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1978-06-14 第84回国会 参議院 科学技術振興対策特別委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年六月十四日(水曜日)    午後三時十三分開会     —————————————    委員異動  六月六日     辞任         補欠選任      山本 富雄君     中山 太郎君      降矢 敬雄君     山崎 竜男君      田代由紀男君     熊谷  弘君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤原 房雄君     理 事                 源田  実君                 望月 邦夫君                 松前 達郎君                 塩出 啓典君                 佐藤 昭夫君     委 員                 亀井 久興君                 永野 嚴雄君                 山崎 竜男君                 吉田 正雄君                 柿沢 弘治君    政府委員        科学技術政務次        官        上條 勝久君        科学技術庁長官        官房長      半澤 治雄君        科学技術庁研究        調整局長     園山 重道君        科学技術庁原子        力安全局長    牧村 信之君    説明員        国土庁長官官房        震災対策課長   城野 好樹君        資源エネルギー        庁石油部計画課        長        箕輪  哲君        資源エネルギー        庁公益事業部開        発課長      藤咲 浩二君        気象庁観測部長  小林寿太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○科学技術振興対策樹立に関する調査  (原子力行政に関する件)  (一九七八年宮城沖地震に関する件等) ○継続調査要求に関する件 ○委員派遣承認要求に関する件     —————————————
  2. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る六日、山本富雄君、降矢敬雄君及び田代由紀男君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として中山太郎君、山崎竜男君及び熊谷弘君がそれぞれ選任されました。     —————————————
  3. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
  4. 吉田正雄

    吉田正雄君 最初に、一昨日発生をいたしました宮城県沖を震源地とする東北地方地震についてお伺いをいたしたいと思うわけです。  この地震によって、各地では相当大きな被害も出ておりますし、二十名を超す死者も出ておるわけです。この科学技術対策委員会でも、最も私どもが重点を置いてまいりました原子力発電所安全性の問題に関連をいたしまして、特に地震の際における原子力発電所施設設備安全性、とりわけ原子炉安全性がどのように確保をされるのかという点について、今回の地震は、そういう点で私は今後の安全性確保に関して一つの大きな教訓なりあるいは資料なりというものを与えてくれたのではないかというふうに思っておるわけです。そういう点で、今回の地震によって、とりわけ東北地方にあります原子力発電所の各施設設備における被害状況を、もし承知をされておりましたならばまずお聞かせを願いたいと思うのです。これはどちらになりますか、科技庁関係あるいは通産関係、両方あろうかと思うのですが、それぞれからお聞きをしたいと思うのです。
  5. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 一昨日の地震の後、直ちに関係原子力施設につきまして、その被害状況調査いたしましたところ、その被害がございましたのは、後ほど御説明します非常に小さなトラブル一件を除きまして、すべて何らの被害は出ておりません。  なお、原子炉地震動によってスクラムを組みましたのは、日本原子力研究所の大洗にございます材料試験炉停止したのみでございます。これは試験研究用原子炉でございまして、比較的小さな地震でも自動停止するように——自動的にセットした値以上の振動があったということでございますけれども、非常にこの炉につきましては低い値をとっておったということで停止したわけでございます。  それから、一件だけ、原子力施設関係がございませんけれども福島の第一原子力発電所送電線の碍子が一部破損したという報告を受けております。したがいまして、この件のみがただいまのところ報告を受けております地震による影響でございます。
  6. 吉田正雄

    吉田正雄君 原研のこの材料試験炉は小さな地震でも停止をするようになっておるという言い方は、緊急自動停止装置によって、ある一定地震の強度と言ったらいいんでしょうか、そういうものによって自動停止をするようになっておるのか、地震発生によって係員が手動でもってその操作をするのか、いまの答弁でははっきりいたしませんから、その点お答えいただきたいと思うわけです。  それから、各原子力発電所では、今回はどこも停止をしていないというふうにおっしゃっておるわけですけれども緊急停止装置と言ったらいいのですか、そういうものが各原子炉にあるのかどうなのか。そういう点で、地震の際における各発電所の、単に原子炉に限定せず、その他なかなか重要な施設設備というのがあると思うのですが、それらの地震に対処しての応対措置といいますか、そのものがどのようになっておるのか、一体どれだけの震度になったら、それは緊急停止をするのか、手動でやるのか、その辺もうちょっと詳しくお聞かせ願いたいと思います。
  7. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 原子炉の場合に、地震が起きましたときに、制御棒スクラムして原子炉をとめるわけでございますが、その設定をそれぞれの原子炉一定の値を定めておきます。それ以上の地震波が参りましたときには自動的に原子炉停止するようにいたしております。通常そのスクラム設定値は、原子力発電所の場合に、耐震設計をいたします設計値を下回ったところでスクラム設定値を定めておりますので、たとえ相当大きな地震がございましても、先ほども申し上げましたように、震度五あるいは四程度のものでありましても、その設定値を下回っておれば十分原子炉施設が安全に保たれるようになっておりますのでスクラムしないということでございますが、そのスクラム設定値を超えますと自動的にとまるわけでございます。  それから研究炉につきましては、このスクラム設定値が、いろいろ研究炉の性格からいたしまして、比較的低いところでとめるように指導しておりまして、そのために、先ほど原研の大洗のJMTRは、設定値が、ガル数で申しまして、水平ガル数で二十五ガルというのを設定してあったわけでございますが、ただいまのところ推定では、地盤であの地区で約三十ガル振動があったというふうに推定をされておりますが、それを若干上回ったために自動停止したということでございます。
  8. 吉田正雄

    吉田正雄君 原研のそれはいいんですが、私が聞きたいのは、むしろそうでなくて、現実に運転をしている福島等商業用発電炉についての値はどうなっておりますか。原研の方は二十五ガル、実際は今回三十ガルあっただろうということなんですが。
  9. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 関東地方のを申し上げますと、東京の福島が百八十ガル設定しております。それから中部の浜岡が二百ガル設定してございます。それから原電の東海が百ガルでございます。それから東海2号については同じく百ガル設定しております。
  10. 吉田正雄

    吉田正雄君 原子炉がいま申されたような数値で、この緊急自動装置というのは全部備えつけてあるわけですか。
  11. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) すべての原子炉に備えつけられております。
  12. 吉田正雄

    吉田正雄君 そうすると、いま値が福島の場合は百八十ガル浜岡の場合には二百ガルということになっているんですが、これはもちろん、事前耐震設計段階で、その地域に起きるであろうと想定される最大地震というものを考えての数字だろうと思うんですが、それでよろしゅうございますか。
  13. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 大づかみについては先生おっしゃしゃるとおりでございます。  そこで、ガル数設定につきましては、地震計を置きます位置によりまして、地盤のところに置く場合あるいは一階二階に置く場合とか、いろいろ差がございまして、その点で高い階の方がよけい揺れるわけでございます。そういう差がございまして、原子炉によって必ずしも一定していない。また原子炉自体設計値も、そのサイトの最大起こると予想される地震等の想定がそれぞれ違いますので、その設計ガル数も違っておる。そういう違いによりまして、原子炉全部が同じガル数自動停止するということにはなっていないわけでございます。
  14. 吉田正雄

    吉田正雄君 一階と二階では振れの振幅が違うという、ガルというよりもそれは振幅ですよ。だから、そういう説明では私のいまの質問には答えたことにならないんであって、きょうここで時間がありませんからね、私それをやるつもりで実は来たんじゃないんです。ただ柏崎の場合でもどこの原発の場合でも、地域住民が一番心配するのは、地震の際の安全性とそれから環境汚染の問題なんですよね。温排水であるとかあるいは空気中への放射能の低レベルのものの排気であるとか、そういう点で一番心配をしておるわけです。ですから、今回の地震によってどのような対策が一体とられるのか、また設計段階におけるそういう安全装置というものが本当に作動したのかどうなのか、そういうことを聞いているわけです。もう建物が壊れるほどとか、営業運転できないほどの大地震にならなきゃ緊急装置が作動しないということではまた困るわけですね。まあいま二百ガルと、福島では百八十ガルというふうにおっしゃったわけですけれども、これはこの数値緊急停止装置が本当に作動するという数値なんですか。どういうことなんですか、まだ説明じゃちょっとわからないんです。まあいきなりの質問ですから無理とは思いますが。
  15. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 先ほど振幅とか申し上げましたが、正確にはそれぞれの場所におきます水平波、これは加速度でございますが、これを測定する地震計を備えつけておりまして、その地震計が、ある設定点以上になったときには緊急自動停止装置が働きまして原子炉がとまるという仕組みになっております。
  16. 吉田正雄

    吉田正雄君 もう一回おっしゃってください。地震計をどこに備えつけてあるんですか。
  17. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) これは原子力施設によりまして相違がございます。二階に置いてある場合もありますし、一階に置いてある場合もございます。
  18. 吉田正雄

    吉田正雄君 一階、二階という言い方では不正確ですから、原子力発電所のどういう場所ですか。そうでしょう。一階、二階という言い方ではちょっとわからないですよ、それは。いま言ったように、一階と二階では振幅は確かに物すごく違いますよ、それは。そうじゃなくて、いまおっしゃっているのは水平最大加速度でしょう。だから、そのサイトにおける最大水平加速度を、一体どこのところに地震計を置いてそれを測定しているかということをいま聞いているわけです。
  19. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) この置いてある場所は、先ほども申し上げましたように、基盤に置く場合もありますし、それから原子炉建屋のある一定の高さのところに置く場合もありますし、それは決まっておりません。しかし、原子炉施設地震安全設計をいたしますときに、それぞれの場所におきます動的な解析をしておりまして、それの最大設計値よりも下回る、その場所における設計値より下回るところでスクラムをするポイントを置いてございますので、十分に安全が保てるという考え方になっておるわけでございます。
  20. 吉田正雄

    吉田正雄君 いまの答弁は不正確ですし、それは私の質問には答えておりません。まあいきなりの質問ですから無理ないと思うのですが、それじゃ各原子力発電所の設置をされておる地震計、これがどういうところに設けられておるのかということと、それから今回の地震に伴う各発電所地震計がどのような数値を記録をしたのか、そして緊急停止装置が、その与えられた数値以下であったから作動しなかったのか、以上であったけれども作動しなかったのか、その辺の詳細をひとつ資料として出していただきたいと思うのです。これはよろしゅうございますか。
  21. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 加速度解析をする必要がございますので、すぐにお出しはできないかと思いますが、すでに各施設の方でそういう解析も行っておると思いますので、調査し次第御報告できると考えております。
  22. 吉田正雄

