○沓脱タケ子君 だから、当初申し上げておりますように、私もまだ十分
検討はしておりませんけれ
ども、私
どもが、専門家でもないのが見た限りでもそういうふうに問題点として感じられる、そういう一点がそれだと、こういうふうに申し上げておる。
もう一点は、これは専門
委員会の指針値が年平均値〇・〇二ないし〇・〇三PPmという幅を持たせたという答申ですね。これは疫学
データ上の制約があるんだというふうに御説明になっているんですが、これも、私
ども判断をしますと非常に何か意図的な感じがせざるを得ないんです。これはまあ私
どもの
判断ですから、なぜそういうふうな
判断になるかということをちょっと申し上げたいんですが、産業構造
審議会のNOX
汚染防止対策小
委員会の言う社会的経済的
費用や技術的実現可能性の限界点として
提案されているNOXの仮想環境濃度というのは五〇PPb、つまり日平均値に換算しますと〇・〇五PPmと合うわけですよね。これはうまいこと、ようどんぴしゃりと合うたなという感じがするわけです。というのは、今回の
環境庁への専門
委員会の報告を見ますと、年平均値〇・〇二ないし〇・〇三PPm。これを見ますと、日平均値に換算をいたしますと、これは〇・〇四ないし〇・〇六PPmになるのですね。これ、足して二で割ったら〇・〇五PPmとなるのですよ。そうしたら、産構審が言うておる数字と全くどんぴしゃりということになるわけです。こういう点で非常にこれは産構審の御要望にどんぴしゃりと合わせるようなことになったなあというふうに受け取れるわけです。
しかもこれは、通産省の産業構造
審議会産業
公害部会NOX
汚染防止対策小
委員会というのは、メンバーを見たら、これはいまの
公害行政の
一つの縮図と思えるようなことなんですね。その小
委員会のメンバーを拝見してなるほどなというふうに思いましたのは、そのメンバーは二十一人になっておりますが、電気事業連合会副会長の正親見一さん、それから日本
自動車工業会会長の豊田栄二さん、石油化学工業協会副会長の今井善衛さん、それから石油連盟政策
委員長の加藤正さん、経済団体連合会環境安全
委員長の古賀繁一さん、日本鉄綱連盟立地
公害委員長の徳永久次さん、さらに京都商工会議所専務理事の島津邦夫さん、日本開発銀行理事の渥美謙二さん、それから日興リサーチセンター理事長宍戸寿雄さん、そのほか大学教授、新聞論説委員、経済評論家というような方々によって構成をされているわけです。
で、この小
委員会が言っておる、経済的、技術的にぎりぎりの限界点まで規制したとしても、限界点は五〇PPbだと、すなわち日平均値〇・〇五PPm、このレベルまでの規制に必要な対策
費用は非常に大きくて、限界点における対策
費用は、投資額を五十一年から六十年の累計積算で一兆九千億、年間経費で九千四百億。膨大な
費用となる。しかもこの限界点五〇PPb前後において、わずか数PPb引き上げるために要する対策
費用というのは約三倍に増加する。で、どんなにがんばってみても日平均値〇・〇五PPmのレベルまで下げるのが限界だという報告書を出しているわけですね。これは御
承知のとおりです。
こういうふうな、いわゆる産業界そのもののメンバーの網羅された産業構造
審議会の小
委員会で、資本家側の
意見を集約して理論づけたこの報告書、つまり、経済的、技術的に実現可能な限界点は日平均値で〇・〇五PPmのレベルだと、こう言うているわけですが、全くこれとどんぴしゃりになるのですね、今度の指針値を換算していきますと。これは〇・〇四ないし〇・〇六という幅を持った書き方にはなっておりますけれ
どもね、実際には。しかし、足して二で割ったら〇・〇五、産構審の御要望
どおりの数値になる。これは国民はちょっと理解しにくいです、こういうふうにどんぴしゃりとなりますと。こういう点について
局長はどういうふうに
考えられますか。