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片山甚市君 大臣はかねてそういうふうな話をしておるんですから、私と
意見が合わないことは事実です。実は
労使と言われるような団体をつくったり、
労働協約を結べるところはよろしいですが、実はそうでないところを
皆さんに守ってほしい。
皆さんと私とは全然違うんです。
労働組合がないようなところ、あるところはほっておきなさい、あんなもの。かってにやっておるんじゃ。いざとなったら、あなた、
労使関係じゃないか、そんなの賃金はかってにやれと、こう言うておるんだから。かってにやれるような
人たちのことは余り考えぬでよろしい、そんなごね得の方は。むしろごねられないやつをしなさい。私はここへ来てずっとそう言っていますよ。あなた
たち知りませんでしょう。私が演説しておるときは、大きい組合のことなど余り気にしないでよろしいと、組合もできないようなところをどうしますのかと、こう言っておるわけなんです。そう言っておるんですよ。あなた
たち、基準法を変えなけりゃ
労使などないところはどうなるんですか。ほっとけと言うんです。それでそういう零細なところは休ますようなことのできる経営体制にせなけりゃならぬ。共同化やいろんなこともやりましょう。そういうことが進まなきゃならぬでしょう。私は
大臣が言われておることは、大きなところについての話し合いは、環境づくりはできるでしょう、
労使の、何とかかんとか言っても。しかし、小さいところ、
労使でないところ、いわゆるおやじと雇われと二人、三人ぐらいのところでは、そんなことは言えませんし、物を言うたらまたひどい目に遭いますよ。そんなことですよ、世の中というのは。
労働組合などつくれて、団体交渉などと言えるところはほんとに日が当たっていますよ。言えないんですよ、言うたら明くる日解散しておるんじゃから、組合が。首切られるんですから、不当
労働行為がどんどん起こるんですから。どんなに苦しくても黙っておれば雇っておってくれるんですから。そんなところに対して、
労働基準法を
改正してくれと言っておるんでありまして、四十八時間のやつでも守られてないところもたくさんある。それを摘発されて何とかなっておると、こういうことでしょう。私きょう申し上げておるのは、あくまでも、大きなところは大きな社会的責任を持って、国際的な場に出れば、
ILOに行って頼んで、何とか
ILOの力を借らなきゃならぬような
日本ではいかぬ。
日本の
労使というものは、資本家もそうだが、きちんと
国内を治めて、
先進国らしい
労働環境をつくってせなきゃならぬが、
日本だけとにかく
ILOへ行って頼んでやらなきゃできぬようになっておる。しかし、それについては先ほどから言うように
意見が違う。
次の
労働基準法については、それはみんなは基準法を変えられたら仕事をせにゃいかぬから、でしょう。いわゆるそのとおり守らなきゃならぬから、できるだけ基準法を変えずに適当にやろうじゃないかという話はわかる。不況だ、倒産だと言っておるんですから。しかし、私は今日ほど仕事を分け合おうじゃないか、一方的な独占はやめようじゃないかというときには、
一つの強制力を持たなければできないことがあるんです。それは
労働基準法変えたら何でもできるなど言いません。環境づくりをせなけりゃならぬ。これは事実です。
労使が合意をせなきゃならぬことも事実です。しかし、それ以前の問題で、それらの枠外にはみ出た相当たくさんの
人たち、三分の二になりましょうか、とにかく組織
労働者が三分の一ぐらいですから、残りのいわゆる三分の二近い
人たちは枠外におるわけです。その
人たちにどうするのかということが、私は責任を問われておると思いますから、何といっても、
意見が違うことを言いながら、ひとつ、しかしそういう
人たちの落ちこぼれがないようにしようという
大臣の考えだと理解をする。私は方法論の違いだと考えております。しかし、不況だ何だと言って、時間外
労働だけふえる。若い人は雇うけれども、年寄りは首切っていくって、それは非道じゃないですか、
大臣。二十年も二十五年も働いた人間の方が首切られて、ついこの間学校出た者が、安いから、しっかりしておるから、若いから、安いんで雇えるからと言って、そんな鬼みたいな企業ばかりじゃないですか。違いますか。あなた
たちはそれは首切られへんからそう思うけれども、われわれの仲間は、私らのような五十五――五十三ぐらいになって、もうしたときに、まだ
生活が安定できないようになっておるのがいまの世の中だ。昔と違うてお金が要るんですよ。昔なら隠居さまですと言って、じっとしておったらよかったけれども、何かもろうたり。そうでならなくなっておる。
精神的にも肉体的にもそうなんです。しかし、疎外されたら、それほどつらいです。これは寝た切り老人が投票権で最高裁へ訴えておって、認められましたけれども、それは投票してきたからあれだけの
権利を言うわけです。生まれながらにして寝た切り老人でないんですよ。ある時期まで自分はどんどんと選挙に参加して投票してきた。寝てしまったら投票する
権利がないということで、裁判所に言うと、もっともだというようになる。私がいま申し上げるのは、どうか、この
労働基準法を形式的に変えてくれというんじゃありません。
労働基準法を変えることの
議論、方法を出すことによって、みんなが引き締まってくる。いわゆる四十八時間すら適用されてない者が、本当にきちんと。四十時間にせなきゃならぬほどの
日本の円高なんだ。国際的な競争ではこれは不公正だと言われておるんだ。
日本の国の円がこれだけ高くなって、これだけになれば、こう言われなきゃならぬ。
国内でそれだけのことを
労使がぐるになって四十時間の制定もできないで、そしてやったって、私は勝てそうもない。
国内の
事情がいろいろありますけれども、国際競争力の基本では
労働時間が基本になりますよ、賃金の問題の前に。やはり、
日本の国がそういう点では
意見があると、こう申し上げる。
大臣がおっしゃることについて全面否定しておるんじゃありませんよ。
意見が違いがある。そして、しかし私は
労働基準法をつくられれば、それによって守ってもらえるのは組織のない者が守ってもらえる。組織のあるのはそれよりもいい
条件を持っておるんです。そうでしょう。持っておるんですよ。付加給付だ、いろんなことでも、いろんな持っておるんです。だから、それ以上言いませんから、特に。
最後に、地場
産業のことについてお聞きします。この間、大阪へ
調査に行ったときに、東大阪市で陳情を受けまして、線材の関連商工業者が非常に困難になって、いわゆる韓国の方へ仕事を持っていってしまって、そこではもうつぶれてしまっておる。そして計画的にもそういうような
状態です。しかし、これはもう御
承知と思いますが、明治の初めというか、明治の前からでもくぎをつくったりいろいろなことをしておったところです。これについての特別の対策をひとつお願いをしたい。この間陳情を受けまして、なるほどこういうように自分の企業を
外国に持っていって、そしていつの間にか倒産させていくという、こういうやり方は納得できないと思うんです。
調査をしておられると思いますから、東大阪の線材関連の事業についての問題について御答弁願いたいと思います。