○降矢
敬雄君
質問をさしていただきます。
実は、
昭和三十年代の後半から四十年代の前半に交通戦争というのが盛んに言われておりましたが、最近下火になってまいりました。これは、われわれも
交通事故になれてきたというような、そういうある
意味では悪い面もあるかもしれませんけれ
ども、現に今次国会に御報告なさっております
資料を見ますと、
昭和四十五年をピークに
交通事故は言われるように順調な減少傾向をたどっております。このことは、これはもう明らかでありますが、四十五年、基本法の制定に始まり、四十六年から第一次交通安全基本計画の策定実施等、これは官民挙げて異常な努力をされてまいりました成果だと私は意義づけております。そういう間、特に民間におきましては交通安全対策協議会
——安協、さらには官においては総理府交通安全対策室を初め、
関係各省庁のこれは御努力でありまして心から敬意を表します。けれ
ども、現実には、やはり五十二
年度の死者は八千九百人余り、半減をしたといえ
どもとにかく九千人近い数、同時にかつては百万ございました負傷者がまだ五十九万人余り、これは現実にあるわけであります。ですから、言われなくなりましたけれ
ども交通戦争という冷厳な実態はこれは消しようもない。私
どもかつての旧陸軍の軍人でございましたので、つい戦争となりますと、これはどうも歩兵一個師団ぐらいに匹敵するものでありますから大変なこれは大戦争だと思います。しかも、特に注目すべき点は、第二次基本計画の
期間に入ってこの減少傾向が鈍化の傾向を示しておる。これは特に注目をしなければならないと思いますし、特に国会に報告されました「
事故の
現況」にも、「このことを直視し」
——特に私は「直視」というふうに書いてあるのに注目いたしますが、「直視し効果的な安全対策を一層推進し、減少傾向を定着させる努力を続ける」と決意を示されております。全く同感でございますし、一層の推進を強く期待をいたしておるところでございます。
そこで、この報告書の中にもございます。「交通安全施策の
現況」に、人と車、車と車が調和をして快適な交通環境を実現することが最も必要であると、こう終局的な目標といいましょうか、これうたってございます。私は、この快適な交通環境を阻害をしており、ひいては
交通事故の誘因となるその最たるものに乗り合い自動車停留所があると、かねて来、実は思っております。特に乗り合い自動車というようなことは、これは道交法に書いてございますから、私もこういう大変なつかしい言葉を使わしていただきますが、いまでは余り使っていない
——余りというよりもほとんど使っておらない言葉でありますが、これにも問題があるように思うんですが、特に私は、停留所が片道一車線のバス路線、それから片道二車線のバス路線にいたしましても、国道、地方道を問わずこれは大変な交通渋滞を来しておる。結果的には、これは私はあえて言いますけれ
ども、公共的な善意
——悪意ではありません、善意で進行妨害を来しておる。ですから、私は結論を先に申し上げますが、この停留所の施設、俗には切り込みなんて言葉がある、これはもう放置ができない。どうしても快適な安全施策の交通環境というものをつくり上げていくためには、いま最も必要なものはこの停留所の建設を急ぐことである。これは車線をふやすよりもよっぽど安易な工事でございます。ですから、それは結論を申し上げて、そういう結論を持っていろいろ道交法を読みますと大変幾つかの疑問がございます。したがって、この疑問につきまして
——疑問かありますから、私は矛盾を感じておるわけであります。率直にひとつまず道交法からお答えをちょうだいいたしたいと
考えます。
道交法には
——これはもう初歩的なことでありまして恐縮でありますけれ
ども、駐車と停車を明確に区分をされております。まあ駐車は比較的強く、停車は比較的緩やかな規制になっております。そこで、乗り合い自動車の停留所における車の停止は、これはどうも私の見る限りにおいては、施設のあるところでもないところでも停車に位置づけられておると思いますが、それで間違いございませんか。これ一点。
それから、停留所の施設のないところ、またあるところ、いわゆる停留所と名づけておるからには、それ両方あると思うんですけれ
ども、特に施設のない停留所は具体的にどのようなスペース、どのような場所をこの停留所は指しておりますか。これが二点。
それから、建設省おいてでございますか。
——建設省は第七次道路整備五カ年計画までずっと長年やってまいりましたが、この
予算の項目の中にバス停車帯の設置ということがございます。どうも私も不勉強でよくわからないんですけれ
ども、この停車帯という、設置するからにはこれは構造物
——とのようなものを停車帯と具体的に指しておられますか。言いかえれば、どのようなものを建設をされようといたしておるわけでございますか。
まず、この三点をあわせてお伺いいたします。