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参考人(
小岩忠一郎君) 私は
仙台市の第一
助役をいたしております小岩でございます。御質問に答える前に一言御礼を申し上げたいと思います。
このたびの
災害につきまして、櫻内大臣初め国の各機関の
方々に早速現地を
視察いただきまして、また市民の
被害者の諸君に温かい同情とまた激励の言葉をいただいて非常に感謝をいたしておるのでございます。また衆参両院の議員の方でも早速
視察団を派遣していただきまして現状をつぶさに
調査をいただき、さらにまた今回のような
委員会でいろいろ御研究、御検討いただいて、この
災害被害を救済していただくという方途につきまして、全市民にかわって厚く御礼を申し上げたい、かように思うのでございます。また、全国各地方、各市、各機関から温かいお見舞い、同情をいただいておるのでございまして、これまた感謝にたえないのでございます。
ただいま御質問ありました
被害のうちで、特に
住宅被害について若干申し述べたいと思うのでございますが、
仙台市は従来
災害の少ない都市だと、こういうことで市民も至って安心をしておったようなことでございますが、今回ほど強い
地震は
記録によりますというと明治三十年以来だ、八十年以来の大
地震だ、こういうことでございます。したがいまして、その
被害も想像以上でございまして、完全に使い物にならない
住宅というものも相当多いのでございまして、
調査では三百九戸となっておりますが、農家等
半壊のように見えましても主柱になる一尺角ぐらいの柱が折れておるというようなことで、だんだん調べますというと、これは修理も何もきかないというような家屋が非常にふえておるのでございます。したがいまして、お手元へ差し上げました
被害状況に書いておるような
数字をだんだん日がたって精細に調べますというと、これらがさらに大きくなっておるということを申し上げなければならぬ、かように思うのでございます。
半壊家屋二千二百あるいは一部
損壊三千八百、こういうふうにございますが、全市の家庭におきまして
被害のない家庭というのはないのでございます。たとえば
被害とも言えないというような気持ちでおります
屋根がわら、これをちょっと修理させようと思うと二十万円ぐらいすぐかかります。あるいはまたふろ場、そういったようなところのタイルがみんなはがれてしまった、そういうのもやはりちょっと見てもらって調べますというと十五万円ぐらいすぐかかる。こういうふうなことでございます。全戸そういう
状況でございますから、
仙台市だけで申し上げまして二十万の世帯でございますが、仮に十五万円平均の
被害といたしましても三百億、あるいは二十万円とすれば四百億、こういうふうな金額になるわけでございます。さらに
全壊あるいは大きな損害を受けた家屋の損害というものを合わせますというと、これらのものはもっともっと大きくなるだろう、かように思っております。
仙台市ではこの家屋の損害
調査につきまして毎戸に
調査票を配りまして、その集計に当たろうといまやっておるところでございます。月末ぐらいには集計があるいはできるのではないだろうか、電算機にかけまして集計いたしますから、案外早く結果が出ると思いますが、恐らく一般家屋の
被害だけでも非常に大きな額に達するのではないかと想像いたしておるわけでございます。そういうような意味合いにおきまして、私どもこの家屋
倒壊あるいは
破損のもの、まあ軽微なものについては別といたしまして、
〔理事
村沢牧君退席、
委員長着席〕
大きな家屋の損害、住むに住居もいまなかなかないというようなところに対しては仮設
住宅を急いでつくろうというようなこと、あるいは場所によってはまた一雨来れば非常に危ないというような、避難を希望しておる市民もかなりおりますから、そういう仮設
住宅をつくろうということもいたしております。
私どもは、そういう意味で個人の家屋に対する
復旧の資金というものを何とか大幅にひとつ考えていただけないものかと、
住宅金融公庫等でもいろいろ配慮していただいておるわけでございますが、これらの限度もいま考えておるようなものではとうてい足りない、やはりこれを倍額ぐらいにひとつ思い切ってふやしてもらう、少なくとも今回の
災害については激甚災並みの扱いをしていただいて、いろんな便宜を図っていただきたいということが私どもの願いの一つでもございます。
そういったような点、さらにまた二次
災害が出まして、これから撤去しなきゃならぬような
住宅がかなり出てまいっております。このお配りしました資料の中でも、緑ヶ丘地区等で見ますというと、急いで撤去をしなきゃならぬところの戸数が約八十二戸、それから、雨が降ってきて危険な、いずれは撤去しなきゃならぬだろうというのが百九十戸ほど緑ヶ丘でございます。そのほかに源新田地区とそれから北根の方の黒松地区、そういったようなところにも大体百十戸ぐらいそれに類したものがございます。集団移転に対して
政府の資金を
援助するやり方がございますが、これらがうまく
適用できるものかどうか、私どももいろいろ御
指導いただきたいと思うのでございますが、四分の三国の方から補助をいただいてやるというようなことでございますが、残り四分の一といたしましても、これは二五%でございますが、仮に五十億、百億とかかるような、そういう
住宅の集団移転というようなことになりますと、相当の多額の市費負担にもなるわけでございます。この法律では、市または大きな場合には県というふうに、選択的な運用の仕方があるようでございますが、私どもといたしましては、この点については、国、県、市が一体になって処置していただくというようなやり方で、ぜひこれを実現したいものだと、かように思っております。
先ほど話がありましたように、緑ヶ丘地区等においては、二次防災のために健全あるいはりっぱな家をシャベルでぶつ壊す、あるいは崩れかかった土砂を排除するというようなことをやっておるわけでございます。そういったようなものもひとつこの枠の中に入れて補償あるいは宅地及び家屋の買収ということを考えて救済しなきゃならぬのではないだろうかと、かように思っておるところでございます。どうかそういう点につきましても、十分御
指導、御検討いただきまして、これらがうまくいきますように、また将来にわたってこういう
災害が長く心配の種を市民の間に残さないような
措置ができるようにお願いしたいものだと、かように思っておるのでございます。よろしくお願い申し上げます。