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安恒良一君 私は財政との絡みのあることも
承知をしております。しかし私は、今日のように
中高年齢者の
離転職が多いときに、私はそういう問題についていつまでもこういう
雇用、
失業状況が続いてはいけないのでありますから、その間に特別にやはり時限的にでも私はそこのところ、
雇用保険の給付が終わってから
離転職訓練に入るというような
状況を直すためにもいわゆる差っ引かない。併給をしていくなら併給をしていくと、こういう中身をいまここで細かく議論をする時間がありませんが、どうかその点について速やかに
関係審議会等に諮問をされて、また、財政当局との
お話も進められて、いわゆる前向きに検討を始めていただきたい、こういうことを、この点については
大臣もまあ検討項目だと、こう言われましたから、ひとつ
お願いをしておきたいと思います。
そこで、今度はさらに含めまして、この
離転職の教育の期間の問題であります。まあこれも
衆議院で
かなりのやりとりがされているようでありますが、私自身も、その後いろいろこの問題について検討してみましたら、大体六カ月という
訓練がいいんだろうかどうか。それはなぜかというと、いま
大臣も言われましたように、たとえば
産業構造から言いますと、
素材型産業から加工型高付加価値
産業へというふうに
転換をしていかなきゃならぬ、もしくは第二次
産業から第三次
産業へというふうに
離転職者は
転換をしていかなきゃならぬと、こういうことにこれはなるわけですね。そういたしますと、たとえば私は、ここに北九州の例を持っているわけですが、これも、この前
労働省に北九州の
雇用状況についてはよく勉強しておいていただきたい、御調査願いたいと言って、もうすでに何カ月かたってますから、あれしていただいたと思いますが、これも一々お聞をしておったら時間がないので、私の方から言いながらお聞きしたいんですが、たとえば北九州の場合には非常に生産性の低い、古い工場が多いわけですね。それから、鉄鋼とか化学、セメントなどの
素材型産業が
中心になっています、北九州の場合は。そして、いま
失業者がたくさん出ているわけです。そしてさらに、炭鉱からの
離職等もして、そしてすでにもう、北九州の工業地帯の工業地盤が低下をしています。かつては、
日本の重化学工業地帯ということで、たとえば
鉱工業生産指数を見ましても、出来高額を見ましても、たとえば鉱工業出来高額で見ますと、全体の八%、こういう時代があったのでありますが、三十年代になると五ないし六%、五十年代になりますと一・三%と、こういうふうに鉱工業の出来高につきましても、出荷額にいたしましても、低くなっているわけですね。ですから、こういうような北九州の場合には、いわゆるいまのままではとても
離転職はきかないわけです。ですから、まず
一つは、その
産業構造自体を
素材型産業から加工型高付加価値
産業へというふうに
転換をしていかなきゃならぬ、
産業構造自体を。これはこれなりでまあ進められる。ところが、いまの場合にいわゆる技能、技術の蓄積がないんです。まず、北九州にはそういう工場もありません。まあただ、たとえばあえて言うなら、加工型高付加価値
産業というのは重電機があります。しかし、ここ自体が人が余っているというような問題があります。そういう工場もありませんが、いわゆる
産業構造
転換をしていくと同時に、そこに働いている労働者のいわゆる技能や技術の蓄積がないんですよ、これは。ですからまず、そこで働いている、
離転職労働者の技能、技術を改めた、いま申し上げたようなところに
転換をしていかなきゃならぬ、そういうやはり教育が必要になる。そうしますと、そういう教育というのが六カ月ということでできるんであろうか。これは
衆議院における
質問の中で、兵庫におけるいわゆる実態調査の中で、多くの現在受けている人が、できれば一年、
経済情勢が許せば一年八カ月ぐらいの
訓練を受けたいと、こういうことが言われて、これは
衆議院でやりとりがされていますが、私は北九州の実情だけを実態調査をしましても、もともと
素材型産業で働いておった労働者を、今度は加工型高付加価値
産業へ
転換をさしたり、もしくは第三次
産業へ
転換させる場合、しかも中高年齢層でありますから、これは若い高校を出たり、大学を出た、中学校出た人、これは適応能力早いわけです、率直なことを言って。ところが、中高年齢層ということは大体
かなり頭は固まってます。たとえば、第三次
産業へ移すということになると、サービス
産業へ移すというと、いままでは主として肉体労働、もしくは若干いわゆる素材型技能を持っておった、技術を持っておった、それを今度はまるっきり第三次
産業に
転換をしていくために、新しくするために、六カ月というこの
離職職者の期間については私は非常に問題があると、こう思いますが、これらの問題点について、いま申し上げたように
一つの例を北九州で私は挙げながら
質問をいたしましたので、そういうことについての
考え方を明らかにしてもらいたい。