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坂倉藤吾君 私は、むしろそういうトラブルが
発生をした
ところについて、積極的に解決のためにも
郵政省が直轄をしていくべきではないか。その方が正しいし、問題解決になるんではないのか、土地の人もそれを望んでいる。で、
郵政省としても、これはやはり直轄化をしていくという
方向というものがなければならぬだろうと思うんです。
確かに普通局
関係につきましてまだ若干残っておるでしょう。残ってはおるんですが、おおむね普通局
関係については鉄筋で新改築が終わりそうになってきている。その予算からいきましても、同時に今日の
郵政のこの
決算を見ても明らかなように、局舎に支払われる借り上げ代、これらの資金を運用していくことによって完全に国有化の
方向というのはとり得るはずなんです、将来的展望の問題として。
ところが、そういう機会がありながら、それを、むしろそういう方針はとらないんだといってボイコットをしておる
ところに大きな
問題点があると思うんです。ぜひこれは、まだ私自身も日を改めてこの問題についてはひとつ討論を展開をしていきたいというふうに思います。
時間の
関係がありますから、最後に
郵政犯罪の問題について、いまの局舎も
関連をしますので触れていきたいというふうに思います。
最近、報道されました相模大野局事件ですね。これ、私自身もかつて
郵政省に
職員の一員として籍を置いておった
立場から言いまして、大変ショックですし、何とも申しわけない気持ちを持ちながらおるわけでありますが、いずれにしましても、この事件が
発生をいたしました背景その他等を考えていきますと、これは大変
郵政省自体のこうした
郵政犯罪に対する姿勢そのものを含めて、大きな
制度的な問題があるというふうに私自身としては考えざるを得ないんであります。
最近の
郵政犯罪を見ていきますと、たとえば四十七年に四千五百三十七件、被害金額三億一千四百二十九万一千二百九十二円、四十八年には四千百二件、三億六千四百七十三万五千五百九十九円、四十九年には四千四百六十件、七億一千三百四十万一千九百一円、五十年には四千百四十件、六億二千十一万四百六十七円、五十一年には四千四百四件、七億二千六百五十七万二千九百八十一円、大変な被害金額、同時に件数というのがあるわけであります。しかも、いま申し上げましたように、この件数は依然として横ばい、少しも低下をしていないんであります。長い問、これは
委員会でも論議をされてきた、また
郵政省はそのたびに、こういう犯罪の
発生をしないようにという
立場で努力を約束をしてきた。にもかかわらず、これが一向に改善をされていない、減少を見ていない、こういう
状況をながめたときに、私は恥ずかしくてしょうが、ないんです、率直に申し上げて。一体、これはどうなっているんだろうか。
会計検査院の検査報告に関する国会に対する
説明書、これを見ていきますと、私ここに四十九年、五十年、五十一年と持っていますが、この報告書の
郵政関係の不正行為のまくら言葉、三年間全然変わってないんですね、一字一句も。これ、いつから同文でずっときているのかよくわかりませんけれ
ども、私はここに大変大きな問題があるというふうに思うんですよ。これこういうふうになっていますね、「郵便局における不正行為の防止については、常に配慮しているが、
指摘のような不祥事が生じたことは、まことに遺憾である。従来、郵便局に対しては防犯管理の整備強化、相互けん制の励行等を強調し、管理者及び一般
職員の防犯意識の高揚を図り、犯罪の未然防止と早期発見に努めてきた
ところである。今後とも、あらゆる機会をとらえて防犯施策の徹底を図るとともに、業務考査及び会計監査を厳重に実施し、不正行為の絶滅を期することとする」、これ何年たっても一緒なんですよ、不正行為に対するまくら言葉。しかも、他の省庁では不正行為というのはないですよね。たまに運輸省が一件入ってきている。これは一体どういうことになっているんでしょうかね。私は、全くこの犯罪に対して、口ではこういうふうに努力している、努力している、対策は講じているんだ、こういうふうに言われておりながら、
現実問題としては、その背景あるいは
制度の
あり方、あるいは相互牽制の具体的な実施方法、こうしたものについて少しも工夫が行われていないんじゃないんだろうか。
いま特定局
関係等につきましては、特に
郵政局がいわゆる一括管理をしている。もちろん特推連という組織があって、特推連の中にはこの防犯
関係の理事も配置をして、そして部会長を集めて協議をしたり、あるいは全特定
局長を集めて協議をしたり、
幾つか防犯対策上の金を使いながら相談をし、知恵を出し合っていることは私も知っています。しかし、そのこと自体がきわめて形式的に流れておるんではないでしょうか。たとえば相模大野の問題等につきましても、それらの
