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1978-01-25 第84回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和五十三年一月二十五日(水曜日) 午後一時十七分開会
—————————————
委員
の
異動
十二月二十日
辞任
補欠選任
柳澤 錬造君
柄谷
道一
君 十二月二十二日
辞任
補欠選任
佐藤
三吾君
小山
一平
君 一月十二日
辞任
補欠選任
青木
薪次
君
矢田部
理君 一月十三日
辞任
補欠選任
矢田部
理君
青木
薪次
君 一月二十四日
辞任
補欠選任
柄谷
道一
君
木島
則夫
君 一月二十五日
辞任
補欠選任
松本
英一
君
勝又
武一
君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
村田
秀三
君 理 事 遠藤 要君
青木
薪次
君 太田 淳夫君 小巻 敏雄君 委 員 青井 政美君
古賀雷四郎
君 坂野 重信君 戸塚 進也君
勝又
武一
君 村沢 牧君 原田 立君
木島
則夫
君 江田 五月君
国務大臣
国 務 大 臣 (
国土庁長官
)
櫻内
義雄
君
政府委員
通商産業省立地
公害局長
左近友三郎
君
建設省河川局長
栂野
康行
君
事務局側
常任委員会専門
員 森 一衞君
説明員
国土庁長官官房
審議官
四柳
修君
気象庁観測部参
事官
末広
重二
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
災害対策樹立
に関する
調査
(一九七八年
伊豆大島近海
の
地震
による
被害
に 関する件) ○
委員派遣承認要求
に関する件
—————————————
村田秀三
1
○
委員長
(
村田秀三
君) ただいまから
災害対策特別委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 昨年十二月二十日、柳澤錬造君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
柄谷道一
君が
選任
されました。 また、昨年十二月二十二日、
佐藤
三吾君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
小山一平
君が
選任
されました。また、昨日、
柄谷道一
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
木島則夫
君が
選任
されました。 また、本日、
松本英一
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
勝又武一
君が
選任
されました。
—————————————
村田秀三
2
○
委員長
(
村田秀三
君) 次に、
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い、
理事
が一名欠員となっておりますので、この際、
理事
の
補欠選任
を行いたいと思います。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
村田秀三
3
○
委員長
(
村田秀三
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
青木薪次
君を指名いたします。
—————————————
村田秀三
4
○
委員長
(
村田秀三
君)
災害対策樹立
に関する
調査
を議題といたします。 この際、一九七八年
伊豆大島近海
の
地震
による
被害
について、
政府
から順次
報告
を聴取いたします。
櫻内国土庁長官
。
櫻内義雄
5
○
国務大臣
(
櫻内義雄
君) 今回の
伊豆大島近海
の
地震
による
被害
と
対策
の
概況
について御
報告
いたします。
伊豆大島近海
においては、小規模な
群発地震
が続いていましたが、一月十四日十二時二十四分に
マグニチュード
7の強い
地震
が
発生
し、
伊豆大島
、
横浜
で
震度
五の強震、
東京
、
静岡
、
石廊崎等
で
震度
四の中震など、広い範囲にわたって強い
地震
動を感じ、
東京
