○渋谷邦彦君 私の持ち時間はすでに経過しているんですが、聞きたいことはまだ残っているんです。いままとめて言いますから、簡潔にひとつお願いしたいと思います。
いま御答弁されたことについては、早急にこれは取り計らっていただきたい。そうでないと、若い
外交官の希望の芽を摘むというようなことになったんでは、これはやはりかわいそうではないだろうかというふうに思います。
それから、次に申し上げたいことは、
外務省の内部におけるうっせきした空気というものもないではないと、いろんな因果
関係があるようです。たとえば昭和十八年組なんというようなことがいつも話題にされながら何かこう
一つの阻害要素みたいなことになっていはしまいかというような空気もあるやに、これは風聞でございますので、伺っております。それはまあ大東亜省が設けられたときに、それが改廃されて
外務省が引き受けたというようなことがあって、人数が急に膨大にふくれた、そういう
人たちが上にいるために若い人がなかなか力があっても、その
人たちの能力を発揮させる場所がつくれない。それでまた中には、どうせ
自分の先行きというものはあと二年か三年、四、五年たてばどうせ退官だろうということで大変無気力になっているような
人たちがいるらしいと、そういう
人たちがもし外国に出まして大使とか公使とか総領事なんというふうになった場合に、その中で働く館員はこれはありがた迷惑というようなこともあるらしいということを聞いておりますが、その辺の真偽のほどはどうなのか。もしそういう事実
関係があるならば、やはり人事の問題の一環として、われわれは人事の問題に触れるわけにいかない立場ですけれども、やはりそういうことも整備をしながら、気力あふれた
外務省の内容に整えていくということが必要ではあるまいか。
それから、現在、待命中の者が一体何人いるのか、この
人たちは一体どういうふうに使われるのか。それから
外務省顧問という役割りは一体どういう役割りを果たすのか。
私は、
外務省というのはおやめになると、大変言いにくいことですけれども、ほかの省と違ってつぶしがきかないという定評があるんですね。ここに
一つのぼくはデータを持っているんですけれども、いままでいろんなところへ行かれた方がいます。東京銀行の常任顧問だとか日航の顧問だとかニューオータニの会長だとか三菱重工の顧問だとか、こういう方々はきわめて限られた人なんですね。もう
国会議員ならずとも、大変有名な方ばかりです。それ以外の方々は一体どうなるんだ。必ずしも天下りがいいとは言いませんけれども、民間の企業体に、また余生をそこでいままで経験を積み重ねた力を発揮できる場所というものがあってもいいはずだし、そういうことで道を新たに開いている方々も大ぜいいらっしゃる。ただし、
外務省の場合、残念ながらない。
そこで、これは私の提案なんですけれども、
政府の機関の
一つにたとえば
外交問題調査研究所というような、いわゆるオーソライズされたそういう機関、しかも有給であると。で有能な
外交官で
外務省をおやめになった方々がそこでいろんな多角的な、そういう豊富な経験を積まれて、そしていろんな分析もなされる、そしてそれを
政府に対してアドバイスをする、こういう機関があってもいいのではないだろうか。確かに民間団体はあるようです、幾つも。しかし、やはり
政府の機関としてそういうものがあってもいいんではないか。せっかく有能な力のある経験の豊富な
外交官が野に下がって、あとはもうその力を発揮する場所もないというのでは非常に残念な惜しい気がしてならない。そういうことについてはどんな考え方を持っているのか。
ほかにもあるんですけれども、後に質問される方のじゃまをしてもいけませんので、いま幾つか申し上げた質問をまとめて要領よくひとつ御答弁をいただければというふうに思います。