○
参考人(
岡田隆郎君) 私は全国の
公団住宅自治会協議会の
事務局長をやっております。
先ほど代表
幹事の
工藤さんが申し上げましたが、これを若干補足するような形で私
たちの主張を述べさしていただきたいと思います。
私
たちは不当な
公団家賃の
値上げに
反対する。一番大事なのは、高い
家賃こそ引き下げて不
均衡をなくすべきだ、そして
公団のずさん
経営を改めて住みよい
団地づくり、あるいは国民に開かれた
公団住宅をたくさんつくってほしい、こういう主張をやってきているわけですが、すでに住民自身の署名は、今回
値上げ対象が六百九十五
団地というふうに言われておりますが、すでに大きな
団地を中心に五百五十
団地、九十六万七千人のいま申し上げたような総合的な要望の署名を
建設大臣、
公団総裁に提出しております。また、この主張を支持するというような国民
一般の方々の支持署名も三十二万人に及んでおり、またさっき
工藤代表
幹事が申しましたが、この主張を支持し、住民の利益を守るということで
意見書決議等をしてくだすった団体は、地方公共団体は東京都議会、大阪府議会、千葉県議会、神奈川県議会を初め、福岡市、京
都市、横浜市議会以下全国で五十五の公共団体の地方議会が
意見書決議をすでに
政府、
公団等へ発送してくだすっております。また、さっきこれも
工藤代表
幹事が申し上げましたが、自民党さんを含めて、不
均衡是正ということで、必ずしも高い方が下がらないまま上に合わせる
値上げには
反対というのが五野党の御見解であり、自民党さんも賛成せず保留という公式文書を私
たちにくだすっていることは、さっき
工藤代表
幹事が申し上げたとおりです。
私
たちの最も言いたいところは、今回の問題が、高い
家賃が下がらないじゃないかという問題です。不
均衡を望んでいる者は住民にとっても国民もいないと思いますが、もともとが
住宅宅地審議会の方針を受けたという言い方で、
建設省、
公団は
値上げのきっかけの口実にしておりますが、
住宅宅地審議会が言っているのは、高い
家賃がたくさん出てきて、これを引き下げることを考えよう、そのためには若干の不
均衡是正で
値上げも考えよう。このことについて、この答申そのものについて私
たち異論がありますが、そういう趣旨が
昭和五十年に出ました。
さらに、去年
建設省自身が、がらあき
団地の対策として七項目のみずからの方針を出されましたが、その中の一項目にがらあき
団地、すなわち高い
家賃を埋めるにどうするか、この高い
家賃を抑制するというところから
公団家賃の
値上げというのが直接のきっかけとして提案されたのが去年の八月二十四日の
建設省の文書であります。それがいわゆるプール方式という形で提案されました。ところが、そういう形で不
均衡是正、高い
家賃との
関係が問題になり、
値上げしなければならないというそのことだけが今度ひとり歩きして、高い方を下げるという話は、
住宅宅地審議会の方針並びに
建設省みずから去年提起されたこの方針がどこかに消えてしまっている。そして
値上げの方向だけがひとり歩きしている。がらあき
団地対策を含め七項目の中の
値上げの
部分だけが食い逃げされ、ほかのものは放置されている。こういうことが一体政治あるいは行政のあり方としていいのかどうか、こういう点を考えるわけであります。
また、高い
家賃を下げるには、いろいろな新聞社の社説等にもありますように、どうやるかという点では、もともとの
土地価格、あるいは
建設資材の価格の
原価を引き下げること、あるいは公共
負担金を下げること、あるいはさらに
家賃の
——ここにパネルをちょっと持ってまいりましたが、これは去年
公団が
建設委員会、衆議院で発表された数字をグラフにしたものですが、
家賃の中の六五・七%が借
金利息だというこういう
家賃構成、こういう財源構成、これを改めない限り、逆に言いますと、国の
住宅であるならば、そう
借金ばっかりじゃなく、財源の九八%ないし九九%が
借金財政になっておりますが、こういうものを改めるならば、もともとかかったいわゆる
原価、あるいは
修繕費、管理費、こういうふうなものを実費を払いましょうということでも
家賃は半分ないし三分の一にすることができるんだ。つくられた高い
家賃である、私
たちはこう考えております。そういう点で高い
家賃を下げる方法はあるではないか。その施策も講ぜずに高い
家賃との
格差を口実に
値上げだけをするということについて私
たちは納得できない。このことが大きな主張であります。
さらに、これも
工藤代表
幹事が申し上げましたが、不
均衡是正と言いながら不
均衡がなくなるのか、あるいは不
均衡の