、
静岡
などの
太平洋沿岸
で小規模な
津波
が
観測
されております。この
地震
の
余震
はなお続いておりますが、
気象庁
の
発表
では、次第に鎮静化するとのことであります。 今回の
地震
による
被害
の詳細については、後ほど
政府委員
より説明いたさせますが、
伊豆半島
を
中心
に
がけ崩れ等
による
死者
・
行方不明者
二十五名、
負傷者
百七十八名、
家屋
の
全壊
八十八戸、
道路損壊
千五十三カ所等の
被害
が
発生
しております。また、天城湯ケ島町所在の
持越鉱山
から
鉱津
が
流出
し、
持越
川及び
狩野川
に
シアン汚染
が
発生
いたしました。
政府
は、十六日、一九七八年
伊豆大島近海
の
地震非常災害対策本部
を設置し、
国土庁長官
及び
自治大臣
を
現地
に
派遣
いたしました。 また、十七日に第一回
本部会議
を開催し、
被害状況
の
把握
に努め、
行方不明者
の
捜索
、
幹線道路
の
応急復旧
、
上水道
の
復旧等
に全力を挙げるとともに、
被災地
の
実情
を的確に
把握
するための
政府調査団
の
派遣
及び
持越鉱山
の
鉱津流出
に対する
応急措置
を
検討
するための
政府技術調査団
の
派遣
をいたしました。
政府調査団
は、十八日、
災害
がはなはだしかった
河津地区
を
中心
に
被災地
を
調査
するとともに、地元の
要望
を聞き、
災害復旧
の早急な
完了等
について意見をまとめ、また、
政府技術調査団
は、同じく十八日、
持越鉱山等
を
調査
して
流出鉱津対策
について
報告
をいたしております。 これらの
報告
を踏まえて、昨二十四日、第二回
本部会議
を開催し、緊急に講ずべき
措置
として、
幹線道路
の仮
復旧
、
持越鉱山
の
扞止堤
の二重
鋼矢板
による
締め切り等
を、また、今後速やかに
検討
して結論を出すべき
施策
として、
局地激甚災害
の
指定等
を決定いたしたところであります。 今後は、これらの
施策
の遂行に万全を期し、もって民心の安定を図る所存であります。
村田秀三
6
○
委員長
(
村田秀三
君) 次に、
末広気象庁参事官
。
末広重二
7
○
説明員
(
末広重二
君) 今回の
伊豆大島近海
の
地震
について御
報告
申し上げます。 まず、
地震
の
発生状況
でございますが、一月十三日午後八時三十八分から
伊豆大島近海
に人体に感ずる
地震
が
発生
し始めまして、翌日、十四日の午前八時十二分からは比較的大きな
地震
が連続的に
発生
いたしました。この
大島付近
は、ほとんど毎年
地震
が群発するところでございまして、昨年も十月九日から十二月十一日まで
有感地震
三十回を伴う
群発地震
がございました。 今回の
地震
は、例年の
群発地震
とやや異なっておりまして、それぞれの
地震
が大きかったこともありましたので、十四日午前十時五十分に、多少の
被害
を伴うおそれがあるという
情報
を
発表
いたしました。午後零時二十四分になりまして大きな
地震
が
発生
したわけでございまして、この
震源
は
伊豆大島西方近海
で、
マグニチュード
は7、
大島
、
横浜
で
震度
五を
観測
いたしました。 この
地震
に対しまして、海底で、海の下で起こりました
地震
でありましたので、
津波注意報
を茨城、千葉、
東京
、神奈川、
静岡
各県の
沿岸
に
地震
の
発生
後七分の午後零時三十一分に、また、
紀伊半島
及び
四国南岸地域
には十八分後の午後零時四十二分にそれぞれ
発表
いたしました。
津波
につきましては、
伊豆大島
で三十五センチメートル、館山で十二センチメートル、潮岬で五センチメールの
津波
を
観測
いたしましたが、幸い
被害
はございませんでした。
余震
は、
震源
から西北西に直径約四十キロメートルの横に長い、東西に長い楕円の中で、お配りいたしました
資料
にございます表のような
経過
をたどりまして、一進一退しつつも全般的には減少の傾向を示しております。 次に、
経過
と私どものとりました処置について簡単に御
報告
申し上げます。
群発地震
の開始が一月十三日の午後八時三十八分。十四日の午前十時五十分に、いま申し上げました
地震情報
の第一回を
発表
いたしました。そして午後零時二十四分に本震であります
