○
政府委員(
天谷直弘君) 平
電炉と
アルミにつきまして、補足して御
説明を申し上げます。
平
電炉と
アルミにつきましては、この
構造不況法案の
審議が始まる前から
廃棄問題をずっと協議をしてきたわけでございますが、そこで、基本的な物の
考え方でございますけれ
ども、われわれは
廃棄につきましては、
業界が合意するということを前提に考えております。これは先生の先ほど御指摘になった責任問題と関連する問題でございます。すなわち政府であろうとあるいは
業界であろうと、何年か先のことの
需要見通し等を予測しなければならないわけでございますが、神様でない限りにおいて一〇〇%正確な予測をするということは不可能でございます。そうしますと、予測が外れた場合に一体その責任はだれがとるのかという問題が起こってまいります。
先ほ
ども簡単に申し上げましたけれ
ども、現在の平
電炉過剰の
一つの
原因として、
昭和四十八年の
産業構造審議会におきまして小棒の
需要予測を行ったのでございますが、その
需要予測では
昭和五十二年度の小棒の
需要見込みは千六百万トンだと言っておるわけです。ところが現在は実際は千三百万トンしかない。そもそも産構審がそういう過大な
見通しをしたから現在の
過剰設備が生じたのではないかというような批判があるわけでございます、一体だれが責任をとるのかと。で、私はやはりこの資本主義経済の原則というものは、それは政府なり産構審なり新聞なりあるいは評論家なりいろいろ予測はあると思いますけれ
ども、最終的には
経営者が責任をとるべきものだというふうに信じております。そこで
廃棄量等の
見通しをやる場合には必ず
業界が合意する、そしてそのとおりに三年先、五年先の経済が動こうと動くまいと、その
判断の結果については
経営者が責任をとるのだということはよく念を押してやっておるわけでございます。
そこで、
アルミにつきましても平
電炉につきましても
業界の合意を前提にしておるわけでございますが、平
電炉の場合にはカルテルインサイダーが五十二社だったか三社だったかありまして、そのほかにアウトサイダーが九社ぐらいございまして、アウトサイダーに関しましては合意を得ていないわけでございますが、インサイダーに関しましては一応合意を得た上でやっておる。それによりますと、現在の平
電炉の
設備は二千万トンあるわけでございます。この二千万トンの算出根拠というものにつきましては、私はここで記憶はしておりませんが、年間何日稼働するとか、一日何時間あるいは何回転するとか、すべて細かいデータはございます。しかし一々そういうことをいま記憶はいたしておりませんので御
説明はできませんけれ
ども、もしお求めとあれば非常に細かいデータはバックにはございますが、ともかく二千万トンだと、そして一体
昭和五十五年でその二千万トンが多いのか少ないのかという想定をいたしました。
昭和五十五年の
需要想定はどうやってやるのか。これは主として経済企画庁の中期
見通し、中期計画を前提にいたしまして、そこでいろんな計算をいたしました。マクロエコノミックモデルを使ってやる
需要予測であるとか、あるいは小樽を使うところの建設業であるとかのそういうところの個別の
需要推定であるとか、いろいろなものを算定いたしまして、
結論といたしまして三百九十万トンないし五百五十万トン過剰である。このないしになっておりますのは自信がないからでございます。将来の
見通しにつきまして不確定性が高うございますので、過剰の度合いを少なく見積もれば三百九十万トン、多く見積もれば五百五十万トンだと幅をもって推定をいたしました。しかしながら、万一
昭和四十八年に起こったような小棒
不足というような
事態が起こっては大変だという用心をいたしまして、五百五十万トンではなくて、三百九十万トンをとったわけでございます。この三百九十万トンを平
電炉分と高炉分に分けますと、平
電炉分は三百三十万トンになるということで三百三十万トンが過剰であるというふうな
判断をこの懇談会はいたしておるわけでございます。
次に
アルミニウムでございますが、
アルミニウムにつきましては
需要推定をすることはそんなにむずかしい問題ではございませんが、
輸入量の推定をするということは至難のわざでございます。これは為替相場の動きであるとか海外
市況の動きであるとか等々、非常に複雑な要因がございますので、
輸入がどれくらいになるかということは
判断がきわめてむずかしい。したがいまして、そういう意味での内需量の何といいますか、科学的といいますか、根拠のあるような推定をするということはきわめて困難でございます。そこで
アルミニウムの場合には過剰があることは明瞭でございますから、
業界としてどれくらい一体凍結できるのかと、
業界といたしましては、今度は個別に凍結するということになりますと、総論はともかく各論は非常な苦痛を伴うわけでございますので、耐えられる限度はどれくらいであるかというようなところから、
業界でまあぎりぎりこれくらいはやれますというのを推定いたしますと、三十九万トンというような要凍結量というものが出てきたわけでございます。
以上でございます。