基準は何なのか。この点で先ほども質の違い等の指摘をしたわけですが、たとえば不
均衡という口実でいろいろなことを言いますが、分譲
住宅というのを
公団がやっています。これを
値上げする話は私
たち聞きません。もちろん分譲
住宅を上げろということを私
たち考えていませんけれども、何を
基準に不
均衡というかということで言えば、分譲
住宅の支払い割賦金よりも
家賃の方が古い
団地の人は高くなる。こういう逆現象も起こりかねないわけであります。だから、どこを不
均衡の
基準にするのかという問題があります。あるいは不
均衡是正ということを盛んに言うわけですが、
住宅公団はみずから人為的に同じ
団地の中に途中から入る人に対して空き家の割り増し
家賃というものを取っております。
昭和四十年代には五割増しを取っておりました。
昭和五十年代に入ると二・七倍の割り増し
家賃を取っております。同じ
団地の中で同じ家型で、そして若干の修理はするかもしれませんが、それも前に入っていた人が大半修理費を取られるわけで、ほぼ同じ
状態の同じ
団地の同じ家型の中で、これで二・七倍の
格差を
住宅公団はわざわざつくってきているわけあります。そういう点で不
均衡という言葉だけをひとり歩きさせてはいますけれども、別の不
均衡を、つくる必要のない不
均衡までつくってきている。こういう事実をもってすれば、不
均衡是正あるいは高い
家賃も下がらない、こういう言い方、そして空き家割り増し
家賃を堂々と取っていく、こういうふうなことについて私
たちはどうしても納得できないという主張をしたいわけであります。
それから不
均衡という点では、さっき
工藤代表
幹事が詳しく申し上げましたので結論だけ言いますが、たとえば古い
団地、これもちょっと写真を持ってまいりましたが、これは特別ひどいところを撮ってきたというより、
団地の中を歩けば、
先生方お歩きになりたければいつでも御案内しますが、どの
団地でも
昭和三十年代のところを御案内します。こういうふうな壁が落ちたとか、こういう
状態。非常にその質の違いがある。さっき
工藤代表
幹事、広さの違いで
公団は八・八倍の不
均衡があると言いましたが、これは
単位面積に戻せば五・八倍に戻る。これはさきの国会でも指摘されたわけですが、相変わらず
公団は住民にまくチラシ、あるいは記者団にまくもの、あるいは最近私
たちもたまたま入手した資料では、
建設大臣への申請書でも八・八倍、
単位面積に戻したっておかしいじゃないか、五・八倍に戻るじゃないか。私
たちは傷みぐあいとか質の点から言えばもっと
格差が縮まると考えておりますが、こういう指摘を無視して八・八倍だと言い続ける、こういう点についても非常に疑問を持つわけであります。
それからさらに、私
たちが主張しますのは、これも
工藤代表
幹事が主に申し上げましたが、ずさんな
経営をほったらかして、これの高い方がどんどん高くなるということでこれからの歯どめもないまま新たな
団地がつくられていくとすれば、不
均衡是正という口実の
値上げは際限なく繰り返される。現に
住宅宅地審議会ないしは去年の
建設省の文書を見ましても、定期的な見直しをせよ、繰り返し
値上げをせよということを言っております。今回の住民にまいたビラや何かには、それはさすがに言い切れないで隠しておりますけれども、今回この制度が、高い方の後追いをするということを前提とした制度がつくられるならば、一たび制度ができれば後はひとり歩きする、このことを住民は非常に恐れているわけです。今度は金額について最高七千円で頭打ちしましたということで、そう御迷惑はかけませんという宣伝をしております。七千円も大変な
値上げではありますが、その先に隠された、一回ルールをつくればもうおれのものだというふうな格好で、二度目、三度目の
値上げは万の単位で来ることは明らかであります。つまり、高い方にそろえる不
均衡といえば、まだまだ今回七千円上げた
程度では額面の不
均衡はなくならないわけであります。そういうことで、本当にこの
公団あるいは
政府が言う不
均衡是正という形だけの言葉をとってするならば、裏返して言えば、際限ない
値上げをしますよという中身でしかない。こういう
理解をせざるを得ません。
そういう点で、まず高い方の
家賃を下げること。すなわち、高過ぎて、がらあき
団地ができるとか、あるいは遊休
土地がたくたんある。これは会計検査院が去年もことしも指摘したことでありますが、がらあき
団地の
家賃の未収分だとか、あるいはそのがらあきの空き家を保守管理するための費用だとか、あるいは遊休
土地の
金利だとか、これをいろいろ会計検査院が指摘した金額だけを合わせてみましても、偶然かどうかわかりませんが、今回