マグニチュード
7の
地震
が
発生
したわけであります。七分後の零時三十一分に
津波注意報
を
発表
、これは
関東南岸
に対してでございます。十八分後の午後零時四十二分に
紀伊半島
から
四国南岸
に対して同じく
津波注意報
を
発表
いたしましたが、申し上げましたような若干の
津波
を
観測
しただけで現象はなくなりましたので、午後二時十五分
津波注意報
は解除いたしました。 翌日の一月十五日に
地震予知連絡会関東部会
が開かれまして、今後の
見通し
などについて
検討
されました。さらに、一月十九日から二十一日にかけまして、
気象庁職員
を
現地
に
派遣
いたしました。さらに、一月二十日には、毎日の
伊豆大島
で
観測
されております
有感地震
、体に感ずる
地震
の回数を
地震情報
として、各
関係機関
及び報道を通しまして
地域住民
の方にお知らせすることにいたしまして、現在続行しております。さらに、同じ日、
地震予知連絡会関東部会
が再度開かれまして、今後の
地震
の
推移等
について、
観測
結果をもとにした
検討
がなされたわけでございます。 最後に、今後の
見通し
について申し上げます。 今回の
地震
の
余震
は、全般的には
——資料
の四ページにありますように減衰してまいりましたし、今後もその
経過
をとると存じますが、その間には一進一退の
活動
を示すと思っております。したがいまして、そういった
余震活動
も当分続くと判断されますので、引き続き注意することが必要であると考えております。 以上をもって
報告
を終わります。
村田秀三
8
○
委員長
(
村田秀三
君)
四柳国土庁審議官
。
四柳修
9
○
説明員
(
四柳
修君) お
手元
にお配りいたしました
資料
を
中心
に、
被害
の
状況
と
建設関係
及び
シアン関係
を除きました
対策
につきまして簡単に御
報告
申し上げます。 ただいま
気象庁
の方から御
報告
がございましたように、今回の
地震
につきましては、局地的ではございますけれども、地盤の悪い
伊豆地方
で比較的
震源
の浅い
地震
であったと、このために
被害
が
予想外
に大きかったという特色があろうかと思います。 人的な
被害
につきましては、
死者
・
行方不明者
合わせて二十五人でございますが、このうち、自動車の中でお亡くなりになった方が十一人いらっしゃいます。それから
家屋等
の中でお亡くなりになった方が、行方不明の方も含めまして十一人
おいで
でございます。ただ、この十一人の
方々
は、
家屋
の倒壊が直接
原因
ではなくて、
家屋
の周辺の
崩土
によります、つぶれたあるいは流されたという形の
被害
でございます。その他の
原因
の方が三人
おいで
でございます。
建物等
の
被害状況
が、そこに
全壊
、流失以下各
数字
が載っかっておりますが、その大部分が
災害救助法
の
発動
がございました
東伊豆
町及び
河津
町でございます。 昨日零時現在、
静岡
県の方から
報告
をいただいております
被害
の概算の
数字
が、二百億という
数字
をいただいております。このうち
道路関係
が、公団、公社の分も含めまして七十一億、それから観光・
サービス業関係
の
方々
が五十億、
農林水産関係
の方が三十八億、それから
商工業関係
が二十五億、その他
水道
あるいは学校、港湾、
漁港等
の
被害
がございます。 これらに対します
対策
につきましては、お
手元
の
資料
にございますように、
静岡
県あるいは
関係市町村
で直ちに
災害対策本部
を設けましたし、国の
非常災害対策本部
の設置につきましても、先ほど
長官
の方から御
報告
申し上げたとおりでございます。 また、
災害救助法
の
発動
は、特に
被害
の著しかった
東伊豆
、
河津
の二町でございます。特に、今回の場合には、多量の
崩土
によりまして人的な
被害
がございましたものですから、この
方々
の救出あるいは御
遺体
の
捜索
のために非常に多数の
自衛隊
の
方々
、あるいは警察の
方々
、
消防団等
の
方々
が御出動いただきまして、二十三日までの
報告
でも、これらの
方々
を合わせましても約三万三千人ぐらいの
方々
が出ておられます。 それから、
関係施設
の
