればというふうに思います。
それから同時に、この
竹島問題が
解決しなければ、
両国間で署名をいたしましてすでに四年以上経過しておりますところのこの
日韓大陸だな
協定の
批准はしてはならない、差し控えるべきだという意見はこれまた全く逆だというふうに私は
考えます。特に
わが国の
石油資源ほとんどないわけでありますが、
わが国の近い将来の問題として、
国民の幸せを守るために
石油資源をどうするかというのは、これまた国の防衛と同じように重大な問題だと思うんですね。それを、それらの問題をどこかに追いやってしまって、ただ
竹島問題だけで
日韓大陸だな
協定の
批准をさらにおくらすということになりますと、先ほど峯山
委員は、これは
協定ができるとそれこそ
韓国が居直ってもう
竹島問題も漁業問題もすべて全くだめになると言われましたが、私は全く逆ではないか。
総理が先ほど来
お話のように、やっぱり
両国間によい環境をつくる、環境づくりをするために努力をする、そのためには
大陸だなの早期
批准が必要であるというふうな御所見全く同感でありますが、それらについてもいま一度明確にお答えをいただきたいというふうに思います。
いずれにしても
日韓両国間には、安全保障の問題を初め政治的な分野においてもかかわり合いが非常に多いし、また貿易あるいは
投資、経済協力等の分野においても、総合的な協力
関係が今後もより一層心要であることは論を待たぬわけでありますから、そのためにも相互信頼をますます深めていく努力を
両国がやっていく、これが
わが国の私は真に国益上必要である、当然であるというふうに
考えております。したがって、平和外交を国是とする
わが国の方針――
総理先ほど明言されましたけれども、それらのことを前提としてさらにひとつ、新しい
考え方という
お話もありましたが、その意味で毅然たる態度で今後とも御努力をいただきたい。以上、意見を述べまして要望いたします。
そこで質問に入りたいと思いますが、
竹島問題の質問の前に、先ほど来安武
委員から重大な実は御発言がされております。といいますのは、
北方領土の問題であります。安武
委員は、千島列島をサンフランシスコ
条約の際
わが国が放棄をした、こういうふうなことについて数回
お話しになりました。これはわれわれの
認識と、あるいは従来の
わが国の
政府が公的に言っておりますことと全く違う、こう思います。したがって重大な問題でありますので、私はこの問題について明らかにしていただく意味で、まずこの問題の質問をいたしたいというふうに思います。
北方領土の問題については、私も内閣
委員会等で
外務省当局に一度事実
関係の質問をし、お答えをいただいたことがあります。まず、日ソ中立
条約を有効期限内であるにかかわらずソ連が一方的に廃棄通告をして、――これは事実廃棄通告をしましても
昭和二十一年の四月までこれは当然有効であったわけでありますけれども、その有効期限内の
昭和二十年の八月に一方的に宣戦布告をして、ソ連が満州を初め樺太あるいは千島列島に武力によって侵攻してきた、そうして占拠している。これは明らかに事実
関係によりますと国際法違反であり、占拠は不法占拠であるということに実はなっておる。これは明確なお答えもありましたし、私もそのように
認識をしております。それに間違いがないかどうか、これはひとつ
外務省からお答えをいただきます。
そこでもう
一つは、サンフランシスコ
条約で
わが国が
北方領土まで含めて放棄をしたのか。千島列島は確かに放棄をしたわけでありますけれども、その放棄した千島列島の中に
北方領土が含まれているのかどうか。この点についてひとつ、質問通告してない事項でありますけれども、先ほど来の発言で重大な問題でありますから、
外務省当局、この点について明らかにしていただくよう御答弁をお願いしたい、こう思います。