公団が百七十億円
家賃値上げで増収を図りたいという金額に相近い金額になってきております。こういうことから言いますと、逆から言えば、もっとずさんな
経営をきちっと改めるならば、この
値上げはしなくてもよろしいんではないか。こういうふうなこともわれわれ住民は主張したいわけであります。
また
公団は、このずさんな
経営ということは、大きな
経営上の問題もいろいろありますが、細かく住民の立場から言えば、たとえば立川市でこういう例があります。払う必要のない固定
資産税を
公団が事務
手続を怠っているために毎年五百万円余分に払っている。これはみんな
家賃に入るわけですね。これは私
たちいま
調査を始めたばかりですが、国立市、小平市、以下あちこちでもあるという疑問が出ております。あるいはこの古い
団地の
住宅の空き家に対する希望者は非常に多いわけですが、古い
団地のテラス
住宅についてというのがあります。これが空き家になると、いま一切入居者を受け付けておりません。将来増築したいから、高い
家賃を取る人を入れたいからというようなことを言っておりますが、古い
団地の空き家募集については全国で合計四万七千戸募集したのに対して百十八万人が応募しております。これぐらい、がらあきは高過ぎるから、新設
団地の空き家は高過ぎるから空き家がある一方、古い
団地の需要は二十五・一倍に達しております。これは
昭和五十一年の
公団の統計です。
そういうふうな需要がある中で古い
団地のテラス
住宅をいま三百戸ほったらかしております。これは数字からいえば小さいようなものですが、この未収は全部入居者の
家賃、あるいはそこから取れない共益費は入っている人の共益費でカバーする、こういうふうなことですね。だから、上は全体の遊休
土地、がらあき
団地から個々の固定
資産税の問題、あるいは一軒一軒の住まわせ方の問題。ずさんな
経営は上から下まで徹底しているんではないか。こういうふうなことを改善されなければ住民は住民感情として、隣が一年も二年も空き家になって、そこに入りたい人はその中で待機している、
団地の中でも空き家待機の人はたくさんいるわけです。あすこどうして埋めないんですか。こういうことがほったらかされて、一体
公団を信頼して不
均衡是正とかなんとか道徳論を言われて
値上げに応ずるということが感情的にもできない。これが住民感情であります。
さらに言えば、
公団はいろいろ税金を一軒当たり二万四千円使っているとか、いろんなことも言っておりますが、税金といっても、さっき言いましたように
金利の補充ですからみんなそれは銀行や何かの方に行っちゃう。あるいは
家賃が高い
原因の
一つに公共
負担、多摩ニュータウンなんかは鉄道の
建設費まで一部
家賃で持たされております。
公団のある役人の方が書かれた論文に、一戸当たりの公共
負担が四百二十七万円、月当たりの
家賃に二万六千円かぶっている、こういうことが言われております。二万四千円税金を見てやっているんだと言いながら、税の二重払いに類する公共
負担で二万六千円
家賃で払う、こういうふうなことで税金が使われているということでも、その出発点としての高い
家賃の
構造を改めなければいけないんではないか、こういうふうに思います。あるいは、古い住民は
所得が上がっているということを言いますが、これも
工藤代表
幹事が申し上げましたが、もう二十年たつと世代の交代があります。そのころ働き盛りで入った人が年金生活になっている人もたくさんおります。そういう中で、ただその二十年間働き盛りがそのまま収入が上昇したらどうだという机上の空論で収入論を言うのは誤りであります。
公団は
実態調査もないままそういう空論を言うことは非常に疑問がある、こういうふうに思います。
それから
民間家賃との
比較が盛んにされておりますが、
政府のことしの予算を見ましても、
公営住宅は八万五千戸から七万五千戸ですか、一万戸削減、
住宅公団は六万戸から四万戸へ、特に賃貸
住宅は一挙に去年の予定が二万七千戸であったものをことしは一万戸に減らすと、三分の一に低下さしているわけです。こういうふうな中で、そして古い
住宅に対する空き家の応募が二十五・一倍とさっき申し上げましたが、こういう中で
民間に追い込まれている人
たち、これに対する公共
住宅の大量
建設、こういう本当の
住宅政策がないまま、
民間のなすがままの高い
家賃と
比較する、これは逆ではないだろうか、こういうふうに思うわけです。政策的なそういう人
たちに十分な公共
住宅を提供する、あるいはそういう人
たちに
所得控除、
家賃補助等をとりあえずやる、こういうふうな中でそういう人
たちの高い