被害
の
状況
、あるいはその
復旧
の
状況
でございますが、先ほどちょっと触れましたように、
水道
につきましては、
東伊豆側
の方で本管が
流出
したため一部断水になりまして、そのために
自衛隊
の
給水車
、
給水艦
の御援助によりまして、主な
地域
につきましては一応
完了
はいたしておりますが、なお、一部の
地域
につきまして、抜本的な
対策
が必要なところがございます。 それから、
住宅
をおなくしになった方、あるいは
関係
の
中小企業者
、あるいは
農民等
に対します
救済融資
の問題、あるいはは過去の借金の返済の
問題等
も、それぞれ
関係省庁
一応対応の
措置
をとっております。あるいは、御案内のように、
地震
によりまして電気、
通信等
も一部
被害
を受けましてとまったところもございますが、現在はそれぞれ旧に復しております。 その他、今後の
緊急措置
としましては、やはり不通になっております
道路
、
伊豆急等
の
交通網
の
確保
の問題、さらには
関係公共施設
の
応急復旧
なり
早期査定
の問題、あるいは急傾斜地の
対策
の問題、それぞれ各省緊急の
措置
をとっておるところでございます。 なお、今後の
検討事項
といたしましては、
局地激甚災
の
指定
の問題、あるいはやはり
関係地域
におきます
がけ地
に近接しておられます
危険住宅
の
移転
の問題、さらには
国税等
の
申告期限
の
延長等
の問題がございますが、いずれも通常の
災害ベース
でそれぞれ各
省庁
検討
しておるところでございます。 以上、簡単でございますが御
報告
いたします。
村田秀三
10
○
委員長
(
村田秀三
君)
栂野建設省河川局長
。
栂野康行
11
○
政府委員
(
栂野康行
君) お
手元
の
資料
を
中心
に、今回の
地震
によります
災害
とその
対策
につきまして
概要
を御
報告
申し上げます。 今回の
地震
は、
伊豆半島
の各地におきまして
道路
などに甚大な
被害
をもたらしました。
建設省所管
の
被害
の
概要
でございますが、現在までに判明したところによりますと、
公共土木施設災害
としましては、総額七十五億一千万円、そのほとんどが
道路
でございます。
都市災害
では五千四百万円、
住宅災害
では全半壊五百八十六棟、
がけ崩れ
につきましては十一カ所の
被害
に達しております。これらの
災害
のうち、特に
被害
の激甚であった
個所
は、
東伊豆有料道路
を含みます
一般国道
百三十五号及び
主要地方道修善寺
−
下田線等
でございます。 これらに対します
建設省
の
対策
といたしましては、まず、
地震災害
の
発生
後直ちに係官を
現地
に
派遣
しまして、
被害状況
の
調査
及び
応急復旧工法等
の
指導
に当たらせますとともに、
政府調査団
並びに
技術調査団
の一員としまして、それぞれ係員を
派遣
したところでございます。
地域住民
の生活を緊急に
確保
するための
交通
の
確保
でございますが、
一般国道
百三十六
号並び
に
主要地方道下田
−
松崎線
、
一般県道下田
−
港線
を早急に開通させますとともに、特に
被害
の激甚でございました
東伊豆有料道路
につきましても、
復旧資材
及び
救援物資等
の輸送のための
緊急車
は通行可能としたところでございます。また、そのほかの路線につきましても、鋭意その
復旧
に努めているところでございます。 このように、緊急に
復旧
を要する
個所
につきましては、
応急
仮
工事等
を実施しますとともに、
地方公共団体
の
準備完了
を待ちまして早急に
災害査定
を実施し、
災害復旧
に当たりたいというふうに考えてございます。 次に、今回被災された
方々
の
住宅復興
の問題でございますが、それを早急に
復興
を図るため、まず、
住宅
金融公庫の
災害復興住宅資金
の貸し付けを行うとともに、
がけ地近接危険住宅移転事業
につきましても、その対象となります
被災状況
の
把握
に努めるとともに、あわせまして
住民
の
移転希望
の
調査
を行いまして、その
要望
に基づきまして
事業
の推進を図ることとしております。 以上、簡単でございますが御
報告
を終わりたいと思います。
村田秀三
12
○
委員長
(
村田秀三