    吉田正雄君 それじゃ、通産にちょっとお聞きしたいんですが、近く国会の方でも正式に災害対策特別委員会の方で現地調査へ行くと思うんですけれども、たとえば新聞報道等でも、絶対大丈夫と言われておった石油タンクが見るも無残な状況になっているわけですね。あれも事前審査段階ではいろんな設計基準等によって、地震国である日本ですから当然安全性というものが確認をされておると思うんです。一定設計基準に基づいて行われたものだろうと思うんです。ところが石油タンクの場合、ああいう見るも無残な状態になっておるわけです。この点についてはどのようにお考えになっているか、まずその点だけ一言お聞かせ願いたいと思います。
  23. 箕輪哲

    説明員箕輪哲君) お答えいたします。  ただいまのお尋ねは、設計時におきまして、地震に対してどういう基準をもって設計しているかというお尋ねでございますが、御存じのとおり、石油タンクの安全問題につきましては、これは消防法の所管になっておりまして、消防法で決めております。で、直接担当ではないので的確な御返事はできないかもしれませんが、私どもといたしましては、その消防法基準に従いましてきちんとした設計をしておると、そのように了解しております。
  24. 吉田正雄

    吉田正雄君 通産にはその点いろいろお聞きするという事前のあれがありませんでしたから、それはその程度にしておきますが、通産にはこの前から——科技庁の方はまた後で質問いたしますけれども通産ということで出ましたから、通産の方で予算関係についてちょっとお聞きをしておきたいと思うんですけれども、この前の委員会の際に私の方から、新潟県の角海浜原発通称巻原発と言っておりますが、東北電力のこの巻原発建設に絡んで、町議会議員に対する供応であるとかあるいは汚職というふうなものが新聞記事報道されて、そしてそれをめくって各  それをめくってというよりも原発建設促進という立場から、札束で各市町村関係者のほおをたたくということが行われておるという点を指摘をして、今日までの原子力発電所に対する通産省あるいは科学技術庁あるいは原子力発電所動燃事業団等のいわゆる交付金であるとか補助金、それらについて、特に電源三法に基づく交付金補助金等についての各施設ごとの各市町村に対する、あるいは県を含めた市町村に対するこの金の内容ですね、そういうものを明らかにしてください、資料を下さいということでいただいたんですけれども、この前いただいたものでは、もう一括、つまり合計額しか出てないわけです。これでは見たってさっぱりわからないわけです。そういうことで、きょうまた各施設ごとに一々聞いておったんでは時間がありませんから聞きませんが、これらの資料通産省として、まあいままでは過去一、二年でいいと思ったんですが、皆さんの方はなかなか不親切でありまして、出された資料というのは私の要求した資料にこたえていません。したがって、もう少し明らかにする観点から、過去一、二年というふうな言い方でなくて、私の方では、いままで支出をされた、いままでですよ、過去にさかのぼります。何年とは区切りませんから、いままでの各原子力発電所建設に伴う各地方自治体やあるいはその他の関連機関に対して支出をされた交付金補助金等、こういうものについてできるだけ詳細にひとつ資料を作成をしていただきたいと思うわけです。すでに五十一年度までは決算が終わっているはずです。それから五十二年については、これもちょっとお聞きをしたところまだこの決算も出ておりませんからという、五十二年度については決算も出ておりませんというふうな言い方だったんですが、もう各地元新聞報道で、柏崎等の場合にも柏崎市に対しては何億何千万円の補助金と言ったらいいか、交付金がすでに出ますということで、市町村でそれぞれもう計画を立てているわけです。道路をつくりますとかあるいは公民館をつくりますというふうなもう計画がどんどん進行しておるわけです。さらに、私がこの前指摘した中には、まだ電調審すら通っていないのに交付金が出ておるという報道地元で出ているわけです。これは柏崎ではありませんよ。これはこの前の議事録を見てください。そういうことで、この補助金交付金支出というものが非常にルーズではないか、逆に言うならば予算執行の厳正なあり方からずれているんじゃないか、外れているんじゃないかという疑惑も私は持つわけです。まあそんなことがあったら大変だと思うんで、多分ないだろうと思うんですけれども、少なくとも新聞報道と、それからその新聞報道が事実であるとするとその点非常に問題があるんじゃないかと思うんです。そういう点で、五十二年度のものについても皆さん方は県を通じて市町村からのいろんなこの要求が上がってくる、それを算定をして補助金なり交付金というものを出されておると思うんです。したがって五十二年度のものについても現在まで支出をされたもの、そしてそれはどういう要求が上がってきたのか、それをどのように積算をし、またその積算に基づく算定がどのように行われたのか、そういうものもっけ加えて資料として出していただきたいと思うんです。これは通産だけでなくて科技庁関係も、動燃原研からその地元に対する補助金とか交付金の名目で何億という金が出ておるということを私はこの前の委員会でも指摘をしたわけです。ところが、それらについての資料をいただきたいと言ったら、五十二年度予算の中で出された決まり切ったあの予算書をぽんと持ってきて、これですと、こんな不親切なやり方はないわけですよ。私の方でも各市町村単位に全部調べればわかるんですよ。わかりますけれども、一々そんなことやらなくても皆さんの方が予算執行されているんですから、予算執行者予算支出状況がわからぬということはあり得ないはずです。しかも何もかつての日本軍国主義時代軍事機密費でも何でもないわけです。国会審議を通った国の予算なんですから、そういう点で何も秘密にする事項でも何でもないわけですね。ところが、私のそういう要求に対しても必ずしもその要求にこたえた資料じゃない、そういうところにますます疑惑というものが出てくるんです。そういうことで、通産それから科技庁関係のいま私が申し上げたような資料を早急に出していただきたいと思うんですが、よろしゅうございますか。
  25. 藤咲浩二

    説明員藤咲浩二君) ただいまの三法に基づく交付金資料の点でございますが、発電所ごと市町村ごとということになりますと、先生承知かと思いますが、特定の市町村をカバーするような整備計画が複数の発電所に対する交付金でカバーされる場合等がありまして、どちらの発電施設に基づく交付金が幾ら出されたのかという判定が非常にむずかしい場合がございますので、そういう場合はちょっと困難だと思いますが、それ以外のものにつきましてはできるだけ早急に作業をいたしまして、市町村別交付実績、五十一年度までの実績と、それから五十二年度についてはいま決算を待っておる状況ではございますが、なるべく早く、できるだけ実績に近い数字をまとめましてお出ししたいと思います。
  26. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私自身この方面担当しておりませんが、担当の局の方に連絡しまして、できるだけ御要望に沿って出すように連絡いたします。
  27. 吉田正雄

    吉田正雄君 科技庁関係局長ね、関係方面にということなんですが、ちょっとだけお聞きしておきますけれども動燃原研原発建設をめぐって、その地元電源三法に基づく交付金だの補助金なんというものを支出するような予算というものが予算の中に入っているのかどうか、まずそれだけ聞かしてください。
  28. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) ただいま私が申し上げましたのは、担当局原子力局でございますので、原子力局に連絡するということでございます。  それから、動燃地元に対して出した金の予算につきましては、私いま手元に資料を持っておりませんので詳細はお答えできませんが、必要があれば後ほど調べてお答えします。
  29. 吉田正雄

    吉田正雄君 次官もおいでになっておりますが、これはこの前から資料請求で、出すということになっているんですけれど、見たってちっとも役に立たないですね。単なる集計一覧表しか出てないんですよ。それじゃもう全然わかりません。ですから私は通産にも——通産は出してくださるそうですし、何も秘密事項でも何でもないわけですから。  そこで、せっかくお出しくださるんですから、通産と同じく、各市町村要求というのが出てきていると思います。それを皆さんでは算定をされて、これだけだということで支出をされていると思うんです。だから、それがはっきりわかるような資料ですね。もっと端的に言いますと、これは通産も聞いておいてもらいたいんですが、皆さんの方では県を通じて各市町村から要求が上がってきたということでもってそれを算定をされるわけですね、算定をされて妥当だと思うものについては支出をしていくということになるわけです。ところが要求をしてもそれが全部認められるとは限らぬわけですし、まあ削られる場合もあるでしょうし、支出をした予算というものが本当に適正にそのとおりのものに使われておるのかどうかということをまたチェックする必要もあるわけです。これは皆さん方、そのチェックをされるのかされないのかですね。私は、県を通じてということになると、もうされてないんじゃないかと思うんです。そういうこともありますし、とかくのうわさというものをなくするためにもこの資料が私は必要だと思うんです。どういう地元から要求が上がって、皆さんはそれをどのように算定をされて、また交付をされたということになると対比できるわけですね。とんでもない方向へ使われておったということになれば、これはもう予算執行上やはり大変な問題が出てくるわけですから、皆さん方も適正な指導というものがなされなきゃいかぬわけですし、場合によっては、間違った補助金については返してもらうなんという場合だって出てこないとは限らぬと思うんです。そういうこともありますので、私としては、やっぱり皆さん方自身も詳細にその資料というものを整備をしていく必要があるんじゃないかと思いますので、そういう点でひとつ資料を出していただきたいということなんですが、科技庁の方もよろしゅうございましょうか、次官よろしゅうございますか。
  30. 上條勝久

    政府委員上條勝久君) ただいまの御意見にお答えいたします前に、最初の御意見でありますが、局長からお答えを申し上げましたとおり、おかげでこのたびは原子力発電所に事故が、異常がございません。しかし、ただいま全部を調べ尽くしておるわけじゃありませんので、御発言の点はきわめて将来にわたって大事な事柄でありますから、内容でまだ調査をしなきゃならぬ点につきましては、今後とも十分調査をして万全を期してまいりたいと、かように存じます。  なお、いまの資料の問題は、これはいずれ先生の御発言委員長からも御要求があろうかと思うんでありますが、御意見に沿いましてできるだけ提出するように善処いたしたいと思います。
  31. 吉田正雄