家賃こそ下げる、安心して住める
住宅を提供する、このことをしないでおいて、そっちに悪い
状態をわざわざ政治的につくっておいて、それと
比較して悪いと思わないかということでは、
民間を含めてこれは
家賃総
値上げの方針ではないかと、こう考えざるを得ないわけであります。
いろいろ不当な点、私
たちの住民感情等を申し上げたわけですが、最後に法律的な問題としましても、
住宅公団法は、御承知のとおり
公団住宅の
建設によって国民生活の向上と社会福祉の増進を図るということが、今回の
値上げ——私
たちに言わせれば
民間にまで波及する日本の
住宅の
家賃の総
値上げに通じるこういう制度をつくるのか、つくらないのかという点では、
住宅公団法の基本精神、出発点に反するんではないかと、こういうことを考えますし、また
家賃の計算の方法については、よく言われるとおり
原価主義ということで、かかったものは全部払うんだからもともと高くてもしようがないんだということで、三十年代の人は三十年代なりに、四十年代の人は四十年代なりに、入った時点では収入に対する大変な高い
負担を強いられて、ただかかったものは全部払うんだからというような
意味で、だからその固定
部分については
値上げはないというそのことだけが唯一の
政府、
公団への、公共
住宅への信頼感と期待からこれに入ってきたんだと、こういうふうに思います。それがやっと払える
状態になったときに
格差があるというふうなことでは、なかなかこれも住民感情として納得しがたい。
原価主義ということがやはりそういう点でもともと高い
家賃なんだという問題を改める方向と裏表の
関係がない限り、高いときには
原価主義だと、相対的な差が出たら今度は
原価主義はいけないんだと、不
均衡だと、こういう点はずいぶん御都合主義ではないかというふうに思います。
現に、今回の
値上げについても、去年のプール
家賃の発表があったときに
建設省へ行きまして、当時の
住宅局長と参
事官の方の間で、これは法律改正を、あるいは施行規則の改正をする必要があるのかないのか、その最高
責任者の間でも
意見が食い違っておりました。もっとこれは法律面からも国会のこの最高の場で十分御審議をいただかなければ、非常に都合に合わせた、
原価主義だと言ったり、不
均衡是正だと言ったり、こういうことが法律的にどこで私
たちは守られるんだろうかと、その都度行
政府の解釈で適当に行われることは、国民は安心して選挙をし、そこに国政を任せることについて不安を持つ、こういうふうに考えざるを得ません。さらに、申し上げますと、今回の
値上げは
公営住宅法の
値上げルールだけを援用しております。
公営住宅法というのは、言うまでもなく補助金があったり、いろんなそれ自身が
一つの
家賃体系を構成されております。その中で
変更する場合はこうですよというルールがあるんであって、
公団住宅の
原価主義に
公営住宅の
変更ルールをやるというのは全く異質のものを継ぎ木するようなものであります。また、
公団法の中に
公営住宅法を援用せよというようなことはもちろんありません。私
たちが、もし
公営住宅法を援用すると言うならば、もっと社会福祉政策としての
公営住宅で目指しているそういう精神を援用するとか、あるいはそういうふうなことを期待はしますけれども、
公営住宅法の
値上げのところだけ持ってくる、こういうやり方も私
たちはどうしても納得できないのであります。
そういう点で、私
たちは不当なものは認めないということで主張してきているわけですが、これは本当に最後になりますが、住民に対する
住宅公団当局の態度がどうかという点で、もう
一つ最後にどうしても納得できないということを申し上げておきたいと思います。つまり、私
たちは契約に基づいて入居しております。そして
原価主義で払ってきたという中で、これをもし
変更したいと言うならば、
公団はもっと胸を開いて現地に出てきて十分事情を話し、その
理由と積算を明らかにし、どうだろうかと、また私
たちももっと修繕をしてほしいという要求をたくさん持っております。いま
公団はほとんどやってくれませんから、自前の
修繕費の持ち出しというのは大変なものです。ですから、これがもっとルール化して住民の要望に沿って、修繕はこうしたいけれどもどうだろうかという話を聞いてくれ、また住民自治会の
意見を聞こうじゃないかということで、金額の問題を相談に来るのがしかるべき。まして
値上げしたいと言うならば、
お願いしたいという話があってしかるべきであります。ところが、私
たちが話を聞かしてくれと、こっちがわざわざ言う必要もないことを言っても、行く必要はない、あるいは説明の必要はないと、