君) 次に、
左近通産省立地公害局長
。
左近友三郎
13
○
政府委員
(
左近友三郎
君) 今回の
地震
に伴います
持越鉱山
の
鉱滓流出事故
に際しまして、各方面にいろいろ御心配をおかけいたしましたことについて、はなはだ遺憾に存じております。 お
手元
にお配りいたしました「
中外鉱業持越鉱山鉱さい流出事故
について、」という
資料
に即しまして御説明申し上げます。 「一、
概況
」でございますが、一月十四日の
伊豆大島近海地震
の
発生
と同時に、
持越鉱山
のほうずき
沢堆積場
の第一
扞止堤——
約三十メートルの高さがございますが、これの上部約十四メートルが
堤長
約百メートルにわたって崩壊し、
鉱滓——
大体四十八万立米あると考えられますが、そのうちの約八万立米が
流出
し、
持越
川を経て
狩野川
に流入したわけでございます。
鉱滓
には製錬に使用した
シアン
が含有されておりまして、
河川
を汚染したわけでございます。このために
下流
の
修善寺
町と伊豆長岡町では、十四日から同
河川
からの
上水道
の取水を停止しました。
修善寺保健所
において
水質
を監視しております。
水質
の
状況
は、
狩野川本流
の採
水点
の最
上流個所
の遠藤橋では、十五日午前八時
シアン濃度
一・二六PPmであったものが、十七日午前八時以降検出されずということになっております。それ以後は
狩野川本流
では
シアン
は検出されておりません。 この
鉱滓
の
流出
により、同
堆積場下部
の
ポンプ小屋
にいました
鉱山労働者
の方一名が行方不明となられました。この
捜索
のために、連日百数十名の
作業員
を導入して、
ポンプ小屋
を
中心
に
土砂排除作業
を行っておりましたけれども、二十日の午前十一時に
遺体
となって発見されました。一方、十五日、これは
余震
でございますが、強い
余震
によりまして亀裂が入った第二
扞止堤
からは、同日午後一時ごろ
鉱滓
が
流出
し始めまして、約三千立米
流出
いたしましたが、これはのりじりから約百メートル
下流
で
流出
はとまっております。これはそれ以下の
下流
には落ちなかったわけでございます。 次が、
応急工事
の
進捗状況
でございます。 第一
扞止堤
からの
鉱滓
の再
流出
を防止するために、十六日未明から仮
扞止堤
の
構築工事
に着手いたしまして、同
扞止堤
は十七日午後五時ごろ一応完成を見ました。 第二
扞止堤側
の
鉱滓
の
流出
は自然にとまっておりますものの、これ以上の
流出
を防止するための仮
扞止堤——土のう積み
でございますが、これの築堤及び
しがらみ——流出
を防止するさくでございますが
——
の施工を、十六日から
自衛隊
の
協力
を得て開始し、仮
扞止堤
は十七日午後三時、
しがらみ
は十八日十二時に完成いたしました。 仮
扞止堤
につきましては、
政府
の
技術調査団
の
報告——
これは十八日になされたわけでございますが
——
に基づきまして、今後の
余震
や降雨による
鉱滓
の再
流出
の危険に備えるため、
鋼矢板
の打ち込みによる
補強工事
が必要と判断されましたために、
通産省
の
指示
によりまして二十一日から
補強工事
の
準備
が開始され、現在
土質調査
のための
ボーリング作業
を始めているところでございます。 第三は、当
通産省
のとりました
措置
でございます。
災害発生
後、
東京鉱山保安監督部長外
五名が
現地
に急行し、現在も
現場
で
原因
の究明及び
対策
の指揮に当たっております。 また、一月十六日には、
立地公害局
の
鉱山課長
らが
静岡県知事
とともに
現地調査
を実施しており、十七日には
応急工事
の
指導
のために、埼玉大学の助教授、これは
土質工学
の先生でございますが、
吉中龍
之進さんとその他の方を
現地
に
派遣
しております。 それから、一月十八日には、
応急対策
を確立するために、
政府
の
技術調査団
が
鉱山災害現地
に
派遣
されまして、当省からも
鉱山課長外
四名が参加をいたしております。 それから一方、一月十八日に、
鉱山保安監督部局長会議
、これは
全国
の
部局長会議
でございますが、これが開催されておりましたので、
立地公害局長——
私から、
事故
の
状況
を説明するとともに、
