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戸叶武君 資料請求をいたします。
自民党の方に配った資料は、参議院の
外務委員会にもいただきたいと思っております。
今後においては、私は、二十八日に日中問題に対する
質問をしますが、きめ細かい
質問をしないと、
条約に対しては内閣にすべてゆだねられておりますからいろんなことの細かい注文はいたしませんが、一度
条約を結んでからはなかなかそれを動かすことは困難なので、一覇権問題だけでなく、いま日中
関係の
政府の構え、与党の構え、いろんな点においてこれは新しい記録がここに出てくるのであって、われわれは
政府の決断待ちになっておりますが、日中
関係というものは隣国であって一番悲劇的な日華事変以後の悲劇を生んでいるので、それを乗り越えて、
日本のもう再び戦争をしない、軍備も持つまいというような平和憲法もできているのだし、大正三年におけるソ連と連携する前における孫文
先生のアジア主義の神戸における演説、あるいは大隈内閣における加藤高明の二十一カ条、それは
日本で受けとめているのとは違って、
日本の帝国主義的な行き方というものが中国のナショナリズムというものを刺激し、そうして逆に反日の原点になった。そういう
一つの
背景があって日中のいままでの抗争もあったのであるが、今回すべてを水に流して明日を築き上げようというのには、イデオロギーや国家性格は違っても、一覇権問題だけでなく、そこに共通の理念の躍動がなければ、この
条約の成果というものはない。
いろいろな解釈ができるというようなあいまいの点が残ったのではかえって後で禍根を招くおそれもあるので、私たちは、慎重というのではない、みずからの主体性が確立しない、党内の
意見も明確に取りまとめることができないような状態で
条約を結ぶというような内閣にわれわれは外交をゆだねることはできないというぐらいな
一つの厳しい眼をもって、国民にかわって、いまの自民党の
動きを監視しておるのです。これは
日本だけじゃないです、
世界が見ております。
どうぞ、そういう
意味において、外務大臣は、内閣総理大臣も非常に慎重でしかも決断していると思いますが、これは政治生命をかけての闘いという
認識のもとにひとつ善処してもらいたい。われわれもそういう
意味において協力はするが、あいまいもことしてえたいのわからないような姿勢で
条約を結ぶというようなことがあったならば、われわれ自身も共同の責任を感ずるので、これからの
外務委員会における
質問というものはひときわ厳しくやらなければならないと思います。どうぞ与党のごきげんだけをとることに夢中にならないで、高い、ハイモラルを持って明日の
世界、二十一世紀に向かって、アジアにおける
日本と中国が何をなすべきか、これを明確に示していかなければ、
世界の人々に単なる権謀術策と受け取られたんではそれは遺憾な点があると思います。そういう点を用意して二十八日には改めて私は
質問しますから、ひとつ資料の提出も
お願いしたい。