○沓脱タケ子君 トヨタのかんばん方式が問題になって、しかも下請法に違反するおそれがある、疑いがあるということで調査をしなければならないということになって調査をやっておられるのでしょう。同じやり方をしているところでは、大なり小なり同じことが起こるのはこれは火を見るよりも明らかなんです。知っているけれども調べてないというのは、私は怠慢だと思うんですよ。
それでは、若干具体例を申し上げますわ。ダイハツというのは、トヨタと同じようなかんばん方式をやっていますからね、これはどんなことになっているかというと、これはひどいですよ。
先ほどもおっしゃったように、口頭で注意してトヨタからは返事が来て、相手方がかんばん方式いやだと言うたら強制しないというふうに四つ目言われましたね。ところが、これダイハツの下請の
関係でもこれは強制になっています、強制をしております。どういう状態になっているかというのをちょっと具体的に申し上げた方がよくわかっていただけると思うので具体的に申し上げますが、会社の名前を出すとすぐ報復
措置がやられますので、残念ですが会社の名前は申し上げません。
どういうやり方をしているかというと、一日に八回納品をさせるんです、いわゆるかんばんで、かんばんが八回来るわけです。だから一時間置きにかんばんが来て、一時間置きに納入をする。
それだけではないんです。これはトヨタグループと全く同じやり方で、ダイハツの職制がその下請
企業に乗り込んできて、ラインの中の労働者をながめていて、これは要らぬ、これはちょっとのけということで、まあ
中小企業ですから、余り正確に言うと実態わかったら悪いから適当に言いたいと思いますが、百五、六十人おった従業員、これは要らぬ、これは要らぬと言ってダイハツの幹部が乗り込んで間引いて百人ちょっとにした。そして、こんな年輩者は要らぬから差しかえろとか、そういうやり方をしているわけですね。そして、自分の親
企業であるダイハツのいわゆるかんばん方式に合わせるように下請
企業に乗り込んでやらせていく。ですから、労働者の首切りも、いやおうなしに泣く泣く年輩者の首切り、中高年の首切りをやっていますと言うていますよ。切らざるを得ない、切らなかったら親
企業が
承知しないんだ、こういう
関係が起こっている。
さらに、これはかんばんの強制というのはいかにひどいものになるかということですが、そういうことで直接乗り込んで、
中小企業、下請
企業の近代化、合理化を手伝っているんだからいいじゃないかみたいに思われたら大変なんですよ。どんなことになっているかというと、たとえばプレスかなんかの一トンないし二トンぐらいの機械を、いつも同じ型じゃないから、その切符によって型が違うから入れかえをしなきゃいかぬそうですね、その機械の入れかえに従来六十分かかっていた。ところが、その現場へ乗り込んできてああだこうだということで、もっと縮めろ縮めろと言われて、ずいぶん、その
企業は
努力と苦労を重ねて、何と六十分かかった機械の入れかえを十四分まで縮めたと言うんです。そうしたら、本来その十四分まで縮めた省力化部分、これはその下請
企業のもうけになるということであれば、これは大変
努力のしがいもあり、まあ
指導してもろうたかいもあったということになるのですが、できるじゃないかということで今度は単価ダウン、その分だけ
コストダウン。
努力をして苦労をした何のかいもありませんと、こういうことになっている。さらに、ここまで来れたんだから、もう一遍短縮して五分までいけと、十四分まで短縮できたんだからこれを五分までやれと、こういうことになっているわけです。まさに親
企業の合理化の追求をやっておる。それに、これはもう構造上しようがないんでしょうね。かんばんで持ってこさせる仕入れ先と同じかっこうでやらしていくということが強制をされている。これ話し合いでいやだとか何だとかって言いようがないんですよ。ダイハツの幹部がだあっと乗り込んできて、この人は要らぬ、要らぬと言うて間引いていって首切らせていくんですからね。こんなもの相談や協議という状況じゃないです。まさに強制です。そういうことが現実にやられている。
幾つかの例がありますが、もう
一つ申し上げておきます。ヤンマーの例ですが、これはさっきも言うたように、あれは切符という名前のかんばん方式です。ここではどういうふうにやっているかというと、下請への発注方式というのは、前月の末に、当月分の個数と毎日納入すべき個数を発注するんですね。そのときに、同時に翌月と翌々月の内示をする、予備発注をする。それで、当然翌月と翌々月の予備注文をもらっているから、いざ言うて毎日毎日間に合わなかったらぐあいが悪いということで、下請
企業は一定の生産目標を立てて見込み生産をするわけですね。そうすると、その月が当月になった場合には、ときによると三〇プロから五十プロ違うことが起こってくる。しかし、これは親
企業がそういうふうに変わるわけですけれども、予備注文とその月の当月分の発注等の数量が三〇%違おうが、五〇%違おうが、これは親
企業は知らぬ顔で全部下請
企業の
負担になってくる。
トヨタの追及の中で、不破議員の
指摘の中でも言ってましたけれども、内示量と実際の納品量の食い違いというのは、これはやっぱりいわゆる代金法違反の疑いがあると、あるいは下請振興基準からしてもこれは問題だということで
指摘をしておりますが、こういうことが起こっているわけですね、ヤンマーの場合でも。これは調査するべきだと思うんですが、どうです。