    吉田正雄君 次に、柏崎原子力発電所が昨年の九月一日に総理大臣によって認可をされたわけです。ところが、これに対しまして、柏崎刈羽原子力発電所の原子炉の設置許可処分に対する異議申し立てというものが行われたわけです。二つのものが出されておると思うんですけれども、まずお聞きをいたしますが、昨年の十月二十五日に一件出ておるわけですね。この異議申し立てが十月二十五日、申し立て人が新潟県柏崎市宮川二四三〇番地芳川広一外四千六百六十九人というふうになっておるんですけれども、この点、年月日とそれから申し立て人外の数、これはいま申し上げたとおりでよろしゅうございますか、どうなっておりますか。
  32. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 十月二十五日に芳川広一から二千百九十六名の異議申し立てがあり、もう一件十月二十八日に中野利作と申す者ですか、外三千六百三十三名から……
  33. 吉田正雄

    吉田正雄君 私が聞いているのは、十月二十五日のものだけいま聞いているんです。
  34. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 二千百九十六名の異議申し立てが出ております。芳川さんの外二千百九十六名の方から異議申し立てを受けております。
  35. 吉田正雄

    吉田正雄君 済みません、通産の方、よろしゅうございます。ありがとうございました。  この異議申し立てについては正式に受理をされましたか、どうですか。
  36. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 受理しております。
  37. 吉田正雄

    吉田正雄君 受理月日はいつでしょうか。
  38. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 十月二十五日付で受理しております。
  39. 吉田正雄

    吉田正雄君 その受理の旨を申し立て人に対してどのような方法で通知をされましたか。
  40. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 申し立て人の方にその通知を出してはいないと思います。
  41. 吉田正雄

    吉田正雄君 どういうことになるんですか。受理をされたならば、本来、速やかに受理をいたしましたという受理通知というものを不服申し立て人に対してなすのが当然じゃないですか。
  42. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 当日、代表の方がお見えになりまして書類を御提出いただきまして、それを私に提出されたわけでございますので、これを受理いたしますということで、口頭で申し上げております。したがいまして、相当の数の代表の方がお見えでございますので、それらの方々が御了承いただければということで、全員に対して受理いたしましたという通知はいたしておりません。
  43. 吉田正雄

    吉田正雄君 そうすると、当日代表が見えましたと、代表というのはだれですか。
  44. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 正式なこの異議申し立てに対しましての代表というわけではございませんけれども、それぞれの何人かの方がお見えになりまして、異議申し立ての趣旨をお述べになり、それに伴いまして書類をわが方に御提出になりましたので、それをもって受理したということで書類的に整理しておるわけでございます。
  45. 吉田正雄

    吉田正雄君 いまの答弁になってないじゃないですか、あなた。行政不服審査法に基づいて正式に異議申し立てをやっているわけでしょう。当日見えた方に口頭で受理しましたと言ってみたって、正式に受理をしたということになれば、申し立て人に対して受理をしたということが周知徹底されなければならぬじゃないですか。だから、どういう方法で申し立て人に対して受理をした旨の通知をしたのかということを言っているわけです。代表とおっしゃるけれども、一体だれが代表なんですか。あなたは何人かの方が見えた、何人かの方が見えたと言っているんですけれども、それでは、だれに対して正式に受理をしたということを、またどのような方法で、申し立て人に対して周知徹底をさしてくれということをあなたの方から申されていますか。
  46. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) この不服審査法に基づきます異議の申し立てば文書によって行われるわけでございまして、その文書を受け取ることによって、わが方で受理の手続をとれば済むことになっております。したがいまして、手続上これを全員の方に通知をする義務は私ども負っておりません。
  47. 吉田正雄

    吉田正雄君 文書を受け取れば、それが即受理になるんですか、そんなばかな話ないでしょう、あなた。文書を受け取ったらそれは受理ですか。それは答弁になりませんよ、あなた。
  48. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 通常の役所のいろいろな申請を受ける場合においても同様でございますけれども、書類をもちまして提出を受けて、それを当方の事務手続に従いまして受理の手続をとることによって、役所ではそれを受理しておるというふうな措置をしておるわけでございまして、この件につきましても同様の措置をしておるということでございます。
  49. 吉田正雄

    吉田正雄君 局長ね、あなたは、出された文書を単に受け取ったから、それが正式受理だということでは通りませんですよ。本当にそれでいいんですか。  それじゃお聞きします。それが正式受理であるならば、今日まで何日たっておりますか。聞いたことに答えてください。要らぬことをあなたから答えてもらう必要はないんですから。
  50. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 十月二十五日に受理しておりますから、その間ただいままでそういう状態でございます。
  51. 吉田正雄

    吉田正雄君 いや、何日たってますかと聞いたんです。
  52. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 受理しましてから約八カ月弱だっておるわけでございます。
  53. 吉田正雄

    吉田正雄君 正確に答えてください。これは行政不服審査法に基づく正式の異議申し立てなんですから、あなたはさっき代表が何人か見えたとおっしゃっていますから、代表はだれですか。代表はだれか言ってください。
  54. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私が代表と申し上げたのは、この不服審査法に基づく代表ということではなくて、この書類を私の方にお持ちになりました地元の何人かの方が、われわれが代表であろうということで、私が代表と申し上げたわけでございます。
  55. 吉田正雄

    吉田正雄君 そうすると、代表であろうというふうに当局は推定をして、そして文書を受け取ったからそれが正式に受理になると、こういうことですか。
  56. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) この書類を郵送で受け取りましても受理はできるわけでございますが、今回の場合には、地元の方が何人かお見えになって、書類を携われて提出をされたということでございます。
  57. 吉田正雄

    吉田正雄君 郵送された場合には、皆さんは異議申し立て人についてどういう通知をされますか。
  58. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私どもとしましては、受理をいたしますと、記録簿にそれを登録いたしまして、その後われわれがこの法律に基づきましていろいろな審査を開始するわけでございます。
  59. 吉田正雄

    吉田正雄君 二百三十四日たっているわけです、きょうで。約八カ月。いいですか。正式に受理をして八カ月間何をやってこられましたか。
  60. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 本件の場合でございますが、二十五日にこの書類をお持ちいただきました際に、この書類をお持ちいただいた方々に対して、行政不服審査法の審査の手続にのっとりまして、総代を選んでいただきたいということでお願いをしたわけでございます。で、その後も、この書類をお出しいただきましたときに、一応地元を代表しておられるであろうと思われる方々に対しまして、引き続き数次にわたりまして、この総代を選んでいただくように、総代を選んだ上で、この不服審査法に基づきましていろいろな御要請が出ております、こういう問題を処理してまいりたいということを現在までいろいろとお願いしておる、そういう状況でございます。
  61. 吉田正雄

    吉田正雄君 総代を選んでいただきたいということをだれに言われたんですか。
  62. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 当日、芳川さんを初めとする何人かの方がお見えになっておられましたので、まず口頭で、本件処理に当たりまして、地元の方々は口頭陳述等もいたしたいというお話でございますので、総代を選んでいただいて、その方と事務の進め方を相談し、その上でそういう御要望の件を処理したいということをお願いしておるわけでございます。その後におきましても、電話その他でいろいろと現地の方々にお願いしておるというのが現状でございます。
  63. 吉田正雄

    吉田正雄君 総代を選んでくれということを芳川さんにその旨を言ったということなんですが、そうすると、芳川さんはどういう資格で選ぶ権利があるんですか。
  64. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 先ほど申しましたのはちょっと間違っておりました。当日、武本さんという方がお見えになっておられたそうでございます。で、武本さんを初めとして皆さんに総代を選ぶ件につきましてお願いしましたところが、それらの連絡は芳川さんに連絡するようにお願いしたいという先方の方の御依頼でございましたので、その後二、三回にわたりまして総代を選ぶようにお願いをしておるというのが現状でございます。
  65. 吉田正雄

    吉田正雄君 本来、総代を選んでくれというのは、だれに向かって言うんですか。どういう資格のある人に向かって言うんですか。  その前に、あなたは正式に受理をしたということですから、そうすると、正式受理をしたからには、当然異議申し立ての、皆さんがいま発表された数字の芳川広一外二千百九十六人、これが行政不服審査法に基づく異議申し立てについての適格性を持った人たちであるというふうに判断されたわけでしょう。聞いたことだけに答えてください。要らぬことはいいですからね。
  66. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私どもは、この書類をいただきまして、書類の適格性等も当日いたしております。それで不適格なものは修正をお願いしたり、あるいは取り上げていただくというような手続もしておりますけれども、そういう意味合いにおきましては、先生おっしゃいますように、二千百九十六名の方から異議申し立てを受け、それを受理したということになるわけでございます。
  67. 吉田正雄

    吉田正雄君 ですから、受理したんですから、この不服審査法に基づく異議申し立ての適格者だという判断をされたんでしょうと聞いているんですよ。
  68. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) これは最終的に決定を行うことになるわけでございますけれども、現段階では、この行政不服審査法の精神にのっとりまして……
  69. 吉田正雄

    吉田正雄君 何が最終的だって、正式に受理したんでしょうが。何が最終的なんだ。それじゃ、いまのは仮ですか。
  70. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) いえ、私の申し上げておりますのは、それらの御要求が適格であるかどうかの判断、それから不服の中身について最終的に決定を行う、その審議をしておるわけでございますので、最終的にはその点で最終判断というのは私どもが処理を行うところで完結するわけでございますけれども、不服審査法の趣旨から見まして、頭からどういう方を不服の適格があるというような扱いをする考えで本件の処理をしておるわけではございませんで、皆さん地元関係ある方でございますので適格があるという考え方のもとに現在審議を進めておるということでございます。
  71. 吉田正雄

    吉田正雄君 そうすると、あれですか、皆さん方正式にこれを受理をしたと称しながら、不服申し立てをした人たちが不服申し立てをする権利があるのかどうか、適格性を持っているかどうか、それすらわからないのですか。いまの答弁そうじゃないですか。まだ途中の段階であって、審査の段階であって、この人たちが異議申し立てをする適格性を持っているかどうかわからぬ……中身はこれから皆さん審査するんでしょうけれども、異議申し立てをあなたは正式に受理したとおっしゃったでしょうが。正式に受理をしたということは適格性を持っておる、つまり異議申し立てをする権限のない人が異議申し立てしたら、これはその段階でもって門前払いになりますよ。じゃそこのところはどうなんですか。
  72. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) そういう問題も含めまして最終的に私どもとしては法律に基づきまして決定をするわけでございますが、先生おっしゃいますように、これら申請をされた方々はすべて地元関係ある方であるという態度でいま審査をしておるということを申し上げておるわけでございます。
  73. 吉田正雄