全国
の
堆積場
のうちに早急に
検査
をすることが必要と認められるものについて重点的に
検査
を行い、
報告
するように
指示
を行っております。 十九日には、
立地公害局長
は
鉱業権者
に対しまして、以下の四点を口頭で
指示
いたしました。 この時点ではまだ
行方不明者
が発見されておりませんので、まず、
行方不明者
の
捜索
に努めることというのが一点でございます。次は、
堆積場
の
応急補強工事
を実施すること。これは先ほどの、例の
鋼矢板
の打ち込みの
工事
でございます。第三点が、本
堆積場
以外の
使用済み
となっている
堆積場
の
安全性
を
ボーリング等
により確認することということでございまして、
使用済み堆積場
が二カ所ございますので、これについて
安全性
を確認をするということを
指示
しております。第四点が、
河床
に堆積した
鉱滓
については、早急に鉱害の防止を図るための方策を確立することという、この以上の四点を
指示
いたしました。 二十日には、直接
監督
の任に当たっております
東京鉱山保安監督部長
が、
鉱業権者
に対し、上記(6)と同趣旨の
指示
を文書によって行っております。 二十二日には、
立地公害局長
と
官房参事官
が
現地
に参りまして、
河川
に堆積しております
鉱滓
の
除去工事
につきまして、
知事
さん初め
現地
の町長さん等の
自治体
の方と協議をいたしまして、
工事
は
自治体
の
協力
を得て
現場
で一部
作業
が開始される手はずになってまいりました。 それから、二十四日開催されました第二回の
災害対策本部会議
で、
持越鉱山
の
鉱滓堆積場
について
鋼矢板工法
で
補強工事
をさせることと、
持越
川の
河床
に堆積しておる
鉱滓
を
早期
に除去させることを決定いたしました。 なお同
会議
では、
持越鉱山
の
対策工事
については、その
緊急性
にかんがみまして
関係
各
省庁
の一層緊密な
協力
を得るとともに、必要な
資金
の
確保
に努めるなどの
対策
を推進することをあわせて決定いたしました。 現在、
事故原因
を
調査
するための
学識経験者
を
中心
とする
事故調査委員会
の発足の
準備
を進めておりますが、大体今週末に第一回の会合を開く段取りになっておりまして、来週には
現地
に
調査団
を
派遣
することができるというふうに考えております。 このような実際の
調査
をやりました上で、もし必要と認められますならば、従来やっておりますこういう
堆積場
の基準についても見直しを行って、それに伴いまして
全国
の同種の
施設
についても必要な
対策
を講じたいというふうに考えております。 なお、
水産
のことでございますが、
現地
で
知事
さんから聴取いたしましたので御
報告
申し上げますが、
水質調査
は、
狩野川
のみならず
狩野川
の河口から先の
海域
についても実施しておりますが、
海域
につきましては当初から
シアン
は検出しないということになっておりますので、現在のところ県から伺いましたところでは、
海域
の魚類についての影響は見受けられないということでございました。 以上で御
報告
を終わります。
村田秀三
14
○
委員長
(
村田秀三
君) どうも御苦労さまでした。 以上で
報告
を終わります。なお、本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
—————————————
村田秀三
15
○
委員長
(
村田秀三
君)
委員派遣承認要求
に関する件についてお諮りいたします。 一九七八年
伊豆大島近海
の
地震
による
被害
の
実情調査
のため
委員派遣
を行いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
村田秀三
16
○
委員長
(
村田秀三
君) 御
異議
ないと認めます。 つきましては、
派遣委員
、
派遣期間等
の決定は、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
村田秀三
17
○
委員長
(
村田秀三
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十七分散会