○岩上二郎君 研究所等においては
科学技術庁サイドから、それから事業会社等に対しては通産省からというような流れ方になっていると思いますけれ
ども、安全のサイドあるいは環境のサイドから問題を
考えるという立場からするならば、むしろ
科学技術庁のサイド、もっとはっきり言うならば、安全
委員会のサイドから、横に見るという、そういうことでの補助金の交付というものがより望ましいのではないだろうか。そうでないと、通産省は、どちらかというと事業団体をできるだけ抱えて、一生懸命
開発をしてもらうというサイドに立っている省ですから、それが交付金を出してきますと、やれ、やれ、やるためにはお金を出すよというようなことで、今度はまあ終わればもう三年間でおしまいだ、こういうふうになってしまうようなことではやはり問題ではないだろうか。むしろやはり永遠に
安全性なり環境の問題を
考えるというならば、ここにやはり補助金のルートについてももう少し再検討する必要があるんじゃなかろうか、このように私は
考えます。
そこで、いろいろと申し上げておりますと時間がかかりますので、
意見だけを申し上げておきますけれ
ども、むしろ横から物を見るという、そういうサイドで補助金交付という問題はお
考えになることが必要じゃないだろうか、こういうふうに思いますので、御検討おきいただきたいと思います。
それから茨城では具体的に、最初に研究所、そうして天然ウラン、黒鉛使用の
原子力発電を最初に
日本でつくったものですが、あの当時私が
責任者という立場に立って、むしろ否定的な立場に立って具体的な問題に取りかかったわけですけれ
ども、そのためかどうかわかりませんけれ
ども、完全に
日本版といったような原子炉が生まれた。ハチの巣型というか、そういう性格にまで変えていったという歴史的な
経過がございます。したがってお金も相当かかったと思います。しかし、その後濃縮ウランを活用することによって軽水炉、これがより安全であり、しかも効果がある、しかも経済性が追求できるというふうなところからそれぞれの地域において軽水炉をどんどんつくり始めてきた。もちろん、この事故なるものも、専門的な目から見るとそれほどでないような面もないわけじゃございませんでした、初期的なあるいは初歩的なミス、こういうふうなものがわれわれの立場から見ると、そんなふうに感じます。しかしこれがやはり被爆国の
日本民族のそういうアレルギー体質もあって、相当やはり
国民的な世論を喚起してしまったということもございますが、しかし、やはり事故があってはならない。ここで、なぜ起きるのかということになると、それぞれの会社が焦る、それから従来の
行政になれが出てきている、こういうふうなことから生まれた
一つの現象と、もう
一つは、各企業でも事業所でも同じと思いますけれ
ども、どちらかというと、幹部が東京、大阪にいて、そして現地に入って労務管理
体制、そういうふうなものをじっくりとやっていかなかったというところにも
一つのミスがありはしなかったであろうかというような感じもしないわけではございません。案外小さいところに事故が起きやすい、それが何でもないと思うのが案外事故が起きやすいという、こういうふうなこともあると思いますので、ここらあたりはやっぱり十分にお
考えおきいただく必要があるんじゃないか。
それから、もう
一つは、それぞれ企業体が具体的な仕事を進める場合に、この安全
委員会が生まれる限り、この安全
委員会のブランチを全国的に幾つかのブロックに分けて常時監視ができるような、そういう配慮が
行政的にできないものであろうか、安全
委員会のブランチとしてそれができるかできないか、ここらあたりが
一つ問題になるんじゃないか。というのは、通産省のサイドから――事業団は通産省であります、具体的に実施
設計からずっと一貫して通産省がめんどうを見、その間に安全のためのチェックもするということになっておりますけれ
ども、安全
委員会のサイドからも、やはりその事業団体ごとに常時監視をするような
体制があっていいのではないかということもひとつこれは御検討される必要があるんじゃないか、こういうふうに思います。