    吉田正雄君 それは答弁になってないですよ、局長。もうちょっと法律よく読みなさいよ。異議申し立てをする人が適格であるかどうかなんというのを、受理した後の審査の中でずっとやっていきますなんて、そんなことになりませんよ、あなた。それでいいんですか。そうすると、いまのは仮の受け付けですか。仮の受け付けなんですね。あなたは最終的じゃないということを言った。いま、受け付けたけれども最終的じゃないと言うんですね。そんな仮の受け付けなんてあるんですか。先ほどは正式に受理したとおっしゃったでしょう。
  74. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私の申し上げておりますのは、この受理をいたしまして、受理をしたのは正式に受理しております。その審査を行っている段階でございますが、その最終判断はまだ決めていないということでございます。
  75. 吉田正雄

    吉田正雄君 それでは総代を選べということはどういうことですか。総代を選んでくださいということはどういうことなんです。
  76. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) この総代を選ぶに当たりましては、法的には申請の方、異議申し立ての方全員にお願いする必要がございますけれども、通常こういう案件を処理いたします場合には、できるだけ話し合いでまとめていきたいということもございますので、その話し合いに応じてくださる代表の方を選んでいただいて、その方を通じてお話を進めたいというのが私どもの立場でございます。で、現在はそういう立場でやっておりますけれども、必要があれば全員に対して総代を選ぶようにという法律の手続に従っての命令もできることになっております。
  77. 吉田正雄

    吉田正雄君 全員に向かって総代を選んでくださいということを命ずることができる、そうです、そのとおり書いてあるんですよ。だから、皆さんいままでだれを相手に何をやってきたかと聞いているんですよ。正式に受理をしたというんでしょう。そして、総代を選んでくださいと言っているんだけれども、総代を選んでくれというのをだれに向かって、正式にはいままでどのような手続でやってきたんですか。代表、代表とおっしゃるでしょう。正式にだれが代表になっているんですか。皆さんだれを正式な代表と認定をされてきたんですか。代表に向かってそういうことを盛んに言っているとおっしゃるけれども皆さん方が法的に言うところの正式な代表はだれなんです、現在は。
  78. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 当日この書類をお持ちいただいた方に、こういう手続上総代を選んでいただくようになりますということでの御相談を申し上げる方をどなたにしたらよろしいかというこちらの要請に対しまして、当日芳川さんにそういう連絡はしてほしいと、芳川さんを通じてこの申し立て人の方々に連絡がつくような感触のお話でございましたので、その以降、この芳川さんを中心にいろいろとお願いをしているということでございます。
  79. 吉田正雄

    吉田正雄君 私はそんな非公式な話の内容をいま聞いているんじゃないんですよ。正式に受理したのが二百三十四日前でしょう。八カ月も経過しているんですよ。そうして正式な代表を選んでくれというのを皆さん方言っているというので、正式な代表を選んでくれというのをだれに言っているのですか。不服申し立てした人たちにその趣旨が伝わっておりますか。いまここでお話ししているのは、裏でだれとだれが話をしたかなんていう裏話を聞いているんじゃないんですよ。不服審査法に基づいて皆さん方が受理をされたのだから、受理をされた以後、不服審査法に基づく審査請求の進行についてどのようなことをやられてきたかということを私はいま聞いているんです。裏の話を聞いているんじゃないんです。だから、正式の代表というのはだれですか。いまあなたが盛んに代表、代表とおっしゃっているのだが、一体二千百九十六人のあなたが言っている正式な代表というのはだれなんですか。
  80. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) いまいろいろ御説明したような状況でございますので、この件に関します総代は……
  81. 吉田正雄

    吉田正雄君 説明になっていない。
  82. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) まだ決まっておりません。
  83. 吉田正雄

    吉田正雄君 決まっていないって、あなたはいま代表に総代を選んでくださいと言っているというんでしょう。だから正式な代表ってだれですかと聞いているんです。だって二千百九十六人に総代を選んでくれという、法律であなたも読んだとおりですよ。行政不服審査法の十一条に「多数人が共同して不服申立てをしようとするときは、三人をこえない総代を互選することができる。」のですよ。互選しなくたっていいんです。「互選することができる。」のであって、何も総代でなくて、全部を相手にやったっていいわけですよ。これは総代でなければいかぬということじゃないんです。それはとにかくとして、代表ってだれですか。あなたは総代を選んでくれと言ってみたって、不服申し立てをした人のところに総代を選んでくれという趣旨が徹底をしていないんじゃないですか。あなたはただ文書を受け付けただけだと言っているのであって、それをどうやって趣旨を徹底されたかということをぼくは聞いているんです。二千百九十六人に対して総代を選んでくださいという通知をされましたかと聞いているんです、それが口頭であれ文書であれ。
  84. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 先住の御指摘の全員に対してのそういうお願いをまだいたしていない段階でございます。ただ、たびたび申し上げますけれども、この書類をお出しいただくときに、そういうような手続上の問題を相談する方をどなたか決めていただくとわれわれは相互において事務の円滑化の上に非常に都合がいいので、どなたか連絡をとれる人を指名していただきたいというお願いに対して、先ほどから申し上げておるような芳川さんという方を向こうが選んでいただけたので、その方とやっておったということなんでございます。ただ、このようなやり方は、ほかの方の不服審査法に基づく申し立てを受けたときに通常行われて、皆様とその間で総代を選んだりしていただくことができたものですから、そのあれをとったわけでございます。
  85. 吉田正雄

    吉田正雄君 いま、芳川広一さんが代表だというふうに受けとめたって、だれが受けとめたんですか。だれが正式に代表ですと皆さんに言いましたか。二千百九十六人の皆さんが芳川広一を総代にしますというきちんとした意思表示があったんですか。
  86. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) この不服審査法に基づきます総代とかそういう意味ではございませんで、この件を処理していく上での地元との連絡をとってくださる方として芳川さんということを指名を受けたわけでございまして、その意味において、この芳川さんといろいろな事務連絡をしておるということでございます。
  87. 吉田正雄

    吉田正雄君 私が聞いているのは皆さんの非公式な裏の事務連絡を聞いているんじゃないんです。いままで何を聞いてきたんですか。行政不服審査法に基づく正式な受理がなされたとおっしゃるから、それ以後どういうふうに正式に手続を進めてきているかということを聞いているんでしょうが、裏の話を聞いているんじゃないですよ。それは答弁になってないじゃないですか。
  88. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 先ほども申し上げますように、この不服審査法に基づきまして、申し立て人全員に対して文書あるいは口頭をもちましてのお願いはまだしていないと先ほど申し上げたわけでございます。したがって、先生の正式なとおっしゃるそういう手続はまだ進めていないわけでございます。
  89. 吉田正雄

    吉田正雄君 次官ね、八カ月たっているんですよ。八カ月。私も、物事をスムーズに進行させるために公的な面ばっかりでぎすぎすやったからといって物事がよく進むとはだれも思っていませんよ。それは潤滑油も必要でしょうし、非公式な話し合いも必要です。しかし、善意の非公式な話し合いを地元代表と称する人たちがやろうとしても、そのことがちっとも進展をしない。逆に言うならば、それが非公式であるということを理由にして、いま局長の言ったこととは全くうらはらに、逆に非公式なるがゆえに正式な手続を踏んでいないということで、ちっとも事態が進展しないで今日まで八カ月も延々引き延ばされてきたわけです。この間、一方的にどんどん保安林の解除が行われる、異議申し立てに必要な現場の検証であるとか証拠保全であるとか、その他の必要な措置というものが全然とられない。仮に異議申し立てがそのまま認められたとしても、すでに柏崎における現状というものは、異議申し立ての効力がないほど事態が進行しているわけです。こんな不誠意な話がありますか。不誠意なというよりも、行政不服審査法に基づいては迅速にやらなきゃいけないわけでしょう。ところが皆さん方は、スムーズに事態が進行するようにという現地の皆さんの善意というものを逆手にとって今日までちっとも誠意を持って応じていない。八カ月もたっておるという、こんな事態は許せませんよ。はっきり言って私も二、三回あっせんの労もとったんですけれども皆さんは私に対する答弁と現地の皆さんに対する答弁には食い違いがある。こんなこと許されていいと思いますか。ですから、そういう裏の話ではだめなんですから、改めてきょう私は正式な行政不服審査法に基づいて、皆さん方はいままでのは非公式であってちっとも法的な手続を進めていないとおっしゃる、踏んでないとおっしゃるから聞いているんです。そんなこと言う皆さん方が、じゃいままで何をやってきたか。  では、改めてもう一回、一つ一つ聞きます。正式に受理をされた、間違いありませんね。質問だけに答えてください、再確認しておきますから。
  90. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 正式に受理しております。
  91. 吉田正雄

    吉田正雄君 正式受理後今日まで正式な審査請求についての進行、事務的な手続は一切やられてこなかった、これは間違いありませんね。
  92. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 先生のおっしゃるとおりでございますが、先日お見えになって異議申し立てを取りまとめて持参した方々があるわけでございます。これらの方々は文書を全体の方から託されて来られたものと考えるわけでございます。したがって、当然私どもとしては話し合いのための代表をこれらの方々にお願いするということは何ちおかしいことではないと思っております。その話し合いの代表になる方々がこの不服審査法に基づく総代であるとかというものではございませんけれども、当然そういう何千人の方からの文書を託されてお持ちになってきたのであって、そういう方々に私どもが申し上げるようなことをお願いするのは何らおかしいことではないと思っております。
  93. 吉田正雄

    吉田正雄君 持ってきた人に要請をするとかしないとかというのは別問題でしょう。この法律に基づいて正式に不服申し立て、異議申し立てをされた人たちに対して総代を選んでくださいという話はされましたか、通知、そういうものはされましたか。
  94. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) これらのお持ちになった方あるいはその御指名を受けた方以外にはいたしておりません。
  95. 吉田正雄

