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和田春生君 それでは
外務大臣にお
伺いいたしますが、いまの
経過から考えまして、
領海侵犯というような問題は
国家と
国家の
関係に関する基本的に重要な問題だと思うんです。そういう事実が発生し、
日本政府から正式に抗議しているにもかかわらず、在
北京の
日本大使館あるいは在東京の
中国大使館、そういう点を通じて正式な
中国政府としての
意思表示がなくて、たまたま
野党の
訪中団の方にそういう
意思表示があったと、後から追認するというようなことは
大変外交関係として変則的であるというか、私
どもとしては
理解に苦しむことでありますから、その点についての御
見解を承りたい、これが一点であります。
もう一点は、いまの
アジア局長の
説明によりますと、偶発的な事実であるということは間違いがないということを肖
参事官がお話ししたそうであります。しかし、東海の沿岸の千海里以上にわたる各漁港からいろいろな形の違う
漁船が有数十隻も
尖閣諸島の近くに集結をするということが
偶発的事件などとは、多少でも漁業問題に常識ないしは知識のある者にとっては、これは信じられないことだと思うんです。なお、
報道によりますと、それは
魚群を追ってそこまで行ったと、で
漁船の
乗組員には
領海内であるか
領海外であるかよくわからない、こういう
説明もあったやに伝えられております。
しかし、
写真を通じて見る
漁船の
装備、形態、
操業方法からいって、
魚群を追ってああいう形で
尖閣列島の
領海内に入ってくるということは私
どもはあり得ないし、あったとすれば、これはもうまるっきりむちゃくちゃな漁法だという形になると思うんです。さらに
領海外であるか内であるかということがよくわからないと言いますが、あの
漁船群の中には
レーダー装備その他の
近代装備を持った相当優秀な性能を持つと思われる
漁船がかなり入っているということは
写真上明らかである、同時にまた、こちらは
中国の
領海であるというプラカードを用意してきている、機銃その他武装してきている。こういう形になりますと、偶発的な
事件であるということについては余りにも白々しいという
感じがするんです。
外務大臣は
偶発的事件であるというふうにお考えになるかどうか、その点を
確めたいと思います。