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吉田正雄君 次に、専門審査会と部会の開催
状況についてお聞きをしたいと思うんですけれ
ども、ここに出席をされております
武田審議官は、安全審査会なり、あるいは何か三つの専門部会に所属をされておりますね。私は、これは担当官庁の特に担当者としては幾つかの専門部会に出て横の連絡調整を図るというふうな点では、これはまた当然だというふうな感じもするんですけれ
ども、私は特にこれは局長なり長官にも十分留意をしておいていただきたい点があると思うんですけれ
ども、部外のいわゆる行政庁の職員以外にお願いをしている非常勤の専門審査会あるいは部会の
委員で三つも部会を担当しておるというふうな方が何人かあるわけですね。私は、これは実際業務といいますか、専門審査
委員としての任務を遂行しておるのかどうかについては疑問である、というよりも、実は十分遂行していないという批判が出ておりますし、特に「むつ」問題に絡んで放射線漏れ問題
調査委員会、いわゆる大山
委員会の報告書の中でもこのことを厳しく
指摘をしておるわけです。長官は、この「むつ」問題についてはいろいろ御報告も受けられ、あるいは大山
委員会の
調査報告書もお読みになっておると思うんですけれ
ども、再度記憶を呼びさましていただくという観点から、長い
部分でありませんのでちょっとだけ読んでみます。それに従って、今後専門審査会の
委員なり専門部会の
委員の任命に当たっては、この
指摘なり批判に十分こたえる、そういう人選をぜひ進めていただきたいと思うんですね。技術的には、私は、各
原子力局なり安全局の方で担当されるわけですから、これは私は十分ひとつ頭の中にたたき込んでおいていただきたいと思うんですね。単に機構だけ、形の上だけ整えたけれ
ども、実際の人選に至っては一体どこに法改正の趣旨が生かされたかわからぬというふうなことであっては困ると思うんですね。大山
委員会ではこのように
指摘をしているわけですね。
原子炉の設置
許可は、
原子力委員会の意見を尊重して、内閣総理大臣が行う。内閣総理大臣に対し、設置者から設置
許可申請が出されると、その
内容の是非について、内閣総理大臣は
原子力委員会に対し諮問する。
原子力委員会は、設置
許可申請に対する
原子力委員会の意見をきめるに際し、安全性に関する
部分については、内部機構として設けられた原子炉安全専門審査会に
調査審議を行わせる。同審査会は、原子炉などの基本設計について審査を行うが、詳しい設計・工事の方法の
内容にまでは立ち入ることはない。
ということで、ここで問題を一つ
指摘をしております。そして、
原子炉安全専門審査会の
委員は非常勤と定められており、一般に大学、研究所の研究者がパートタイマーという形態で審査に当たっているので、必ずしも常に最も適当な専門家を当て得るとは限らない。したがって、審査の実態についても、申請された原子炉の安全性について、申請者側の計算を再計算によって
確認することなどは事実上困難であり、また、原則として書面審査のみであるため、設置
許可を決めた原子炉がその後どのように運転されているか、また、技術的に問題はないかなどを絶えず注意し、これを次の審査に反映させるという一貫した技術のシステムに欠けるところがある。いうならば、
ここからがまた重要ですが、
高名で多忙な学者、研究者にこのような実務的な作業を委ねること
自体に無理があると言わざるを得ない。この結果、審議
内容は往々にして、結果に対する責任と役割の限界をあいまいにしたまま、無難な結論が採用される恐れがある。
こういうふうに
指摘をしているわけですね。そこで、現在三つもダブっている。そうすると、現職の一体大学教授の方はどうなっているのかという逆に心配も出てまいるわけですし、この前私は「むつ」問題の参考人を呼んでの意見陳述の際、安藤先生にも質問したわけですね、あなたは何回ぐらい出席をされましたかと聞いたんですが、そのとき半分出席したかどうかというふうな回答だったわけですね。そのようなこともありますので、私は本当にこの専門部会なり審査会が機能するためには、いま