会議に常に加わっておった長い間の部会長なんでしょう、特推連の。しかも特定
局長会の役員だったんでしょう、これは。私はここに大きな
問題点があると思う。
いま、せっかく
郵政省では指定局
制度というのが
採用されている。指定局としての特定局に関する
ところの権限というのは一体何があるんですか。いわゆる国有局舎に対する
ところの国有財産の管理の問題、あるいは
郵政省の物品の
関係、いわゆる切手あるいはその他の物品ですね、これに対するいわゆる指定局の特定局に対する管理の問題。いわゆる会計法に基づいて、物品
関係についてのみそういう
ところがあって、経理
関係あるいはこうした問題に対する
ところの具体的な指導というものについては指定局
制度が全然生かされていない。
郵政局が一括
管内について指導していることについてもともと無理があるんじゃないのか。
ところが、
現実にはいわゆる私設の組織であります特定
局長会が、特推連の名をかりながら具体的には作用をしておって、
郵政局長でもなかなか特定
局長会に向かって物が言えないという今日の体制、私はここに大きな
一つの
問題点というものをやっぱり
指摘をせざるを得ないんであります。
きょうは時間の
関係がありますし、さらにこの相模大野等の事件をめぐって、体質的な問題等については逓信
委員会等でも論議をされるというふうに思いますから、私は、ごく概括的に、いま申し上げましたようなことについて、
郵政省としての決意ある
一つの表明をこの際に聞いておきたいと思いますし、さらに、相模大野等については、具体的に退職をした
局長が退職後も局を犯行の場に使いながら
現実に悪いことを繰り返している。これはもう大変な問題であります。後任
局長は一体何をしておったんだろうか、近隣の
局長は一体これに対してどういう注意を払っておったんだろうか、あるいは退職後の業務考査、あるいは監査というものについては一体どうなっておったんだろうか、
幾つか私は
指摘をすると
問題点がたくさん出てくるというふうに思います。しかも、それは
一つ一つ、ただ単なるこの事件がどう解決をされるかという問題ではなくて、今日の
郵政省の
制度上の問題としてこの辺を解明をしないことには、私は国民の皆さんに対して申しわけが立たないというふうに思います。ぜひその辺についての
見解を明確にしてもらいたいというふうに思います。
なお、これは会計検査院に
お尋ねをすることになると思いますが、この
決算検査報告ですね、これを見せていただいておりますと、これに載ってまいります不正行為というものは、
先ほど私が申し上げました犯罪の
発生件数とは全くかかわりのないものになっています。聞く
ところによりますと、一時的にそれぞれの事業会計に対していわゆる欠損が生じても、問題は、その欠損が埋められてしまえばこれは報告をしないという、こういう仕組みになっているというわけです。会計検査院法その他をながめましてもそれはもう全然ありませんし、なぜそういうふうになっているんだろうかということについてきわめて不審を持つわけであります。少なくとも、事件内容はともかくとしまして、一年間にどれだけのいわゆる不正行為というものが
発生をしたのか、あるいはその不正行為によってどれだけのものが実は一時的に被害があって、そして、それがどういう形で返されたのか、こういう
関係についての報告はやっぱりすべきではないのかというふうに私は思うんであります。今日のこの国会に提起をされます報告だけを聞いていますと、この辺はもう実態が全然明らかにならないという形になります。私は、実態を明らかにしてこそ初めて問題の解決というものが生まれるという
立場からいきましても、この辺は検査院としても明確に今後の
あり方についてひとつお伺いをしておきたいというふうに思います。埋めればそれでよろしいというものではないはずであります。
もう
一つは、把握の仕方についてでありますが、たとえば相模大野
関係等につきましても、金額的にいくと、整理をされました金額というのは、結局その間にいわゆる被害総額というふうな把握というのはもう全部差し引いちゃって
一つの中身が報告をされることになっているわけです。しかし、実際にこうやってきた犯行そのものの被害というのは、一時的には相当大きなものになっておる。私はそうした処理がやはり全貌として明らかにされないことにはこれまた問題があるんじゃないかというふうに思います。要約をされ、整理をされたものしか報告がされていない。途中経過というのは全く抜きになっている。これでは私は犯罪を撲滅をしていくという趣旨合いにはとうてい到達をしないであろうというふうに考えるわけであります。これはぜひこれからそうしたものをなくしていくという
立場からも、明確にひとつそれぞれの
立場から御答弁を賜りたいというふうに思います。