時間もありませんので、要求というか、問題を提起をして、それぞれ御検討おきいただければそれで結構でございます。
それから防護
体制の問題でございますが、この防護
体制の問題で、この前、後藤
議員から御質問がありました際に、
大臣お答えになりました際に、これで果たしていいんだろうかということをちょっと感じたので申し上げるんですけれ
ども、輸送
関係とか、あるいはその保存、貯蔵する、こういうふうな
段階、あるいは具体的に運転している過程の中で民間の警備会社、これを活用するという
考え方は一体どういうものであろうか。まあ、
日本のように開放自由経済時代とさえも言われておる中でどんどんと走りめぐっているような過激左翼集団等もおりますし、まあ非常に思想の自由な国であるだけに、内部の通報等もいろいろ合わせて、具体的な何を起こすかわからないような、これはもう成田空港にも見られるような現実に直面している
日本のいまの社会
体制の中で、民間の警備保障会社に委任をするだけでは問題じゃないか。やはり警備
体制というものをどうしたらいいのか、ここらあたりも十分に
考える必要がある、このように思います。
それから、これは後でお答えいただきたいと思いますが、再処理施設の問題で、これは
日本にたった
一つしか
政府関係の事業団としてはないわけです。しかし、どんどんと各地域に
原発がつくられていく。そうすると、もうどうすることもできない。一時は全国的に四カ所ないし五カ所をつくるというような計画がないわけではなかった。しかし、それは何となく燃えかすを処理するのは危険だというか、そういうふうなムードに支配されてか、とにかく
政府は一カ所しかやらない。そして、民間は後で引き受けますよ、こういうふうな
意見も民間の電力会社からは出ていた。しかし、いまもって……。意気込みはあるとしても、なかなか再処理施設というのは問題ではなかろうか、こういうふうに思うんです。そこで、このどんどん出てきてまいりました燃料を再処理するということのためには外国に、まあいまフランスですか、送ってますね。それが年限を決めてやっているわけです。多分六十年か六十六年ぐらいだろうと思いますが、この契約が果たしてそのまま実行されるのかどうかということが
一つと、もうわずか十二、三年しかないわけですが、後でこの契約更新ができない場合に、じゃ一体どうするのかということになると、これはもう非常に大変な量の燃えかすを抱えなきゃならない。じゃあ東海村の二百十トンのあの再処理工場を拡大するかというと、これはもうちゃんとまあ
大臣と知事との間で、はっきりとその拡大は許せませんよというようなことになっておりますから、それを一体どうするのかということが
一つの課題になってくる。これは民間で引き受けますよと言っても本当にやれるんだろうか、そういうふうな実は疑念を持つわけです。
そこで、やっぱり
政府も、この再処理問題というのは非常に重要なものである。それやれ、それゴーだということで、口から入れることは最もお得意だけれ
ども、おしりから出てくる問題についてはえてして手抜きがある。むしろおしりの問題を
考えて、そして口から入る問題をやはり
考えるというその整合性というか、そういうものがやはり
行政の中で必要であるという
意味において、私はこの再処理問題というのを本当に真剣に、これは民間でお
考えになるならばなって結構なんですけ
ども、ここらあたりも十分に御指導願う必要があるし、それをどこに
立地するのか、こういうふうな問題、私はもうこれ非常に重要な問題じゃないかというふうに
考えます。まあ東海村周辺ではあれはなかなかできないから、いつの間にか、もうあと十年も過ぎると忘れかけたころには今度は設備が拡大されて、この東海村にわんさわんさ来るんじゃないか。そうすると、この道路は一体これでいいんだろうか、じゃあ船はどうなんだろうか、いろんなものの心配がやはり一時は巻き起こった
経過もないわけではございませんでした。したがいまして、この問題というのは非常に重要な問題であるということを十分に御認識おきいただきたいと思います。これにつきまして、これは
大臣よろしゅうございますか、御答弁をいただきたいと思います。