○沓脱タケ子君 各論を具体的に伺っておりますとちょっと時間がありませんので、基本的な御
見解だけにきょうはとめておきたいと思うんです。
私はいま
大臣がおっしゃられました点に関連をいたしますが、特に国内行動
計画を策定するという段階から、保護か平等か論という問題が論議をされるというふうなことになってきております。いま
大臣もお触れになられた点ですね。この点につきましては、わが国のような
雇用状況のもとでは非常に問題が多いと思います。これは私、別の
機会にまた具体例を用いてぜひ考えていただかなければならないと思っているわけですが、わが国の
雇用情勢のもとできわめて問題が多いといいますのは、たとえば産前産後休暇といった種類のものが減給されるとか、あるいはベースアップ、昇給のときの欠勤日数として算定をされるとか、そういったことが
企業では横行している。こういう
状況のもとではこの保護か平等か論という一般論の論議というのはきわめて問題が多いというふうに思いますのは、そういう事実を踏まえての
意見でございます。私は、ですから基本的に、この問題については保護か平等かという二者択一ではなくて、むしろいまの段階で、特に世界行動
計画、国内行動
計画を策定して施策をこの十年の間に急速に進めようという段階に至りましては、むしろ無条件に平等を保障する施策というのを進めるということが第一ではないかというふうに思うんです。その上において働く婦人が母性として持っておる特性、この母性に対する保護行政というのは、これは次の時代を担う健全な子孫を守るという点から見まして、当然これは社会的な責務として保障されるべきものだというふうに考えるわけでございます。したがって、保護行政の
検討というのは、そういった
立場で、特に国際的な条約あるいは行動
計画などによりますと、このILOの行動
計画でも非常にその分野でははっきりと問題を明記しておりますが、少なべともこれらの保護基準についての
検討というのは
労働者の生活水準の改善を目指すものでなければならないというふうなことが明確にされておりますが、そういう点をやはりはっきりしておかなければならないのではないかと考えております。
そこで、私はそういう
立場で、必要な法制化などというのは当然
政府としては考えていかなければならないんではないかというように思うんです。特に今日の深刻な
不況下、こういう中で婦人の
労働者に対するしわ寄せというのはきわめて厳しいというのは、もう私がるる申し上げなくても御
承知のとおりでございます。たとえば学卒者の就職の困難あるいは首切りの場合の女子
労働者がまず第一に対象にされるというふうな問題、あるいはパートの首切り、それから女子の
失業率が男子よりはるかに高くなってきているというふうなことになっております。
しかし、そういう
不況下で女子
労働者に対するしわ寄せが厳しければ厳しいだけに、特に男女の平等とか、勤労婦人の地位の向上に対する施策を強化するということが特別に大事だというふうに思うんです。私は、ですからそういう
立場に立ちまして、
労働者全体の
福祉の向上という
立場から見ましても、また
雇用対策の面から言いましても、何といってもいま
労働時間の短縮だとか、あるいは有給休暇のこれは世界的水準の増加ですね。いま保障されているのは、有給休暇取得率などというのが
企業では問題になっているんですね。二十日間あったって、六・七日とか八・四日とか、取得率がそういうことになっているというふうな、本来の有給休暇というのが権利として保障されていないという実態、こういう
状況を踏まえて、やはり世界的水準並みにきちんと保障されるというふうなことが必要だと思いますし、それに必要な労基法の改正。特に私はこの男女平等というんですか、働く婦人の平等を保障していく上で差し迫って必要なのは、いろいろあると思いますけれ
ども、全国の働く婦人が思想、信条、
立場を超えて一致して要求をしているようなたとえば産前産後休暇八週間というふうな問題などを含めて、これはもう直ちに法制化をするべきだと思うんですね。そういうことを具体化していくということが、こういった国内行動
計画の具体化として一番大事な点ではないかと思いますが、そういった点での施策の進め方をお考えになっておられるかどうか、その点、基本点についてだけ
大臣からお伺いをしたいと思います。