指摘をされたような点、十分に留意をしていくべきだと思いますし、この改正案を契機に、任期というものが特に定めてない限りは、私はここでそのような批判にこたえる人選というものを行うべきではないか、任命し直すべきではないかというふうに
考えておるわけですね、この各専門部会の
委員について。この点についてどのように
考えられておるのか、長官と
原子力局長、安全局長のお
考えもお聞きしたいと思います。
もう一つ、これは長官にお尋ねをしたいと思うんです。
先ほど私は原子炉安全技術専門部会の部会長はどなたですかとお聞きをしたところ、現
原子力委員が部会長であるという
答弁だったんですね。
〔理事松前達郎君退席、
委員長着席〕
それからさらに非常勤の村田
委員については、原研の副理事長であるということなんですね。そこで、私はこの前、
原子力委員なり今度新しく設置をされる
原子力安全
委員の人選については、大局的見地から云々というふうな一般原則論というのがありますけれ
ども、一体その基準をどうするのか、私はやはりこの法案の趣旨なりからして、超党派的に賛成が得られる
委員というものを人選すべきではないかということも申し上げて、長官は中立的というふうなことを
答弁されたわけです。
ところが、先般の参考人を呼んでのこの聴聞会で、私の方から有澤先生に対して次のような質問をしたわけですね。基準と言っても確かにむずかしいけれ
ども、消去法というもの、つまり、これは条件としてふさわしくない、欠格条項のようなものを定めることによって人選をするのも一つの基準ではないかということを申し上げたわけですね。例として、たとえば学校の校長なり教頭なりが教育
委員になるということは、政策を定め、それから現場を
指導する教育
委員に、
指導監督を受ける側の校長、教頭が
委員になるということは、これはそもそもおかしいんではないかということで、私は
原子力委員というのは、そういう点ではすべての面からまさに中立的、自主的、独立的な機能を果たす面からも、自分が
指導監督する下部機関の役員が
原子力委員になるということは、みずから
指導され
指導するというきわめておかしな立場になるんじゃないか、これはおかしいんじゃないかという質問に対して、有澤先生は、当初はそうでありませんでしたと。ところが、最近だんだん乱れてまいりましたと。しかしまあ、政府が任命し、
国会が承認したんだから、それ以上私
どもは何とも言いようがないというふうな意見を述べられたわけです。
そこで、いま私がお尋ねしたところでも明らかなように、重要な基準なり指針というものを決める
原子力委員会、まあ現行
原子力委員会、今度は安全
委員会になりますが、その諮問機関の部会長に
原子力委員がなっている。自分でみずからつくった基準、指針を、今度は
委員の立場でもって審査をして、これはよろしいという決定を下していくというのは、全くこれはおかしな立場になるわけですね。そういう点で、私はそのような人選は望ましくないと思いますし、また、
原子力委員がそのような専門部会まで、部会長にまで、あるいは
委員にならなければならないほど人材難だとは思わないんですね。そういう点で、まあそのようになった経過というものはあろうかと思うんですけれ
ども、これからそのような人選をすべきではない。村田
委員についても同様です。
原子力研究所の副理事長である。
原子力研究所というのは、要するに
原子力委員会の指揮監督下に置かれる研究機関ですね。そこの副理事長が今度は
指導監督する
原子力委員であるというのは、全くこれもまたおかしなものでして、まあ有澤先生によっても、そういうのは好ましくないというのがこの前の御意見なんです。当初はそんなことはなかったとおっしゃっているんですね。最近乱れてきたとおっしゃっているんですよ。そういう点で、私はこの法改正を契機に、あくまでも
原子力委員会なり安全
委員会というものが
企業に対しても、あるいは政治的にもまさに中立であり、自主、独立の
判断を下し得る、そのように機能するためにも、また内部
関係からいっても、自分の指揮監督する下部機関なり、そうう外郭団体の役員が兼ねるということはふさわしくないんじゃないかというふうに思っておりますので、この改正を契機に、ここでひとつ人選のし直しをやる必要があるんじゃないんでしょうかと、法の許す範囲内においてですね、思いますが、この点についての長官の御意見をお聞きしたいと思うんです。