    吉田正雄君 持ち時間が来たんですけれども委員長ね、これは八カ月たっている問題なんです。しかも不誠意きわまりない、科学技術庁の態度というのは。八カ月間放置をしてきたんですよ。放置。全然進んでいないじゃないですか。いま聞けば、異議申し立て人に対して正式に受理をしたという通知も出さなければ、総代を選んでくれという……皆さん方はいざとなれば、都合が悪くなれば命令でどんどん——自主的に総代を選ぼうとしても、逆に言うならば、とっとと早く進めたいときには法律でもって命令をすることができることになっていますよ、法律上。ところが、八カ月たって現地の皆さんが、皆さん方の事務的な繁雑さを少しでも少なくしてやるという善意の立場から、いろんな非公式な話をされてきたことは事実です。ところが、それを逆手にとってちっとも誠意ある態度を示さない、というよりも、むしろ事態を引き延ばして今日まできたわけです。何だかんだ言ったって、現実には正式にまだ一回も不服申し立て人について受理をしたということも、総代を選んでくださいということも何ら通知をしていないですよ。口頭であれ文書であれ。しかも皆さん方が言っている代表代表というのは、皆さんの立場からすれば、正式の代表でないということは皆さん方がかって言ってきたことですよ。私にも言っているわけです。正式でない代表に対して総代を選んでくれなんと言ったって、そんなものは正式なものになりますか。そんなものは法的にはちっとも構成要件になっていないですよ。  そこで、私は後、もう二、三分過ぎてしまったんですが、これはきわめて重大です。今国会はきょうでこの委員会はもう最後の日だろうと思うんですが、そういうことで私は次官にその点をお聞きをしておきたいと思うんです。こんな無責任なやり方ですから、原子力行政に対して信用しろと言ったって、現地の皆さんがするわけないわけですよ。まず、その点についてどうお考えなのかということと、これから一体どうされるのか。いまのお話、お聞きのとおりです。とにかくちっとも事態は進んでない。しかも何ら正式に進めようという意欲もなかった。都合が悪くなれば、それは正式の代表でないなんということにもなってくるわけですしね。いいですか、これからどうされようとするのか、それだけまずお聞きをしたいと思うんです。後の方の質問もありますから、きょうの次官答弁で、これで終わることになりません。次のまた機会にこの問題についてはやりたいと思います。
  96. 上條勝久

    政府委員上條勝久君) 原子力の開発を進めてまいりまするのには、これは何をおいても地元関係者の御理解と御協力が一番大事なことでございます。ただいま御指摘の点につきましては、制度上進めてまいるべきであると判断いたしまするので、部内と速やかに検討いたしまして、さようなことで善処していきたいと、こう思います。御了承をお願いいたします。
  97. 吉田正雄

    吉田正雄君 不満ですけれども、これで終わったわけじゃないですから。委員長、次回の機会にまたやりますから。   〔委員長退席、理事塩出啓典君着席〕
  98. 藤原房雄

    藤原房雄君 ただいま同僚委員から、一昨日の宮城沖地震のことについてちょっとお話ございましたが、同僚委員からは、それが原子力発電所そのほかのものについてどういう影響があるかというお話ございましたが、当委員会科学技術振興対策特別委員会ということでありますが、科技庁担当いたしております予知、またそれらのものを中心にして二、三点お伺いしたいと思うのであります。  最初に、国土庁の方もいらっしゃっていると思いますが、今度の地震、マグニチュード七・五ということで相当大きく、そしてまた被害も大きかったわけでありますが、全貌についてはまだ調査中ということで、すべてが明らかになったんではないだろうと思いますけれども、このたびの宮城沖地震というものがもたらした被害の概況ですね、詳細のことはよろしいですが、これを現在把握されておる主な点だけ。また、いままでの地震の中で特に特色、特記すべきそういう問題点もございましたらあわせて御報告いただきたいと思います。
  99. 城野好樹

    説明員(城野好樹君) 今回の宮城沖地震でございますが、六月十二日午後五時十五分ごろ宮城県沖におきまして発生しました地震の規模は、気象庁の調べによりますとマグニチュード七・五でございまして、各地の震度は、仙台、大船渡、福島で五、東京、水戸、山形等で四ということになっております。非常に広域的な地震でございまして、この地震によりまして生じました被害は、死者・行方不明二十三名、負傷者四百三十四名、建物の全壊百八十四戸、建物の半壊二千二百六戸、道路損壊個所約百四十三カ所、山崩れ個所約百四十六カ所等が主なものとなっております。  そのほかに水道・ガス・電話線・電気といったような供給施設、通信施設、それから道路、鉄道等の被害が相当大きく出ております。  そのほかに文教関係としまして、約四百七十校ばかりの窓ガラスの破損その他の被害が出ております。  また、先ほども話題になりましたように、石油タンク——これは東北石油の石油タンクが三基破損をいたしまして油漏れ事故が発生をいたしております。  そのほかに火災が九件ばかりございまして、そのうち学校関係の化学薬品等による火災が三件、それからガスホールダーの火災が一件、一般のものが五件、これらはいずれも大事に至ることなく消しとめられております。  以上でございます。
  100. 藤原房雄

    藤原房雄君 概況のお話ございましたが、死者二十三名ということで、また今回の被害が非常に大きかったことを物語っていると思います。お亡くなりになった方々に心からの冥福を祈る次第でありますが、さらにいまお話ございましたように、ガス・水道等生活に密着する問題で、都市圏の災害ということで非常に問題もございますので、当局としましても、政府としてもひとつ総力を挙げてこの対応策に万全を期していただきたい、こう思うわけであります。政務次官、どうぞひとつこの件についての御決意を。
  101. 上條勝久

    政府委員上條勝久君) 御指摘のとおり、今回の地震被害はきわめて甚大でありまして、近年にない実情でございます。政府といたしましては、御指摘のとおり、これが対策につきましては万全を期してまいりたいと、かように存じます。御指導をお願いいたします。
  102. 藤原房雄

    藤原房雄君 きょうは科学委員会で、詳細なことについては災害の委員会でまたいたすとしまして、当委員会関係ございますのは、何といっても予知関係の問題ですね。御存じのとおり、ことしの二月にもやはり相当な被害があったわけでありますが、こういうことから、いま非常に不安感といいますか、もうこのような大きな地震がないのかどうか、地元の住民にとっては最大の関心事であり、この不安というものは取り去ることのできない問題として残っておるわけであります。宮城県沖の三陸沿岸、この地方に対してのこの地震のよってくるいろいろな原因等につきましては、ほかのところとは違うとか、非常に複雑であるとかいろいろなことを言われておるわけでありますが、顧みますと、昭和三十年に二月と八月に仙台沖地震というのが、マグニチュード七・八、七・七と、こういうのが、わずか半年足らずの間に二回も大きいのが起きておる。昭和十一年、十二年の金華山沖、これまたマグニチュード七・七以上の地震が続いておる。こういうことで、この地方はどうも大きい地震が続いて起きるようなふうに見られる、こういうことを主張なさる方もいらっしゃるようであります。  また、今回のいろいろな観測データによりますと、相当なエネルギーがあって、百年から八十年の周期であるんじゃないか。そういうことだと、今回の地震というものはそのエネルギーを全部放出したのかどうか、相当大きいのがあるのかもしれない、こんなことも言われておる。それぞれの研究者によりまして、非常に困難な、いままでの学説だけでは説明でき得ない状況のようだ、こういうことも言われておりまして、こういうことから、現在起きたものに対してどうするかということももちろんのことでありますが、今後再びこういう大きな地震が当地方に襲いかかることがないのかどうか、これは住民にとって非常に重要な問題だろうと思います。このことについては、気象庁としましても、また国土庁、科学技術庁それぞれの立場でいろいろな検討をなさっており、また学者等の御意見もお聞きになって今日までもそういう問題については煮詰めてはいらっしゃるのだろうと思いますけれども、こういう問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、現在の時点でのお考えをお聞きしたいと思うのです。
  103. 園山重道

    政府委員(園山重道君) お答えいたします。  先生指摘のように、地震の予知ということが確実にできるようになることが非常に大事なことだと思っておるわけでございますが、何分にも現在までまだ地震予知の技術が確立いたしておりませんので、多分に学問的学術的領域が含まれておるものでございますので、私ども行政官といたしまして一概に判断ができないわけでございます。したがいまして、従来から日本地震予知につきましては、文部省に置かれております測地学審議会というところで学者の先生、専門家の先生方がお集まりになりまして、この予知を推進する計画をお立てになっておるところでございます。現在は第三次計画の最終年度にございまして、また来年五十四年度から始まります五カ年計画をこの測地学審議会で現在御検討中でございます。また実際に観測をされます専門家学者の方々がその情報を持ち寄られまして検討をされる場合として、国土地理院に地震予知連絡会というものがございます。私の伺っておりますところでは、従来、この地震予知連絡会が、地震の危険性のあるような地域を特定地域といたしまして九カ所、そのうち二カ所は特に観測強化地域ということで指定をしておられたわけでございますけれども、今回起きました三陸地方につきましては、この特定地域に指定されておらなかったと承知いたしております。このため、現在地震予知連絡会におかれましては、緊急に検討の会議を催しておられると伺っておりますし、またこれらの経験を踏まえまして、測地学審議会におきましても、この第四次の計画の中で全国の観測体制はどうあるべきかということの御検討がなされると、このように承知いたしております。  私どもは、こういった専門家の方々の建議あるいは一連の見解というものを待って観測強化をいたしたいと、このように考えるわけでございますが、何にいたしましても、全国に対しましてできるだけ緻密な観測網を張りめぐらすということが、地震予知の推進のためには最も重要なことかと考えております。  当面、一昨年来非常に大地震説が出されました東海地域を中心に観測強化をやってまいったわけでございますけれども、今回の宮城沖の地震の経験等を生かしまして、来年度以降につきましてもさらに努力を続けていきたい、このように考えておるところでございます。
  104. 藤原房雄