公営住宅のさっきの公営限度額方式云々というようなことでは公聴会の必要はないと、こんなことを言うわけですね。一方、公共料金はしょっちゅう上がってどうのこうのと言いますが、公共料金になぞらえるならば、公共料金は常に公聴会があります。それから話が戻りますが、
公営住宅の場合でも公社
住宅の場合でも、それぞれの自治体のレベルで
住宅審議会があります。こういうところで決裁をとっているのであります。
公団住宅の場合は、そういう
手続——住民の声を聞いたり、国民の声を聞く、そういうルールをせずに、しかも
住宅宅地審議会というところを金科玉条に言っておりますが、これもゆがめたかっこうで、高い
家賃を下げるというところはほおかぶりして
値上げだけを食い逃げする。こういう二重三重に公的機関に対してもあるいは住民に対してもふん反り返るような態度は私
たちは納得できないのであります。
私
たちは
公団との
関係では共益費というのがありまして、まあ時間がありませんので細かいことは言いませんが、共益費というのが実際に
団地内の
維持管理費でかかるものを私
たち家賃以外に払っております。これについては、実費がかかるんだったらどうだろうかということで、
公団は二晩でも三晩でも金額を
変更する場合は現地に出向いて詳しい積算を明らかにして話し合う。これも十年間の長い私
たちの要求で大体そうなってき、またそれはいい
意味で大家、たな子の信頼
関係をつくったと確信しております。ところが、
家賃に関してはその五倍も十倍も
値上げになるものに対して、支社へよかったら来なさいよ、電話しなさいよというような、こういうふん反り返った態度で、本当に
公団は住民の納得を得てこれをやる
勇気と自信があるのか。私
たちは中身を知りたいということを言っているのに、それを知らさなければ払いたい
家賃だって払えないということについては、
公団に再三もう決意表明をせざるを得ない段階に来ているわけです。それにもかかわらず、今後とも話し合いを拒否し、一方的なビラ一枚、三枚、五枚、あるいはわれわれが話し合いをしようじゃないかという申し入れをしたことをもってして、中身に入る前にそういう要求をしたそのことをもってして、皆さんの代表とは何十何回会ってますというような話をしているようですけれども、中身に入らずにわれわれの要求すらける、こういう態度について私
たちはどうしても納得できないのであります。
そういう点で、私
たち団体としては大きく言って次の五つの点をこの
委員会の皆さんにも御審議願い、またこれが日本の
住宅政策のために進むことを要望申し上げたいと思いますが、
一つは、とりあえず日本の
住宅の
家賃体系、前回の一月二十四日の衆議院の
建設委員会で、この秋に
住宅宅地審議会の
家賃体系の答申を得るという
住宅局長の御答弁もあったようです。すなわち、
民間がほったらかし、高い
家賃はほったらかしというようなことじゃなくて、日本の
民間住宅を含む
家賃体系全体の
議論が始まり、その中で大いに
公団家賃の問題の
議論に私
たちも参加したいし、またそれを待ってこの
議論は再検討願いたい。つまり、とりあえずのところは不当な
公団家賃の
値上げ制度はつくらないでいただきたい、実行しないでいただきたい、これが第一点であります。それから第二点は、緊急措置として、とにかく高い
家賃の引き下げあるいは傾斜
家賃の凍結、こういうふうなことを直ちに実行していただきたい。第三の点は、
公団のずさんな
経営、
借金依存の
財政構造、あるいは、大半の方が、まあ言っては失礼ですが、
住宅問題に
関係ない天下り役員が采配を振るい、こういう
構造、こういう住民感情、国民感情、あるいは
住宅実態を十分おわかりいただけない方々に支配される
公団の
経営、こういうものを改めていただきたい。第四は、
住宅の狭さだとか修繕の要求あるいは環境改善、こういうふうなものについて十分住民の声を聞き、これに必要な話し合いをして、必要な手だてを講じていただきたい。第五は、さっきの
民間との
関係を含めて、やはり言葉で言えば、安くて住みよい公共賃貸
住宅をたくさん住民のため国民のために建てていただきたい。
こういう角度で、こういう総合的な政策の御審議をいただく中で、私
たちも
公団の既得権を狭く守る
——工藤代表
幹事が申し上げたとおり、そういう立場ではなく、本当に開かれた
公団、開かれた
住宅、
家賃のあり方、これについては今後とも
機会をいただけるならば積極的に参加し、また国民の合意に基づく方向の中では私
たち住民も前向きに対処しなければいけない、話し合いの
機会は必要ではないか、こういうふうに考えております。
大変長くなりましたが、よろしく
お願いいたします。