○安武洋子君 つけ加えさせていただきたいのは、現場ではやりますやりますと、こういう約束をされながら、実際にやられないのが実情なんです。ですから、こういう点についてはやはり十分監督をして、こういう施設がどんどん進むようにというふうなこと、資料もとっていらっしゃるわけですから、私は指導していただきたいということを強く御
要望いたします。
次に、公営交通の問題についてお伺いいたしますけれ
ども、公営交通
事業、特にバス
事業の現状というのはとっても厳しいわけなんです。
昭和四十一年の第一次の財政再建に続いて、
昭和四十八年度から、地方公営交通
事業の
経営の健全化の促進に関する
法律、これに基づいて第二次の財政再建が実施されておりますけれ
ども、それ以降も、欠損額というのは
昭和四十八年には二百三十四億円、そして五十年に飛びますけれ
ども、これで四百四十七億円、それから五十一年には三百三十四億円、こういう赤字が続いて深刻です。これは不良債務ですね、この不良債務を見てみましても、
昭和四十八年の六百六十億円から
昭和五十一年の千二百六十三億円と非常に深刻なわけなんです。特に不良債務の問題ですけれ
ども、第二次財政再建が措置された
昭和四十七年度、この不良債務額の九百三十四億円、これをはるかにもう大幅に上回っているというふうな
状況です。
不良債務は五十年に比して五十一年が若干減少していますけれ
ども、これは実際は長期の借り入れをしたというふうなことで一応不良債務を軽減させているだけで、たとえば神戸市の場合は、不良債務の推移を見てみますと、四十八年は十億四千万円、しかし五十一年には三十五億五千万円、こういうふうになっているわけです。五十一年の場合は五十年に比べて八億五千万円不良債務が減っておりますけれ
ども、これは五十一年度は、財政再建計画に沿わせると、こういうことで自治省からの指導もあって、一応返済計画を立てて長期借り入れ、これを十六億円行ったと、こういうことで減っているように見えるだけ。しかし、年々歳々赤字が続いて欠損が続いているんです。ですから、この十六億円の返済計画というのは実際上は不可能と、こういうことで絵にかいたもちに等しいわけなんです。神戸市の場合、五十一年のこの不良債務、これは五十一億五千万円ということになりまして、五十年度より七億五千万円もふえていることになるわけです。
それで、全国的にこういう不良債務というのが、五十一年度末には千二百六十三億円というふうなことになるわけなんです。そして私は、こういう公営バス
事業というのが年々赤字を積み重ねて膨大な不良債務を抱えている、こういう原因については、やはりこれは都市交通整備調査会が二月三日に「公営バス
事業の
経営の安定化方策について」、こういう提案をされている中にも触れておられますけれ
ども、特に六大都市においては問題が深刻です。
神戸市の場合といいますのは、
経営の
内容の深刻な原因としては、ドーナツ化になっていく。たださえ神戸は片側輸送が多いわけですけれ
ども、市がドーナツ化して、ラッシュどきにはどんどん人を運んできますけれ
ども、片道輸送で行政路線を新設しなければならないというふうなことで、民間の
経営と違いまして、不採算路線でも当然運行しなければならない。自動車の台数もどんどんふえております。ですから、
昭和三十五年に比べますと
昭和五十二年には五・九倍にも車全体がふえたということで、バスのスピードというのは一時間当たり
昭和三十五年には十七キロです。しかし、
昭和五十一年には十三・五キロ、のろのろ運転をせざるを得なくなっている、こういうふうな状態です。ですから、
利用者はバス離れをしていく。しかし、
料金は値上げせざるを得ないから
料金を上げる、またバスの乗客は減少する。こういう悪循環がいつまでもいつまでも続いているわけです。だから、短
期間に大幅な欠損と不良債務が生じているわけなんです。こういうふうな債務をいまのまま放置するということは、バス
事業を圧迫して、もう一定の措置を講じない限り市民の足を守っていくことはできない。公営バス
事業は続けていくことができない。抜本的に
考える時期に来ているのではないかというふうに思いますけれ
ども、一体自治省としてはこの点どういうふうにお
考えでございましょう。