    藤原房雄君 国土庁長官ですか、特定観測地域にすべきだ、するのが望ましいというか、何かこれに関する御発言があったようでありますけれども、三陸・金華山が過去から見ましても比較的地震の多いところでもありますし、当然ここが観測強化地域でないといたしましても、特定観測地域には入ってしかるべきだろうと思うんですけれども、特定観測地域に指定するということになるとどういう条件が備わらなきゃならないのか。これは予知連とかなんとか、いろんなところでのお話し合いの中で、そんなむずかしい手続とか何かなくてそういう指定ができるのか。やっぱりいままでの被害をずっと見ますと、入っていないのが不思議ぐらいにぼくらは思うわけですけれども、ぜひこれは入れていただいて、いまもお話ございましたが、観測体制の強化というものをやっていくべきだと、こう思いますが、これはどうなんですか。
  105. 園山重道

    政府委員(園山重道君) 御質問の特定地域と申しますのは、先ほど申し上げました国土地理院がお世話をしております地震予知連絡会というところで指定をしておられるわけでございますけれども、御指摘のようないわゆる事務手続等、法律、法令に定められた手続ではございませんので、主として学者の先生方の御研究なり観測の成果の中から指定されるわけでございますが、私どもの伺っておりますこの特定観測地域というものは、歴史時代に大地震を経験した地域あるいは活構造、活断層のある地域、あるいは社会的に非常な重要な地域というところを特定観測地域に指定しておられる、このように聞いております。  このような特定観測地域の中で、さらに異常が発見されて観測を強化しなければならないというときにはそこを観測強化地域に指定すると、このようなことで進められてきたと伺っております。  御指摘の、この三陸地帯がなぜ特定観測地域に指定されていなかったかということにつきましては、私承知いたしておりませんけれども、今後緊急にその御検討がなされるものと伺っております。  なお、今回、大地震対策特別措置法が国会を通過いたしまして六カ月後に施行というように伺っておりますけれども、この中でも大地震対策を強化する地域の指定ということも盛り込まれておりますので、これらにつきまして今後鋭意御検討がされるものと、このように承知いたしております。
  106. 藤原房雄

    藤原房雄君 特別、法律で縛られているということもないわけでありますし、過去のことから言いましても、また最近石油タンクの石油流出ということに見られるように、三陸沿岸、また仙台湾を中心といたしますこういうところにつきましては、また福島県の原発がずっと並んでいること等を考えますと、やはり相当な監視体制というものが必要な地域ではないか、このように私は痛感いたしますので、ぜひひとつ特定観測地域に指定をして監視体制を強化する、こういうことで進めていただきたいと要望をいたしておきたいと思います。  いままでどちらかというと、三陸沖一帯というのは国の地震予知体制の空白と言いますか、非常に抜けているところじゃないかというふうにも言われており、今度のこの地震につきましても、いままでの学説で説明できない、いま複雑なメカニズムが働いているんじゃないかとかいろいろなことが言われておる。こういうことからいたしまして、やはり解明のために観測体制というのは強化すべきだと、このように思うわけです。特に陸上部分についてはもちろんでありますが、これは気象庁の開発した海底地震計ですか、こういうもので海底の実態というものを十分調査をする必要があるということも言われておるようでありますけれども、こういうことで観測体制というものをひとつ強固にして、このメカニズムなり、また三陸そしてまた宮城県沖、ここの実態、こういうものの中で今後災害を最小限度に押さえていくような体制を強化してもらいたい、このように思うのです。  それで、さっきちょっとお話し申し上げたんですが、いろいろな話の中で、要するに今度の地震によって、人によれば大きい地震はないのだということも言われておるようでありますけれども、今後いろいろ検討なさるというさっきお話でしたが、どのぐらい期間を置いてどうかということは非常にむずかしいことだと思いますけれども、今度の地震で、そう大きい地震が近いうちにくるという心配はないんだということは言えますか、どうか。どうですか。
  107. 小林寿太郎

    説明員小林寿太郎君) ただいまの先生の御質問、大変むずかしい御質問でございまして、まだ予知技術はそこまで行っておりませんけれども、いままでの過去の事例から言いますと、余震としてはまだいろいろあろうかと思いますが、先ほど来起きました程度のものがまた来るという見込みには現在私ども立っておりません。  以上でございます。
  108. 藤原房雄

    藤原房雄君 それから、太平洋プレートによる原因とか、そうばかりは言えないぞというようなこともいろいろ言われておりますですね。今回、気象庁としては、今度の地震についてはどういう見解を持っていらっしゃるのか。そこらあたりはいろいろ御検討なさって御見解をまとめていらっしゃるんじゃないかと思いますけれども、どうですか。
  109. 小林寿太郎

    説明員小林寿太郎君) お答えいたします。  実は、先ほど先生がおっしゃいましたように、今回起きました場所は大体地震の巣でございまして、これは前から群発性の地震が起こるということで私どもは監視してまいっております。したがいまして、予知という問題になりますと、その前兆という現象がとらまえられるかどうかということにかかるわけでございますが、現在までのところそれらしきものをつかんでおりません。したがいまして、いろいろと非常にむずかしい地域地震であるということは言えるかと思います。  ただ、最近の地震予知の関連の議論のベースになっております考え方と申しますのは、これはよく言われておりますプレート・テクトニクスの話でございまして、それをよりどころに考えれば、やはり地盤のもぐり込みがあって、そこでの一つのエネルギーの解消が地震となってあらわれたというふうに私どもは一応解釈しているわけでございますが、なお東北大学、あるいは私どもで三点ほど今度は五十二年度にいろいろ御理解いただきまして設置さしていただいたわけですが、青森、山形、大船渡に非常に高感度の地震計を置かしていただきましたので、そういった例、あるいは東北大学の微小地震の観測網がございますので、そういったデータの解析等、いろいろ情報交換あるいは意見交換をして、どういった原因か、あるいはそのメカニズムは恐らくなかなか究明できないと思いますけれども、ある程度の実態の解析と申しますか、そういったものをつかみたいというふうに現在進めているところでございます。以上でございます。
  110. 藤原房雄

    藤原房雄君 時間もありませんから、個々の問題についてはまた他の委員会のときにさしていただくといたしまして、とにかく、今度はブロックべいとか門柱とか、こういうものが倒れたために死者を多くしているということで、こういう点は非常に見なければならぬ。また、ビルのガラスが割れてけがをすると、こういうことで、防災都市というものに対して、もっとガラスなり構造、そういうものについて考えなければならぬのじゃないかとか、今回の宮城県沖の地震というのはいろんなことを教えておるだろうと思います。そういう点で、いままで余り耐震性というか、地震なんか余り念頭になかった東北地方であったろうと思うんでありますが、こういう点では今後大いに反省しなければならない、十分に検討して二度と同じ被害を受けないようにしなければならぬだろう、こういうふうに痛感いたしたわけであります。私も地元ですから、きのう、きょう地元の方へちょっと行ってみたんでそういうことを特に感ずるわけであります。  それから、やっぱり土地の造成地、新しいところ、古いところそれぞれに問題がある、こういうことについては、またほかの委員会でいろいろ申し述べたいと思いますので、ここでは一々申し述べませんが、ただ一点だけ、これは建設省になるんですか、大きな地割れがあったり、また傾斜地が崩落をするとか、こういうことでやっぱり相当被害を受けておる。相当住民の方々が家屋が全壊するというような被害を受けておるわけですが、いままで災害の場合に、急傾斜地の法律がございますけれども、急傾斜地の下の方で被害を受けそうだという、こういうものについては、国で移転のためにはある戸数がまとまればやろうということですが、今回の場合は、上の方にある家屋が下の土砂崩落のために家が危険になるというところもあちこちにあったようであります。また、早くに造成したところは、きちっとしたコンクリのじゃなくて玉石を積み上げたようなところ、そういうところにやっぱり被害が多く出ておるようでありまして、早くに造成したところ、余り規制の厳しくなかった時代、最近はまた、規制はある程度できても新しい造成地は造成地、それぞれに問題があるようなんですが、私はここで、急傾斜地の崩壊によりましての今後こういう方々に対しての対処というのは非常に問題だろうと思います。法律の適用になる以前の古い造成地と言っても、それはそのまま、放置できるものでは決してありませんし、今後安全なところに引っ越すような形になるか、またそこで生活ができるようになるか、それはその実態というものをよく見なければならぬだろうと思いますけれども、こういう急傾斜地の問題等についても十分に調査をして対処しなければならぬだろうと思うんですが、この法の適用から言って、いままでの急傾斜地の移転等についての考え方というのはもう少し弾力的に考えて適用しなければ、やっぱり被害というものは今後また広がっていくだろうし、また事故が起きたときに個人の災害ということで済まされない、こういう問題が起きてくるのではないか。今回は、公共施設が大きく崩壊して多くの方々がどうしたということではなくて、どちらかと言うと個人災害のようなものが非常に多いわけなので、こういう個人的な問題について弾力的な法の運用、こういう面でめんどうを見るような考え方というものがどうしても必要ではないかということを痛感しますので、一点だけちょっとお伺いしておきます。
  111. 城野好樹

    説明員(城野好樹君) 今回の災害に対しまして、政府は、昨日、一九七八年宮城沖地震非常災害対策本部を設置いたしておりまして、国土庁長官が本部長で、昨日第一回の本部会議を開催して応急対策をまず促進することを決定したところでございますが、本日、国土庁長官を団長といたします政府調査団を現地に派遣してございます。そこで、より詳細な被害状況の把握に努めますとともに、ただいま御指摘のございましたような都市の防災化、耐震化というようなものについて強化する方策、また土砂崩れその他による具体的左救済策ということにつきましては、非常災害対策本部におきまして具体的な対策調査検討し実施に移したいというふうに考えておりますので、ただいまお話のありました点につきましても、対策本部におきまして検討を進めさせていただきたいと思います。
  112. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 時間もきわめて限られておりますが、私も最初に、十二日の宮城沖地震関係で少しお尋ねいたしたいと思います。  まず最初に、いまも触れられました、追っておいおい具体化をするということではありますが、昨日の宮城沖地震対策本部で、災害対策として検討課題として上っているのはどういう項目ですか。   〔理事塩出啓典君退席、委員長着席〕
  113. 城野好樹

