○沓脱タケ子君 これは、私、ちょっと反論もしたいんですけれどもね、実は、持ち時間がもう過ぎているんですね。だから、なかなか詳しく申し上げられませんけれども、しかしいまでも、現在の未公開の
資料の中でも、たとえば
SO2もあるいは浮遊粉じん、浮遊粒子状物質ですか、それが
環境基準以下という、あるいは
環境基準程度という
段階で、
NO2がどのくらいの濃度レベルで
有症率が上がってくるかというこれは報告書が出ているでしょう。これによると、
年平均値〇・〇一四から〇・〇二二ppm以上ということになってきているわけですね。私は、総括的という御
判断あるいは御
意見というものを
前提にしていろんなことをおっしゃるのだけどね、お使いになっておられる四つの
疫学調査を、いわゆる科学的に
専門委員会で解析をされている
データ等は、これは私ども全部知っているわけじゃないですから、四月の
段階は私ども独自にやってみていたわけですが、しかし、その後常俊教授を中心におやりになったという分析等を拝見しても、そういう、いま
局長がおっしゃっておるようなふうに全く理解はできないわけです。いわゆる科学として理解ができない。そういうことになってきますと、その〇・〇三ということが本当に、科学科学と振り回されるけれども、科学的な論証にたえ得るのかどうかというのは私どもがいままで知り得た論議の中ではこれは了解できないわけですよ。
そこで、私非常に問題だと思いますのはね、それは確かにいろんな
意見の方がおられるわけですね。
専門委員会の中では、〇・〇五と主張する方もおる、〇・〇四と主張する方もおると。それを非常に強く主張されるという方々がたまたま、いろいろと問題になっておる
公害企業からいわゆる
研究費等をもらっていた人が、たまたまそういうふうに
発言をしているということが問題になっているわけですね。こういうことが問題になってまいりますと、これはやっぱり
専門委員会での議事要旨だとか論議の
内容だとか、会議録だとかというもの、あるいは提出された
資料一切拝見しなかったら、
局長のすらすらと言う御答弁だけ伺っていても、了解しにくいわけですよ。
その点で、
委員長、これだけ問題になっておるわけですから、ひとつ関係
資料ですね、会議録あるいは提出された
データ、解析された結果、
資料だとか報告書だとか、そういったものを一切御提出をいただきたいと思うんです。といいますのは、残念なことに、自動車排ガス五十一年
規制のときの
専門委員会では、あれはいわゆる加害企業のずばりそのものが
専門委員に入っておったということで大問題になったわけですけれども、今回も、姿は違うけれども、そういう加害企業から
研究費をもらっておられるという方々、そういう方々がこれは残念なことに
専門委員になっておられる。少なくともこれほど厳しい、
公害対策上きわめて重大な
基本問題を論議する場合には、これは私、
研究費をもらっているからどういう仕事をしているかというのは十分承知しませんけれども、少なくとも、その加害企業とは独立した存在での方々によって
審議をされるという
専門委員会なりあるいは
中公審の
構成なりというものが、もう国民からきわめて強く要望されているところなんです。五十一年
規制のときの問題以後、そういった点については強い国民の要求になっているわけですが、そういう点では非常に残念な事態が幾つか出てきております。
きのうも問題になりましたが、
鉄鋼連盟が直接買収にまでいっているという点での確度の高い情報まで実は私ども伺っておりますが、そういうことになってきますと、いま国民の健康を守っていくのか、あるいはそういった鉄鋼、自動車等の加害企業の要望に従うのか、こういうスタイルで国民は注目をしているわけです。その点が、そういった点がないということをずうっと解明しておられるんだから、少なくとも国民の前にこの疑問を、疑点を解く責任が
環境庁にあると思いますよ。そういう点では、関係
資料は一切当
委員会に出していただきたいと思いますし、問題にあげつらわれております慶応大学の外山医学部教授、それから香川東海大医学部助教授、それから柳沢三郎慶応大学工学部教授、それから群馬大の医学部和田教授、この四人の方を
参考人としてぜひ御
出席をお願いを申し上げたい。これは先刻矢田部
委員からも御要望がありましたが、私どももその点については非常に大きな疑問を持っておりますので、ぜひそのことはお願いしたいということを
委員長に申し上げます。
最後に、
環境庁長官にお伺いをいたしますが、先ほどからずっと
審議の過程を伺っておりまして思うのですけれども、国民の健康はないがしろにしませんということを盛んにおっしゃる。
環境基準は変えるけれども国民の健康はないがしろにいたしません、
対策は強めるんですと、こうおっしゃるんですね。いまこれは、
SO2が非常に
環境基準以下あるいは
環境基準そこそこというところまで改善をされている中で、いまなお
公害患者がふえておる。あるいは、認定患者は六万四千数百人かもしれませんが、その底辺には数十万に及ぶ被害者がおる。そういう問題が片方にはあり、もう
一つは、これは
橋本局長がおっしゃったんですけれども、いわゆる幹線道路の沿線では〇・〇四しかどうしてもできないんだという問題があるから
環境基準を変えるんだと。
一つも変える論拠にならぬわけですよ。それは、自動車の排ガス
規制が〇・〇四ppmまでしかできないから、何とかしてこれを緩和させたいんだということになるなら、国民の健康のためじゃないじゃないですか。自動車の排ガス
規制に合わせるというやり方にしかならない。
もう
一つは、裁判等に
基準値が使われる、これが問題だから変えるんだと、これだったら大問題ですよ、そんなことをおっしゃるなら。そういう裁判の
基準値に使われるから問題だと、あるいは沿道が〇・〇四ppmしか下げられる見通しが立たないから、とても無理だから、それで
環境基準を緩和するんだというようなところに焦点を定められてこういう作業が進められているとしたら、これは被害者を含め、関心を持っている国民の多くの皆さん方は断じて許せませんよ、こういうことは。その点は国民の疑問を解く努力をしていただきたいと同時に、これは多くの国民、あるいは本
委員会でも強い要求がございますから、これは、早急に
環境基準を緩和するというようなことを強行するなどということはやめてもらいたい。その点について
最後に
長官の御見解を伺って、おくれましたが、終わります。