    説明員(城野好樹君) 昨日の地震非常災害対策本部におきましては、日時も余り経ていないということもございまして、とりあえず被害状況の把握ということで、先ほど説明申し上げましたような数字の把握をいたしたということと、それから先ほどお話がございました、生活に密接な関連のございますガス・水道・電気等の供給施設、道路・鉄道等の交通施設の早急な復旧を、とりあえず何にも増して優先してすべきことを本部長の強い要請によりまして決定したところでございます。
  114. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そういういわゆる目に見える、断水だとかガスが停止をしているとか、当然そういう緊急対策を生活上講ずべき問題があることは言うまでもないわけですけれども、たとえば、ガラス器具等を扱っておる商店の被害の問題だとか、直接目には露呈をしない、しかし生活上重大な損失を与えておる被害というものもたくさんあるわけですね。たとえば先般の伊豆地震、観光地の旅館街があるわけですけれども、あれ以来お客が激減をしているということで、いわゆる地震の後遺症としての深刻な経営難をもたらしておるという問題もいまなお尾を引いておるわけであります。そういった総合的な見地から、この災害の救援対策を国として積極的にどう講ずるかという問題としての対策本部としての検討を至急にやってもらう必要があるというふうに思うんですけれども、そういう点も含めて対策本部としては作業を進めるんだということになっておりますか。
  115. 城野好樹

    説明員(城野好樹君) 先ほど説明申し上げましたように、本日、国土庁長官を団長といたします関係各省の実務者レベルの調査団を派遣してございます。調査団が帰ってまいりますのを待ちまして、それらの詳細な報告を受けた上で、諸般の対策についての基本方針を早急に検討し、実施に移したいというふうに考えておる次第でございます。
  116. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それでは、いわゆる地震の予知体制にかかわる問題で、私もさらにもう少しお尋ねをしたいと思いますが、まず今回の地震について、それをはっきり予知というところまではいかないにしても、わりあい近い地域に、東北大学とか仙台の気象台とか、こういうところに地震計も設置をされておると思うんですけれども、異常と思われるような観測はキャッチをされておったわけですか。
  117. 小林寿太郎

    説明員小林寿太郎君) 私どもの高倍率の地震計におきましても、それから東北大学の微小地震の観測網がございますが、それからは前兆といった、いわゆる異常な現象というものはキャッチしておりません。  以上でございます。
  118. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そうなりますと、マグニチュード七・五というかなり大きな規模のそういう地震発生をしたにもかかわらず、東北大学や仙台の気象台で異常が感知されてなかったということは、その一言をもってしても、今日の地震体制が非常に不十分だということを、そのこと自体が露呈をしておるというふうに思うんです。  そこで、それにつけても思いますのは、実はこれは四月十四日の当委員会で触れておった問題でもあるんですが、五十三年度の予算を昨年の夏の概算要求と対比をしてみたときに、たとえば、科技庁関係の総予算、これは概算要求対比で九五・八%という査定になった。その内訳を見ますと、原子力は九八・九%、宇宙関発の関係は九三・七%ということで、いわゆる国家的政策目的に沿った大型プロジェクト部分、ここはかなり重点的に予算の配置がされておる。ところが、防災の関係で見ますと、概算要求と対比して七四・八%。さらにそのうち地震予知の関係について見ますと六七・四%だと、これは科技庁関係予算でありますが、さらにその他省庁の地震予知関係全体のトータルで見ますと、概算要求対比で七七・四%これは政府からいただきました資料をもとにしてはじいた比率でありますけれども、こういうふうに見ていくと、本来、昭和五十三年度においてできる限り地震予知体制の強化を図るということで各省庁概算要求要求をなさったと思うんですけれども、これが査定の結果、原子力の部分だとか宇宙開発の分野に比べて、かなり大きく削られておるという結果になっておるということになっていると思うんですけれどもお尋ねをいたしたいのは、概算要求時に比べて五十一二年度の地震予知体制の計画に何か支障は起こっていませんか、当初考えられておった計画に比べて。局長どうですか。
  119. 園山重道

    政府委員(園山重道君) 今年度、昭和五十三年度は、先ほど申し上げましたように、測地学審議会が出しておられます第三次計画の最終年度ということでございますので、測地学審議会で計画されましたこの計画、これは必ずしも定量的な数値を示しておられるわけではございませんけれども、それをその意図に従いまして、さらには一昨年来起こりました東海地震説その他を踏まえまして、できるだけの予算獲得ということをいたすべく、地震予知推進本部——内閣に置かれておりますが、私どもこれの事務局を担当いたしておりますので、関係省庁とも御相談をいたしましてできるだけの努力をしたわけでございます。  仕上がりにつきまして、必ずしも先生指摘のように全く満足すべきという姿ではないかと思いますけれども、私ども科学技術庁予算の中では、ある部分、特別研究促進調整費という一括して計上されておりますものを期待するというようなことにもなっておりますので、先生指摘のように、必ずしもこれによって第三次計画の遂行が破綻するといったような仕上がりではないと思っております。もちろん多々ますます弁ずではございますけれども、私どもはこの予算の中で、できるだけこれを有効に活用いたしまして、かつ関係省庁の連絡協調体制というものを御相談いたしまして、この与えられました予算の中でできるだけの成果は上げたい、このように考えておるところでございます。
  120. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 概算要求のときに比べて、決まったこの予算の削られた分は特別調整費でカバーをするんだというふうにおっしゃいますけれども、しかしこうじゃないですか。このいわゆる特調費で五十三年度地震予知関係に回すのは六億二千万円。五十二年度は七億五千万円、特調費から地震予知関係対策のための支出をやっておったんですから、五十二年度に比べてみても特調費のこの関係だって後退をしておるということで、私はやっぱり担当される担当官としては、いや、これで大丈夫ですというようなことを余りおっしゃらぬ万がいいと思うのです。測地学審議会の第三次建議というのも五十三年度が終結——終結といいますか、最終年度でしょう、第三次計題の。測地学審議会——学者、専門家の方が、五十三年度まてはここまでの地震予知のための体制をとるべきだということの建議があって、そのことに基づいて概算要求をなさったわけでしょう。ところが、それが残念ながら削られたということになっているというこの点は、やはり当初考えられた政府の側として、やはり残念な結果になっている。この一定の観測体制整備の上に弱点が出てくるということは、これは否めない問題だと思うのです。  そこで、さらにお尋ねをするんですけれども、さきに国会で成立しました例の大規模地震対策特別措置法、この法の中でも第四条で「地震に関する観測及び測量の実施の強化」に努めるんだと、あるいは第三十三条で、地震予知に関する「研究体制の整備、研究の推進及びその成果の普及」ということをはっきり法文上も今度のあの法律でうたっているわけでありますけれども、そこで、こういう新しい特別立法がなされたということに基づいて、さっき藤原委員指摘をされておった、どう見たって、いままで何回も起こっておる宮城県沖のこの地域を特定観測地域に加えるということは、これはまあ当然のこととして、さらにこの地域だけに限らず、全国的にどのように地震予知の観測体制を強化をするかということが、いま国民全体が注目をしておる問題だと思うんです。そういう点で、新しいそういう特別立法も行われたということに基づいて、これから予知体制の充実強化を図るという点について、政府としてはどういう具体的な構想を持っておられるのか。それはまた測地学審議会の御意見も聞きましてという、そんな答弁は私は期待していませんよ。政府自身としてはどういう構想を持っているのかという点についてはどうですか。
  121. 園山重道

    政府委員(園山重道君) お答えをいたします。  まず最初に、科学技術庁の特別研究促進調整費についての御指摘がございましたが、昨年度確かに七億五千万ということで計上をいたしたわけでございますが、これは一昨年、予算概算要求提出後ににわかに東海地震説というものが出まして、そこで私ども科学技術庁といたしまして、いわば追加差しかえ的な形で要求をいたしまして七億五千万を計上したわけでございます。したがいまして、五十三年度におきましては、関係省庁におかれましても、五十二年度特調費で賄った分につきましてそれぞれの省庁でも要求をされておられますので、形の上で七億五千万が六億二千万と減っておりますけれども、全体の予算といたしましては、先ほど歩どまりについてのお話がございましたが、仕上がりの予算といたしまして、五十二年度に比べまして二九%増の四十七億円という計上をいたしておりますので、必ずしも測地学審議会の第三次建議ができないということではないと思います。
  122. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 余りそんなことを言われると、概算要求要求の根拠がどういう根拠だったかということになりますよ、減ったってかまわないと言うんだったら。
  123. 園山重道

    政府委員(園山重道君) これは私どももできるだけの努力をするべきことであり、また今後ともその努力をするわけでございますが、一応そういった数字関係を申し上げさしていただいたわけでございます。  さらに、次の御質問にございました、今度の大規模地震対策特別措置法の成立によって今後の予知体制の充実をいかに考えるかということでございまして、あらかじめの御指摘ではございますけれども、やはり私どもは今日の地震予知というものが過去ずっと測地学審議会で計画を立てておられますので、しかもその建議が近々に出されるということでございますので、この建議を尊重するということはまず第一に考えなければいけないかと思っております。測地学審議会におかれても、今回の宮城沖地震その他の最近の経験を恐らく取り入れて御建議がされるものと思われます。しかしながら、私どももこれを測地学審議会だけに頼るということではいけないわけでございまして、政府といたしましては、この大規模地震対策特別措置法というものができたわけでございますが、もちろんこれに対しまして具体的に今後の体制をどら運用していくかということにつきましては、この特別措置法が施行されるまでの間に国土庁を中心にいろいろ検討がされるわけでございますが、従来、私ども地震予知推進本部の事務局を務めてまいりましたので、この体制がどうあるべきか、またその中で、単に東海地域、関東地域のみならず、全国的な観測網をどれだけ充実すべきかということにつきましては、真剣に検討をいたしまして五十四年度予算に反映させていきたい、このように考えておるところでございます。
  124. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 重ねて次官にお願い、お尋ねをしておきたいと思うわけですけれども、今度の特別立法が六カ月以内に施行をする、こういうことになるわけでありますから、さっき引用しました第四条なり三十三条に、地震の観測体制の整備、予知体制の整備、強化ということを明確にうたっておるわけでありますし、五十四年度予算でという、もちろんそこでの抜本的強化を図るということは重要な問題であるわけですけれども、それを待たず、いろいろ予算の執行上の工夫というものもあるでしょうし、補正予算云々ということも話に出たり、予備費を使うという方法もあるでしょうし、あらゆる方策を含めて、早く国民の不安にこたえるという意味での予知体制の整備、強化を図るということでぜひやってもらいたいというふうに思うんですが、どうですか。
  125. 上條勝久

    政府委員上條勝久君) 政治的な判断を申し上げますと、私も、日本の科学技術がこれだけ進んでおる中において、この大事な地震予知に関する技術がどうしておくれておるんだろうかという疑問を持つ一人でございます。  御指摘のとおり、さきに成立さしていただきました地震対策特別措置法は満度にこれを活用いたしまして、さらにまた、御指摘のように必要な予算等につきましては、各省庁協議の上、今後とも最善の努力をしてまいりたい、かように思っておるところでございます。
  126. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それでは、時間がありませんので、あと話題を変えて残されておる時間質問いたしたいと思いますが、六月五日の商工との連合審査会でわが党の市川議員が指摘をしました、五月二十六日の東海再処理工場での放射能汚染に関する問題でありますが、五日の時点では当局は知らなかったということで、直ちに調査をするということに基づいての調査の結果の概要はメモでいただいておるわけでありますけれども、もう時間がありませんから、このことを繰り返し説明を求めるということはいたしません。  ただ、一つお尋ねをいたしたいのは、そのメモによれば、原因としては「サンプリング・ベンチ(M1)のボール・ジョイント部分から漏洩があったものと思われる。」というふうに書かれておるわけですけれども、この内容ですね、この漏洩が起こった原因、このことをもう少し簡単に説明してください。
  127. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) サンプリングベンチのナンバーワンの内部にトングがございまして、それを覆っておりますビニール製の蛇腹のようなものがついておるわけでございます。そこに微小の破損が生じて、内部の扱っておる放射性物質が——これは水溶液でございますが、にじみ出てきた、その結果汚染したものと考えております。なお、このベンチ自身は、その後外部を徐染いたしまして、さらにビニールで覆いをかけて、その上で現在使用中でございます。近く予定されております定検の際にこれを修理、補修することにいたしておりますので、どの程度の穴があいておるかというのはその際に十分検討してまいりたいというふうに考えております。
  128. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 いまそういう溶液が漏洩をしたんだという御説明でありますが、片一方、実は動燃の当局が動燃の労働組合に対してこの問題の説明を行っております。その資料を私手に入れておるわけですけれども、それによりますと、サンプリングベンチのボールジョイントから粉末が外に漏れ出たものだと、こういうふうに書いておるんですけれども、この点についてはどういうことなんですか、矛盾があると思うんですけれども。いま局長が御答弁なさったのは、動燃側からの報告に基づく科技庁の御報告だということですか。
  129. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 非常にわずかな水溶液が微小な穴から外へ出てまいりまして、それはある一定の時間をたちますと当然蒸発乾固をいたしますので、下に、たとえば床を汚染し、それを作業者が——くつをはいておりますが、そのくつで床を汚染した経路につきましては、粉末状になったもので行われたんじゃないかという想定もできるわけでございます。そこで、動燃の方では、そういう漏れ出たものが粉末状等になって出ておったというふうに発表しておるものと思っております。
  130. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 その、発表しておるものと思いますということで、後から触れる問題とも関係をするんですけれども動燃側が科技庁側に出す報告と労働組合側に説明をする内容が違った内容報告説明がやられておる、このことが私は一つ合点がいかないわけです。ですからこの点については、ぜひひとつもう一遍、何が原因でどういう現象が起こったのかということを統一的にはっきりしていただきたいというふうにお願いしますけれども、これはよろしいですね。
  131. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私、直接動燃に聞いたわけではございませんが、私ども担当官からその辺の事情を聞いたところが、微小なところから漏れてきたのは水溶液であろうと推定しておること、それから汚染を広げた原因は、漏れ出た放射性物質が乾燥して飛散をする原因をつくったこと、場合によりましては、水溶液のまま衣服等に付着したこともあり得るということを聞いておりますので、私はそういうふうに申し上げた次第でございます。  なお、先生の御指摘でございますので、なお詳細にもう一度詰めてみたいと思います。また、場合によりましたら御報告を差し上げたいと思います。
  132. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 それで二つ目の問題は、五月の二十六日にそういう事故が起こりながら、六月の五日——十日経過をして、私ともが委員会指摘をして初めて科技庁としても調査に乗り出すということで、またもや、いままでたびたび問題になってきた動燃側のいわゆる事故隠しが依然として後を絶っていないというこの問題が私は重大だと思うんです。すでに五十年の十二月の二十五日に原子力局長の名前で異常発生時の連絡通報体制を一段と強化をせよという通達が出され、さらにその後も事故隠しが後を絶たないということで、昨年の終わりごろに原子力局長、安全局長連名通達というものまで出されておる。にもかかわらず、今回またこういう事故隠しが繰り返されておるというこの問題について、監督官庁としてはどういう見解を持たれるのか。何遍言うてもそれを守らない事業団の責任者に対しては、私は断固たる措置をとる必要があるというふうに思うんですが、その点はどうかということと、一方、労働組合に対する当局側の説明でこういうことを言っているんですね。わが工場ですね、再処理工場としては体内吸収と鼻スミアーで優位な値、あるいは床汚染で十のマイナス三乗マイクロキュリーないし十のマイナス四乗以上を報告の一応の値と考えている。今回はゼロコンタミの思想から除染は行わなかったが、汚れとしては法に定める管理区域の基準以下でもあったので事務所への報告もしていないというふうに組合の質問に対して当局側は答えているわけです。科学技術庁の方から両局長連名までの、とにかくマイナーとはいえ、きちっとその報告をしなさいということの徹底を図っているにもかかわらず、動燃当局は、こういうことを組合の代表に対して依然として言い張っているというこの事実をどう思われるのか。事故隠しが何ぼ言うたって繰り返されるという場合には断固たる措置をとるべきだと思うんですが、その点どうですか。
  133. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 先生指摘のように、五十二年の十月の十八日に動燃事業団に対しまして、原子力局長並びに安全局長連名で通達を出しております。その中で、このようなトラブルについての連絡通報の体制、あるいは連絡すべき事柄等々につきまして検討せいという趣旨の通達を出しておるわけでございます。で、その返事を持ってまいります段階で、確かに動燃としては、ある一定レベルのきわめて微細なトラブルについては、特に体内被曝等がないような場合には、内部に連絡するだけにとどめて報告しないという制度を考えてみたいという話もあったことは事実でございますが、現在の動燃事業団が置かれております社会的な責任を考えました場合に、そのようなことをし得る段階にないという判断を私どもはいたしまして、引き続き、従来から私どもが指導しておりますささいなトラブルについても内部に公表し、その上、同時に役所にも連絡し、外部にも公表していくようなシステムをとろうということで話し合ったことがあるわけでございます。したがいまして、動燃事業団としては、現在のところささいなトラブルについても報告するということが科学技術庁との間のルールになっております。本回の事件につきまして、確かに現場から再処理工場の工場長までは、所長までは上がったようでございますが、所長の判断で、体内被曝がなかったというようなことから、東海事業所並びに本社に事務的な通報がなかった、したがって私どもの方にも何ら報告がなかったというきわめて遺憾なわれわれとの間のルール違反を犯したわけでございます。この点につきましては、国会における御指摘で直ちに調べてそれが判明したわけでございますので、このルール違反というものは、働いている方々が十分にそれをわきまえていない、わきまえているにもかかわらず、そういうほかの考え方で押さえてしまったということはきわめて遺憾であるということを直ちに指摘いたしました。その結果、動燃としましては、文書によりまして副理事長名でその責任者に対して厳重な注意をすると同時に、その注意につきまして全事業所にこれを周知させた。それからもう一点は、こういう措置を行ったことにかんがみて、全事業所においても今後ささいなトラブルについて、先生おっしゃいますような事故隠しと言われるようなことがないように、ルールに従って報告するという措置をとるようにという指示を担当理事名で通達を出したような次第でございます。私どもといたしましては、そのような内部的な一つの懲戒処分にも等しいことを再処理建設所長に行いましたので、一応動燃のとった処置は適当であったというふうに考えておる次第でございます。  なお、その後、理事長が大臣のところにも参りまして、今後十分現在約束事になっております発表につきましては、十分遅滞なく連絡するようなことを努力するという意思の御表明もございましたので、私どもとしてはその措置を了承したところでございます。
  134. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 明確な科技庁の指導方向に対するルール違反があったということは確認をされながら、そういうようにルール違反に基づく措置の指導方向が私大変なまぬるいと思うんです。たとえばいまの厳重注意と、それから事業所にそういう違反行為があったことを周知徹底をさせるということを指導したというんですけれども、たとえば掲示等でどういう内容の掲示がどういうふうに出されているのかということを点検をされておりますか。
  135. 牧村信之

    政府委員牧村信之君) 私どもは現実的に点検はいたしておりませんが、担当理事が直接各事業所等に通達をした文書並びに文書による厳重注意の文書、並びに事業所の所長の始末書、これの写しをそれぞれ拝見しておりますので、それが一定のルールで各事業所の方に回覧されておるものと思っておる次第でございます。
  136. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 もう最後ですけれども、そういう事業所に事のてんまつと注意を文書で周知をすろんだと言いながら、そのこともきちっと点検をきれてない。ぜひこれは点検をしていただきたいと思うんです。内部でどういうことが実際に約束どおりにやられておるか。  それから、最後に次官にお願いをしておきたいと思いますけれども、始末書をとるという程度じゃなくて、私はこれだけ事故隠しが続くんですから、責任者に対して厳重な懲戒措置をやっぱりきちっとやるべきだと、そのことをぜひ検討をしていただきたいというふうに思います。  以上です。
  137. 上條勝久

    政府委員上條勝久君) 十分検討さしていたかきます。
  138. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 他に御発言もなければ本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  139. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  140. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  142. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査のため、閉会中委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 藤原房雄

    委員長藤原房雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日は、これにて散会いたします。    午後五時二十三分散会